【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話 作:月見ハク
暖かな春の陽気が気持ちいい朝。
生暖かい空気を切って、俺は全力疾走していた。
開きっぱなしのスマホの画面には、アヤからの「急いで~!」という短いメッセージが表示されたままだ。
彼女の家に泊まったバレンタインデーから早三週間。
今日は学校の卒業式だった。
そんな記念すべき日に、俺は絶賛遅刻中だ。
連日連夜仕事を入れまくり、昨日もベッドで明け方まで資料を読み込んでいたら見事に寝坊してしまった。
もうアヤに「寝ぼーやん」とからかわれても反論できない。
正門を通り過ぎ、いつもの校舎ではなく卒業式会場である体育館へと走る。
中に入ると、すでに卒業証書の授与式が始まっていた。俺より出席番号の前の生徒たちが、次々に証書をもらっている。
俺は急いで舞台袖へ駆け込み、ギリギリ列に割り込んだ。
息を落ち着ける間もなく、名前を呼ばれる。
「はいっ!」
自分でも驚くほどの大声を張り上げ、校長先生の前に進む。
証書を受け取って振り向くと、整列した生徒たちの中にアヤを見つけた。
思わず笑いそうになる。
彼女は大粒の涙を流して泣いていた。自分のハンカチはもう使い物にならなくなってしまったのか、隣の女子生徒からハンカチを借りている。
それなのに俺と目が合った瞬間、顔に満面の笑みを浮かべた。号泣しながら満面の笑みを浮かべるという器用な表情に、また笑いそうになる。
『寝ぼーやん』
彼女の唇が、そう口パクをした。からかうような表情を浮かべているのを見て、ああこれは一生ネタにされるやつだなと覚悟を決める。
アヤはふっと顔を緩めると、ふんわりと微笑む。
『おめでとう』
そう口を動かすのが分かった。
彼女の優しい笑顔がまぶしすぎて、頭がぼーっとしてくる。
少しフラフラになりながら舞台を降り、卒業生の列に混じる。
「あれ……」
おかしい。アヤが可愛すぎたにしても、こんなに体がふらつくのは変だ。
やばいと思ったときには、グラリと視界が反転していた。
「ぼーやん!」
誰かの叫び声が聞こえる。
ああこれは、あれだ。
寝不足や過労といった言葉が脳裏をよぎる中、俺の意識は遠のいていった。
気持ちのいい風に頬を撫でられ、目を覚ます。
天井には見慣れない蛍光灯。
ここは……学校の保健室だ。
どうやら俺は保健室のベッドで寝ていたらしい。
窓が開いていて、外に大きな桜の木が見える。そよ風に薄桃色の花びらが舞う。
「ああ、そっか。やっとたどり着いたんだ」
以前、何度も見ていたゴールの夢。
それとまったく同じ光景が視界に広がっていた。
ということはアヤも。
「ん……ぼーやん?」
俺のお腹のあたりで茶色い頭がモゾモゾと動く。
彼女が片目をこすりながらこっちを見つめていた。
「おはようアヤ」
「ん゛ぅぅ、こっちのセリフだし……おはようぼーやん」
長袖の灰色ブレザーを着た彼女が少しだけ体を起こす。
ブレザーのボタンが全て消失しているのを見るに、きっとカナッペや後輩たちに奪われたのだろう。
白いブラウスは第二ボタンが外れていて、そのわずかな隙間から深い谷間が見えた。起き上がりかけで重力によって下を向いた大きな胸に、目が釘付けになる。これも夢と同じだ。
春のそよ風に、アヤの綺麗な前髪が揺れていた。
ぱっちりとした二重の目元に涙が浮かんでいる。よほど卒業式で泣いたのだろう、頬には涙のあとがくっきり残っていた。
「ぼーやん急に倒れたからびっくりしちゃったよ。心臓が口から飛び出るかと思った」
「ああ、そうか……心配かけちゃってごめん」
「すっごく心配したんだよ。で、慌てて駆け寄ったらさ、ぼーやんスース―寝息立ててるんだもん。心配と安心の大洪水だったよ」
「ほんとごめん」
「みんなで運んだんだから……後で一緒にお礼言いに行かなきゃ」
「それは、ほんとごめん」
「……仕事?」
アヤがうかがうように見つめてくる。
「うん、立ち上げに加わってる会社の資料読み込んでた」
