※この作品はR-18です。

世界最強の男がTS憑依して範馬勇次郎に負けた挙句同意レイプされる話   作:白髪ロング娘スキー

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3/6 2時5分
妊婦の飲酒描写や、細かな所の修正をしました。




第三十八話 光成プレゼンツ

 

 運転手がドアを開く。

 開けて貰ったドアから降り、服に付いた皺を伸ばした。

 時刻は7時、街灯のライトが辺りを照らしている。

 

「ここが……ですか」

 

 呆然とした様子で絹代がそれを見上げ、戦いた様に呟いた。

 薄紫のワンピースドレスを身に纏い、肩には灰色のファーを掛けている。

 手には白いクラッチバッグを携え、まるで何処かの貴族の奥方のようだ。

 私が言えた事ではないが、普段はずっと着物のため、ドレス姿が少し新鮮に見える。

 赤いピンヒールのパンプスが、歩く度にコンクリートを打ち据え、高い音を立てていた。

 何時もの着物とは違い、めかし込んだ服装の彼女。

 

「みたいね。私も最初は上って言うから、今度は宇宙でやってる闘技場でも紹介されるのかと思ってたわ」

 

 そう言う私も、何時もの着物姿ではない。

 ラメを散りばめたかのように、ビル街から放たれる光を照り返すマーメイドドレス。

 上から下に、白から黒へと移り変わるグラデーションが美しい。

 肌にピッチリと張り付き、女を主張する艶めかしいその恰好に、周囲の目が向いているのが分かる。

 ……まぁ、それ以外の要因で注目されてる感も否めないけど。

 

 足にはチャイナシューズにも似た、赤いバラが刻まれたフラットヒールの黒いパンプス。

 手には何も持たず、顔には舞踏会にでも出るのかと聞かれそうな、ヴェネツィアレディの仮面。

 実は、今着ている私と絹代のドレスは全て光成が用意したものだ。

 その用意をする際、顔を隠せるものを要求したら、出てきたのがこの仮面。

 正直どうかとは思ったけれど、折角用意してくれたのだからと着用。

 結果がこれだ。確かに要求は満たされてるけどさ……

 

「あの爺なら何時か本当にやっちまいそうだな」

「宇宙人も混ぜて、宇宙最強は誰だーって?」

「ククク……もしそうなれば、多少は楽しめそうだ」

 

 僅かに口角を上げて笑う勇次郎。

 彼に関しては、普段とほとんど変わらない。

 何時ものカンフー着に、見覚えのあるジャケット一枚。見慣れた勇次郎の姿だ。

 ドレスコードをした勇次郎も見てみたかった私としては、少し残念な気持ちがある。

 

 勇次郎から視線を外し、それを見上げた。

 首を真っ直ぐに上げなければ、全容を把握出来ないほどに高いそれ。

 地上73階建て、地下8階。高さ240メートル、2000坪の超高層ビル。

 つい最近、光成が自費で建てたというラグジュアリーホテル*1だ。

 

 今回、光成が私にプレゼントしたいと言ったのは、このホテルの最上階。

 夢の一泊とか、最上階貸し切りとか、そういったレベルではない。

 文字通り最上階の全てを未来永劫私達に好きに利用させ、他の者に使わせない権利。

 光成はそれを私にプレゼントしてきたのだ。

 想像以上にプレゼントの規模が凄まじい。

 

 気持ちは嬉しいが、流石にそれは受け取れない。

 妊娠した事を喜んでくれるのはいいけれど、それはやり過ぎだ。

 咄嗟にそう言ったのだが、光成はそんな私に、これでもプレゼントとしては格が低すぎるくらいだと宣った。

 地上最強の生物たる勇次郎の子を孕んだ。

 その事実を、お主は過小評価し過ぎておるッ! と。

 

 もっと良い物を上げたいんじゃがなぁ。そう言って、無人島や石油田など、次々に空恐ろしいプレゼントの数々を上げていく光成に、根負けして受け取ったという流れだ。

 正直、この権利で妥協しておかないと、最終的に何をプレゼントされるのか分からない。

 受け取る側が妥協する必要のあるプレゼントを、軽率に渡そうとしてくる光成。

 太っ腹過ぎて、少し恐怖を覚えるお爺ちゃんである。

 

