※この作品はR-18です。

【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話   作:月見ハク

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お久しぶりです。3年ぶりに新刊(7巻)が出ることになりました。
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それを記念して4話ほど続話を投稿します。


【バイトの先輩視点】バイト先で一番可愛い女の子の話(百七十二日目・月 夕方)

 会場でパーティーの後片付けをしていると、後ろから声を掛けられた。

 

「芝崎さん、ゲストのアテンド終わりました」

 

 名前を呼ばれて振り向くと、バイトの制服をきっちり着こなした南鳥さん――南鳥アヤが上機嫌そうな顔をして立っていた。

 

「南鳥さんお疲れ。休憩入っちゃっていいよ」

 

「え、私は大丈夫です。芝崎さんこそ稼働しっぱなしですよね」

 

「俺のほうこそ大丈夫だよ、次のパーティーの準備もあるし。南鳥さんこそちょっと疲れてるでしょ。少ししたらまた忙しくなるから、今のうちに休み取っときな」

 

「あ、じゃあ、お言葉に甘えます」

 

 南鳥さんがふわりと微笑み去っていく。

 

 こういうとき、人の気遣いを素直に受け入れてくれるのが彼女のいいところだ。こっちは親切をしているつもりで、逆にいい気分にさせられてしまう。

 

 それをナチュラルにできるところが、人に好かれる理由なのだろう。

 

 

 南鳥アヤ。

 

 四カ月くらい前に入ってきた子で、俺の四つ下。卒業を控えた現役女子高生。

 

 出勤初日、みんなの前で挨拶をした彼女はすごく緊張していて人見知りな性格なのかと思ったが、気づけばすぐに他のバイトの子たちと打ち解けていた。

 

 その日の夜、珍しくバイトの後輩たちに誘われて飲みにいったときのことを思い出す。

 

「芝崎にいさんっ、今日来たバイトの子、めっちゃよくないっすか!?」

 

「ああ、人当たりもいいし覚えも早いから、すぐにアテンド任せられそうだな。ありゃ接客向きだわ」

 

「いや、てかそうじゃなくて俺めちゃめちゃタイプなんすよ、ああいう子」

 

 可愛らしい子だなとは思っていたが、さっそく血気盛んな大学生男子を射止めてしまったらしい。

 

「へー、どんなとこが?」

 

「芝崎にいさん、全然興味なさそうっすね……いやほら、今日初日だからって会場内とか案内したんすけど、終始恥ずかしそうっていうか、恥ずかしいけど頑張りますみたいな感じとかがヤバくて」

 

「多分だけど、あの子人懐っこいタイプだと思うぞ」

 

「え、マジっすか。それも逆にいいっすね……」

 

 その日の飲みは七割くらいが南鳥さんの話題だったと思う。驚いたのは、彼女に惹かれたのは一人だけだと思っていたら、酒が進むにつれて他の男子も盛り上がり始めたことだ。

 

「ぶっちゃけあの胸は反則ですね」

 

「胸? そんなに大きかったっけ」

 

「芝崎さんはすらっとしたモデル体型フェチだから気づいてないだけです。僕はピンときたんですよ。あれ下着とか制服とかで押さえてますけど、けっこうな巨乳です」

 

「マジか~! 可愛くて小柄で実は人懐っこくて、おまけに巨乳とか最強だろ~っ、はぁ……彼女にしてぇ」

 

「ピュアっぽいから最初は連絡先の交換からとかですかね? そこから徐々にお茶とか誘って……」

 

「いや、あの子彼氏いると思うぞ」

 

 冷静に告げると、酔っぱらった後輩が「マジすか」と驚き顔になった。

 

「……なんでわかるんすか」

 

「まあ、なんとなく? 俺そういうのけっこう目ざといからさ」

 

「っかー! さすが芝崎にいさん、どうりでアヤちゃんに興味なさそうなわけだ」

 

 いつの間にかアヤちゃん呼びになっている後輩がウザい。

 

「そもそも俺年上好きだし。就職のこととか考えると年下は、ていうか高校生はめんどい」

 

「あーだから芝崎さんて特定の彼女作らないんですね」

 

「マジ遊び人すよね」

 

「おい」

 

 無礼な後輩の頭をチョップしつつ、南鳥アヤの顔を思い浮かべてみる。

 

 ピュア……とはいかないまでも、あれは男慣れしていないタイプだ。

 

 人の厚意には敏感だけど男の好意に鈍感。色気を出すのが苦手で、だからこそ多くの人間に好感を持たれる。

 