「そうなんだ」
「ああ、でもこれからはかなり時間の余裕ができると思う」
そのために頑張ってきた。多分、どの未来の俺よりも。
「そうなんだ……すごいね、ぼーやんは」
「全部、アヤが可愛いおかげだよ」
「なんじゃそりゃ」
彼女が呆れたように微笑む。
でも本当に、そうなんだ。
「アヤ、春からは一緒に暮らそう」
「……うん」
「駅と実家に近いほうがいいよね。マンションとかどう?」
もう、あのアパートで暮らしている光景を夢に見ることはない。それどころか、直感は今も忙しなくシミュレーションをし続けている。
あのバレンタインの夜以来、未来はずっと不確定なままだ。それは同時に無限の可能性が存在するということでもある。
「マンションって、ぼーやん気が早すぎじゃない?」
「春から同棲と考えるとかなり遅いほうだよ」
忙し過ぎて、新居探しに手が回らなかったことが悔やまれる。
まあ別に、焦らなくていいだろう。大学に通いながらでもじっくり探せばいい。
「あーやっぱそうなんだ……実はさ、私もちょこちょこお家見たりしてるんだ」
「へえ、どんなとこ?」
「うーん、まあ……そこそこ広いとこ」
「広いとこ? 1LDKとか」
「えっと、もうちょっと広いほうがいいかも……」
「え?」
ふわりと春風が吹き込んできて、彼女のブレザーをはためかせた。
「ぼーやん」
「なに?」
「あのね……ぼーやんに、伝えたいことがあるんだ」
妙にかしこまったアヤの表情は、春の陽光のように穏やかだった。
これまで夢で見てきた言いづらそうな、おっかなびっくりな様子は微塵もない。むしろサプライズプレゼントを渡すときのように、うずうずしているといった感じだ。
「あのさ」
「赤ちゃん、きてくれたんだね」
出鼻をくじかれた彼女が目を丸くする。しかしすぐにふんわりと微笑んだ。
「うん、きてくれたよ」
「そっか……ありがとう」
目頭が熱くなり、視界がにじむ。
閉じた口の中で、下唇が震える。
彼女を修学旅行で抱いたあの時から、心の準備はできていたはずなのに。
体の内側が、痺れるような喜びに満たされていく。
どうやら、彼女を完全に手に入れる永遠の絆ができたらしい。
アヤの手を優しく握ると、細い指がぎゅっと握り返してくる。彼女の顔はこれまで見たどの夢よりも幸せそうだ。
――これが、俺たちのゴールだよ。
そう直感に話しかける。
神様の力は、いつだって俺たちを幸せに導こうとしてくれた。
あの千春さんの車の中でのビジョンだって……俺に見せなければアヤの嫉妬を募らせる、直感にとっては最良の結末へ繋がったはずなのに。
この未来に、俺たちの可能性に、賭けてくれたのだろうか。
ゆっくり目を閉じて、祈る。
ここからは俺たちが未来を作るから。
もういいよ、ありがとう。
――問題ない。
相変わらず無機質な返事が、脳内に響いた。
――、――、――、――。
頭の中に幾千幾万のビジョンが浮かんでくる。
未来の記憶の一つ一つが枝分かれし、さらに広がっていく。可能性たちはやがて、まばゆい光となって目の前を覆い尽くし――消えていった。
最後の最後に、俺たちなら大丈夫だと言ってくれた気がする。
すーっと視界が晴れ、保健室の光景が戻ってくる。
そこには少しだけ眉間にシワを寄せるアヤがいた。
「ぼーやん大丈夫? まだぼーっとする?」
「ごめん、ちょっと幸せを噛み締めてた」
「そっか……うん、私も」
彼女の前髪がふわりと浮かぶ。窓から舞い込んできたピンクの花びらがその茶色い頭にちょこんと乗った。
「そうだアヤ。俺からも大事な話があるんだけど」
「なあに?」
まるで包み込むような笑顔に、ドクンと胸が高鳴る。彼女はもう母性に目覚めてしまったのだろうか。
……いや、アヤは昔からこんな感じだったな。
「ちょっと外に行こうか」
ゴールテープは切った。ここからは二人だけの、未知の未来だ。
それなのに不思議と不安が湧いてこない。俺とアヤなら大丈夫だ。その確信がある。
俺はぼーっと外の桜の木を見つめた。
