黒井津さんへの淡い想いを秘めたウルフくんちゃんが悪の組織特有の淫魔王な身内の裏切りにより間違った男らしさを徹底的に追求させられ、無事えっち専用雌犬怪人として完成しちゃうやつ 作:デイジー亭
「ん……」
「おはようウルフ君。身体の調子は?」
「なんかすげーふわふわする。産まれた時みたい」
調整槽からの目覚めはいつだって、闇の中から浮上するみたいに。真っ黒な世界の中から、意識が引き上げられる感覚。自分のモデルは吸血鬼を祖とする
「そうだろうね。そういうコンセプトで調整したから」
「……?」
狼だったかどうかすら定かではないらしい。けれども伝承によれば、狼に似た姿形をしていたとも。故に、俺は狼を素体として培養された……らしい。黒井津さんに聞いたところによると、自分の来歴はこんなところだ。ぶるぶると身震いして、ネトつく培養液を弾き飛ばし。自分をしげしげと見つめながら差し出されたタオルで身体を吹きつつ思う。よくわからないけど……とにかくかっこいい。
「さて、ウルフくんちゃん。目覚めたばかりで恐縮だけどね……男らしくしてあげるために、きみを色々と調整した」
「例えば?」
「『黒色獣化』……きみの根源たる能力だけど、それをアップデートした」
「予算無かったんじゃないのかよ。そんなこと出来るなら、男の身体に創り変えてくれてもいいじゃん」
「ああ、元出はタダみたいなものだよ? ウルフ君を創った時と違って、カミュラ様から万能細胞貰い放題だし」
「そんなにあのひと、黒井津さんにあまあまだったっけ」
「ああ、俺からもお願いしたからね」
精神面での調整と聞いたけれど……こやつ、わりといい仕事をしてくれたようだ。言うだけのことはある……自分の能力は、
「何が出来るようになったんだ? というか万能細胞なら、もしかして身体の構造も……!」
「うんその通り、何でもできるよ。ウルフくんちゃんが望めば、男の身体にも自分でなれる」
「やったぜっ!」
予算が無くて素体の変更が利かなかったとはいえ、何といっても万能細胞。蝙蝠に変わったり、わりとやりたい放題のカミュラ様。彼女の形態変化は非常に多岐にわたる。希望が見えた……! なんだコイツ、結構いいヤツじゃないか。限られた予算内で、自分の希望を叶えようとしてくれるなんて。さすがに自分のワガママで、開発部の予算を食いつぶすわけにはいかない。
「……といいたい所だけど。バン君の開発時を覚えてるかな」
「ぬか喜びさせんのやめろよ。えーと……素体の拡張限界を超えれなかったのが問題だったんだよな」
黒井津さんがやたらに苦労していたのを覚えている。バン……バンダースナッチ。学習機構を搭載したアイツは、苦労の甲斐あってブレイダーを大層追い詰めたのだが……急遽披露された、
「それと一緒でね。きみのメンタルモデルは人間だから、あまり身体のカタチを急激に変えちゃうと……アイデンティティの崩壊を招く恐れがある」
「こっわ……じゃあどうするんだよ」
慣れ親しんだ黒色獣化の様子を確かめる……確かに、今までになかったパワーを感じるけれどそれだけ。胸がしぼんだり、顔つきが男らしくなる様子はない。リミッターが掛けられているようだ……まぁそうだよな。大幹部とは掛けられた予算が違うもん。好き勝手に自分で身体を弄れば、狂ったデッサン人形の出来上がりなのは間違いない。
「そこで俺の出番なのさ。俺の力は『
「それでどうなんの? あとおれは男だ」
「今は女性体だろ? だからこの手段が取れるのさ……つまり、きみの身体に俺がアクセスして未分化状態の万能細胞。それの分化先をゆっくりとコントロールするのさ」
「もっと簡潔に」
「きみが男としての自覚を持つほど、男らしくなる。オーケー?」
「オーケー。やったぜ、明るい未来の始まりだっ!」
ぴょんぴょんと跳ねて、悦びを表現する。ブラ下がる重い物は、服とブラで締め付けていてもだっぷだっぷ揺れる。男にはどう見ても必要ない大きさ。肩こりの原因となるこれからも、やっとおさらばである……それに男になれば。きっと黒井津さんも……!
