お互いがお互いの気持ちに気付けないから
いがみ合い、傷付け合わなければならない。
これはそういう話です。
【2000年 8月 大阪府 北里ニュータウン 街路】
小学6年生になった遠藤和枝と大出みゆるは、地獄の釜で茹でられる様な毎日を過ごしていた。
古橋幸吉の体罰から逃れた横田秀行は座敷牢の様な部屋での生活こそ続いていたものの、帰宅後家から出られないと言う状態から解放される。
だが大切な女性を失ったと言う哀しみは彼の人生に重くのしかかり、それを忘れる為に和枝とみゆるの2人を凌辱していた。
放課後2人を呼び出してセックスを強要する行為は夏休み前からずっと続いていたが、その内容はどんどんとエスカレートしていった。
夏休みの御泊り会。
『友達の家で御泊り会する事になったんだ。
明日の昼には帰ってくるから』
秀行の命令に逆らう事が出来ない和枝とみゆるは、両親にそう言って家を出た。
勿論それは表向きの理由であり、菊池貴弘の家で何をされるのか嫌と言う程解っている。
心も身体も汚され、秀行の性的欲求を満たす玩具にされると言う事実。
拒否する事が出来ないからこそ、余計に辛かった。
向こうには脅迫のカードが揃っているのだ。
(ウチかみぃやんのどちらかでも欠けたら、横田は即座に動画や画像をネットにばらまく。
勃起したチンポを扱かれながら射精するウチの惨めな姿。
ウチに貫かれて涙を流すみぃやんの姿……
もう、引っ越ししても意味が無い程のダメージが襲い掛かってくるやろ。
ウチだけやない。
お父んもお母んも咲も……
世間から迫害されて自殺するしか無くなってまう。
それだけは駄目なんや。
皆を守る為に、ウチが犠牲にならんと……)
うだる様に暑い炎天下の路上で、和枝はそんな事を考えていた。
北里ニュータウンには核家族が多く住んでおり、小学生の男女が駆け回る光景も珍しくない。
「なぁ、アークラインズが新しいゲームを出すって話知っとる?」
「当たり前やんか。
かくとうゲームってやつやろ?
何時出るか解らんみたいやけど」
虫取り籠と網を持った男の子2人が、楽しそうに会話しながら歩いてくる。
「それにしても、ホンマにカブトとか取れんの?」
「取れる取れる。
俺の兄貴がカブトやクワガタを仰山見せてくれてな。
実際に山で見たんは数匹やけど……
いなくなるから絶対に多くは採るなって釘刺されてもうたわ」
汚れを知らない天真爛漫な笑顔。
山へ出かけて昆虫採集。
友達と戯れ、泥だらけになった帰ってきて怒られても彼等はきっと平気だろう。
(楽しそうやな……)
絶望的な自分の状況と比較すると、人の運命が如何に残酷であるか思い知らされる。
和枝はそう思い、溜息をついた。
最早自分では事態を好転させる事等不可能だった。
(ウチは今から菊池の家で横田にレイプされる。
絶対に逃げられへん。
いや……ウチだけが犠牲になるならまだ許せる。
大好きなみぃやんまで)
自己嫌悪に苛まれる日々が続いていた。
和枝は自分が両性具有である事が判明してから、ずっとみゆるに対する性的衝動を抑え続けていた。
みゆるを裸にして、ペニスを入れて果てたい。
醜悪な妄想を何度も考え、自慰行為に耽る日々。
そしてそれが突如予想もしていない形で現実となった。
みゆるを犯してしまったのだ。
(もう、謝っても……
みぃやんはウチの事を心からは許してくれへんやろな)
横田と菊池のせいとは言え、みゆるとセックスしている時に喜びを感じている自分に気付き自己嫌悪に陥る。
脅迫されているからと自分に言い聞かせた。
本当はそんな事したくも無いのだと。
だが身体は正直だった。
彼女とセックスしている時、自身の陰茎が自慰行為をしている時よりも硬くなり膨れ上がる。
そして彼女の膣内に精液を放出する時、至上の快感が全身を満たしていると言う事実。
勿論誰にも言う事が出来ない、自分の中だけで完結させ墓場まで持って行かなければならない感情だった。
(ああ、最低や……
みぃやんとセックスが出来ると言う期待を感じているやなんて)
横田とセックスする事に対して、それが嫌な事であるのは以前と全く変わらない。
だが横田の暴走が無ければ、和枝がみゆるとセックスする事はまず無かっただろう。
欲望を押し殺し、友達でいる為にその衝動を抑えて人生を終えていたハズだ。
(やっぱり、死ぬんならウチの方やな。
ウチが横田を殺して死んだ方が世の為や)
自分がどうしようも無い人間である事を自覚し、みゆるへの贖罪の為に死を覚悟していた和枝。