春の、少し強めの風に桜の花びらが舞い散る。
校舎裏、ちょうど保健室の窓から見える桜の木の下に、俺とアヤは立っていた。
風が吹くたびに彼女のスカートがめくれ上がりそうになり、片手でやんわりと布地を押さえている。とっとと用件を済ませたほうがいいだろう。
「アヤ、指輪ある?」
「え、うん」
彼女が首元からチェーンに繋がれた指輪を取り出す。
「ちょっと貸して」
「うん」
俺は指輪を受け取ると、チェーンを外した。
「アヤ、手出して」
「ほい」
うらめしやでもするように、アヤは両手をゆらりと差し出してきた。
ここまできて俺の行動の意図を察しないとは……妙に勘が鋭いわりに、こういうときは驚くほど鈍かったりする。
それも彼女の数多ある魅力の一つだ。
まあ、妊娠のことを俺に明かしたばかりだから、今はそちらに気が向いてしまっているのだろう。
でも今だけは、俺のほうを見てほしい。
「じゃあ改めて」
「ん?」
「アヤ、俺と結婚してください」
人生で一番真剣な顔を作ってプロポーズした。
彼女の瞳が見開かれる。鳩が豆鉄砲を食ったような顔だ。
でもすぐに、その頬がふにゃりと緩む。泣こうか笑おうか迷っている顔になり、結局どっちつかずの表情に落ち着く。
「……はい」
アヤが右手だけを下ろした。
差し出されたままの、左の薬指に婚約指輪をはめる。
「結婚指輪は、一緒に選ぼう」
「うん、そだね……」
卒業式で大量の涙を流したはずなのに、アヤの目から透明な雫がこぼれ始める。
そのときビュウっと突風が吹き抜けた。
「わわっ」
俺は慌てて彼女に近寄り、腰を密着させてスカートがめくれるのを防いだ。アヤのほうも片手でお尻を押さえている。ギリギリセーフだ。
「危なかったね」
「ちゃんと押さえたし」
「そうだね」
よくできましたと、彼女のショートカットを撫でる。乗っかってる花びらが三枚に増えていた。
思わず笑いそうになると、アヤのほうがクスリと微笑んだ。
「ぼーやん、頭に桜ついてるよ」
「取ってくれる?」
「うん、頭下げて」
彼女の伸ばしてきた手のひらに頬を包まれる。誘われるように頭を下げると、アヤが口づけをしてきた。
「ん……」
唇を数秒重ねるだけの、優しいキスだ。
柔らかい感触が離れ、目の前にあった美少女顔がストンと落ちた。つま先立ちをしていたらしい。
俺は再びキスをしようと小さい顎をつまむ。顔を近づけると、彼女が少しだけ気まずそうに眉を寄せた。
「いや?」
「いや……じゃないんだけど、なんか……人がいっぱい」
アヤがチラリと俺の背後を見る。
振り向くと、いつの間にか多くの生徒たちが校舎裏に集まっていた。
俺たちのただならぬ様子を察知した生徒が他の生徒を呼び、結果大勢が集まってしまったのだろう。気づけば校舎の窓からこっちを見下ろしている生徒もいた。
何やらザワザワと騒いだり、キャーと歓声を上げたりする声が聞こえてくるが、どうでもいい。今の俺にはアヤしか目に入っていない。
「俺たちもう、卒業したんだし」
「まあ……そうだけど」
「もう、いいよね」
優しく微笑みかけると、ふっと肩の荷が下りたように彼女も微笑んだ。
コクリとうなずき、俺を見つめる。
「……うん、いいよ」
小さい顎を上向かせる。
最近買った新しいリップの味を確かめるように、俺は彼女に唇を重ねた。
「んっ……んちゅっ、ぁっ……ぼーやんっ、んむ……んんッ……」
およそ公衆の面前でするには過激なキスだ。でも、アヤも舌を絡ませてくるのだから仕方がない。
唇の密着に呼応するように、二人で抱き締め合う。
お互いの隙間を温もりで埋め合うと、周りの声も風の音も、すっと聞こえなくなった。
俺は、アヤを自分のものだと見せつけるように。
アヤは、俺を自分のものだと見せつけるように。
夢中でキスをし続けた。
ここまでお読みいただき本当に有り難うございます。卒業編、これで完結です。
そしてこの続きを描いた最終巻が【完全書き下ろし】でAmazonやFANZA他から発売されました!
