この作品では性描写そのものが物語の進行に不可欠なものとなっています。
おまけでは無く。密接に関わってくるもの。
そう考えながら読んでくだされば色々なものが見えてくると思います。
「待っていたよ、黒沢君。まずは旅の疲れもあるだろう。座ってくつろいでくれたまえ」
桜の間では既に2人の人物が黒沢の到着を待っていた。
1人はアルティメットこと竹中醍醐官房長官。
もう1人の人物も黒沢が既に知っている男だった。
「美香ちゃんも来ているんだろう?後で挨拶に行こうかな。さぁ、遠慮せずに」
竹中の方が黒沢より年下なのだが、地位が上の為黒沢の方が敬語を使っている。
「それでは、お言葉に甘えさせてもらいます」
黒沢は座布団の上に座り、にこにこ笑っている竹中の顔を見た。
(この方ほど恐ろしい人間に会った事が無い。
微笑んでいるのに、凄まじい殺気すら感じる)
竹中と相対した時、黒沢は勝手に冷や汗が出てきている事を認識した。
「既に知っていると思うが、革新党(かくしんとう)の方針は神谷(かみや)財閥(ざいばつ)との相互協力だ。
君としては綾小路財閥がないがしろにされ、当然不満が出てきている事だろう」
「仰る通りです」
「我々3名は立場こそ違えど、共通している点が1つだけある。
即ち、織田信虎総理大臣の存在が疎ましく、排除してしまいたいと思っている点だ」
彼等は3人共違う場所からこの古都へとやってきたが、途中でしつこい程尾行されていないかどうか、その確認を怠らなかった。
「そうだろう、幸田(こうだ)君」
幸田と呼ばれた男はその名前で呼ばれる事に抵抗を感じながらも、それを隠しつつ頷いた。
「ニューヨーク行き100便爆破テロ。
私は当時の事を昨日の事の様に覚えている。
天武日本航空の保有する大型ジャンボジェットがニューヨークへ向かう途中、紅虎(こうこ)明命(みんめい)の自爆テロによって海に墜落した。
テロリストを含めた乗員乗客は全員死亡。
乗客の中にはニューヨークで行われるコンサートの会場へ向かう氷室(ひむろ)一誠(いっせい)とその妻でピアニストの氷室(ひむろ)仁美(ひとみ)。
同じくそのコンサートで演奏を行う予定だったバイオリニストの綾小路(あやのこうじ)巴(ともえ)。
妻の演奏を聴く為に同乗していた綾小路財閥の元総帥、綾小路(あやのこうじ)獅子王(ししおう)がいたのだ」
黒沢はそう言った後、幸田と呼ばれた男を睨み付けながら怒気を込めた口調で言葉を続ける。
「我々は大切な人間を失った。
音楽界にとっての損失は計り知れないが、財閥とプラナスが受けた損害はそれ以上だ。
必ずテロリストの親玉を探し出し、復讐しようと心に誓った。
その相手が今目の前にいるとはな!」
幸田と呼ばれた男は睨み返そうとしたが、竹中の笑顔を見て怯えたのか歯をくいしばりながら俯いた。
「君は償いをしなければならない。
黒沢君の事は君もよく知っているだろう。
君達は天武日本の国民など虫ケラだと思っているかもしれないが、それは逆だ。
我々権力者の前では君達信国人の方が虫ケラ以下の存在なんだよ」
竹中は邪悪な笑顔を崩さぬまま、懐から黒い手帳を取り出した。
「私は織田信虎を殺したい。
私怨もあるし、総理大臣になると言う私の野心を現実のものとする為にはあの男が邪魔だ。
私が総理大臣になれば信国の政策は君達の得になる法案が可決する様になり、黒沢君がいる綾小路財閥を重用するだろう。
織田信虎が死ねばここにいる3人全員が幸せになるし、潤う事になる。
私の言っている事が間違っているかね?」
竹中は幸田と呼んでいる男に黒い手帳を渡し、恵比寿顔から般若顔へと表情を変える。
「この手帳に今回の計画の全てが書かれている。
ZERO全国大会の会場へと足を運ぶ織田信虎を亡き者にする為の計画だ。
実行するは君達紅虎明命のメンバー、そしてこの暗殺部隊のリーダーは勿論君にやってもらう。
大丈夫だ。君が捕まる様な展開にはならない。
君がやらなければならない。
私達には立場というものがある。失敗は許されない。
確実にやり遂げるんだ。いいな?」
(畜生、倭人如きが偉そうに)
言い返せない悔しさを感じつつも、男は頷く他無かった。
彼の名は尹(ユン)昌浩(チャンホ)。
信国では天武日本国臣民として幸田(こうだ)昌浩(まさひろ)と言う日本人の名前を無理やり与えられている。
織田信長に侵略、統治される事となった明と朝鮮の屈辱は計り知れないものがあった。
彼等の元の国の言語を完全に廃止し、日本人の名しか使う事を許されず天武日本国民の二等国民と言う格下扱い。
さらに厳しい弾圧と言論統制が敷かれ、逆らう者は容赦無く逮捕または処刑される。
天武日本は表向きには『同盟国(どうめいこく)』と言う体裁をとっていたが、事実上は『属国(ぞっこく)』以外のなにものでも無かった。
勿論、こんな扱いを受けて国民が黙っているはずも無く、テロリスト集団『紅虎(こうこ)明命(みんめい)』が誕生する事となる。
彼等の悲願は信国の独立及び天武日本を属国として跪かせる事。
その為ならば天武日本国民の殺戮も躊躇わない。
これまでにも違法なドラッグを使った天武日本国民の無力化計画、飛行機の自爆テロなど様々な事件を起こしてきた。
だが日本支部が綾小路財閥の逆鱗に触れてしまった事で彼等は財閥の『駒』へと変貌してしまったのだ。
尹は紅虎明命の日本支部のリーダーであったが、今は生きるも死ぬも竹中官房長官の気分次第と言う状態だった。
「さてと、あまり長い間秘密の話をしていてはいけない。
幸田君、君はもう帰りたまえ。
手帳にはZEROドームの見取り図や、我々が座る椅子の位置も記されている。
H2O爆弾の調達方法や、武器の持ち込み方も書かれているから、参考にする様に」
使い走りの様な扱いを受けて、気分が良くなるハズが無い。
それでも逆らえない相手である事を尹はよく知っていた。
(信虎が死ねば、日本の政治経済は確実に混乱する。
こいつ等が思っているよりもずっと深刻な状況に陥るだろう。
さらに、明の義士達が一斉に動き出す。
その混乱の中で我々を制御出来るわけが無い。
いかに金や権力があろうとも、その激流の様な民主化の流れは止められないぞ。
そして諸外国に天武日本の非道さをアピールし、支配される側が支配する側へと華麗なる変身を遂げるのだ)
彼はこの立場で満足するつもりは無かった。
この2人や政府の役人達を蹴散らして明がアジアのリーダーとなる。
今まで天武日本が受けていた様々な恩恵を全て奪い尽くす。
それが紅虎明命の理想であり最終目標であった。
尹がその場から退席すると、竹中は大きな溜息をついた。
「全く、信国人と言うやつは本音と建前の区別も出来ない種族の様だな。
我々と対面している時ですら憎悪を剥き出しにするとは。呆れてものも言えない」
