世界最強の男がTS憑依して範馬勇次郎に負けた挙句同意レイプされる話 作:白髪ロング娘スキー
本当にこの展開でいいのか、ずっっっっっっっっっっっと迷ってて投稿が遅れました。
正直悩み過ぎて考えるのが面倒になったので、このまま最初から考えてた展開で行きます。
多少お気に入りは下がるでしょうが、悩んでるだけじゃ、何時まで経っても話が進まないので。
私が書いてて楽しいからええねん(暴論)
「どうぞ」
「ええ、ありがとう」
運転手に開けて貰ったドアから、お腹を庇いながら、少し気怠い体を持ち上げて降りる。
私が車から降りた後、運転手はペコリと一礼をしてから車に乗り込み、発進して行った。
少しずつ小さくなっていく車を見送りながら、私は懐から携帯電話を取り出す。
電話帳を開き、お目当ての電話番号に発信。
ほんの3コールで、相手が電話を取った。
『おぉ、てるよか?』
「ええ、東京ドームに着いたわよ」
『そうかそうか! では今から地上まで迎えに行くから、適当な場所で待っていてくれい』
「分かったわ。それじゃあ」
『うむ!』
ぷつりと電話を切る。
通話履歴には、徳川光成の文字が残されていた。
別に、わざわざ光成が自分で迎えに来なくても、さっきの運転手に案内させればいいと思うんだけどね。
まぁ本人がやりたいと言うのだから、別に問題は無いのだろう。
……問題、か。
「何の問題も無いといいんだけど……」
今日は健診の日だ。
何の健診かと聞かれれば、妊娠の進行状態に関してである。
この前、勇次郎に耳掻きをしてもらった日。あの日にした吐血。
太山に放華を習うまで、この体に憑依してから約半年の間、ずっと付き合ってきたからあれの正体はよく分かる。
長時間の咳を伴う少量の吐血。少し黒く濁った血。
発作だ。間違いなく、あの吐血は発作によるものだった。
幸いにしてか、あの日から5日は経っているが、あれ以降発作は起きていない。
しかし、既に一度起きている事が次も起こらない保証など何処にも無い。
絶対という言葉は、この世には存在しないのだ。範馬勇次郎という男を除いて。
前の体での経験に加え、この体に憑依してから身に染みて学ばされた事である。
加えて、発作は輝夜の体が病弱な為に起きている病症だ。
放華で抑えてはいたが、何時かはこうなるだろうとも思ってはいた。
正直言って、どれだけ発作が起きて苦しもうが、私としては勇次郎が傍に居てくれるなら割とどうでもいい。
しかし、今は駄目だ。今だけは駄目なのだ。
今の私には、それで話を済ませられない理由がある。
なんせ、腹の中に勇次郎との子がいるのだから。
この体の病症が、赤子を蝕まない保証など無い。
という訳で、光成に電話をして健診の予約をしたのだ。
私の話を聞いた光成は、二つ返事で受け入れた。
勇次郎の子が、母体の病気が原因で流産するかもしれんなど許せはせん! と。
ましてや、その母体が地下闘技場のプリンセスともなれば猶更だ! と。
……地下闘技場のプリンセスという渾名が、完全に浸透している事からは目を逸らすとして。
世界一の外科医を用意すると言われて、今日で五日目。
朝早くに光成から、ドクターの用意が出来たと、東京ドームまで呼び出されたという訳だ。
妊娠の健診って産婦人科じゃないの? なんで外科医? というツッコミはするだけ野暮なのだろうな。
光成の事だ、間違えてヤブ医者を呼んでしまう、なんて事はまず無いだろうし。
私は光成が呼んだドクターの健診を、ただ黙って受けていればいい。
変に思考を回すのは疲れるだけだしね。
私は少し、考え過ぎる癖があるから尚更だ。
ぼうっと、何をするでもなく東京ドームを眺める。
