Ⅲ
ほどなくしてリョウが先に膝を立てる。
「うぅぅ……思った以上に熱がはいってしまった……。はじめてなのにすまんぼっち。でもこれはぼっちがエロすぎるせいで――♡♡」
彼女の声をひとりは聞いてはいなかった。
ひとりの注意はリョウのきゅっとしたお腹に注がれていた。
……そういえば、リョウさんのお腹っておいしそうだなぁっておもってたんだっけ?
ミルクプリンのようなお腹を思い出せば、キュンと子宮の音が鳴った。
……乳首に息がふれたときもリョウさん気持ちよさそうな声だしててなぁ……。もっと吹きかけたら、私がされたようにりょうさんを舐めたら、あんな声を出してくれるかなぁ。
ひとりはごくんと嚥下する。
……わたしは心も身体も気持ちよすぎてもう体力ないけど、リョウさんは元気そう……。
ひとりの性欲と承認欲求モンスターは確かに満たされたが、ひとりはリョウになんにもしていなかった。ひな鳥のように餌を貰っていただけ。
……このまま帰したら、だめだよねっ? だって、せっくすって、互いに互いの身体も心も気持ちよくしてあげるもんだし。それにセックスが問題で夫婦生活が壊れるとも聞くし。もしリョウさんを満たされないままにしてほっといたら、後で『っけ! ぼっちって人に与えられても自分は返さなくていいと思っちゃう自己中っこちゃんなのかな? 陰キャでぼっちなくせに、そこんところはいっちょ前だね。ま、虹夏のためだからバンドから降りろとは言わないけどさ、辞めるって言ってもとめないから――』――――――ッッッ!!!!!!!!
「……ぼっちどうした? そんなに顔あおざめて? ……もしかしてやりすぎた? ご、ごめんっ」
本気で狼狽えるリョウは珍しいものだった。
ひとりへ手を伸ばすリョウだったが、一瞬でぐらんと世界が反転した。
「????」
リョウとひとりの位置が逆になっていた。
リョウが何かを言いたげに口を開くも、ひとりが先に述べる。
「ごごごごめんなさいリョウさんっ! いっいますぐ、りょ、リョウさんを……あっ、イかせますね。うへっ」
ひとりはリョウの大きくもないが、小さすぎるわけでもないふくらみへ、手を伸ばす。伸ばす手ががくがくぶるぶる震えてしまう。リョウの美乳は小さすぎない程よい、小さなお餅のようにふっくらしているが、見るからに繊細だ。いや、ひとり自身のおっぱいだって、繊細だし繊細じゃないおっぱいなんてない。だから、ゆっくりと、5歳児の妹ふたりの極上やわらか頬っぺたをむにゅっと挟むように、リョウの乳房をむにっと掴む。
熱く湿っていて、手がとても暖かい。ふにふにした感触に少し感動しながら揉んでいるとリョウが「んん~」と切なげな、物欲しそうな声をあげる。
途端、リョウが口を腕で隠した。どうやら無意識な感嘆であったらしい。
――リョウさんでもこんな声出すんだぁ。嬉しいような、うっとりしちゃうなぁ。琴線に触れるってこうゆうことかなぁ……。
しみじみ思いながらひとりは揉み続ける。
ただ揉むだけじゃなく、乳房の周りを指で弧を描くように撫でてみる。小さくとも弾力性があって、つつつ~と滑らかな質感が伝わる。
他にも何かしようと試みるも単調な手つきになってしまう。どうしたらいいか考えてると、見かねたリョウが助け舟を出してもらった。
「あたしのおっぱい、飲んでみたかったんでしょ」
「あっ、はい」
ん――と乳頭を突き出すように胸をすこし張った。
紅くぷるんとそびたつ二プル。リョウはひとりのおっぱいを、やれえっちだとか言いていたが、ひとりにとってのリョウの乳首は卑猥ではなく可憐であった。ゆえにいじめたくなるような、惹きつける頂の
クールなリョウがこんなにも可愛い乳首を備えているのは反則だろうと、ひとりは思う。
「あっいただきます」
「……どーぞー」
ひとりを責めていた時とは対照的な冷静ではあるもしおらしいリョウの態度である。
――リョウさんって、もしかして攻められるのには慣れていないの?