本当は今すぐにでも実行したかったが、両親と妹が即座に破滅する事が解っていた為それは出来ない。
永遠に続く哀しみのループの中で、和枝は希望を見出す為にもがいていた。
菊池貴弘の自宅。
その玄関前に立っていた和枝を目にしたみゆるは、視線を地面に落とした。
(もうすぐ始まる。
アイツの性的欲望を満たす為だけの宴が。
私達はその為の生贄。
和枝ちゃんは被害者。
そうよ被害者なのよ。
私と同じ様に)
みゆるも葛藤を続けていた。
和枝に対する潜在的な憎しみが消えてくれなかったのだ。
和枝に貫かれ、何度も膣内に射精された時からそのどす黒い感情が彼女の中に生まれていた。
和枝は明らかに悦んでいる。
自分とセックスをしている時、呆けた顔を晒し心から楽しんでいる様に見える。
みゆるは薄々気付いていた。
和枝が自分に対して淫らな欲望を隠しており、それが外に出てしまったのだと言う事を。
(口が裂けても声に出せない質問。
それに言った所で和枝ちゃんは絶対に否定する。
私とのセックスを好いているだなんて。
でも私には……解っているの。
解っているのよ)
自分の純潔を奪ったのは遠藤和枝。
自分とセックスしているのも和枝。
横田に凌辱される事も多いが、その事実は彼女に恨みと怒りを生ませている。
(私は……どうしてこんなに嫌な女なんだろう。
和枝ちゃんの事を疑っているなんて。
和枝ちゃんだって本当はこんな事を望んでいるワケが無い。
悪いのは横田だけ。
横田と菊池が全ての元凶なのよ。
それなのに何故胸騒ぎがするの!?)
両性具有が男性以上の強い性欲を持ち、女性に対して発情する事は解っていた。
彼女と交わってしまった後本を読み徹底的に調べた。
だからこそ和枝の心の中が理解出来るのだ。
(きっと和枝ちゃんも私と同じ気持ちなんだろうな。
本当の自分と、表面的な偽りの自分との間で揺れている。
本当の和枝ちゃんは私とのセックスを望んでいる両性具有の変態。
そして本当の私はそれが許せなくて、被害者であるハズの和枝ちゃんを殴りたいと思っている友達失格の女。
私が死ねば……
和枝ちゃんもきっとその地獄から解放されるでしょう)
互いに本当の気持ちを打ち明けられないもどかしさ。
それでも共通している部分があった。
横田を殺さなければ自分が許される事は無いと思っている部分である。
「みぃやん……」
感情を失ったかの様な瞳でぎこちない笑みを浮かべる和枝。
みゆるも逃れられない運命を受け入れ、笑顔を返すとインターホンのボタンを押した。
『あ?知るかよ。
爺はくたばったんだ。
俺の好きな様にして何が悪い』
『ま、まさかウチの人を殺したんは……』
『テメェ、俺が犯人だと疑ってるのか!?
犯人は俺を殺そうとした爺を刺し殺した絹だろ。
絹が毒物を盛ってた事も警察の調べで解ってる。
俺はシロだ。
それでも俺を疑うってのか!?』
脳裏に、少し前の記憶が蘇る。
友達の家に泊まる。
同じ嘘をついて出かけようとした時に、幸吉の妻が横田を侮辱した。
勿論、古橋幸吉を横田秀行が殺したと言うのは事実なのだが、それを全力で否定しなければならない。
暴力で無理やり従わせる。
幸吉がしていた事を、今度は横田が行う様になった。
幸吉が死んだ後、古橋幸吉の実家内において横田は一番の権力を持つ事が出来た。
夫の次に権力を持っていた古橋妙子を暴力で抑え付け、家中の全権を握ったのだ。
今では召使も全員彼を『御主人様』と呼び、何不自由の無い生活を送っている。
殆ど何も無かった座敷牢の部屋は家具やベッドが置かれ、快適に過ごせる様になった。
賭けに勝ったのだ。
横田はそう思っていた。
いや、そう思い込もうとしていたのだ。
(畜生、また爺に鞭を振るわれた夢を見た。
絹が自殺する夢もこの所何度も見てる。
どうして俺は救われないんだ。
俺が悪いワケじゃ無いだろう。
そうに決まってる)
人間に良心がある以上、その罪悪感から逃れる事は出来ない。
世の中には罪悪感を全く感じない類の人間もいるが、横田はそこまで冷酷非情な人間になれなかった。
(絹、俺の為に悪人になってくれたんだよな……
本当にすまない。
悪いのは爺だ。
そして俺を嘲笑った遠藤と大出だけなんだ)
究極の責任転嫁。
自分が悪いと言う事実を認めず、その罪を全て和枝とみゆるに押し付ける。
自分を侮辱する相手は許せない。
幼少期からプライドが人一倍高かった横田は自分が優れた人間だと信じていた。
優れているのに虐げられた。
優れているのに嘲笑された。
絶対に許せない。