 さて、このまま立っているのもなんだし、入っちゃおうか。

 そう思い、絹代の背を押そうとした時、ホテルの玄関の自動ドアが開いた。

 中からパリッとした黒いスーツを着こなした、オールバックの男が出て来る。

 明らかに他の客といった様相ではない彼。

 ツカツカとこちらへと真っ直ぐに近付き、胸に手を当ててペコリと頭を下げて来る。

 

「いらっしゃいませ、範馬さま、天津神さま、堂本さま」

 

 どうやら、私達を迎えにわざわざ外まで出て来たらしい。

 愛想のある笑みを浮かべ、彼が勇次郎から、着替えなどが入ったバッグを丁重に受け取った。

 宿泊予定の部屋まで、代わりに持って行ってくれるらしい。 

 

「光成の紹介で来たわ。貴方は?」

「承っております。不肖、わたくし、当ホテルのジェネラルマネージャーを務めさせて頂いております」

「ジェネラルマネージャー!?*2」

 

 絹代が、愕然とした様に叫ぶ。

 今対面している彼が、実質このホテルにおけるトップだと知って驚いたのだろう。

 対して、私には特に驚きはない。

 そも、スイートルームを利用する客には、立場の高い者が対応するのがマナーだ。

 万が一にも失礼があってはいけず、加えてこれだけ立場の高い者が対応する価値が、貴方様にはありますという、無言の主張にもなるからだ。

 そこに最上階の永劫貸し切りとかいう、色々と規格外の客が来るともなれば、それに相応しい者が対応するのが当然。

 そこら辺を知らなきゃ驚くのも無理はないが。

 あとは単純に慣れの問題か。

 

 なんだかんだ、私は散々ホテルには泊まったからね。

 試合で現地に行けば、必然ホテルに泊まる事になる。

 そして世界最強の男ともなれば、それに相応しい者が出て来る。

 勇次郎は慣れてはいなそうだけど、特に反応は無い。

 彼の場合、その程度の事は些事だと気にしてないだけだろう。

 

「この後は?」

「既にお食事の用意は出来ております。後になさる事も出来ますが……?」

「どうする? 勇次郎」

「準備が出来てんなら行くぞ」

「じゃあ食事にするわ」

「かしこまりました。では、こちらへ」

 

 歩き出す彼の後に続く。

 少し小さい自動ドアが開き、私達を中へと通す。

 中は2階を貫通した吹き抜けになっており、自動ドアの小ささも相まって、開放感が凄まじい。

 GM*3がちらりとこちらを見て、ちゃんと着いて来ている事を確認し、足を止める事無く歩く。

 

 事前に開けさせておいたのだろう。一基だけ開いたままのエレベーターに案内される。

 扉に手を掛けて閉じない様にし、私たちを中に入れた。

 ボタンが押され、揺れの無いエレベーターに身を委ねる。特に会話は無く、暫くしてドアが開いた。

 

「どうぞ」

「ええ、ありがとう」

 

 扉を抑えてくれている間に、エレベーターから降りる。

 私達が全員降り終わった後にGMも降り、案内を再開。

 とはいえ、この階層はレストランのみの様で、エレベーターから降りてすぐに案内は終わった。

 

「野中さん、お任せしますね」

「はい、GM」

 

 GMが、レストランの入り口で待機していた男に話しかける。

 会話の内容からして、案内はこっちの男に引き継がれるらしい。

 GMがこちらに振り返り、ぺこりと礼をする。

 

「申し訳ありませんが、わたくしはここで席を外させて頂きます。後の案内は彼にお任せ致しますので、彼の案内にお従い下さい」

「ご紹介に預かりました当レストランのマネージャー、野(の)中(なか)三(みつ)男(お)と申します。ここからは私がご案内いたします」

「ええ、よろしく」

 

 着替えの入った荷物を持ったまま、GMが席を外す。

 こちらです、と歩き出すレストランマネージャー。彼の後に着いて行く。

 

 レストランの中は、最高級ホテルに相応しく、絢爛としていた。

 シャンデリアなどは無いが、隅から隅まで埃の一つも無く清潔。

 他の客が座っているテーブルを見ても、どの椅子も傷一つ無く、真っ白なテーブルクロスに一点の汚れも無い。

 豪華ではないが、煌びやか。

 うん、料理にも期待出来そう。

 

「どうぞ」

 