疑問に思うが、リョウの乳首を味わいたい好奇心の方が勝り聞き出せなかった。
リョウのおっぱいを、乳頭をひとりはついばむ。
「ん♡」
乳頭からの刺激が電流のようにリョウの身体を駆け巡ったのか、柔らかな嬌声を発する。
――リョウさんの甘い音、とても耳にいい。もっと聞きたいかも。
ちゅむ♡ ちゅむ♡ とリョウの紅を舐めしゃぶる。リョウの乳首はこりこりしていて、何度も舌で転がしたくなる。
夢中になりすぎて、ひとりは鼻息を荒くしてしまう。
鼻息がリョウの乳房をぞわわわぁと駆け巡った。
「そこぉぉ~、やぁぁ……♡♡」
嫌とは言いつつも、リョウは幸せそうな顔をしていた。
リョウの撫で声を聴くと、ひとりの脳がくらくらする。自分が淫乱になってしまいそうな感覚を覚えつつあった。
リョウのこりこり突起物が、唾液に濡れた舌にねっとり侵される。
一生懸命舐めてるひとりの目にもう片方の乳頭が映った。
ひとりはそれを、かわいそうだと思って、可哀そうな乳首を優しく摘まんだ。
「むふぅぅ♡!」
二つの二プルを責めると、リョウの鼓動が早まる音と、リョウの浅く湿っぽい呼吸音が聞こえてくる。
今でも女の子同士でってちょっと……とは思っているがずっと、こんな音は聞いていたいと切望する。
そろそろ切り上げようとひとりは思い、リョウの乳首から離れようとするも、リョウのおっぱいってどんな味がするのか気になった。
ヨダレまみれのぷりぷり唇をリョウの乳房に押し付けて、一気に乳首を吸い出す。
「ッ――!? ぼっ――ぼぉっ♡ あっ♡」
リョウの喘ぎ声が収まったのと同時にちゅぱぁ♡ とおっぱいから口を放す。
吸ってみれば汗の酸っぱい味はしたが、それ以外の味はしなかった。でも、あの可愛い乳頭を舌で舐めながらちゅうちゅうしたいと思わせる中毒性はあった。
おっぱいの次は、リョウの美しく締まったお腹にゆっくり顔を近づけた。
きめ細かな肌でとても美味しそうだ。しばらくリョウの綺麗なお腹を鑑賞して、おもむろに唇をおとした。
「ふ……っ!?」
刺激的な快楽ではないはずだが、リョウは息を漏らす。
「ちゅぱっ♡ ちゅぱっ♡ ちゅむむむぅぅぅ♡♡♡ レろぉぉぉ~~♡♡」
ひとりはリョウのお腹に熱いディープキスをして、お腹を味わう。
思った通り、リョウのお腹は美味しかった。リョウの汗のほのかな酸味は心地よい刺激であり、舐め心地も絹のように優しかった。
リョウの美麗なお腹をヨダレで汚しながら一心不乱に味わっていた。
そして最後に、へそあなを舌で舐めとった。
「――!?!?」
リョウが声をあげるも、ひとりは気にもとめなかった。
ひとりはりょうの下腹部の、その先へ向かっていた。
がばっと、リョウはひとりに股を開かれる。
ああ、なんて綺麗なのだろう。淫らな蜜に照らされるリョウのおまんこ。ひとりはリョウの股に顔を突っ込んで、彼女の女の匂いを堪能する。
――ふすぅぅぅぅぅ……はぁぁああああ♡♡♡!!!