すると、突然誰かにクイクイと袖を引っ張られた。
見れば、そこには5歳程度の小さな男の子がいた。
私の袖を掴み、ぎゅっと握り締めている。
「え、っと……どうしたの、ぼうや」
「きれいなおようふく!」
「あぁ……これ? これはね、着物って言うのよ」
「きもの……!」
どうやら、私の恰好に興味を惹かれたらしい。
着物を着ている人間は、外では殆ど見ないから、物珍しく思うのも仕方ないだろう。
だからって勝手に触れるのはどうかとは思うが……まぁ、所詮子供のした事だしね。
別にそこまでムキになって怒る事もないだろう。
もしもこれがナンパなら、勇次郎以外の男に勝手に触れられた嫌悪感と怒りで、躊躇なく半殺しにしていたが。
握り締めた袖から手を離す事無く、私を見上げてくる男の子。
彼と視線を合わせる為に、膝を折ってしゃがむ。
「今日は何をしに来たのかな?」
「やきゅー!」
「野球……」
もしかして、東京ドームで試合でもあるのだろうか。
そこら辺の情報は私は全く知らないから、何とも言えない。
私が東京ドームに来るのは、地下闘技場に行く為だからなぁ……
それ以外の用事で来る事は無かったし、帰りも寄り道をする事は無かった。
しかし、そう言われてみれば、確かに少し周りに人が多い気はする。
具体的にどれくらいと言われると困るが、何時も来る時よりも、外を歩いている人の姿が目に付く。
「誰と一緒に来たの?」
「パパとママ!」
「じゃあパパとママは何処にいるのかしら?」
「ん! ……あれ?」
ビシッ! と真後ろを指す少年。
しかし、どう見ても指の先に夫婦らしき人の姿は無い。
椅子に座って携帯を弄りながらハンバーガーを齧っている男や、真っ赤な顔で上機嫌に酒の瓶を呷っている男性。
男女のコンビも居なくはないが、どう見ても高校生のカップルだ。夫婦というには少し若すぎる。
「え、あれ、あれ……?」
「あー……」
なるほど、要は迷子か。
多分私を見つけて、物珍しさに寄ってきてしまい、その事に気付かなかった親と逸れてしまったのだろう。
親の姿が見当たらず、迷子になってしまった事に気付いたのか、少年の目が潤んでいく。
終いにはぺたんと地面に座り込み、俯いてしまった。
えぇ……? ちょっと感情の動きが激し過ぎて着いていけてないんだけど。
助けてくれ絹代、私子供の扱いに慣れてないんだ……!
脳内でイマジナリー絹代に助けを乞い、しかし力無く首を振られた。
クソッ、現実の彼女と違って、私のイマジナリーフレンド絹代は全く役に立たねェなッ!
いや、本当にどうしよう。私にはどうにも出来ないぞ。
だからといって、他の人に押し付けるのも気が引ける。
ある意味着物を着てる私も、原因の一端と言われれば否定はできないし。
押し付けたとして、ちゃんと送り届けてくれるかも分からないのも問題だ。
うぅ~……、やっぱり私が何とかするしかないのか。
「あー……、っと……」
どう対応するかを悩み、ふと親友がジムに迷い込んできた子供の相手をしていた時があったなと思い出した。
他に何か手段がある訳でも無い。取り敢えず、その時のやり方を真似する事にした。
……今も昔も、私はお前に助けられてばかりだなぁ。
懐かしい思い出に少し熱くなった目頭を拭い、少年に袖を掴まれていない方の手をやって優しく頭を撫でてやる。
半泣きの少年が振り返り、目尻に涙を湛えながら私を見てきた。
その目尻に指をやって、浮かんだ涙を拭う。
「どうやら、パパとママが迷子になっちゃったみたいね」
「ぁ……、うん!」
「じゃあ、パパとママを探しに行きましょうか。お姉さんも一緒に探してあげる」
「いいの!?」