 レストランの奥にあった、一つの扉。

 そのドアノブを捻り、私達を中へと入れる。

 シックで落ち着いた雰囲気の部屋。

 外側の壁には一面ガラス張りの巨大な窓があり、外の景色を一望出来るようになっている。

 暗い夜の街。様々な色の光を灯す無数のビルのライトが美しい。

 

 部屋の中心にはテーブルが置かれており、マネージャーが椅子を引いたため、有り難くそのまま座らせてもらう事にした。

 絹代も同じく椅子を引いてもらい、勇次郎はマネージャーの手を借りる事無く、自分で座る。

 全員座り終わったのを確認し、マネージャーが口を開いた。

 

「お食事の前に、軽いお飲み物はいかがですか?」

「ん……」

 

 勇次郎が、私を顎で指した。 

 先に頼めという事だろう。

 

「そうね……無難にドライシェリーかしら」

「あ、駄目ですよ? アルコールを飲んでは」

「え、なんで?」

 

 唐突に差し込まれた絹代の言葉に、思わず首を傾げた。

 すると、マネージャーまでもが止めに入って来る。

 

「差し出がましいとは存じておりますが……私も、あまりオススメは致しません。妊婦にアルコールは、胎児に悪影響を及ぼしてしまいかねないものですので……」

「成長不全や病気。最悪の場合、流産もありえますよ?」

「うっ、それは確かに不味いわね……」

 

 この子を、勇次郎を楽しませられる様な、超健康優良児に産む。

 今の私の使命はこれなのだ。僅かにでも胎の子に悪影響があるような行動は、絶対に出来ない。

 

「なら、白ブドウのジュースはあるかしら?」

「ええ、そちらならばございますよ」

「じゃあそれで。二人は?」

「……同じ物を。大きめのグラスで」

「私もそれでお願いします」

「かしこまりました」

 

 マネージャーが退室する。

 それを見てから、私は勇次郎に話しかけた。

 

「いいの? 勇次郎は飲んでも大丈夫なのに」

「阿保ゥめ。この後お前とセックスするというのに、体にアルコールを含めるか」

「え、そこにまで影響するのアルコール……?」

「いえ、流石にそこまでは知りませんが……」

 

 困惑しきりの私と絹代をよそに、部屋の扉が開かれた。

 ブドウジュースの入ったグラスを持って、入室してくるマネージャー。

 ボルドー型の細いグラスを私の前に。ブルゴーニュ型の大きいグラスが、勇次郎と絹代の前に置かれた。

 

 その事に、ん? と疑問に思う。

 大きめのグラスと頼んだ勇次郎は兎も角、なんで絹代まで大きいグラス? と。

 少し考えて、大きめのグラスを頼んだ勇次郎の後に、同じものをと言ったから、勘違いされたのかと察した。

 

(大丈夫?)

(少し量が多いですね……)

 

 絹代に視線を送り、飲める? と聞く。

 彼女は困ったように眉を下げ、首を小さく横に振った。

 絹代、割と小食な方だしね。

 私みたいに体を動かす訳でもないし。

 

 無言で私のグラスと絹代のグラスを取り換える。

 そのやりとりを見て、マネージャーが勘違いに気付いたらしい。

 申し訳なさそうに、お取替えいたしましょうか? と聞いてくる。

 大丈夫よ、と答えてグラスに口を付け……仮面に当たり、カツンと音が鳴った。

 そう言えば、まだ仮面付けたままだったわね……

 

「……」

 

 ちらりとマネージャーを見て、迷う。

 そして、どうせ外さなきゃ食事は出来ないし、と諦めて仮面を脱いだ。

 横目にマネージャーを見れば、予想通りに彼は見惚れていた。

 グラスに口をつけ、どうしたものかと考える。

 

 ってこれ、美味しいわね。

 少し強めの酸味に、ほんの僅かな甘み。

 確かにジュースなのに、白ブドウの粒をそのまま口に含んだかのような飲みごたえ。

 鼻を通り抜ける芳香が、まるでワインを飲んでいるかのような、深い味わいを齎している。

 グラスがワイングラスなのも、ワインを飲んでいる気分にさせてくれて、Berry(ベリー) Good(グッド)だ。

 これならば、十分以上に食前酒代わりになるだろう。

 