「注意点が一つ。予算が足りなかったからね……リスクももちろん存在するよ? ウルフくんちゃんの認識に、浮動状況に置かれた万能細胞は大きな影響を受ける」
「えーっと、どういうことだ?」
「つまり逆もありうるってことさ。平たく言うとね、きみが男らしくない行動を取るとだ。ウルフくんちゃん……きみはもっと女の子らしくなっちゃうんだ」
「な、何だよそれっ! 詐欺じゃんっ!」
「だから俺の指示には従ってね? 勝手なことをされると、コントロールが乱れるからさ」
「う、うう……わかった」
何だそれは。あまりにも恐ろしい……今でさえブラが必要なほどに、女らしい自分の肉体。それがさらに女らしくなるなど、到底看過できない展開である。しかも普段は軽いコイツが、真剣な口調で説明してくるからには……やり直しは、多分効かない。おれは自分がとんでもない爆弾を抱えたことに戦慄しつつも、大人しくコイツに従うことにした。
◇◇◇◇◇
(ふふ、アクラさんったら悪辣ぅ……♡)
しょんぼりと肩を落とす、かわいい娘を眺めつつ思う。これで彼女は、一切の抵抗をする気を無くしただろう……洗脳なんかじゃなく、創り出した状況で自分から言うことを聞くように仕向けるその手腕。やっぱりこの人は最悪だ……すぐにでも肉奴隷に出来るのにやらない。彼はウルフ君が、大層お気に入りなのだ♡
「あ、あんまり見るなよぉ……」
「何言ってるのさウルフくんちゃん。同性に見られて恥ずかしがるなんて、男としてどうかな」
「う、うう……」
だってかわいいもん、ウルフ君……自分が騙されていることにも気づかず、進んで罠に飛び込むチョロ雌♡ 恥ずかし気に身を捩り、前かがみになって熱い視線を避けようとするが無駄……男らしくない行動を咎められ、しぶしぶと耳と背筋をピンと張る。彼女に仕込んだ罠は、万能細胞だけではない……その精神構造にも、少々変化を加えてある。
「だ、だって恥ずかしいじゃんか。おれの身体、まだ女だし……」
「ウルフくんちゃんは、恥ずかしがり屋だなぁ」
「ふふ、動かないでねウルフ君。私も応援するから……まずはこれ、男の子には要らないよね」
「あっ……く、黒井津さん!」
背中側に回って、ホックをぷちりと外す……とたんにだっぷんっ! とネクタイを押し上げるパイ肉♡ わざわざ服を着せた甲斐があった、しゅるしゅるとノースリーブの腋からブラを引き抜きつつ顔を見ると……俯いて羞恥に紅潮している、大成功♡ あわあわと手を彷徨わせる彼女は、あんなに苦労して着用するように言い聞かせた女の子の下着。それを必死に取り戻そうとしている……♡
「必要ないでしょ。男なんだし」
「そ、そうだけど……!」
「大丈夫だよ、ウルフ君。もう着けるよう、強要なんかしないから」
「うぅぅ……!」
そう、羞恥心の強化。それが彼女に仕込んだ、第二の毒……男の子になりたいのに、えっちな自分の身体を見られるのはとっても嫌。ブラを没収され、恥ずかし気に胸を腕で隠す姿からは……男らしさなんて微塵も感じない♡ そしてそれが、第三の毒に繋がるのだ……彼女は自分から、最後の毒を飲み干してしまう♡
「でもこんなに恥ずかしがってると、未分化細胞に悪影響かな。しょうがないな、黒井津さん……
「はぁい♡」
「あ、あそこ……?」
思わず声が弾んでしまう。でもそれどころじゃない彼女は、私が雌の声を出したことにも気づかない♡ 電話を総務部に掛けて、施設の利用申請を行う……恥ずかしがり屋さんな彼女のために、この人が前々から建設させていた特別部屋の利用申請を♡
「何、今のウルフくんちゃんを人目に晒すのは良くない。恥ずかしがると、女の子に近づいちゃうからね……誰も来ない場所を用意した。しばらくはそこで暮らそうか」
「えっと……うん」
「許可が降りました♡」
「ありがとう黒井津さん。じゃあ行こうか」
「わぷっ……うう、前が見えない」
ばさりとウルフ君に被せられるシーツ……それにも彼女は抵抗しない。えっちな自分の身体を見られたくない以上に、女の子になりたくないから♡ ぷるぷると震えながら男に手を引かれ、泣いても叫んでも誰も来ない場所に連れ込まれる姿はまさによわ雌♡ 素晴らしい姿だ……さ、じっくり堕ちようねウルフ君♡
◇◇◇◇◇
「こ、ここは……?」