「天武日本人は思慮深い方ですが、どうも信国の者達は感情で動く人間が多いので困ります」
本音を隠して作り笑いする事を完璧にこなしてきた竹中にしてみれば、陰険な態度で接してくる尹の心中を察する事が出来ないのは当然とも言える。
天武日本国民の殆どが高圧的な態度で信国人と接してきた。
彼等が竹中や黒沢を恨むのは当たり前であろう。
信国人は思った事が即座に顔に出る為器用に振る舞う事が出来ない。
その結果この2つの国の民はさらにいがみ合う事になってしまうのだった。
「さぁ、気分を変えよう。
あの愚かな道具の事は忘れて、美味い御馳走でも頂こうじゃないか」
この料亭の部屋には内線のみの電話が用意されており、それを使って料理の注文を行う事が出来る。
「私だ。すまないが、3人分の鴨ちりとふぐの刺身を用意してくれ。
それと、娘をこっちに連れてきてほしい」
注文を行った後、女将が美香を連れてやってきた。
その後ろでは従業員が料理を持って待機している。
「そろそろだと思って、用意をしておりました」
「何時も何時もすまないね。やぁ美香ちゃん。
お父さんの言う事をちゃんと聞いているかい?」
「はい!私はいずれ御父様の跡を継ぐ事になります。
姉様の様な立派な経営者になる為に日々努力しています」
「いやぁ、君の娘さんは本当に偉い。君の奥さんと同じ位しっかりしている」
竹中に褒められ、黒沢は頭を下げ笑顔を見せた。
「私も妻も娘には立派な人間になってほしいと思っているんです。
民衆を自在に操り、頂点に立つ事が出来る様な立派な人間に」
美香も笑顔を見せ、運ばれてきた料理の豪華さを見て無邪気にはしゃぐ。
彼等の密かな企みはスタートラインに立ったばかりであったが、竹中は計画の成功を信じて疑わなかった。
午後10時30分 ゲームセンター西京(サイキョウ)内
雨宮比呂子には、物心ついた頃から身についていたある特技があった。
(師匠が動き出した。何処へ行くつもりなんだろう)
一度旅館に向かい、服を着替えニット帽を被らずにゲームセンターに戻ってきた彼女は別人の様に見える。
小学生の頃から臆病で引っ込み思案。
高校生の時に虐めを受けていた比呂子は、気配を消す手段を身につけていた。
石ころの様に気配を消して人波の中に隠れる事が上手く、足音を立てずに歩く事も出来る様になった。
自分から存在を主張しなければ、存在感が薄い為透明人間の様に気配を消してしまう。
その為気配を消すだけで無く、尾行も彼女の特技の1つになった。
ゲームセンターで人が少なくなるのを待っていたかの様な行動を取っていた狩谷の動きに疑問を抱いた比呂子は、狩谷の後を尾行する。
狩谷はゲームセンターを出て、茜祭が行われていた大通りを歩いていった。
祭が行われていた時と違い人影はまばらで、辺りは静まり返っている。
(急がないとな)
狩谷は尾行されていないかどうか何度か振り返って確かめたが、比呂子の尾行術は彼の慎重さを上回った。
(怪しまれる事位御見通しですよ、師匠)
灯りの無い暗闇や曲がり角に身を潜め、何度も狩谷の視界から姿を消しつつ彼の後を追う。
3、4回程自分の背後を確かめた狩谷であったが、待ち合わせの時間に遅れると思ったのか歩を速めた。
やがて、古都府でもよく知られている八条(はちじょう)大橋(おおはし)へとやってきた狩谷は、そこにいた女性に対して手を振る。
青いシャツと長めのスカートがよく似合う女性は、狩谷が近くに来ると不機嫌そうな表情を見せた。
「遅かったじゃない」
「悪い。尾けられてないかどうか心配でな」
比呂子は癖のある金髪の女性の顔を見た。
確信は無いが、彼女を何処かで見た事がある様な気がする。
(あのパッチリしたつり目……
何処かで見た様な気がするんだけど、誰だったっけ)
そう考えていた比呂子は、2人がしっかりと抱き合ったのを見て思わず声をあげそうになった。
「優、ごめんね。
貴方に恰好良い所を見せてあげられなくて」
「真紀(まき)……お前はよく頑張ったよ。
氷室零相手じゃ分が悪かった。しょうがねぇさ」
その時、比呂子は全てを理解した。彼女の事も、2人の関係も。
(思い出した。雑誌に載ってた時は黒髪だったから解らなかったんだ。
あの人は兎川(うかわ)真紀(まき)。
2004年の全国大会でベスト8に輝いたプレイヤー……天邪鬼の正体も彼女だった)
「優と私の関係を知られたくなかったから正体を隠していたけど……
いずれは皆に知られる事になるわね」
「ああ。ずっと前からお前の事が好きだった。
すぐってワケにはいかないが、来年には婚姻届を出そう」
真紀と比呂子、2人の女性の頬に同じタイミングで涙が伝った。
「嬉しい……その言葉を待っていたわ、優」
「これからはお前と俺とで一緒に歩いていこう。
絶対にお前のそばから離れたりなんかしない」
比呂子にとってはショックが大きい出来事だった。
狩谷に対して抱いていた恋心が、見事に打ち砕かれてしまったのだ。
(師匠に恋人がいたなんて……いや、恋人じゃない。
婚約者がいるなんて想像もしてなかった)
抱き合い、キスを交わす2人を見ている事が苦痛だった。
比呂子は気付かれない様にその場を離れる。
月明かりの下、2人は暫くの間お互いの顔を見つめ合っていた。
片思いである事は自分でもよく解っていた。
そして狩谷に距離を置かれていた理由もたった今判明した。
頭では理解しようと思ったが、狩谷への思いは自分が考えていたものよりずっと大きなものだったのだ。
(師匠……大好きです。
真紀さんの事が好きなんでしょうけど、私も貴方の事を愛しているんです)
旅館に帰らなければならない事は解っていた。
それでも、溢れ出る感情と涙がそれを拒んでいる。
こんな無様な顔では旅館に帰れない。
比呂子はあても無く辺りを彷徨い、悪戯に時が流れていった。
午前1時 古都府老舗旅館『斑鳩(いかるが)』混浴露天風呂 脱衣所
比呂子は自分でも何時旅館に戻ってきたのか解らなかった。
気が付いたらそこにいたと言う感じだった。
この旅館は24時間受付が開いており、チェックインを済ませている者に関しては夜中でも出入りする事が出来る。
赤く腫れたまぶた、涙の流し過ぎでくしゃくしゃになった顔、充血した目。
この状態のままで部屋に戻りたくないと思った比呂子の足は、自然と露天風呂の方へと向いていた。
(この時間に入る人もいないだろうし、お風呂に入って気持ちを落ち着けよう)
夢遊病患者の様に足取りはふらつくものの、先程の尾行していた時の動きが勝手に出ている。
この旅館の露天風呂は一旦旅館の中庭を通って脱衣所へ行き、そこで服を脱いで外の露天風呂に入ると言う流れだった。
脱衣所から露天風呂はそう遠く無く、ガラスの向こうを見れば外の様子は解る。
(こんな夜中に、入っている人がいるんだ……!?)