「ええ。ほら立って、行きましょう?」
視線を合わせる為に折っていた膝を伸ばして立ち上がり、座り込んでいる少年の手を引いてやる。
引かれるに任せて少年が立ち上がった。
ズボンの尻を叩き、ホコリを落としてやる。
さ~て、迷子を親御さんに届けに行かなきゃね。
その為にも、まず情報を集めよう。
「パパとママは今日、どんな服を着てたかしら?」
「んー、パパあお! ママしろ!」
「ズボンの色は分かる? 下に履いてる服の色」
「おぼえてない!」
「そっかぁ……じゃあ、髪型は?」
「ママながい! パパはハゲ!」
「はっ……そう、なんだ」
そんな純粋な透き通った瞳をしながら、元気よくハゲとか言われても……その、なんだ。困る。
純粋が故に、同時に残酷でもあるわね。
「その……ハゲって言葉はパパには言わないでね?」
「なんで?」
「いいから……パパ泣いちゃうから……」
「……? うん、分かった」
遠い目をしながら言う私に、不思議そうに首を傾げながらも、少年が頷く。
一体、どこからハゲなんて言葉覚えてきたんだか。
むしろそっちの方に興味がある。
にしても……ハゲかぁ。
ハゲの勇次郎……いやこれ唯のスキンヘッドね。
むしろ威圧感があってカッコよさそう。
「あー、じゃあ、ママの髪はどれくらい長いかな?」
「おねぇちゃんくらい!」
そう言って、私を指差してくる少年。
私くらい……大体お尻辺りまでって事か。
「よし、OK! それじゃあ探しに行こうか」
「おー!」
まだ情報は不足気味だけど、これだけでも十分探せるだろう。
細かい事は、歩きながら追々聞いていけばいい。
私の声に、手を振り上げて、意気揚々と掛け声を上げる少年。
しかし、先程よりも少し強く握られた袖に、私は彼の内心の怯えを感じた。
ぎゅっと掴まれた袖から手を離させ、私の手を握らせる。
袖を掴むよりは、こっちの方が安心できるだろう。
少年の歩幅に合わせて、ゆっくりと歩く。
私からも逸れて更に迷子になるのを避けるためか、少年はあちこちに歩き回る事無く、静かに歩いてくれていた。
実は、最近少しお腹が大きくなってきていて、あんまり激しい動きが出来なくなっていたから、地味に助かる。
これで元気一杯に駆けずり回られてたら、最悪今の私じゃ追いつけないかもしれないからね。
流石に無いとは思うけど、子供って意外に身体能力高いからなぁ。
とはいえ、子供なんて嵐のようなものだ。
いつ何かに興味を惹かれて、ふらりと姿を消すか分かったものではない。
実際に、何度か興味を惹かれた物に、ふらふらと足を運ぼうとしていた。
今はまだ自制出来ているが、いつ好奇心が上回るか分からない。
……仕方ない、か。
「ね、お腹空いてない?」
辺りを見渡し、目に付いたフードコートを指差す。
少年はフードコートの方を向き、ぐるりと店を見回してから、ホットドックの店で視線を止めた。
少年がこちらを向き、笑顔で答える。
「すいてる!」
「じゃあ、あのホットドック食べようか」
「うん!」
よし、釣れた。
少年がふらふらと何処かに行かない様に、繋ぎ止めるためだ。多少の出費には目を瞑ろう。
よほどお腹が空いていたのか、少年はガツガツとホットドックに齧り付く。
少なくとも、これを食べ切るまでは大人しくしているだろう。
そうして少年と手を繋ぎながら、歩く事約5分。
与えていたホットドックが、早々に食い尽くされた。
一番大きいサイズを頼んだから、もう5分くらいは持つと考えていたんだけどな。
どうやら、私が思う以上にお腹が空いていたらしい。
ホットドックを包んでいた包装紙を少年から受け取り、代わりにティッシュを渡す。
手を拭かせて、包装紙ごと汚れたティッシュを、一緒にゴミ箱の中へと捨てた。