「次元の狭間。アラクネに協力を得てね……俺の許可が無いと、誰も入れないから安心して? ここならじっくりと、男らしさを探求できる」
「展開要塞異城……? でも、なんか様子が違うような?」
「あそことは別だよ? ウルフ君。アラクネ様、アクラさんに頼まれて張り切っちゃって……わざわざ別空間を用意してくれたんだよ」
「うーん、大サービス」
どおりで途中で、なんか肌に違和感を感じたわけだ……被ったシーツから恐る恐る顔を出すと、暖かな照明に照らされた部屋。わりと広い……中央には大きなベッド。他にはやたらと背の高いテーブルセットと……冷蔵庫や、ポッドとかも揃っている。予算、無かったんじゃないかな。家具とか必要家電が揃っちゃってるじゃん。大きなウォークインクローゼットすら、壁面に設えられているのが見える。
「ウルフくんちゃんにとって、最適な環境を用意させたよ。気にすることはない……大幹部の予算は潤沢だからね」
「それをちょっとでも、開発部に回してくれれば……!」
「ちょっとそれは無理筋かなぁ……アラクネ様の私物を、借りさせてもらってるだけだし」
「がっくし……」
壁面に備え付けられた、大画面デジタルハイビジョンを見て想う。世の中不公平だ……悪の組織って、この格差を解消するために頑張ってるんじゃないのか。いや違う、目的は世界征服だ……つまり世界の頂点に我らが首領が君臨し、下々の者はそれに奉仕する。あれっ、考えてみるとおれたちの立場は目的達成してもあんま変わんなくない? 引き続きコキ使われるに違いない……現実逃避して嫌な事実に思い至ってしまうほどに、豪勢な部屋。
「基本的に、男らしさの特訓はこの施設内で行う。慣れてきたら外に出してあげるから、それまで我慢してね」
「うーん、生活に不自由なさそうだし……わかった。早く外に出られるよう、おれ頑張る」
「その意気だよ、ウルフ君。私もサポートするから、早く立派な男の子になろうね」
「黒井津さん……!」
「じゃ、私は研究に戻るから。何かあったら連絡してね」
「うん……」
優しい言葉にキラキラと目を輝かせて、見上げた途端にはしごを外される。そうだよね、黒井津さんにとってこれって業務だもんね。仕事の鬼である彼女は、自らの立場を向上させること以外にあんまり興味がない。おれにも……だが、きっと振り向かせてみせる。見ていてくれよ、黒井津さん。おれ頑張るから……ドアの向こうに消える白衣を見送りながら、決意を新たにした。
◇◇◇◇◇
「ふふ、チョロいチョロい♡ さすがはアクラさん♡」
コントロールルームに移動して、モニターから様子を見る。隠しカメラに映る室内……様子を見ると、悠々とソファーでくつろぐアクラさんと所在なげにベッドに座るウルフ君の姿。見守ってるよ、ウルフ君……特等席で♡ アクラさんがハメ堕として言うことを聞かせたアラクネ様が創り上げた、『
「ぽちっとな」
『ん……何か暑いような』
『ああ、見た目は豪勢でも安普請でね。空調はわりと適当らしい』
『世知辛い……大幹部でもそれかよ』
まずは小手調べ。ばっちり効かせた空調の温度を急に向上させる。造りが安いなんてもちろん嘘。アクラさんに堕とされたアラクネ様が、手を抜いた領域なんて拵えるわけがない。ぱたぱた遠慮がちに、シャツのノースリーブの腋から空気を取り入れるウルフ君♡ アクラさんの視線が向くたびに手が止まる姿の、かわいらしさと来たら♡
『と、ところでアクラ。何でお前まだ居んの?』
『そりゃ一緒に暮らすからだよ。つきっきりって言ったでしょ? 男同士なんだし、共同生活ぐらい余裕でしょ』
『そ、そうだけどさぁ……』
『それとも何かな? ウルフくんちゃんは、女の子になりたいのかな? 俺はいいけどさ、君の細胞には悪影響だよ……まぁ寝る時は別にしようか。これが譲れる最低ラインだよ』
『う、うう。わかった』
そしてけだものとの共同生活も、自分の身体を人質に取られてあっさりと受け入れてしまう♡ 人生経験の浅さが、ウルフ君の脚を盛大に引っ張ってしまっている……気づいた時にはもう遅い♡ もう既に手遅れ……沼底にどっぷり耳の先まで沈められることは、確定した未来である。ああ……頑張ってね、ウルフ君♡ 無駄な抵抗をちゃんとして、雄様を悦ばせなきゃ♡