脱衣所で服を脱ごうとした比呂子は露天風呂で繰り広げられている光景に唖然とし、素早く身を隠した。
そして姿を見られない様にしながら風呂場の方を覗き見る。
そこには、信じられない光景が広がっていた。
「な、なぁ姉やん……
やっぱりここでするのは不味いと思うんやけど」
「だったら何処ですればええと言うんや?
旅館の部屋なんか音だだ漏れやで。
それにこんな夜中に入ってくる酔狂な人間はおらんわ。
他の部屋の鍵が全て閉まってた事も確認したしな」
露天風呂にいたのは零達と同じ様にこの旅館に宿泊していた双葉姉妹だった。
2人とも露天風呂に入っているのだから全裸なのは当たり前なのだが、双葉沙織の股間には明らかに女性にはついていないものがついている。
比呂子は男性器を見た事が無い為解らなかったが、それは通常の男性器とは違い、包皮が存在していなかった。
クリトリスが巨大化してペニスと同じ様な形状に変化している。
屹立したそれを、香織はゆっくりと口の中におさめていった。
「ね、姉やん……凄くええよ……」
旅館に宿泊している者達が全員眠りについていると誤解した双葉香織はわざわざリスクが伴うこの露天風呂でのセックスを思いついたが、比呂子の存在に気付けなかった。
彼女は午前1時になってからこの旅館に帰ってきたので、2人は彼女の事を忘れていたのだ。
(嘘でしょ……両性(りょうせい)具有(ぐゆう)?
うわ、信じられない。本当に口でしてあげてる……)
逃げなければならないとは思いつつも比呂子はその場から動く事が出来ず、その淫らな光景から目を離す事が出来ない。
ついさっきまで感じていた哀しみや胸の苦しみもあまりの衝撃で一旦何処かへ吹き飛び、ただ見ている事しか出来なかった。
「姉やん、上手いで……ウチ、イッてしまいそうや」
「何時でも出せばええよ。
どうせ興奮してもうたらウチらはなかなか萎えへんからな」
小刻みに身体を震わせ、姉が与える快楽に酔いしれる沙織。
ペニスがまるで別の生き物の様にひくつき、貪欲に射精の快感を求めている。
「うッ」
沙織はそのまま姉の口の中に射精した。
彼女の口から透明な粘液が流れ落ちていく。
(あれ、子供の頃精液は白いって聞いた事があったけど……
何で透明なんだろう。ふたなりの精液が特別なのかな?)
1回の射精量は一般的な男性よりも多かった。
肉棒のサイズもかなり大きく、出したばかりだと言うのにさらに硬くなっている。
「まったく、身体が大きくなっても堪え性が無いのは相変わらずやな」
「だって、ウチのチンポ敏感なんやもん……
姉やんのもそこまで変わらんやろ」
立ち上がった香織の股間にも妹と同じモノがあり、同じ様に重力に逆らっていた。
(ふ、双子でふたなり……!?)
比呂子は自分が見ているこの光景が夢なのではないかとすら思い頬をつねったが、これは紛れも無い現実だった。
香織は意地悪そうな笑みを浮かべ、自分のペニスを沙織のペニスに押し付けて擦り合わせる。
「ひうッ!あかんわ姉やん。
それ気持ち良過ぎてイッてまうよぉ……」
「敏感なチンポ同士擦れ合うと気持ちええやろ。
さぁ、今日はどっちにするんや。咲がやりたい方を選んでええんやで」
「……姉やんのが欲しい」
香織は妹に手をつかせ尻を上げさせた後、自分のモノを背後から挿入し沙織のペニスを扱き始めた。
「そ、それ変になってまうよぉ!」
扱いているペニスがひくつき、ペニスと連動している膣が香織のペニスをぎゅうぎゅう締め付ける。
「大きな声出したらあかんで。
従業員が来たら大変な事になるやろ」
(従業員じゃないですけど、部外者が既に1人ココにいます……!)
淫らな宴をただ1人見つめていた比呂子であったが、不思議と興奮する事は無かった。
眼前で繰り広げられている光景があまりにも現実離れしていた為、自慰行為をすると言う発想すら浮かばなかったのである。
「姉やん、姉やん……ウチ、もう」
「ウチもいきそうや。中にたっぷり出すで」
激しく腰を打ち付け、さらにペニスを扱き続ける。
沙織は口から涎を垂らしながら絶頂を迎えた。
「くうううッ!」
(い、今しか無い!)