 いい仕事するわねぇ。

 もう一口含み、口の中で転がす。

 ジュースを楽しんでいると、マネージャーがすみませんと一言告げて、席を外した。

 退室の際、僅かに見えた彼の顔は、確かに引き締まったプロの顔だった。

 

「あら、耐えた?」

「ようだな。前から思っていたが、何故わざわざ顔を隠す。堂々と自らの顔だと晒せばいいものを」

「貴方以外に見られたくないからよ。貴方だけに独占されたいのよ」

 

 勇次郎の疑問に、そう返す。

 私の言葉に、勇次郎はフンッと鼻を鳴らし、グラスに口をつけてそのまま飲み干した。

 フゥーッと息を吐き、何かを話す事も無く黙り込む。

 

「ぅ……」

 

 小さな呻き声にそちらを見れば、絹代がグラスを片手に、渋面を浮かべていた。

 どうやら、絹代の口には合わなかったらしい。

 まぁ、このジュースだいぶ酸味が強いからね。

 ワインの様な、深く芳醇な味わいと言えば聞こえは良いけど、要するに酸味が強くて甘みが少ないって事だし。

 

「もっと甘いジュースを頼む?」

「すみません、お願いします……」

 

 とはいえ、呼び鈴などがある訳ではない。

 マネージャーが戻るのを待つ事になる。

 まぁあの様子なら、少しすれば戻って来るだろう。

 もう一口グラスに口をつけると、丁度ガチャリと音を立てて部屋の扉が開いた。

 

 マネージャーが、クローシュ*4の被せられた皿を載せたカートを運びながら入って来る。

 もう私の顔を見ても特に反応していない。

 よく見れば、目の色が少し違っていた。コンタクトか何かを外したのだろうか。

 

 マネージャーが皿をテーブルの上に並べ、クローシュを外す。

 皿の上には、真ん中に切れ込みが入った半球状の豆腐があった。

 豆腐の中には黒い粘体が詰め込まれており、どんな味なのかを期待させてくる。

 

「これは?」

「ハイ、前菜の説明をさせていただききます」

 

 黒のダイヤとも呼ばれる黒トリュフ。

 それを裏漉ししたものに、オリーブオイルと生クリームを混ぜる。

 出来上がった餡を、プルップルの豆腐に詰め込んで団子を作成。

 その団子を少しだけ温め、温奴(おんやっこ)にして溶かす。

 最後に団子に切れ込みを入れ、シェフのこだわりとして、オリーブを一滴。

 裏漉し黒トリュフの豆腐団子・オリーブソース仕立て。

 

「どうぞ、お召し上がりください」

「頂くわ。あ、それとドリンクを頼んでも?」

「ええ、構いませんよ!」

 

 絹代の為に、甘いジュースを注文。

 それが到着してから、前菜へと手を伸ばした。

 

 カトラリーから一番外側にあるスプーンを手に取り、スッと豆腐に差し込む。

 柔らかな豆腐は、一切の抵抗なくスプーンを受け入れた。

 持ち上げると、ねっとりと付いてくる餡。

 静かに口に入れ、歯を立てずに舌で味わう。

 ん~~ッ! 黒トリュフの芳醇な香り、それをオリーブが引き立てている。

 さすがに美味しいわねぇ……

 

 そんな私の動作を見てから、勇次郎もカトラリーの外側にあるスプーンを手に取った。

 その様子を見て、疑問が浮かぶ。

 ……なんか、勇次郎の動きが鈍い? 私の動きを見てから動いてるというか。

 気のせいかな? というか、絹代が固まってる。

 

「食べないの絹代?」

「いえ、あの、こういったフレンチの食べ方までは習っておらず……」

「基本外側から使えばいいわ。これならスプーンね」

「すみません、ありがとうございます……」

 

 カチャッと音を立ててスプーンを手に取る絹代。

 カチャリと豆腐にそれを差し込み、掬って口へと運ぶ。

 

「美味しい……」

 

 ほぅっ、と蕩ける絹代。

 私も再び、料理に口を付ける。

 全て食べ終えた後に、ナプキンで口を拭い、スプーンを斜めに皿に置いた。

 すると、何故か一度スプーンを無造作に皿の上に置いた勇次郎が、わざわざスプーンを手に取り、無言で斜めに置き直す。

 

 ……あぁ、うん。なるほどね。

 まぁいいよ。男のプライドは理解してるから。

 私から勇次郎に何かを教えるという事が殆どないから、ちょっぴり楽しいし。

 食器の扱い自体は上手いから、多分知識だけで経験は無かったんだろうな。

 