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最終巻の各話と簡単なあらすじはこんな感じです↓↓↓
・雪合戦と初めてのシックスナイン
バレンタインで濃厚なえっちをした翌日、雪合戦をする二人。アヤの両親が今日も帰れないことを知った二人はもう一泊することに。「何をしてもいい」と言うアヤにぼーやんは理性が抑えきれなくなり…。
・【バイトの先輩視点】バイト先で一番可愛い女の子の話
アヤがバイトする結婚式場の先輩は、ある日彼女が電話で彼氏と話しているのを聞いてしまい…。
・【アヤ視点】バイト先に迎えにきた恋人に我慢できなくなった
アヤのバイト先に迎えに来るぼーやん。一昨日エッチしたばかりだというのに、アヤは我慢ができず…。
・煽ってくる彼女をバスの中でわからせた
バイト先にアヤを迎えに行くぼーやん。帰り道、今までにないほど積極的な彼女に理性が決壊したぼーやんはバスの中で…。
・彼女の両親に大事な報告をした
卒業式の翌日、起こしに来てくれたアヤとともに、彼女の実家へ報告に行く二人。お父さんに殴られる覚悟で報告をするぼーやんだったが…。
・新妻になった幼馴染と二人だけでディナーパーティーをした
3年後。大学に通いつつ同棲生活を送る二人。久々に夫婦水入らずで近所を買い物デートをしていると、ふと懐かしいバッティングセンターの前でアヤが立ち止まり…。
・酔って素直になった彼女と深い絶頂に溺れた
ささやかなディナーパーティー。お酒に酔ったアヤは積極的でエロくて可愛くて…そんな彼女を膝に乗せたぼーやんは、無防備な服の中に手を差し入れて…。
・彼女の実家に迎えに行った
濃厚な時間はあっという間に過ぎ、二人はアヤの実家へと子どもを迎えに行く。事後の火照りを冷ますため、ぼーやんは思い出話をし始める。
・同窓会を彼女とこっそり抜け出した
学校の同窓会に参加することになった二人。懐かしい面々と再会し、さっそく質問責めに。こっそり抜け出した二人はあの修学旅行の夜を思い出す。
・同窓会の帰り道に懐かしい未来を思い出した
同窓会の帰り道。ぼーやんは見知らぬ路地で、いつか直感が見せてくれた「とあるヴィジョン」を思い出す。それはあったはずの未来だった。
・夢に見たホテルでイチャ甘な種付けをした
同窓会の帰り、シティホテルに泊まる二人。初めて来た場所のはずなのにアヤは涙を流し始め…。
・エピローグ: 思い出の場所で神様に願った
家族旅行で大仏さまのもとへ。アヤに「願い事は叶った?」と聞かれたぼーやんは…。
最終巻は後日譚的なお話でもあるので、基本的にWebには掲載しない予定です。ぜひ書籍版でお楽しみいただければ幸いです。
ここまで続けることができたのは、応援していただいた皆さまのお陰です。本当にありがとうございます!
今後も、もし需要があればさらっと流してしまったお正月のエピソードや閑話などを不定期で掲載できればいいなと思っています。
3月にはなんと紙書籍版の第2巻も発売予定です。
もしご興味があれば、チェックしていただけたら嬉しいです。