2人が完全に周囲の状況を無視した瞬間を見計らい、素早く脱衣所を飛び出した比呂子は逃げる様に自分の部屋へと戻っていった。
一方、射精の快感に我を忘れている2人は自分達の痴態を覗いていた者がいた事等知りもしない。
「はああ……すご……」
「良かったで咲。ウチの精液が咲の膣内(なか)に仰山注がれてるのが解るやろ?」
沙織の膣内で香織のペニスがビクビクと脈動し、透明な粘液が何度も注ぎ込まれる。
沙織も自身の欲望を全て吐き出し、恍惚の表情を浮かべていた。
比呂子は自分の部屋へと戻り、荒い息を吐きながらその場にへたり込んだ。
(もう、何がなんだか……なんて酷い1日なんだろう。
師匠との戦いには負けるし、師匠には婚約者がいるし、入ろうとした露天風呂にはふたなりの先客がいるし……)
奥の方では氷室瞳が布団で寝ていた。
夜中だと言うのに強烈な映像を見てしまったせいか比呂子はなかなか眠れない。
(先輩に相談しよう……)
比呂子は自分の部屋から外へ出ると、あかりと豊がいる部屋のドアをノックした。
豊は一度眠ってしまうとなかなか起きれないタイプの人間なのだが、あかりは物音で目を覚ます。
「何だって言うのよ、こんな夜中に……」
豊を起こさない様に静かにドアを開けると、比呂子が部屋の中に入ってきた。
「どうしたの比呂ちゃん。その顔……何かあったの?」
風呂に入れなかった為涙の跡が残っている比呂子の顔を見て、あかりはただならぬ事が起きたのではないかと心配する。
「先輩、私見てしまったんです。
露天風呂に入ろうとしたら、双葉香織さんと沙織さんがいやらしい事をしていて……」
比呂子は己の頬に残る涙の跡の理由は説明しなかったが、あかりは既に別の事に興味を持ち始めていた。
「双子でふたなりだなんて面白いじゃない。
私もちょっとお相手してもらいたい位だわ」
「相変わらず先輩は暢気ですねぇ……
見つかったら不味いと思ってヒヤヒヤしてたんですよ」
あかりは豊のバッグの中をまさぐり、中に入っていた小瓶を取り出す。
「何ですか?それ」
「豊が旅館の売店で買ってた強精剤よ。
沢山買ってたから1本位くすねてもバレないでしょ」
茶色い小瓶には『カタクナールΩ』と書かれたラベルが貼られている。
「凄く強力なやつで、無味無臭。
これを沙織ちゃんに飲んでもらえば……後は解るわよね?」
(先輩は本気だ。本気で沙織さんとセックスしようとしてる……)
あかりは好奇心と性欲がかなり強い。
ふたなりとのセックスがどんなものなのか、純粋に気になっている様だった。
午前9時 古都府 伏見(ふしみ)金色(こんじき)大社(たいしゃ)
「ウチもココは自分の目で見てみたかったんや。
事前情報は頭に叩き込んできたんやけど、やっぱり実物は違うわなぁ」
翌日、千葉県から遠征してきたメンバーは3グループに分かれて古都府の観光地を訪れていた。
引率者は海野亜津子、双葉香織、双葉沙織の3名で、沙織についていったのは火村あかりと雨宮比呂子の2名。
海野亜津子には井島豊と氷室零、双葉香織には氷室瞳、柏糸涼介、西園久緒がついていく事になった。
(とりあえず気が強そうな香織ちゃんはパス。
ターゲットは押せば折れてくれそうな沙織ちゃんに決定!)
あかりは上手く立ち回り、沙織に自分達が同伴出来る様さり気なく誘導した。
比呂子もあかりに言われた通りそのプランに同調した為、反対意見が出る事も無く組み分けが決定したのである。
「それにしても随分大きな建物ですね。キラキラ光っててとても綺麗です」
あかり達は『伏見金色大社』の豪華さに圧倒されていた。
全ての建造物に純度の高い金箔が使われており、太陽の光を浴びると眩いばかりの輝きを放つ。
この神社でも祭事は行われるのだが、祭事の為と言うよりは織田家の威厳を示す為に建造されたものだ。
天下統一を果たした織田信長が羽柴秀吉に命じて作らせたもので、この様な豪華な建物は全国各地で見る事が出来る。
「神谷財閥が補修の為に資金を提供してるって話やけど、そのせいか威容を感じるわ」
建物の大きさと金箔の贅沢な使われ方に圧倒されている沙織の横顔を見ながら、比呂子は昨晩の出来事が夢なのではないかとすら思った。
(あそこまで理性を失った様な淫らな顔をしていた沙織さんが……
お姉さんとセックスしてた時とは全く別の人みたい)
あかりの方を見ると、沙織が他の事に気を取られているのを良い事に、意地悪そうな笑みを浮かべている。
(ああ。先輩は昔と何も変わらない。
人懐っこそうな部分もあれば、ああいう小悪魔みたいな顔もする)
あかりのポケットには豊のバッグから拝借した『カタクナールΩ』が入っており、隙を見て使用するつもりであった。
午前10時 古都府 四十四(よんじゅうよん)間堂(げんどう) 鴬(うぐいす)張り廊下前
「古都府でも有名な『幸福の廊下』です。
この廊下を音を立てずに渡り切った人には永劫の幸福が約束されると言われています」
海野亜津子はそう説明すると、鴬張りの廊下に足を乗せ、滑る様に動かす。
板が軋む様な音と言うよりは、ガラスが擦れた様な音が廊下一帯に鳴り響いた。
「まあ、人間の体重を考えたら、そんな事は不可能なんですけどね」
井島豊と氷室零は、海野亜津子の先導のもと四十四間堂に到着していた。
この仏堂は平安時代に建てられたもので、その後戦国時代に羽柴秀吉の手によって管理される事となる。
「さっき買ったおみくじ、どうだった?」
「凶って書いてあった。『頂点にこそ魔物が棲む』だってさ」
「俺は大凶だよ。『命あっての物種と心得よ』……お互い気を付けようぜ」
この仏堂の境内ではおみくじが販売されており、おみくじで悪い結果が出た場合、御守りを買って邪気を払うと良いとされていた。
「おみくじが200円。御守りが1000円。
これじゃ儲かって儲かって仕方ないだろうな」
豊がそう愚痴をこぼすと、亜津子がそれを諌めた。
「私は香川県の人間ですけど、邪気払いと言うのは古都では重要視されてきた事なんですよ。
魔物を退散させる破魔矢(はまや)もそうですし、人間はそうやって妖(あやかし)と共存してきたんです」
お金の問題では無いと力説した彼女のおみくじは『末吉』だった。
『新たなる場所、新たなる出会い』と書かれている。
別に購入せずとも良いのだが、元々こういう事を信じるタイプの人間なのか、亜津子は御守りを何個も購入していた。
「御土産用ですよ。『家内安全』はどんな人にとっても大事な事ですからね」
その後一応豊と零は鴬張りの廊下に挑戦してみたが一歩目で音が鳴ってしまった。
周りの人々はそれに挑戦すると言うより、そこを歩いて鳴る音色に聞き耳を立てている様だ。
「次は湧水寺(わきみずでら)に行きましょうか。