 全員がオードブル(前菜)を食べ終わった後、皿が下げられた。

 一つを全員が食べ終わると、次の料理が運ばれてくる。

 スープ、海亀のスープ。

 ポワソン(魚料理)、伊勢海老のテルミドール。

 ソルベ(口直し)、ピーチシャーベット。

 アントレ(肉料理)、厚切りローストビーフ。

 デセール(デザート)、オレンジのレアチーズケーキ。

 

 一つ一つを、絹代と勇次郎に良く見えるように、ゆっくりとナイフとフォークを動かす。

 食べ終えた後にも、二人に見える様にゆっくりとカトラリーを置いた。

 コースを食べ終え、一息吐く。それを見計らい、マネージャーが尋ねて来る。

 

「何か、他にご希望の物はありますか?」

「ん、カフェオレをお願い出来る?」

「てるよ様」

「……もしかしてこれも?」

「はい。カフェインはあまり……」

 

 そっかぁ、こっちも駄目かァ……

 でもフレンチの食後はコーヒー飲みたいんだよなぁ……

 

「コーヒーを飲んでいる気分にさせてくれる、そんな飲み物ってあるかしら?」

 

 こういう困った時のギャルソン*5だ。

 マネージャーへと顔を向け、それを尋ねる。

 彼は一瞬考え、私の要求に答えた。

 

「そうですね、タンポポコーヒーなどいかがでしょう? コーヒーの風味に近いですが、コーヒー豆は使っていないので、カフェインは含まれておりません」

「じゃあそれで。二人は?」

「同じものを。大きめのマグで」

「同じもの……あ、小さめのマグでお願いします」

「あはは、はい。承りました。」

 

 また勘違いされては困るからか、言い直す絹代。

 それを受けて、マネージャーが苦笑いする。

 運ばれて来た飲み物を飲み、食事は終了。

 暫く夜景を見ろしながら会話を楽しんだ。

 

 

 

 ——— ———

 

 

 

 お腹も大分楽になってきた頃、そろそろ行こうかと二人に声を掛けた。

 それに合わせて、二人も立ち上がる。

 

「お上がりですか?」

「ええ」

「では、こちらへどうぞ」

 

 マネージャーにレストランの入り口まで案内される。

 既に入口で待機していたGMに案内が引き継がれた。

 

「楽しまれたようですね」

「ええ、久々に良いフレンチが食べられたわ」

「それは何よりでございます」

 

 少しだけ嬉しそうに答えながら、私達を先にエレベーターに通すGM。

 そして、72階のボタンを押し、到着すると私たちを先に降ろした。

 72階には二つの部屋があり、GMは二つの鍵を手渡してきた。

 

「範馬さま、天津神さま、堂本さま。お客様方は、こちらのフロアを貸し切りの状態でございます。どうぞ、お好きなお部屋をお使いください」

 

 そう言ってGMは一礼し、エレベーターに乗って下へと行ってしまった。

 貰った鍵の一つを絹代に手渡し、勇次郎と一緒に部屋に入る。

 部屋の中はアメニティーが充実しており、ラグジュアリーホテルのスイートルームに相応しいだけの豪華さがあった。

 ソファに座れば、尻が膝より深く沈み。

 冷蔵庫の中には様々なワインやカクテル用のお酒。

 ベッドはフカフカで、トイレは一面ガラス張りで外の景色を見下ろせた。

 

「いいわねぇ……偶の休暇には良い別荘だわ」

 

 ずっといるには少し向いてないけど、偶に来る分にはよさそうだ。

 流石に迷惑にもなるから、本当に偶にだけど。

 

 取り敢えずシャワーでも浴びようかな。

 ベッドで横になるにも、体が汚れたままじゃリラックス出来ないしね。

 脱衣所で服を脱ぎ、仮面を……あれ、仮面してない。

 食事の時に外したまま付け忘れたか。

 後で取ってきてもらおう。

 

 ……あれ、という事はGM私の素顔見てるわよね?