それが秀行の思想・考え方であり、その思想の犠牲になったのが和枝とみゆるだった。
無機質なコンクリートの壁に囲まれた地下室が、蛍光灯の明かりで照らされている。
全裸になった和枝とみゆるは屈辱に唇を震わせつつ、横田に従うしか無い。
「今日は明日の昼までたっぷり時間があるよ。
まずは何をするんだい?」
撮影機材とPCが置かれた机。
そのすぐ近くにある椅子に座っている菊池が楽しみで仕方ないと言わんばかりの表情を浮かべた。
「まずは避妊薬と強精剤を飲んでもらう所からだろ。
冷蔵庫に入ってるのを貰うぜ」
地下室に備え付けられている冷蔵庫にはカタクナールΩ、避妊薬、催淫剤等の薬が常備されている。
横田は和枝に避妊薬とカタクナールΩ、みゆるに避妊薬と催淫剤を手渡した。
「飲めよ」
ピンク色の錠剤が、これから始まる絶望の時間を告げている様に感じられる。
「飲めばいいんでしょ飲めば……
ホラ、これで満足!?」
みゆるは強がりながら薬を飲んだが、足は僅かに震えていた。
「結構結構。
それじゃ、頼むぞ菊池」
「了解。
手筈通りに進めよう」
菊池家の地下室は元々『拷問用』に作られており、拘束する為のベッドや鍵がかかる鉄の輪が設置されている。
菊池は何時もの様に薄手のビニール手袋をはめると、和枝を壁へと誘導し手首に鉄の輪をはめた。
「こ、コレって……」
「お前の両腕は使えなくなった。
勃起してもオナニーする事すら出来なくなったワケだ。
大出は鉄のベッドに寝かせろ。
まずは俺がたっぷり可愛がってやる」
事前に強精剤を飲んでいた横田の陰茎ははちきれんばかりに勃起していた。
服を脱ぎ、ベッドに固定されたみゆるの胸を揉みながらもう片方の胸を舐める。
「汚い手で気安く触らないでよ。
あと唾液!
ホントに気持ち悪い奴ね」
「フン、そうやって言っていられるのも今の内だけだと解ってるんだろう?
お前の身体は嫌でもこのペニスを欲する様になる。
理性や意思とは無関係にな」
脈動する怒張を隠そうともせず、寧ろ見せ付ける様にみゆるの眼前で晒す横田。
指で膣をまさぐりながら、横目で拘束された和枝の方を眺めた。
「みぃやん……」
自分の親友が抵抗出来ずに汚されている。
頬を赤らめ時折艶っぽい声を出している。
その事実が和枝を興奮させ、精力剤の効果も手伝いクリトリスが大きくなっていった。
「ちょっと、止めて……
乱暴にしないッ、でよ……」
催淫剤の効果なのか、膣や乳首といった敏感な部分を触られるだけで電流が走る様な快感が襲い掛かる。
みゆるの膣から愛液が滴り落ち、肌がほんのり桜色に染まっていった。
「それにしても、相変わらず凄いペニスだね。
横田君のより大きいんじゃないの?
ビクビク脈打って先端から涎が出てるよ。
いやらしいなぁ」
ビニール手袋をはめたまま菊池は和枝のペニスを握り、上下に軽く扱き上げる。
「おいおい、射精させるなよ。
折角俺と大出がセックスしてる所を見せ付けてやろうとしてるってのに」
横田は和枝とみゆるを屈服させ、自分の性奴隷にする為に上下関係を築こうとしていた。
逆らえば痛い目に遭うと言う事実を理解させ、徹底的に辱める。
相手が涙を流して懇願する状況を作り出そうとしていたのだ。
「薬を投与されて喘いでいる……
なんて逃げ口上が通用すると思うなよ。
俺はお前達の理性と言う皮を剥いで、真実を見せているだけだ。
大出は異性とのセックスを望み、遠藤は大出を犯したい。
俺はお前達の願望を叶えてやっているんだよ」
膣をいじくりながら絶頂を迎える寸前で止め、相手を焦らす。
菊池も同じ様にビニール手袋をはめた手で和枝の陰茎を扱き、爆発しそうな所で止めていた。
「ひ、卑怯者……」
「素直になれ大出。
欲望に抗えない獣はお前達の方だろ。
認めちまえば楽になれる。
それとも気が狂いそうになる程の寸止め地獄を味わいたいのか?」
横田が求めていたのは謝罪の言葉だった。
『息が臭い』・『目が気持ち悪い』と言う2人の発言は秀行を苦しめ続けている。
2人が言っただけならともかく、2人の味方であるクラスメイトが彼女達を擁護した事も彼の心の闇を深くしていた。
プライドの高い人間は『人に褒めてもらいたい』・『認めてもらいたい』と言う欲に満ち溢れている。
クラスメイト達に貶され拒絶されたと言う一件は、横田の自尊心を大いに傷付ける事となった。
だからこそ、横田は2人を凌辱する事で『自分がこの2人よりも上の立場にいる』と証明したかったのだ。
「淫乱女め。
狂おしい程にコレが欲しいんだろ?