若返りの伝説が残る湧き水があるんですよ」
亜津子は引率と言う立場であったが、心から観光を楽しんでいる様子だった。
午前10時 古都府 天狗寺(てんぐでら)
大きさ、豪華さ等のスケールでは劣るが、『天狗寺』も古都府が誇る観光地の1つである。
「伏見金色大社と比べると、なんていうか風情があるよね」
昔ながらの石段を登ると石畳が観光客を出迎える。
寺ではあるが初詣等でよく見る賽銭箱は置かれていない。
「ココは古都の山々で行方不明になる奴が続出したっちゅう事で、それが天狗の仕業やないかと考えたモンが作ったトコみたいやな」
地元の人々には『災難から自分達を守ってくれる場所』とされ、今でも多くの観光客が無病息災を願って訪れると言われている。
「あの石碑は何ですか?」
「慰霊の石碑らしいぜ。古都の山は入り組んでいて、遭難する奴等が多かったらしいからな」
そう言うと久緒は神妙な面持ちで手を合わせ、祈りを捧げた。
普段は粗暴な印象すらある久緒であるが、武道を嗜んでいる者にはある程度の信心が備わっている。
「ウチもこういう所に来ると心が洗われる気がするわ。普段は喧(やかま)しい街の中で営業活動ばかりしとるから」
双葉姉妹の人気は高く、普段は様々なゲームセンターの客寄せとして呼ばれ、その利益で生活している。
アイドルゲーマーとして売れ出すまでは様々な苦労があったらしいが、彼女達の過去には謎が多かった。
「さぁ、古都府の土産物通りに行こか。西京があった通り以外にも色々面白いモンが売っとるんやで」
同級生に土産物を渡そうと考えていた涼介や久緒にとっては、有難い申し出だった。
正午 12時 古都府大通り 満月堂(まんげつどう)餅屋(もちや)前
昼時ともなると、日が照り付け、気温が上昇する。
双葉沙織はその暑い日差しの中、有名な和菓子『満月餅(まんげつもち)』を提供する店に2人を案内していた。
「この店で売られている『炙(あぶ)り満月(まんげつ)』が美味いらしいで。
味はみたらし団子に近いらしいんやけど」
『炙り満月』とみたらし団子の違いは『甘さが控えめ』である事と『潰した丸型になっている』事である。
餅の焼かれる部分が多い為みたらし団子よりも柔らかくなり、味がしつこくない為多く食べられる事が特徴だ。
相撲好きだった信長が古都で相撲大会を開催した時、土俵と同じ形の餅を販売せよと和菓子屋に命じたのが始まりだとされている。
それが黄色い満月に見える為、現在では『土俵餅(どひょうもち)』では無く『満月餅』と呼ばれる様になった。
「それにしても暑いですね。
ここでは熱いお茶しか販売してない様ですが」
「私が自動販売機まで行って買ってくるわよ。
比呂ちゃんと沙織ちゃんの分も買ってくるから」
チャンスだと思ったあかりは自分が買った分の餅を比呂子に持たせると、駆け出していった。
「確かにいくらしつこくないとは言え、水分は必要やな……この味は」
(先輩、ここぞとばかりに走っていったなぁ……
沙織さんに変だと思われなければいいけど)
街の景観を損なわぬ様、自動販売機は古都府の大通りから外れた路地に置かれている。
『はじける炭酸飲料 スパークネオン』と書かれたペットボトルを3個手にしたあかりは、そのうちの1つを手に取った。
(さあ、この工作が大事なのよ)
蓋を開け、『カタクナールΩ(オメガ)』が全て入るギリギリの量まで中身を捨て、中身がいっぱいになる様に小瓶の中身を注ぎいれる。
小瓶の内容量は100ml。ペットボトルの内容量は500ml。
味が極端に薄くなる様な変化では無い。
無味無臭、さらには無色透明な液体であるこの強精剤は、レモン味の炭酸であるスパークネオンに入れても見破られないだろう。
蛍光色の液体に薬液を注ぎいれ、一度開けた事を見破られない様にきつく、かたく蓋をしめる。
(あとはコレを沙織ちゃんに飲んでもらうだけ。フッフッフ……)
その後沙織の身体がどういう事になるかを想像したあかりの顔には小悪魔の様な笑みが浮かんでいた。
「遅くなっちゃってごめんなさい」
絶対に怪しまれまいと凄まじいスピードで工作をこなしたあかりは、遅くなるどころかものの2、3分で戻ってきた。
さり気なく強精剤(きょうせいざい)入りのペットボトルを沙織に手渡し、安全を保障するかの様にすぐさま自分の分を口にする。
「うん、やっぱり冷たい飲み物は最高ね!」
比呂子はあかりの演技力に舌を巻いていた。女優顔負けの自然な演技に、危うく自分も騙されそうになる。
(先輩、昔から人を納得させたり、思い通りの展開に持っていくのが得意だったからなぁ)
多人数で意見が割れた時、巧妙な発言で自分が望む意見へと誘導していく。
あかりは演技力と説得力で、沙織に猜疑心(さいぎしん)を抱かせる事無く炭酸飲料を飲ませる事に成功した。
沙織も夏の暑さで参っており、一刻も早く冷たい飲み物を口にしたいと思う気持ちが先行した為蓋が既に開いている事に気付かない。
「ほんまや。これ美味いなぁ」
疑いもせず強精剤入りのスパークネオンをがぶ飲みした沙織は、ものの数分で中身を全て飲み干してしまった。
元々『カタクナールΩ』が無味無臭、無色透明である理由は『男性がそれを口にする時、自然な形で飲み易い』からである。
なかなか陰茎が勃起しない男性が強精剤で相手の女性に挑む事を知られては恥ずかしい。
その為他の飲料に混ぜて飲んだりする事で、男性機能が劣っている事を悟られない様にするのだ。
だが悪用すれば、下半身に即効性を与えるこの薬品を誰かに飲ませる事も出来るのである。
(確かラベルには『30分もしない内に効いてきます』って書かれてたっけ。楽しみだわ)
比呂子も少々不審な動きを見せながらスパークネオンを飲んでいたが、視線は常に沙織の方を向いていた。
正午 12時20分頃 古都府 左京(さきょう)氏神(うじがみ)公園
古都府の大通りから離れ、郊外に出るとそこに広々とした草原が広がっている。
桜の名所ともなっている左京氏神公園だったが、季節が夏と言う事もあり桜の樹は青々とした葉に覆われていた。
食べ物や飲み物を口にしたしそろそろ小休憩をしようと言ったあかりの発言が採用された為、3人はこの公園のベンチに腰を下ろす。
計画は怖い位に順調だった。
昨日の時点で薬液を飲ませる時間とその後の行動を考えたあかりは、事が上手く進んでいる事に心から満足している。
(事前にネットで確認したけど、この公園内にあるトイレの鍵は外から開けられてしまうレベルの拙い代物。
この場所で沙織ちゃんに飲ませた薬の効果が出れば……)
そう思っていた矢先、沙織の顔に暑さとは違うタイプの汗が滲んできたのを彼女は見逃さなかった。
(あかん。何でや……股間がメッチャ痛くなってきた。