 多分そんな子だ。

 

「俺はもうちょっと大人っていうか、長身でセクシーなお姉さんのほうがいいわ」

 

「芝崎さんはむっつりですもんね」

 

「おい」

 

 もう一人の失礼な後輩にもチョップをかます。

 

「芝崎にいさん、でも俺あきらめないんで」

 

「え、南鳥さんを? というか人となりもよく知らないだろお前」

 

「俺、彼氏いるって確定するまではアヤちゃん一本でいくんで」

 

 そう言ってビールを一気飲みした後輩は、一週間も経たないうちに失恋することになる。南鳥さんと仲良くなった女の子が、「彼氏いるんだって」とバイト中に広めたからだ。

 

 俺も南鳥さんにそれとなく聞いてみたところ「はい、います」と恥ずかしそうに答えた。嬉しさを隠しきれないといった感じのはにかみ顔に、初々しくていいなと思ったのを覚えている。

 

 

 彼女は入ってからしばらくして、助っ人を連れてきた。

 

 背が高くて見るからに優しそうな男子。ちょっと抜けてる感じもするが清潔感があり、よく見ればガタイもいい。

 

 女の子たちが妙にそわそわしていて、というか南鳥さんが一番そわそわしていたのですぐに分かった。

 

「君は南鳥さんの彼氏さん?」

 

「はい」

 

 堂々とした返事にちょっぴり面食らった。彼女みたいに多少は照れが混じるかと思っていたのに、思ったよりも落ち着きがあって男らしい。

 

 なるほど、どこか危なっかしい印象のある南鳥さんにはぴったりな彼氏だ。

 

 彼氏くんは仕事ぶりも真面目で、南鳥さんに似て素直で、なにより純朴そうな雰囲気に好感が持てた。中庭で二人が立ち話をしている姿は付き合いたての中学生カップルみたいで微笑ましかった。

 

 南鳥さんはこの彼氏に、それはもう大事にされているのだろう。遠くからでもそれが伝わってきた。

 

「芝崎にいさん、あれ……南鳥さんの彼氏っすよね」

 

「そうだよ」

 

「はぁ、やっぱり……いいなぁ、あんな子でも彼氏とはキスとかエッチなこととかしてんすよね」

 

「いや、それはないんじゃない?」

 

「え、マジっすか。でもアヤちゃん指輪……」

 

「多分だけど、二人とも相当奥手なタイプだぞ」

 

「ああ……まあ確かにそんな感じっすよね。てかアヤちゃんがそういうことしてたら俺ショックで寝込みますわ」

 

「お前、裏でだけアヤちゃん呼びするのけっこうキモいよ。ストーカーっぽい」

 

 後輩にはそう言いつつ、南鳥さんが彼氏と二人きりだとどんな感じなのか気になった俺は、仕事終わりに彼女の姿を探した。

 

 あちこち覗いてみたが結局見つからず、俺はいったい何をしているんだと恥ずかしくなり、一人むなしい気分で帰路についたのは記憶に新しい。

 

 

 

 

「――崎さん、芝崎さん、南鳥さん見かけませんでした?」

 

 ぼうっと記憶の旅をしていると、バイトの女の子に声を掛けられた。

 

「ああ、さっき休憩入ってもらったよ。用事?」

 

「なんかゲストの方々が早く着いちゃったみたいで」

 

「じゃあ俺呼んでくるよ」

 

 自然と体が動いた。足早に廊下を進み、休憩室に向かう。

 

 ドアを開けると、南鳥さんはテーブルに突っ伏して眠っていた。いつも姿勢がよく、休憩中も上機嫌そうに談笑している彼女が体を丸めて寝ている姿を初めて見る。

 

「南鳥さんごめん、そろそろ」

 

 近づいて声を掛けると、彼女がわずかに顔を向けた。

 

「んっ……」

 

 聞いたことのない甘い声に、伸びかけた手が止まる。

 

 寝る体勢だときついのか、いつもはぴったりと閉じているブラウスの第一ボタンが外されていて、その白い首元、隠れるか隠れないかの位置に赤いキスマークが見えた。

 

 綺麗な形をした唇が、ふんわりと微笑む。

 

 

「……ぼーやん」

 

「うわ……」

 

 

 えっろっ……!!