雌の顔しやがって。
お前達は発情した犬と何も変わらねぇ。
懇願しろ……そうすれば満足させてやるよ」
「我慢なんて出来ないのは、最初に和枝ちゃんがみゆるちゃんを犯した時から解ってた事でしょ。
足掻かないで欲望に対して素直になりなよ。
人間だって動物なんだからさぁ」
菊池は必死に耐えるみゆると和枝の姿を面白そうに見つめていた。
彼にとってこれは全て『お遊び』であり『下民の観察』に過ぎない。
2人を嘲笑い自分の配下に置こうとしている横田すらも、菊池にとっては『憐れな虫』にしか見えていなかった。
身体中が火照った様に熱い。自然と息が荒くなり、汗が噴き出す。
かつて天武日本を騒がせたドラッグ『ブリッジ』に似た成分が催淫剤の中に含まれていた。
科学の進歩により、中毒性こそ無いが服用時の効果はブリッジよりも高い新薬が開発されていたのだ。
みゆるが涙を流しながらも耐える一方、和枝の方は既に限界が近付いていた。
(も、もうアカン……
チンポが張ってキツイ……
だ、出したいぃ……)
カタクナールΩによって無理やり勃起させられた肉の槍が、精液タンクと化して悲鳴を上げている。
通常の勃起よりも一回り大きくなった薄桃色の凶器が、ひくつきながら透明な粘液を垂らしていた。
鉄の様に硬くなった和枝のモノが、断続的に耐えられない程の激痛を与える。
「だ、出したい!
チンポ扱いてェ!!
ウチ、もうおかしくなってまうよぉ!!」
痛みと欲望によって理性が吹き飛び、涙を流しながら懇願する和枝。
「そりゃそうだよねぇ。
あの時だってそんなに長い時間もたなかったんだし。
どうする?横田君。
出させてあげる?」
「まだだ。
コイツは本当の滾りに達していない。
俺が大出をレイプした瞬間、嫉妬と快感の記憶により最高の欲情を迎えるだろう」
横田は和枝の理性が簡単に吹き飛ぶ事を既に把握していた。
そして、みゆるの方が簡単には折れない人間である事も熟知していた。
「可哀想になぁ。
お前が強情なせいで遠藤が苦しんでるじゃねぇか。
お前が謝罪して俺のモノを受け入れない限り、遠藤は地獄の苦しみを味わい続けるんだぞ。
それでもいいのか?
お前の親友だろ、助けてやれよ」
催淫剤で身体が男を求めても、強い理性でそれを拒むみゆる。
その分厚い壁を崩す為には、和枝を助けたいと思う彼女の良心を利用するしか無い。
みゆるも自尊心の強いタイプだったが、和枝の声に心を揺さぶられた。
「み、みぃやん……
ウチ、もう……壊れてまうよぉッ!!」
屹立した薄桃色の肉棒が、射精を求めて猛り狂っている。
亀頭を含めた全ての部分がビクビクと脈動し、我慢汁が陰茎全体を汚した後床に滴っていた。
(和枝が壊れてしまったら……
咲が哀しむ)
もう充分頑張ったと言う心の声が聞こえてくる様だった。
どの道拘束されている以上、どんなに頑張っても終わりは訪れる。
「入れてください」
小さな、枯れた声がみゆるの口から漏れた。
「あぁ!?聞こえねぇな。
もっと大きな声で言えよ。
謝罪の言葉も追加しろ。
俺に悪口を言った事についてだ」
屹立した男性器の先端をみゆるの膣口にあてがった横田が、彼女の返答を待つ。
「……気持ち悪いと言った事、申し訳ありませんでした!
私が悪かったです。
罰として、貴方の性器を挿入してください。
お願いします」
みゆるは自棄になってそう言った。
そもそも、この我慢が無意味である事は彼女にもよく解っている。
今まで何度も秀行に犯され、膣内に射精されているのだ。
その回数が1回増えるだけだと言うのに何を我慢しているのだろう。
そんな空虚な気持ちがみゆるの心を覆い尽くしていた。
「そうだよ、それで良いんだよ。
最初からそうしていれば、俺に犯される事も無かったのになぁ」
殺したい程憎い男の肉棒がずぶずぶと自分の肉体の中に入り、汚していく。
みゆるは歯を食いしばり、涙を流しながらその屈辱に耐えた。
「ホラ見てみろ。
遠藤のペニスを。
それは自分がしたい事だって主張してるぞ」
みゆるの腰に両手を添え、快楽を得る為に腰を振りながら横田がそう言った。
和枝の勃起した陰茎は激しく脈動し、射精を求めて獣の様に震えている。
「チンポ、チンポォォォォ!!
イキたい、イキたいィ!!
チンポ汁出させてェェェェ!!」
恥と言う概念をかなぐり捨て、その激痛から逃れたい一心で叫ぶ和枝。
理性が崩壊しそうな程の痛みは目の前でみゆるが凌辱されている事によりさらに増していた。
「私は、アンタに犯される事を受け入れたでしょ!