今日の朝も自分で扱いて空っぽになるまで出したやろ)
沙織は自分が両性具有者である事を万が一にも見破られない様に、サポーターを着用している。
勃起を無理やり抑え付けて痛みにより沈静化させるのだが、今回の痛みは我慢の限界を軽く突破していた。
薬液の効果は絶大だ。
一度効果が出れば何度も射精しなければ萎えない程逞しく陰茎が怒張する。
サポーターを破って己の存在を主張しかねんばかりの股間を抑え込み、沙織はやっとの思いで言葉を発した。
「あ、あかりはん。ちょっとお腹が痛くなってもうて……トイレは何処にあるんやろ」
「トイレならあそこにあるわよ」
あかりが言った瞬間に沙織は股間を抑えながら風の様に駆け出し、そのままトイレがある建物の中に飛び込んだ。
「比呂ちゃん、見張りよろしくね」
あかりが笑ってそう言うと比呂子は頷いた。
夏場の公園は彼女達以外に人の姿は無く、静まり返っている。
多くの観光客は大通りや神社仏閣の方へ向かい、地元の者達も茜祭の後で疲れているらしかった。
(何でや。おかしいやろこんなん)
トイレの個室に駆け込んだ沙織は鍵を閉めると、スカートとパンツを脱ぎサポーターを取り外した。
普段の勃起とはまるで違う激痛を伴った陰茎を扱くが、扱けば扱く程痛みが増すばかりで、射精する事が出来ない。
(くッ、あう……気持ちええけど全然いけへん。どんどん硬くなるだけや)
亀頭の部分から先走りの様な液体が零れ落ちる。
通常の勃起した状態よりも一回り大きくなっているのではないかと思われるペニスは弄っても射精の兆候を見せなかった。
(くうッ……気が変になりそうや。
あかりはんや比呂子はんがおかしいと思う前にはよ出さんと)
だが5分経っても10分経っても射精するどころか、陰茎の痛みはどんどん酷くなり、硬さも増してくる。
(こんな……嫌や痛い、痛いィ……!!助けて姉やん)
凄まじい激痛と焦りで自然と涙が頬を伝う。
どうにかしなければならないのに最早自分の手では事態を解決する事が出来ない。
その時扉をノックする音が聞こえ、沙織は激しく動揺した。
「ねぇ沙織ちゃん大丈夫?
貴方がトイレに入ってから20分も経ってるけど」
あかりの声がさらに動揺を加速させた。
何とかペニスを射精させようと悪戦苦闘している間に相当の時間が経過していた事にも気付けなかったのだ。
「だ、大丈夫やて……ちょっとお腹が暴れとるみたいでな」
平静を装ったが、明らかに声がおかしくなっている事が自分でも解った。
筆舌に尽くし難い痛みにより思わず声が掠れてしまう。
「沙織ちゃん……」
あかりは最早冷静さを失っているであろう沙織の事を見越して、扉の外側からドアを開けた。
(え?)
沙織には一瞬何が起こったのか把握する事が出来なかった。
このトイレのドアに付いている鍵は爪や硬貨を使えば外側から簡単に開ける事が出来る。
「な……あ……ッ」
あかりが沙織の眼前に立っている。
最早勃起した陰茎を彼女の視界から隠す事は不可能だった。
(お、終わった……
ウチのアイドルゲーマーとしての活動も、姉やんとウチの生活そのものも……)
激痛と絶望で涙が止まらない。
だがあかりはそれに構う事無く、むせび泣く沙織の目の前でトイレのドアを閉めた。
「駄目よ、静かにしなきゃ。
別の人が来たらもっと大変な事になっちゃうわよ?」
ニヤリと笑うとあかりは当たり前の様に手で沙織の陰茎に触れる。
「ビックリしたわ……沙織ちゃん、ふたなりだったのね」
あかりは沙織の眼前でジーンズを脱いでパンツ姿になった。
沙織は何が起こっているのか理解が出来ず呆気に取られながらそれを見つめている。
「それ、辛そうね……沙織ちゃん。私と取引しない?」
「とり……ひき……?」
涙を流しながら、法外な金銭を要求されるのかと思い身構える沙織に対して、あかりは言葉を続けた。
「貴方の身体の事は黙っていてあげるから、私とセックスして頂戴。
ふたなりとのセックスに興味があるの」
思ってもいなかった言葉に、沙織は呆気に取られ身動きする事も出来ずにいる。
「折角だから思いっきり楽しみましょうよ。
ただし、誰か来たら大変だから出来るだけ声は出さない様にね」
瞬く間にパンツも脱ぎ下半身を露わにしたあかりは、立ったまま自分の下腹部に沙織の陰茎の先端を当てた。
「え……あの……あかりはん?」
「それとも、私とするのは嫌?」
沙織は暫く考えた後、首を横に振った。
この激痛を何とかしなければ姉のもとにも帰れない。
手で扱いても全く効果が無いのだから、あかりとのセックスに賭けるしか方法は無かった。
「たっぷり味わってね。私のは豊も絶賛する位気持ち良いんだから」
まるで最初から1つになる事が既定路線だったかの様に、あかりの膣が硬くなった肉棒を飲み込んでいく。
その瞬間、電気が走ったかの様な凄まじい快感を与えられ沙織は歯を食いしばった。
(何やこれ、こんなオメコの中初めてや……
壁がうねうね動いて、ウチのモノを扱いてくる。ウチは全然動いてへんのに)
今沙織が流している涙は痛みによるものでは無く、凄まじい快楽に耐えられなくなって流しているものであった。
爆発寸前で射精する事を許されていなかった陰茎の先端が一気に膨れ上がり、鉄砲水と間違えそうな程の量を中に放つ。
「うくッ!!」
あかりの膣内に入ってから30秒も経過しない内に沙織は己の欲望を注ぎ込んだ。
透明な液体が彼女の中に入りきらず、溢れ出てくる。その絶頂の際の脈動にあかりもまた快楽を感じていた。
(うわ、凄い……量も大きさも豊とは比べ物にならないじゃない。
この熱さ、今まで体験した事が無いわ)
普段豊とのセックスでは絶頂に達する事の無い身体が、喜びに打ち震えている。
引き抜くとさらに大量の透明な粘液が彼女の膣から滴り落ちた。
だが沙織の陰茎は膨張を維持しており、萎える気配を見せない。
「あかりはん。ウチ、まだ足りないんよ……
それと比呂子はんにはウチの身体の事は内緒に」
「比呂ちゃんにもばれてると思うわよ。
貴方の声、外にだだ漏れだったから。でも大丈夫。私が口止めしておくわ」
そう言うとあかりは沙織の陰茎を口に含んだ。
豊とのセックスで培ったフェラチオのテクニックがいかんなく発揮される。
(あかりはんの口、すごッ……
オメコの中も凄かったけど、口の中も姉やんとは全然違うわ)
優しく舐めたり、しゃぶったりしている内に陰茎が膨らみ、射精の準備段階に入っている事が解った。
「ほら、出して出して」
思い切り銜え込み、沙織が射精した瞬間に思い切り亀頭を吸い上げる。
尿道を通って放出される粘液のスピードが速くなり、頭の中が一瞬真っ白になる程の快楽が全身を駆け抜けた。
(ひいィッ!?)