リョウのおめこは彼女のクールな性格とは違い甘酸っぱい香りだった。
「んひぃぃぃいいっ♡」
さっきエクスタシーを迎えていたリョウにとって、匂いをかがれ、息を吐かれただけなのに、そこは敏感になっていたらしい。
リョウのか細い太ももが閉じようと動くも、興奮状態のひとりの腕力にかなわない。
がっしり太ももをつかんだひとりは彼女の流麗なデリケートゾーンを視姦。
リョウは股を閉じることが適わず、ならばせめてと思ったのかお尻をくねくね左右に揺らす。
それを喜んでいるとひとりは盛大な勘違いをして、リョウの股に舌をつかわした。人とのコミュニケーションをろくに取ったことのない彼女らしい行動だった。
リョウにされたように、ひとりも真似てみた。
麗しい真っ白な太ももは柔らかな感触で、押し込むように舐めると肉厚な舌触り。そして、股はつるつる滑るような感覚でありながもら、じめっとした生ぬるい温かさが舌と、顔の皮膚に伝わった。ひとりにとって、それはちょっと面白かった。
ひとりの舐め方はおっかなびっくり舐めていた。それを受けるリョウは、くすぐられて笑うのを抑えるかのように目をきゅっと閉じ、んふっ♡ と息を漏らす。
しばらく股を舐めていたひとりだったが、リョウに褒められた自分を思い出し、なにか彼女が喜ぶような言葉を考え出した。
「あっ……、あっ……かっ、可愛い声を漏らしますねぇ~、えうへぇへぇへへへぇぇ~~……」
「そっ、そんな♡」
よし、楽しく話せた! そう思いながら今度は小陰唇をぬろぉぉ~と舐めあげる。ビラビラのにくにくしさが思いのほか心地よい。
「んふぅんッ――♡♡」
悩まし気な声と共に、リョウの腰がびくんびくん震えた。
震えると、鮮やかな柔らかい肉花から淫らな愛液がだらだら垂れ流れてきた。
ぢゅぞぞぞぞ! とひとりは蜜をたらすふしだらなおまんこに吸い付いた。口の中に広がるリョウの愛液は、ひとりの頭をくらくらさせる。
――変な味なのはわかったけど、もっと、もっと、リョウさんのおまんこを気持よくさせたい!
リョウの乙女の蜜は劇薬で、サーモンピンクのスリットを舐めていたひとりを発情した雌猫に変貌させる。
そんな、発情ぼっちちゃんはぢゅるると舌をリョウの膣孔に進める。
「ふぁぁぁ~♡♡♡ ぼぉッ……ぼぉっ♡! んはぁあ♡」
リョウはひとりに媚びるような悲鳴をあげた。
侵入を許したリョウの媚肉は、18禁ものに登場する触手のようにひとりのベロを丹念に揉みこんで子宮へと誘う。彼女の
ひとりの舌を、ぬらぬら這いながら快楽ポイントを探す。
舌に伝わる蠢きが、にゅちゅるにゅちゅるとしていて気持ちいい。
リョウはベースのテクニックも上手ければ、おまんこするのも天才だった。
侵入したベロも、リョウのうねる膣マッサージを受けながらも花壷の内側の
「んっ♡ んんん♡ あっ……あっ♡」
「ふぅぅぅ!! むぢゅるるゅゅ♡ ぢゅぷっ♡ れぇおれぇおぅ♡」
ひとりは無意識に鼻息でリョウの陰核を刺激して、一途にクンニする。リョウの牝の香りが愛液と共にひとりへ降りかかる。ますます脳と膣の最奥が桃色の刺激に侵されるのをひとりは自覚する。
リョウは度重なる快楽からか、よだれを垂らしつつひとりの舌を天才まんこで締め上げる。
ひとりが舌で本能のままに責めている時、ある場所をなぞったら心なしかリョウの締め付けがじゅむむむぅぅ~と強くなった。
やっと、やっと彼女を満足させられるとひとりは至り、そこをにゅっちゅ♡ にゅっちゅ♡ ぬりぬり♡ ぬりぬり♡ 弄っていく。
美少女たちはいい勝負をしていたが、先に白旗をあげたのはリョウだった。
「んんん~~~♡♡ いくっ♡ あっ♡ あっ♡ いいのっ! そこぉいいのっ♡ いいのっ♡ しゅきっ! ぼっちしゅきっ――いく! いくいくぅぅぅ♡ はぁっあっあっあっ――っんくぅ~~っ♡♡♡♡」
さきほどまで処女だった年下の女の子の舌遣いで、激しい嬌声をあげながら達してしまう。
リョウの淫乱な姿は、ひとりの子宮をきゅうとさせて、ひとりのオマンコもじんわりした熱を帯びる。
――わたしも。おなかのおくが、とろとろしてきたぁ♡♡
ひとりは仄かな甘い快楽をおまんこで感じながら、愛液をたらたら垂らす。垂れる愛液が陰裂をねっとりなぞり、くすぐったいような湿った気持ちよさも訪れた。
「あっ♡ あっ♡ う、うそぉ~~……♡♡」
しばらく温かい膣に舌を入れたままだったが、舌を引き抜いた。引き抜きざまにリョウの膣の弱いところと、挿入口に咲く花弁を刺激してしまう。にゅざざざぁ~とした感覚が舌に伝わって、甘い愉悦をひとりは抱く。
「んくぅぅうう♡♡ んあああ……♡♡」
また彼女をイかせてしまったよう。
「……ふっーっ♡ ふっーっ♡ ふっーっ♡♡ ぼぉちぃぃいい……!!」
美目麗しい眉を悩ましげな弧を描きながら、リョウは涙目で彼女をにらむ。睨むも、その姿は愛くるしい小動物のよう。
――だだだって、あのまま慣れないことをしていたら舌が釣りそうだったんです……!