和枝ちゃんを助けてあげて」
秀行はみゆるからそう言われると、仕方ないと言わんばかりに肩をすくめる。
「菊池、頼むぜ」
「了解。
さぁて、寸止めされ続けて爆発寸前のペニスはこの快感でどれ程の量を出すのかな?
個人的にもちょっと楽しみな実験だねぇ」
菊池は冷蔵庫からオナホールを取り出し、挿入口にローションを流し入れた。
「媚薬の成分が入ったローションに、独り身の男性を虜にしたと言う画期的なオナホール。
膣の中を忠実に再現したとされるその完成度の高さは信国の技術力の高さを証明している。
並の男性はものの数十秒で射精するって言うけど、君はどうかな?」
楽しそうにオナホールの性能を説明した後、菊池は射精を求めて痙攣している和枝の肉棒に入口を近付ける。
「何でもええから、早くウチをイカせて……」
「何でもいいって事は無いでしょ。
君もお願いしなよ。
菊池様、私を満足させてくださいって。
それ位の事は言ってくれなきゃ」
悪魔じみた笑みを浮かべながら、菊池も和枝を焦らす。
「き、菊池様ァ!
ウチのチンポをイカせてください、射精させてくださいッ!!」
涙を流し続けた目は赤く血走り、口からは涎が出続けている。
確実に精神がおかしくなる一歩手前の状態で、和枝は懸命に救いを求めていた。
「はい、よく出来ました」
伸縮性に富むオナホールが、熱い鏝の様になった太い肉棒を飲み込んでいく。
冷蔵庫に入っていた為オナホールもローションも冷たかったが、それでも快楽が電流の様に全身を駆け巡った。
「じゃあさっさと出しちゃいましょうね~」
和枝の肉棒を包み込んだこのオナホールは貫通式で、下に降ろせば亀頭が顔を出す様になっている。
女性器特有の襞を再現した内側のイボが上下に扱く事によって和枝に至上の快感を与えた。
「ああう、ああえう、えッ……
えううううッ!!」
限界まで抑制された肉棒が、突然驚異的な快楽を与えられて爆発する。
最早言葉にもならない声を発しながら、唐突に和枝の欲望が弾けた。
「おッ、おッ、おほおおおお」
頭の中が真っ白になりそうな程の快感に、和枝は身を委ねる。
先端から噴き出した透明な粘液は量・距離共に常軌を逸しており、距離が離れていたみゆるの腹にかかる程だった。
「うわ、凄い!
2m位飛んだんじゃない?
しかも尿かと思う程の量……
人間とは思えない化け物クラスのペニスだねぇ。
ふたなりは流石違うなー」
菊池は玩具を与えられて喜ぶ子供の様な反応を見せ、ケラケラ笑いながら手を叩く。
「じゃあこっちも片付けてやるか。
俺も一発出さねぇと困るからな」
横田も和枝程では無いが、かなり太く硬くなっているペニスをみゆるの中で動かす。
カタクナールΩによって膨張した肉棒が、快楽を求めて暴れ回っていた。
「う、ううッ……」
「俺に犯されるのが不満か?
自業自得だと思って諦めろ」
犯されている時の顔を晒したくないみゆるだったが、手錠で両腕の自由を奪われているので顔を隠す事も出来ない。
一方和枝の方は驚異的な量の精液を放出したにも関わらず、また欲望が膨らんできていた。
「あれだけの量を出したのに、ものの数分でフル勃起かぁ。
強精剤を飲んでいると言うのもあるだろうけど、ペニス自体のポテンシャルも相当高いんだろうね」
和枝は荒い息を吐きながら、先程の射精の快感が抜けず引き攣った笑みを浮かべていた。
(ああ、また横田の目の前で無様な姿を晒してもうた。
射精まで……
殺す、いつか絶対殺す。
横田だけやない。
菊池もや。
口封じの為に2人とも殺さな)
この醜態を見た2人を、生かしてはおけない。
和枝は朦朧とする意識の中、そんな事を考えていた。
いずれ名前を変えて世の中にリベンジする時、この過去を知っている2人は足枷になる。
どうすれば完全犯罪を成し遂げる事が出来るのか……
彼女にとって、その感情だけが心の支えになっていた。
昼から始まった狂気の宴は休憩を挟みつつ深夜になっても続いていた。
横田の体力もずっと続くワケでは無い為、仮眠や食事をとりながら凌辱を行う。
一方和枝とみゆるはゼリーの様な流動食を与えられ、睡眠と言うよりも気絶に近い状態を繰り返していた。
「よし、遠藤と大出の身体を拭いたら外に出るぞ。
菊池、今何時だ?」
「午前1時35分。
良い時間帯だねぇ。
人も殆ど外には出てないだろうからね」
拘束されていた2人は拘束を解かれたが、最早逃げ出す程の体力も残っていなかった。
「ちょっと待って。
裸で外に出ようってんじゃないでしょうね」
「よく解ってるじゃねぇか大出。
心配すんな……
ちゃんと用意はしてあるからよ」
菊池の手には、濃紺色のハンチング帽とサングラスが握られていた。
「君達は2人共髪が長いから、縛って髪型を変えちゃえばそう簡単にはばれないよ。
横田君だって捕まりたくは無いから見つからない様に用心すると思うしね」
当時みゆるは三つ編み、和枝は赤いリボンにツインテールと言う髪型だった。
髪を一旦解いてポニーテールに変え、帽子とサングラスを着用すれば確かに誰だか解らなくなるだろう。
だが人に裸を見られるかもしれないと言う事実がみゆると和枝を躊躇わせた。
「そ、それってウチのチンポも見られるかもしれへんって事やろ?