それはまるで、ストローを使って飲み物を思い切り吸い込むかの様な行動だった。
あかりが本を読んで学んだテクニックの1つで、沙織に快楽を教え、自分の身体の虜にする為の行為でもある。
「もっともっと貴方のオチンチンを気持ち良くしてあげる。
今度は沙織ちゃんも動いてよ」
沙織はあかりに魅了され、ただひたすら彼女の身体を求める事しか出来なくなっていた。
2回も自身の欲望を吐き出した沙織であったが、滾った陰茎は萎える事無く重力に逆らい続けている。
「いっぱい出してるのに元気ね。
あんまり時間が無いし、私もそろそろ本気を出さないと」
人が来るかもしれない小さな公衆トイレである為、長居は禁物である。
あかりはシャツを脱ぐとほぼ全裸の状態で壁によりかかり、尻を上げて沙織を誘惑した。
「さぁ、来て……」
一方沙織の方も、痛い程屹立している陰茎を背後からあかりの膣口に近付け、腰に両手を当てながらゆっくりと中へ入っていく。
「うはッ……あっちゅう間にチンポが潜り込んでくぅ。
まるで最初から繋がってたのが当たり前だったみたいや」
痛みも我慢出来るレベルにまで下がっていた為、歯を食いしばりながらあかりを抱き締めつつ腰を振る。
姉の中よりも凶悪な締め付けに対して早くも達しそうになったが、沙織はこの快感をなるべく長く味わいたかった。
(後ろから挿入しておいて良かったわ……
きっとウチの顔、涙のせいで酷い事になっとるハズやから)
先程の激痛と快楽のせいで、沙織の顔は涙と涎で人に見せれる様なものでは無くなっていた。
根元の締め付けだけでは無く、うねうねと蠢く膣の壁が沙織の陰茎に纏わりつき、絡みつく。
「メッチャ気持ちええ……
ウチのチンポがあかりはんのオメコの中で喜んどる……」
「私のオマンコも凄く気持ちいいよ。
沙織ちゃんのおちんちんが奥に当たって、ビクンビクンしてるのが解るわ」
快感によって肥大化したペニスが、子宮の入り口を何度も突く。
豊とのセックスでは到達する事が出来なかった『絶頂』が、近付いている事をあかりは感じていた。
「ふうううッ」
最早爆発寸前まで硬くなっていた陰茎を激しく出し入れし、一滴残らず出し尽くそうとする沙織。
あかりの膣内もより強く締め付け、あかりのモノを包み込み、扱き続ける。
「あかりはん、ウチ……出てまう。出てまうよぉッ!」
最後の一突きでペニスの先端が子宮口にめり込み、そのまま沙織はあかりの子宮の中へと欲望の全てをぶちまけた。
「はあああ……やだ、おかしくなっちゃうぅ」
あかりは痙攣しながら初めてセックス中の射精で絶頂を迎えた。
「ひうッ、精液が止まらへん!
あかりはんの中でウチのが何度もひくついてぇ……」
焼いた鏝の様に熱くなった肉棒が膣の中で何度も脈動し、大量の透明な粘液を吐き出し続ける。
やがて萎えかけたペニスが膣から自然に抜け、沙織はあかりを抱き締めながら荒い息を吐いていた。
「す、凄いセックスやったわ……我を忘れて腰を振る事しか出来んかった。
何度も腰が抜けそうな程気持ち良くなってもうて」
「私も頭の中が一瞬真っ白になっちゃった。
有難うね。沙織ちゃんのおかげで最高のセックスが楽しめたわ」
欲望を全て吐き出したのか、ペニスはゆっくりと収縮し、やがてクリトリスとほぼ同じ大きさにまで縮んでいく。
汗だくの状態で繋がっていた2人は、暫くその状態のまま動く事が出来なかった。
沙織は今まで、香織以外の女性と性行為を行う事など無かった。
小学校高学年の頃に自分の身体が人と違っている事に気付き、その事をずっと隠し続けてきた。
それは沙織と香織を育ててきた両親も例外では無い。
異性に対する恋心よりも同性に対しての性欲がある事に対して悩み、その秘密を共有する相手は双子の姉だけ。
自分を曝け出す事が出来ない孤独感と、男性よりも強い性欲に対しての自己嫌悪が常に沙織を苦しめていた。
「へぇ、全部出たらクリトリスと同じ大きさに戻るのね。
この状態なら普通の女の子と変わらないんだ……」
だが今目の前にいる火村あかりは、自分の身体の秘密を知っても尚普通に接してくれている。
沙織は心の重荷が彼女によって取り払われた様な気がしていた。
「ウチの身体……あかりはんは何も思わへんの?」
「全然。
ちょっとビックリしたけど、何かが少し違うなんて事人間なら当たり前じゃない。
私はお互いが気持ちよくなれるなら、セックスだって悪い事とは思ってないから」
あかりはあどけない笑顔を見せて沙織の肩に手を置き、沙織の瞳をじっと見つめる。
「沙織ちゃん。
もし私とまたしたくなったら、何時でも千葉県に遊びに来て。待ってるからね」
沙織はその言葉に対して、涙を流しながらしっかりと頷いた。
雨宮比呂子は1時間もの間喘ぎ声が漏れるトイレの近くで見張りを続けていたが、正直生きた心地がしなかった。
もう少し配慮するであろうと思っていた2人の声はそこまで大きくは無いがだだ漏れで、人が近付けば即座に解る音量だ。
公園に誰もいないと言う奇跡の時間が続いたからこそ2人の性行為が発覚すると言う最悪の事態は避けられたが、比呂子はこの1時間で相当疲労を溜めこむ事となった。
(ああ、終わったみたい。喘ぎ声が聞こえなくなった……
疲れたなぁ。誰か来たらどうしようってずっとピリピリしてたから)
昨晩の時もそうだったが、喘ぎ声に対してHな気分になる暇など全く無かった。
自分が立つ危機的状況から解放されたいと言う思いしか存在せず、何とか無事に済んだと言う安堵感から溜息をつく。