 特に反応無かったけど……流石はGMって所なのかしら。

 ぼうっと考え事をしながら身体を洗い流す。

 

 シャンプーもボディーソープも、品が違うわね。

 男の頃はあんまり気にした事無かったけど、洗った後の艶や潤いが段違いだ。

 このシャンプーやボディーソープは帰りに買いたいな。

 身体を流し終え、家の5倍は優にある湯舟に浸かる。

 

「邪魔するぞ」

「ふぇっ!?」

 

 浸かっていたら、何故か勇次郎が入って来た。

 手には何やら、大きなスポイトのような物を持っている。

 

 唐突に乱入してきた勇次郎に驚いて体が揺れ、バチャッとお湯が跳ねた。

 体を軽くお湯で流し、風呂へと入って来る勇次郎。

 質量が増え、湯嵩が増し、お湯が湯舟から溢れていく。

 勇次郎が私を持ち上げ、その下に座り私を乗せる。

 勃っていないとはいえ、かなりの大きさを誇る勇次郎の男性器の感触が尻に触れ、少し落ち着かない。

 

「えっと、どうしたの?」

「少し用事があってな」

「用事?」

 

 何の用だ?

 首を傾げていると、勇次郎の手が私の股間へと伸びていった。

 私の股を覆い、ふにふにと揉んでくる勇次郎。

 もしかして、此処でセックスでもするのだろうか。

 まぁ、するならするで歓迎だけどおおぉ!?

 

 股に意識を集中させ、勇次郎から与えられる快感を存分に味わおうとする。

 したところで、勇次郎の指がそこに触れた。

 

「……あの、勇次郎さん?」

「なんだ?」

「そこ、お尻の穴なんですけど……?」

「そうだな」

「なんでそこに触れてるんです……?」

「挿れるぞ」

「やーだー!」

 

 勇次郎から逃げようと暴れる。

 しかし、腹へと回された手がガッチリと私を抑えており、抵抗には何の意味も無く。

 ぱちゃぱちゃと水面が空しく揺れた。

 

「う~……」

 

 今までのセックスの時にも、散々お尻の穴には触れられてきた。

 だから、そこを弄られると気持ちいいという事は知っている。

 最近では弄られるのを前提で、セックスの前には清潔にするようにもしていた。

 勇次郎はやたらと私のお尻の穴に興味があるから、どうせ触れられるなら綺麗でいたいという考えだった。

 

 とはいえそれは、あくまでも弄られるだけで済まされていたからだ。

 男性器を挿れられるともなれば、流石に話は変わる。

 

「お尻の穴でのセックスなんて汚いでしょ!?」

「アナルセックスと言え」

「いや、そんな事は」

「アナルセックスと言え」

「いや、その……」

「アナルセックスと言え」

「…………アナルセックス……なんて、汚いでしょ」

「綺麗にすればいい。してこい」

 

 ……なーるほどぉ!? 用事ってこれの事ねぇ!?

 

「……しないって言ったら?」

 

 勇次郎を見上げて、最後の抵抗をする。

 なんとなく結果は見えてるけど、抵抗はする。

 そんな私を見下ろして、真顔のまま勇次郎が言った。

 

「今この場で突っ込むぞ」

 

 あ、これ本気だ。これ本気の顔だ。

 私がこれ以上抵抗するなら、汚物が詰まってるかもしれないお尻に、本気でそのまま突っ込む気だ。

 証拠に、私が下敷きにしている勇次郎のチンコが、段々と勃起し始めてる。

 力では勝てない。逃げてもどうせ捕まる。

 ……諦めるしかないかぁ。

 

「…………綺麗にしてきます」

 

 どうせ突っ込まれるなら、綺麗でいたい。

 勇次郎に私の汚い部分を見せたくない。

 既に見せ過ぎなくらい汚い所は見せて来たけど、それでもだ。

 これに関しては、もはや意地だ。

 

 諦めて立ち上がると、勇次郎に巨大なスポイトを手渡された。

 あぁ、これ何かと思ったらそれ用の器具なのね……

 

「はああぁ……」

 

 憂鬱だ。

 

 

*1:
所詮5つ星ホテル。ホテルのクラスとしては最高峰のもの

*2:
総支配人。ホテルの様々な部門を統括するトップ

*3:
ジェネラルマネージャーの略

*4:
レストランの皿に被せる銀色の丸いやつ

*5:
料理の配膳、料理やワインの説明、ゲストを記憶して好みを把握するなどの対応力が求められるウェイター




 
次回、エロ回
(次回はまだアナルは無し予定)

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