心の中で弁明するひとりだったが、怒らせてしまったと少ししょんぼりしてしまう。でも、怖くはない。逆にそんなリョウが可愛いと不覚にも思ってしまう。
「もうっ……っくっ♡♡ ぼっちめっ♡♡」
ふいっと彼女は顔をひとりからそらしてしまう。
「あっ……」
ひとりは言葉を詰まらせてしまう。どうしようどうしようと逡巡して考えて、彼女は答えを見つけた。
――そうだよまたえっちなことをしたら今のことを忘れてくれるかもしれない!! それに、わたしのえっち褒めてくれてたし、リョウさんも幸せになって私の承認欲求も満たされる一石二鳥だっ! キターン!!
ひとりはリョウとのえっちのせいで壊れていた。
ひとりは親指で恥丘の赤ん坊を撫でるようにさわさわと撫でた。綺麗に薄く生えそろう恥毛がくすぐったいも、撫でてると妙に心が温かくなってしまう。
「ん……んん~、んっ……」
撫でられるリョウも静かにその快楽に身をゆだねていた。
ひとりは優しく撫でていたが、リョウの陰核を恐る恐るゆっくり押しつぶした。
「やぁっ! ああっ♡♡ な、なんでっ♡♡」
ぐにぐにされて、リョウはまた喘いでしまう。
そのままひとりは中指でリョウの蕩けきったクレヴァスをぬらぬら優しく撫ぜる。
親指に責められるクリトリスと、クレヴァスからくる快楽がリョウの腰を上下に振るように動かしてゆく。
「あっ、ちょっ、りょ、リョウさん! うごかないで!?」
ひとりの言葉が聞こえなかったらしく、それでもリョウは腰をふった。
――でも、りょうさんのこの腰振りって、私に求愛ダンスしてるみたいでちょっといいかも。
それが災いしてか、つぷぷぷぅ~~とひとりの中指と薬指がリョウの蜜孔にはいった。
「んひっぅぅぅ~~~♡♡♡♡」
まったく予想だにしない淫靡な刺激がリョウに降りかかったよう。
ひとりも戸惑ったが、指を入れたまま手マンを再開した。指がとろとろした膣にみっちりねちっこいチュウをされる。ひとりは2度味わうが、入れるたびに、そして抽送するたびにリョウの膣はひとりに最適化していき、媚びに媚びて絶頂を促してもらおうとますます淫乱になってゆく。
媚びるような襞運動に答えて、ひとりの手マンも情熱的に、それでいてゆっくりと撫ぜる。
「そ、そこっ♡ ひゃっ……♡ ひゃめっ♡ ……んっ♡」
リョウのお腹側の濡れそぼる膣壁をゆっくり押し上げる様に愛撫する。
「ぁぁはぁぁ……♡」
当たりの様だ。ひとりはそこを責め続けることにした。押し上げたり、時々こしこし優しく撫でてあげたりとする。
「そこっ……♡ そこぉ♡ はぁぁん……っ♡ ……はぁぁ♡」
リョウは淫乱な笑みを浮かべてしっとり喘ぐ。
気持ちよさそうなリョウを見て、ひとりももっと刺激が欲しいと思ってしまう。自分も気持ちよくなりたい。
「うう~……あっ、りょ、りょうさん♡♡ き、きすしてもいいですか……」
「んっ♡ いっ、……いい、いいよぉ……♡ こっ♡♡ こっちむいて……よっよこになれ……ぼっち♡♡ んっ♡」