やがて、顔や髪を洗面台で洗い、衣服を着た2人がトイレから出てきた。
「先輩、遅いですよ……あんなに凄い声出しちゃって。
人がたまたまいなかったから良かった様なものの……」
「ゴメンゴメン。沙織ちゃんが激しくってね。
とんでもない量の精液を何回も出したもんだから……」
沙織は顔を真っ赤にして恥ずかしがった。
こういう部分だけ見ていると普通の女性と変わらない様に見える。
「比呂子はん。色々聞こえたと思うし、ウチの身体の事は全部黙っておいてほしいんや」
「私は構いませんよ。
沙織さんの事を困らせたいなんて思ってませんし、先輩も同じ気持ちでしょうから」
比呂子の言葉に対しても沙織は感動した。
香織からずっと『自分達の身体の秘密はどんな相手にばれても致命的』と言われていたが、秘密を共有してくれる人間もいる事が嬉しかった。
「さてと、今丁度1時半辺りね。
まだ見るものは色々あるでしょうし、集合時間までたっぷり遊びましょう!」
あかりと沙織は自然と手を繋いで歩き出した。
比呂子はそれを見て『カップルの様だ』と思う。
ある意味、2人はお似合いのカップルだった。
あかりも沙織も性に対しての好奇心が強く、性欲が強い。
現状に不満を感じていた者同士が繋がる事でその不満を解消する。
繋がり合う事で彼女達は幸福になれるのだった。
午後5時 古都駅 改札付近
零率いる千葉県からの遠征組を見送ろうとしていたのは海野亜津子、双葉沙織、五十神妖の3名だった。
天邪鬼や双葉香織は用事があると言って来ず、九龍拓巳と日向剛はもう関東方面に帰還している。
見送りと言う形になったが、この後すぐ彼女達もそれぞれの場所に戻っていくのだ。
「古都観光は如何でしたか?皆さん」
「いやあ、とにかくスケールがでかいって言う感じですかね。
俺達の所じゃあんな大きな神社仏閣はそう無いんで。
それと伝統文化の重みを感じましたね。
その殆どが400年以上前から続いているんですから」
古都府は天武日本の中でもとりわけ戦国時代から続く文化が多く残っている場所として知られている。
茶の湯や織物文化は特に有名で、海外からも観光客が訪れる程だった。
「そう言ってもらえると嬉しいです。
事前にリーダーからガイドブックを渡されてはいたんですが、どうやって古都の良さを伝えようかと悩んでいた時もありました」
亜津子は子供の頃から責任感が強く、頼み事をされると断れないタイプの人間だった。
今回も自由行動をさせてくれと言った妖以外のメンバーに、どう『おもてなし』をすべきか考えていたのだ。
「親善試合が今回の主な目的ではありましたが、私としてはリーダーの故郷である古都の素晴らしさを認識してもらいたいと言う気持ちが常にありました。
色々な場所を見てもらった事で、その素晴らしさを少しでも感じていただけたのなら幸いです」
亜津子は天邪鬼の気持ちを代弁するかの様に頭を下げ、顔を上げると笑顔を見せる。
彼女には大役を果たしたと言う自負心があったのだろう。やり遂げたと言う満足感が表情に出ていた。
「機会があったらウチの住んどる大阪にも来てや。
食いもんも見るもんも仰山あるで」
沙織が暮らしている大阪も古都とはまた違った魅力に溢れている。
特に大阪の南に位置している堺市には『揃わないものは無い市場』が存在しており、一大商業都市として栄えていた。
「沙織ちゃん、色々と有難うね。
私達が住んでる所も、自慢出来るものがそんなにあるワケじゃ無いけど暮らすには良い場所よ。
気が向いたら千葉県にも遊びに来て頂戴」
「私も、何時か必ずそちらにお伺いしようと思っています」
亜津子は千葉県に対しても興味があり、将来は故郷を離れて引っ越したいと考えていた。
「事前に色々と手配してくれて有難う。
お互いに実りのある2日間だったと思ってるよ」
零と亜津子はしっかりと握手を交わし、今後の健闘を誓い合った。
「じゃあそろそろ新幹線が来る時間なんで……
名残惜しいですが、この辺で俺達は失礼させてもらいます」
改札を抜け、帰っていく彼等に対して、沙織と亜津子は姿が見えなくなるまでずっと手を振っていた。
五十神妖は、双葉沙織や海野亜津子と別れた後、駅の片隅で電話をかける。
「今回の親善試合で、データは充分に取れたと思います。
氷室零とその取り巻きの強さですが、要注意人物は井島豊と火村あかり、柏糸涼介の3名ですね。
4人全員が全国大会の決勝トーナメントに進める力を秘めているのではないでしょうか」
何者かと電話で会話している彼女の顔には、僅かな笑みがこぼれていた。
「対抗出来るのは、やはり九龍拓巳と日向剛でしょう。
この2人をこちら側に引き込めば優勝に大きく近付くと思われます。
勿論私も愛知県認定ZEROゲーマーとして全力を尽くすつもりです」
彼女の目的は全国大会において氷室零を優勝させない事。
そして彼女が慕うある人物を絶対に優勝させる事。
その計画は水面下で進行しており、彼女にとってこの親善試合はその計画を進める為には不可欠なものだった。
「桜華(おうか)御嬢様に宜しくお伝えください。
それでは失礼致します」
電話を切った彼女は、辺りを見渡し自分を見ている者がいないかどうか確認すると、その場から去っていった。
(綾小路財閥に関わる者として、御嬢様の夢を何としても叶えなければ)
それぞれの思惑が交錯する中、様々な成果を得た零達。
全国大会へ向けて、それぞれの思いはさらに強くなっていく。
そして背後で暗躍する黒幕達も、野望を成就させる為の戦いを始めていた。