嫌やそんなん」
「そうよ、和枝ちゃんはふたなりなのよ?
そんな事させられないわ」
横田はビデオカメラが置かれている三脚とパソコンを親指で指し示す。
「拒否権があると思ってるのか。
とんだ大馬鹿女だな。
お前達が何かを拒めばお前達の人生は即座に終了する。
例えペニスを野外で人前に晒したとしても、無修正のセックス動画をネットの海に流されるよりマシだと思うが」
「横田君の言う通り。
誰だかバレなきゃ問題無いでしょ。
前から僕達はコレを計画してたんだ。
じゃなかったらこんな帽子とかそもそも用意してないし」
菊池はビデオカメラで撮影出来ない事を残念がっていた。
どんな形であれリスクは避けたかった為人数が多いと危険だと判断し同行する事を諦めたのだ。
「さぁ、さっさと外に出ろ。
それとも今すぐ人生を終了させたいのか」
弱みを握られている和枝とみゆるに、それ以上抵抗を続ける事は出来なかった。
菊池の自宅は北里ニュータウンの中央付近に位置しており、周辺は一軒家が立ち並ぶ住宅街となっている。
そしてそこから少し離れた所に公園があり、横田は公園と自宅を往復する計画を立てていた。
「綺麗な夜じゃねぇか。
星も月もお前達を照らしてくれてるぞ」
玄関から一歩外に出れば、数m毎に街灯が設置された明るい歩道が待ち構えている。
勿論死角となる暗がりこそあったが、街灯の下にいればその姿は丸見えだった。
(ああ、嫌……怖い。
サングラスをかけていたって怖いものは怖い)
(何で勃起しとるんやウチのチンポは……
こんな状況に興奮するとかアホやろ)
靴下とスニーカー以外は完全に生まれたままの姿を晒して夜道を歩く和枝とみゆる。
ハンチング帽とサングラスだけが身元特定を防ぐ鍵であり、2人は帽子を深く被っていた。
「お前、露出狂の素質があるんじゃねぇか?
遠藤、お前の肉棒がひくついてるぞ」
「五月蠅いなぁ……
アンタがカタクナールΩを何度もウチに飲ませたせいやろ」
昼から深夜にかけて和枝はカタクナールΩを3回投与されていた。
萎えれば強制的に勃起を促され、何度も射精を繰り返す。
焦らされてからの射精が5回も続いた和枝の陰茎は、最早自分の意思で制御する事が出来なくなっていた。
(ウチが勃起したくないと思うても勝手に勃っとるしな……)
露出狂で無くとも、緊張感を欲情と誤認してしまう身体のシステムは誰にでも備わっているものだ。
人間には『吊り橋効果』の様に、過度の緊張状態に置かれ続けるとその緊張を恋愛感情だと勘違いしてしまう事がある。
和枝の身体もまた、誰かに裸を見られてしまうかもしれないと言う不安と緊張が興奮状態だと錯覚してしまっていた。
和枝とみゆるが変装しているのと同じ様に、秀行ももしもの事を考え、帽子とサングラスを着用している。
(俺も捕まりたくは無ぇからな……
捕まったら菊池は容赦無く俺を切り捨てるだろう)
菊池が横田の事を何とも思っていないと言う事実は横田自身もしっかりと認識していた。
互いに利用するだけの関係。
馴れ合いが面倒だと思う横田にとってはそれで充分だった。
「な、なぁ……
公園ってまだなんか?
ウチ、こんなヤバイ事早く済ませたいんやけど」
2人は胸と股間を手で隠しながら歩いていたが、和枝はみゆると違い勃起した陰茎を隠す事が出来ない。
悩んだ結果、一番見られる可能性が高い亀頭部分を手で包んで隠すと言う行動を取っていた。
「お前と大出がトロトロ歩いてるからだろ。
公園までは3km。
勿論、ただ歩いて往復するだけだと思うなよ。
そうだな、まずは……」
自分だけ服を着て安全圏にいると言う優越感を味わいながら、横田はみゆるの肩に手を乗せる。
「そこの電柱に小便をひっかけろ。
犬みたいにマーキングするんだ。さぁ」
人間としての尊厳を奪い、堕落させ自分に服従させる為の命令。
当然、みゆるは激しく拒絶した。
「ば、馬鹿じゃないの!?