ひとりは手マンしつつ、言われた通り寝ころぶ。
すると、リョウが片足をあげてはひとりの腰をはさむようにゆっくり脚を降ろす。
そうして、リョウはひとりの頬っぺたを優しくつつみこんで、ひとりとディープキス。
「ぢゅむ♡♡ むちゅうう♡♡ ちゅぷ♡♡ ちゅぱぁっ――はあむっ♡♡」
「んっ♡ んあっ♡♡ んんんじゅりゅぅぅぅ……♡♡ ぢゅぷぁぁむ♡♡」
温かな絡み合うキスをしあう。
ひとりにおまんこを弄られてもなお、ひとりに媚びる様にキスをするリョウを見て、ひとりは安堵感に包まれる。リョウが自分を求めてくれるのが嬉しかった。性欲からくるものではあるが、ひとりのぽっかり空いた穴を熱くとろとろに満たしてくれる。どうせこれきりなのだ。だから、今ぐらいは情欲でもいいから満たされていたい。
リョウの淫靡に当てられて、ひとりの愛撫に情熱がこもった。
それをリョウの子宮が感じ取ったのか、ひとりの情熱に呼応するように膣壁がぎゅうううっと締め付けた。
「んむっ♡♡ ん♡♡ んっ♡♡ んむぅぱぁぁっ♡♡♡♡」
「んむちゅぅぅう! れぁあむっ♡ ちゅぱぁっ! ――リョッ! りょうさんっ♡ りょうさん♡♡」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ んくっう♡♡!? んっ♡♡ ん!!! んぁああああ~~っ♡♡♡♡」
絶頂して圧迫するリョウの膣孔は、今までよりも熱いと感じてしまう。熱く、指がふやけてしまい、リョウと一体化してしまう――そう錯覚するほどひとりの指は極楽まんこに包まれていた。
髪をしっとりさせ息を切らすリョウを見つめながら、ひとりは思いふける。
――この感覚を、ギターに乗せたらどうなるんだろう。今よりも艶やかな音をだせそう、かも……♡♡
ゆっくりと指を抜けば、再度リョウは「あっ……♡♡」とぶるり震えた。
そうして、リョウを奏でていた手にひとりは見惚れていた。
「……これからもよろしくねっ♡」
自分の手に対して、ひとりは契りを結んだ。
「……」
そんなひとりを、リョウがうっすらほほ笑んで見つめていた。
なかば強引にひとりと身体の関係を結んだが、それでも音楽に対しては真摯であったよう。
「じゃあさ……もっと上手にならない? もっと、音を好きにならない?」
リョウの魅力的で淫靡な誘いを聞いたひとりは、はい、と答える。
二人がまぐわっていると。
「ぼっちちゃん助けに来たよ!!」
「リョウ先輩ひどいですよ〜、もぉ!」
虹夏と喜多郁代が浴室のドアを開けた。
――や、やばい!!! 見られたぁッ!!
このいかがわしい状況をどうやって虚言で切り抜けようかひとりは逡巡する。
それに、よく今まで誰も入ってこなかったものだ。脱衣所で二人の嬌声が聞こえてしまい、逃げたとしても、その人が職員に説明して、職員が注意しにくるはずだ。メンバー残り二人が来るまで誰も来なかったのは奇跡である。
――どうやって言いくるめよう! ていうかなんで私リョウさんと……セックスしちゃったんだぁぁっぁ……!!