さて、次は何を与えて時間稼ぎをするか。
辺りを見渡して、何か良い物がないかを探す。
そんな私のお腹に、小さな手が置かれた。
見下ろせば、少年が心配そうな顔で、私のお腹に触れている。
「おねぇちゃん、おなかだいじょうぶ?」
そう言って少年は、私のお腹にあるオレンジ程度の、小さな膨らみを擦って来る。
彼に笑みを返して答える。
「ええ、問題無いわ。これはね、妊娠っていうのよ」
「にんしん?」
「そう。赤ちゃんが此処にいるの」
「あかちゃん……」
私がそう言うと、少年の目が興味深そうに輝いた。
彼が撫でやすい様に、少しだけ屈んで体勢を低くしてやる。
「キミも、キミのパパとママも。私だって、こうしてママがお腹を膨らませて来たから此処に居るの」
「ママも? ママのおなか、ふくらんでないよ?」
「育った赤ちゃんを外に出すと、膨らみが無くなるのよ」
「そうなんだ……」
口を半分開けたまま、両手で私のお腹を擦る少年。
別に構わないのだが、あんまり擦られ続けるのもきまりが悪いな。
……あ、そうだ。
「ね、私妊娠してるから、あんまり動けないんだ」
「そうなの!?」
「うん。だから、手を繋いでゆっくり一緒に歩いて欲しいな」
「わ、わかった!」
何処か緊張気味に、私の手を握り締められる。
想像以上に上手くいった事に、内心微笑ましく思いながら、ゆっくりと歩き出す。
一種のミッションとも考えているのか、少年は少し緊張しつつも、楽し気に私の手を引いている。
もう周りの物に興味を惹かれる事も無く、真っ直ぐに足を進めていた。
そうして辺りを歩き回ること約10分。
私達は、ようやくそれらしき男女を発見した。
とはいえ、男性の方はハゲというよりかはボウズ頭であり、服も青ではなく野球ユニフォームだ。
しかし女性の方は情報通りの白ワンピースで、髪は腰よりやや上のロングストレートだった。
二人して何か慌てた様子で、不安そうな顔をしながら、辺りを見渡している。
一応、少年にあの人達? と聞くと目を輝かせたため、あの二人なのだろう。
私と繋いでいた手を放し、バタバタと駆けていく少年。
そんな彼の姿に気付いたのか、二人が少年に駆け寄り、ぎゅっと抱きしめた。
慣れない事をして、自分でも気付かぬ内に緊張していたらしい。
正に暖かい家族といった様子の彼らに、私も肩から力が抜けていく。
「さて、行きますか」
別に恩が売りたくて迷子を送り届けた訳でもない。
私もこの後に用事があるし、迷子を送り届けるのにかなり時間を掛けてしまった。
一応連絡はしたが、光成の事だから先に行って待っているだろう。
格闘の事になると頭のネジが外れるけど、基本的には常識人だしね。
その分、頭のネジが外れた時のエゲつなさが凄いんだけど。
あと金持ちだけあって、金銭感覚が狂ってる。
建てたばかりの高級ホテルの最上階を永久貸し切りとか、モロにそれだし。
その他にも、私と勇次郎だけでどれだけ世話になったか分からない。
少なくとも私達の為だけに、このたった二ヶ月余りで1億以上は確実に使ってるわよね彼。
……普段も常識人かどうかちょっと怪しくなってきた。
「おねぇちゃーん! ありがとぉー!」
「! ……ふふっ」
後ろから上げられた少年の声に、思わず笑いが漏れる。
足を止める事無く手を上げ、軽く後ろ手に振る。
ん〜、相手をするのは少し疲れるけど、天真爛漫というかなんというか……子供って可愛いよなぁ。
私の子供も、あんな感じになるのかしら。
ちょっとだけ楽しみだ。
その為にも、まずは健診に行かないと。
後の約10ヶ月、流産する事の無いように、しっかりと注意しなければ。