アンタ正気?
頭のネジが外れちゃってるわね」
小声で抵抗するみゆるの頬を、横田は思い切り叩いた。
「俺に暴言を吐くなと何度言ったら解るんだ、この鳥女が。
やらん限り帰れんぞ。
それでも良いと言うのなら構わんがな」
再びビンタを見舞おうとした横田の行動を、和枝が後ろから抱き締めて防いだ。
「ウチがやる!
ウチがやればええやろ!
電柱に用を足せばそれで満足するんやろ!」
和枝はみゆるに対しての後ろめたい感情も手伝い、彼女を庇わなければと言う思いが強かった。
汚れるのは、人間としての尊厳を捨てるのは自分だけで充分。
彼女はそう思っていた。
「……まぁ良いだろう。
美しい友情ってやつか。
反吐が出るがな。
だが、お前がやるならハードルを上げる必要がある。
電柱に精液をぶっかけろ」
和枝は一瞬、横田の発言の意味が理解出来なかった。
「……は?」
「電柱に向かってチンチン扱いて射精しろって言ってるんだよ。
さっさと始めろ。
それとも大出が小便をひっかける方がお望みか?」
身体全体を小刻みに震わせ、恐怖のせいか歯をガチガチ鳴らしているみゆるの姿が和枝の目に映る。
自分が汚してしまった彼女を、自分が身体を張って守らなければ。
和枝は覚悟を決めた。
「そ、それ位の事やったら簡単や!
すぐに終わらせたるわ」
電柱に向かって射精すると言う、人間である事を放棄するかの様な行為。
だが勃起の苦しみに耐えかねて理性を投げ捨てていた和枝にしてみれば、今更純情ぶる必要も無いと思っていた。
(みぃやんは、最後まで頑張った。
耐え抜いた……
結局ウチのせいで横田に貫かれたんや。
ウチが我慢出来へんかったから……
せやから、ウチが出来る事はやらんと)
和枝は常日頃、みゆるに対して罪悪感を抱きながら日々を過ごしていた。
彼女の男を知らなかった綺麗な花を散らしたのは、他ならぬ和枝自身。
謝罪しても彼女に与えた傷は一生元には戻らない。
それが解っているからこそ、和枝は信頼を取り戻す為に足掻いていた。
(電柱の近くで扱くって……
向こう側から人が歩いてきたら100%見つかるって事やんか。
随分残酷な仕打ちやなぁ横田。
この恨みは何倍にもして返すからな!
覚えとけや)
心の中で横田に対して唾を吐きながら、和枝は既に勃起していた陰茎を手で扱き始める。
深夜の路上でほぼ全裸の状態でオナニーをしていると言う事実が彼女を興奮させた。
「ふッ……
ふううう……はぁぁ……」
もし仲の良い女生徒が今の和枝を見たら、泡を吹いて気絶してしまったかもしれない。
硬くなった肉棒を右手で扱き、左手で口を塞いで嬌声が響かない様にする和枝。
屈辱に涙を流しながら鬼の様な形相で横田を睨みつけるも、サングラスのおかげで目は見えなかった。
(和枝ちゃんが、私の為に身代わりになって……
そうよ、悪いのは横田だけ。
和枝ちゃんは悪くないんだから)
みゆるはそう自分に言い聞かせる。
時折顔を覗かせる和枝への悪意に対して懸命に蓋をした。
和枝もみゆるも、自己嫌悪から逃れる為に戦っていたのだ。
「ううう……
ふぐぅぅぅッ」
声を出さない様にする為、口に当てた手をよりきつく塞いだ瞬間、和枝は絶頂に達する。
先端から透明な粘液がびゅるびゅると噴き出し、電柱とアスファルトを汚していった。
「射精を何度も繰り返したせいで随分敏感になってる様だな。
2分位で出たか?