知人で第三者が来たことによるハプニングで、ひとりは正気に戻った。
「あ゛っ!? あっ!! こ、えっとええええっっとですねぇ……!!」
「みなまで言わなくていいからねぼっちちゃん……」
ゆっくり歩いてきた虹夏が優しく遮る。
虹夏はひとりの手を取って、ゆっくり立ち上がらせた。そうして、よしよしとひとりの頭を撫ぜる。
「……! うぅぅ……にじかちゃぁあん……」
虹夏の胸でひとりは泣く。
リョウのせいで別人のような自分を演じていたひとりの強張りを、虹夏が春のように優しく解きほぐす。
名は体をあらわすと言うが、虹夏は名前負けをしない優しい心の持ち主であった。下北沢の大天使ニジカエルは伊達ではない。
虹夏の仄かに暖かくミルクの香りがする胸の中で気力を回復していると背後で。
――誉れ高くてクールビューティーなリョウ先輩が轢かれたカエルのように四肢を投げ出してるなんて解釈違いよっ! …………でも新鮮〜♪ リョウ先輩の秘められた可能性を垣間見たようで嬉しいかも♪――
分けの分からないことを喋っていた。
そうして郁代はリョウのおまんこを子犬のようにぺちゃぺちゃ舐め始める。
苦笑いを浮かべていた虹夏が一転して厳しい顔付きになる。
「さぁあてリョウ! 私らのぼっちちゃんに何さらしてんのさぁ」
山田リョウはぜぇはぁ息を切らせながら返答する。
「ん♡ い、いや……これはぼっちがぁ。あっ♡ 私は被害者だ」
「っぷぁ♡ リョウ先輩それって痴漢の加害者が言うセリフですよ」
「ほんとなんだってばぁ〜。私が切り上げようとしたら、ぼっちに襲われたんだ。それにぼっちは尻上がりタイプで私より(自称)もセックス上手だったんだよぉ……途中から気を失ったよ」
「!! そ、そうなんですかリョウ先輩!! 先輩よりもだなんて!? 感動ぉ〜後藤さんセックス上手いのねぇ〜♪ 凄いわぁ!」
「あっ、え? あっ、ありがとうございます」
何を言っているんだと訝しむ。
ただ、この後の流れはなんとなくだが想像つく。
虹夏はため息をついて言う。
「はぁ。ごめんねぼっちちゃん。私らがいない間にリョウが狼化しちゃってさ」
「はい」
珍しく突っかからず言えた。
「でもね、そのぉ……」
「……ぁぁ」
言うな。その先を言うな。
「ホントはさ、私は止めようって二人に言ったんだけどさ。それでも二人は強硬する姿勢崩さなくってね、私がかえって解らされちゃってさ……えへへへ〜……」
「……」
「もう、くどいですよ伊地知せんぱいっ!」
「そうだぞ虹夏」
「! ああもう! わああったよ!! ぼっちちゃん隠していてごめんね! 今日のお遊びは結束バンドの4人の仲を深めるためだったの!」
「……あっその、えとっ、あっつまりせっくすしようって事ですよね……?」
虹夏がこくんと頷いた。
「……あははははぁ〜」
「! 後藤さんどうやら喜んでるみたいですねぇ。ところで先輩のその腕時計って水に強いんですか? 強いから付けてるんでしょうけど」
郁代は自分の肩をリョウに貸して出口へ歩く。
「ああ、これは撮影機能が付いてるんだ。ただちょっと興奮しちゃってさ、ぼっちセックス動画を上手く取れてる自信ない」
「撮影機能あるならどうして脱衣所にカメラを?」
「あれはぼっちの親のでね。親のカメラと盗撮カメラで、ぼっちとのえっちを楽しもうとした。いわばえっちの二重の極み!」
「そんなつまらない二重の極みやめろ山田っ。いっぱいアンチされてしまえ」
「アンチ? フタエノキワミ? 新しい美容用語? 音楽用語かしら」
出口へ向かう二人を虹夏は目で見送る。
見送った虹夏はもう一度ひとりと目をあわせようとした。
「気持ち悪い……かな。女の子同士でって。い、嫌ならやめるけど……」
もし、最初にセックスを誘ったのがリョウじゃなくて虹夏なら、1パーミルは断ることが出来たかもしれない。
「あっ、しっしましょう」
リョウとやってしまったのだ。流されやすいひとりにとって断るのは、宝くじ1等&前後賞を当てるよりも現実的ではない。
「! よッ、よかったぁ~。じゃあイこっか! ぼっちちゃん♪」
虹夏が曇った表情から晴れた顔になって誘う。
「ほらほら早くしましょ伊地知先輩っ、後藤さんもイきましょっ。結束バンドの楽しいはまだまだ続くんだから♪」
キタ~ン! と陽キャオーラ出して急かす喜多郁代。まだまだ続くなら急かさないでとひとりは思う。
「ヤるぞぼっち。が、その前に夕ご飯にしよう。いっぱい食べて体力回復だぁ」
リョウはじゅるりとよだれを垂らす。
「……あっはいぃ」
……もう、どうにでもなぁれぇ〜。
「……あっあはははは……はは」
悟ったひとりはまた、力なく笑った。
改善点や、感想まっています。