 

 

 閉じられた長いまつ毛が、うっすら開いた唇が色っぽくてドキドキする。

 

 そうか、あの彼氏くんは……この寝顔を独り占めしているのか。

 

 ブブブブッ――と、テーブルの上のスマホが震えた。

 

 小刻みに振動する画面には『リュウジくん』の文字が表示されている。

 

「ん゛ぅ」

 

 彼女がモゾモゾと動き出したので俺は慌てて休憩室を出た。

 

 

 わずかに開いたドアの隙間から、寝起きっぽい声が聞こえてくる。

 

『……あ゛れ、ぼーやん? めずらしいねぇ……』

 

 起き抜けの彼女は声がしゃがれるらしい。そんなところにも妙な色気を感じてしまう。

 

『う゛ん、そうだよぉ……バイト中。………………寝てないし。……うそ、ちょっと寝ててた。……うん……うん、ありがと……』

 

 優しい声色に、なぜかこっちの胸が高鳴ってくる。

 

『……そうそう、休憩してていいよって。……うん、芝崎さん。……え? 今ひとりだよ』

 

 急に名前を呼ばれて体がビクッとする。

 

『……ふぇっ!?』

 

 南鳥さんが新種の鳥みたいな声を上げた。

 

 しばしの沈黙が訪れる。

 

 

『…………わ、私も……一番好き、です……』

 

 

 つい、壁に寄りかかって天井を仰いでしまった。

 

(照れた感じ可愛すぎないか……?)

 

 普段は素朴な元気っ子って感じなのに、彼氏が相手だとこうなるのか。

 

「あーやっばいわ、これ」

 

「芝崎さん、南鳥さんいました?」

 

 不意に声を掛けられて心臓が飛び出そうになる。さっきのバイトの子が休憩室に入ろうとしたので通せんぼして止めた。

 

「しー……! 今ちょっと休憩室はまずい」

 

「え、休憩室どうしたんです?」

 

 空気の読めない女の子がドアに手を掛けようとしたとき。

 

「あ、芝崎さんっ、休憩ありがとうございました」

 

 中から南鳥さんが出てきた。

 

 女の子と一言二言交わしてから「あ、了解です」と上機嫌そうに笑っている。ブラウスの第一ボタンは……ぴったり閉じられている。しかし頬が真っ赤だ。

 

「南鳥さん顔赤いよー? 大丈夫?」

 

 女の子が心配そうに顔を覗く。

 

「え……赤いです? 赤……くはないはず……」

 

「え~、ほっぺたリンゴみたいで可愛いじゃない」

 

「いえ寝起きだからです、多分っ」

 

 なんだかよく分からないが、頬が赤いのをすごく気にしているのは伝わってくる。

 

 女の子に頬をからかわれながら去っていく南鳥さんの背中を、俺はぼうっと見つめてしまっていた。

 

 

 ◇

 

 

「あ、芝崎さんも今帰りですか?」

 

 夜、式場のエントランスホールに南鳥さんの明るい声が響く。

 

 彼女は高校のブレザーを着ていた。今日は学校終わりに直接ここへ来たのだろう。

 

 スカートから伸びる生足に目が行きそうになり、咄嗟に逸らす。

 

「ああうん、今日はちょっと早く上がれたから」

 

 早く上がったうえに、ガラにもなく待ちぶせをしてしまった。

 

 いや、南鳥さんが俺に脈は無いのは分かっているし、いくらアプローチをしたところで可能性がないのもなんとなく分かってしまう。そもそもこの子は彼氏くんにぞっこんだ。さっきの電話を聞いたら嫌でも分かる。

 

 なのに、どうしてかこの子のことをもっと知りたいと思ってしまう。全然そんなふうに見えないのに魔性の魅力というか、一度気になり出したら止まらない引力みたいなものがある。……なんなんだこの子。

 

 出口扉までの短い道のりを並んで歩く。

 

 式場の外へ出ると、彼女が俺のほうを向いた。

 

「芝崎さんってバイク通勤でしたっけ? 私バスなんで、ここで」

 

「あーあのさ南鳥さん、今度――」

 

「あれ、ぼーやんっ」

 

 彼女は俺ではなく、あさっての方向を見つめていた。その瞳が大きく開いて揺れている。

 

 視線を追うと、少し離れたところに背の高い男がたたずんでいた。

 

 タタッと南鳥さんが小走りで向かっていく。すると男の影もゆっくり近づいてきた。建物の照明に浮かび上がったその顔は、彼氏くんだった。

 

「ぼーやんどうしたの? 仕事は?」

 

 一オクターブほど高い声色が、彼女の驚きと嬉しさを物語っている。

 

「今日は早く終わったんだ。ちょうどいいから迎えにきたよ」

 

「え、ずっと待っててくれたの? ここで……寒くなかった?」

 

 心配そうな声がチクリと胸に刺さる。どうして南鳥さんが泣きそうな顔をしているのか。

 

「ああ、ホッカイロ握ってたからむしろ熱かったよ……ほら」

 

 そう言って彼氏くんが南鳥さんの頬を手で包む。すると彼女は「ん」と気持ちよさそうに微笑んで目を閉じた。

 

 その様子を優しげに見つめていた彼氏くんが、不意に俺のほうを向く。

 

 ゾクリと、背中に冷たいものが走った。

 

「あ、どうも……芝崎さん」

 

 名前を呼ばれてまたも背筋が凍る。

 

 ゆっくりこちらへ近づいてくる姿がやけに大きく見える。前に会ったときと違い、高そうなスーツに厚手のロングコートを着こなしていた。それが妙に似合っている。

 

「南鳥さんの彼氏さんだよね、俺のこと覚えててくれたんだ」

 

「はい、助っ人で入ったときはお世話になりました」

 

 温和で、ともすれば間の抜けたような笑顔なのに訳の分からない迫力がある。罪悪感を覚えてしまうのは、南鳥さんを気になってしまった後ろめたさからだろうか。

 

「君、確か年下だよね……?」

 

「え、はい。アヤと同学年です」

 

「だよね……うん」

 

 年下がこんな底冷えするような威圧感を放てるものなのだろうか。

 

「そうだ、これもしよかったらスタッフの皆さんで食べてください」

 

「あっ、ラングドシャ!」

 

 いつの間にか彼氏くんの隣にいた南鳥さんが謎の呪文を唱える。

 

 差し出された紙袋の中にはカラフルなブリキの箱があった。箱の形状からしてクッキー的な洋菓子だろう。だとするとこれの名前が。

 

「ラングドシャ……?」

 

「はい、仕事先でもらったんです。皆さんの口に合うか分からないですけど」

 

「ああうん、みんな甘いもの好きだから大丈夫だと思うよ」

 

「よかったです」

 

 純朴そうな笑顔に、つい気が緩んでしまう。めちゃめちゃいいヤツなのが伝わってくる。なのに圧迫感が消えない。好感と畏怖が同時に湧いてくるような……なんだこの感覚。

 

 こわっ……。

 

「俺、戻るわ。南鳥さんも彼氏くんもお疲れ!」

 

 そう言って逃げるように建物へと戻った。

 

 

 

 

 エントランスホールに入ると、バイトの後輩が突っ立っていた。

 

「あ、芝崎にいさん、あれ南鳥さんの彼氏……すよね? あれ、別人?」

 

「いや、彼氏くんで合ってるよ。お土産貰ったからこれ休憩室に置いといて」

 

 ラングドシャの紙袋を後輩に押し付ける。

 

「てか彼氏くんと何話してたんすか?」

 

「いや、軽く挨拶しただけ」

 

「にしては芝崎にいさんめっちゃ疲れてません?」

 

「ああ……」

 

 言われて、体中が緊張していたことに気づく。一刻も早く帰って休みたい。だが目の前の馬鹿な後輩には伝えなければいけないことがある。

 

「お前、南鳥さんにはちょっかい出さないほうがいいぞ」

 

「はぇ? なんすか急に」

 

「とにかくあの子はやめとけ。うっかり手を出そうもんなら」

 

 夜闇と照明のコントラストで陰影のついた彼氏くんの顔を思い出す。

 

 錯覚かもしれないが、あの温和そうな表情の中に……底知れない覚悟みたいなものを感じた。もし手を出せば。

 

「絶対面倒なことになる」

 

 そんなリスクを負ってまで手を出そうとは思えない。

 

 見つめ合う二人の姿が脳裏によみがえる。

 

 多分あれが、二人の世界というやつなのだろう。お互いがお互いから目を離せないみたいな。

 

「俺もちゃんと彼女作ろうかな」

 

「……俺、帰っていいっすか?」

 

「もうちょい待て。邪魔すんな」

 

 確かこいつもバス通勤だ。今帰したら、途中で南鳥さんたちに追いついてしまうかもしれない。

 

 俺はポカンとする後輩の肩をつかむと、休憩室に引っ張っていった。

 




こちらは発売済みの6巻に収録されたエピソードを改稿したものです。既読の方もあらためてお楽しみいただければ幸いです。
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