流石に量はさっきよりは少ないが……」
ぜえぜえと荒い息を吐き、快楽により全身を震わせる和枝。
射精により女性器も感じていたのか、愛液が分泌され彼女の足に垂れていた。
「獣みたいに上手くマーキング出来たじゃねぇか。
感心感心。
じゃあ次は交尾だな。
公園ではもっと激しく交わってもらうぜ」
当たり前の様にそう言い放つ横田の姿が、和枝には悪魔の様に見えた。
みゆるも絶望し、何も言い返す事が出来ず涙を流しながら震えている。
今、この男から逃げる事は出来ない。
和枝はその事実を嫌と言う程思い知らされていた。
恐怖を感じていると言うのに、2人の身体は全く真逆の反応を示していた。
みゆるの膣からも愛液が流れ落ち、和枝の陰茎は射精したばかりとは思えない反りを見せている。
(強精剤も催淫剤も、何度も服用する事によって濃度が高まりそして発動する時間がずれる。
遠藤と大出は今丁度薬の効果が出ている頃だろう。
俺もかなり苦しいしな)
公園に向かう為に歩くだけでもかなりの苦行だった。
横田もズボンをパンパンに膨らませている。
2人の恐怖は誰かに見つかるというものでは無く、また理性を失うのではないかというものへと変化していた。
(ああ、また身体が燃える様に熱い。
チンポが痛いって訴えとるぅ……
切り落とせるものなら今すぐにでも切り落として楽になりたいわ)
ギンギンに硬くなった肉棒は両手を使っても隠し切れない。
和枝は胸よりも大きくなった肉の槍を見せたくない一心で股間を手で隠していたが、殆ど意味が無かった。
みゆるの方も火照った身体を満足させる事が出来ず、犬の様に舌を出して喘ぐ。
(アイツのせいで、また身体がおかしくなってきた……
誰か、お願いだから横田を殺して。
今すぐに楽になりたいの。
この地獄から解放してぇ……)
勿論、この場で横田を殺せば菊池が自分達を破滅させるのは充分過ぎる程理解している。
理解していても、本心からそう願っていた。
横田が死ねば悪夢から覚める事が出来るのだと。
だが現実は非情だった。
何とか公園に辿り着くと、横田はかなり大きな滑り台に指を向ける。
「1回セックスしないと収まりがつかないだろ。
遠藤は大出の膣に挿入するんだ。
大出は俺のペニスをしゃぶれ……
一応言っておくが歯を立てたら容赦なく殴るぞ」
高い滑り台の真下には何も無く、隠れて性行為を行えるだけのスペースが存在していた。
横田は当たり前の様にズボンから勃起した肉棒を取り出すと、みゆるの前に晒す。
「嬉しいだろ?
また大出のマンコに入れて中出し出来るんだ。
遠藤にしてみりゃ悪い話では無いと思うがな」
和枝はその点のみ、心の中で頷いた。
平穏な日常が続いていたら、和枝がみゆるの身体を汚す事は無かっただろう。
その欲望をひた隠しにして咲との近親相姦に励んでいたハズだ。
(……どちらにしても咲とはしたんやろうな。
姉失格や、ウチは)
完全に勃起し、熱を持った肉棒から淫らな汁が流れ落ちている。
興奮すると、自分では全く身体のコントロールが出来ない。
和枝は自分の身体を呪いたかった。
「大出、さっさとしゃぶれよ。
帰りたいのなら俺を満足させろ」
みゆるの手にナイフが握られていたら、発作的に横田の腹を刺していたかもしれない。
憎しみはピークに達していたが、この状況では素直に従うしか無かった。
「アンタ、絶対悲惨な最期を迎える事になるわよ」
「ハッ、負け惜しみか?
強がりしか言えねぇよな。
こんな状況じゃ」
横田の顔を睨み付けながら、肉棒の先端に舌を這わせ、ゆっくりと口で包み込んでいく。
(屈辱だわ……
どうしてこんな事をしなければいけないの)
小学校では常にリーダーシップを発揮し、他の女生徒からも絶大な信頼を得ているみゆる。
人に命令される事が何よりも嫌いな彼女は、怒りに全身を震わせていた。
一方、和枝は既に理性の糸が切れていた為、硬くなった肉棒の先端を彼女の膣口にあてがう。
(あー、みぃやんの中に入っていく……
あっついぬるぬるがウチのチンポに纏わりついてくるよぉ)
亀頭部分から徐々に潜り込んでいき、根元まで収まると言葉では言い表せない程の快感が和枝を襲った。
「みぃやんのオメコ、メッチャええよ……
動かす、からぁ」
和枝はペニスに身体を支配され、欲望のままに腰を動かす。
太くて硬い異物が何度も奥を押し広げて侵入してくる感覚がみゆるを苦しめた。
(心から喜んで、私の中に入ってるんだろうなぁ……
私は何を信じれば良いんだろう。
和枝ちゃんは本当に私の味方なの?
結局、横田の悪行に乗っかっているだけなんじゃないの?)
絶望がみゆるの心を蝕んでいく。
後ろから挿入され、前ではフェラチオを強要されると言う異様な状況の中で負の感情が沸かない方が不自然だった。
「感謝しろよ遠藤。
俺のおかげでお前は大出とセックス出来るんだぞ。
欲望のままにチンチンを動かして思う存分射精する事が出来るんだ。
お前みたいな化け物にはお似合いの展開だろ、好きな女を犯しちまうってのは」
横田の罵詈雑言も、和枝の耳には届いていなかった。
今の彼女は快楽を貪る事しか考えていなかったのだ。
(抜き差し気持ちえぇ……
みぃやんの綺麗な肌に触れながらチンポ動かしとるだけでチンポがビクビク震えるよぉ。
で、出そう……勿体無い。
もう少し、もう少しぃ……)
ピストン運動を続けているだけで、みゆると身体が混ざり合って溶けてしまうのではないかと思う位だった。
肉の襞が優しく包み込んだり、きつく締め上げたりする快楽に身を委ねる。
「大出……
しおらしい顔しやがって。
さっきの元気はもう無ぇのか?
当たり前か。
心の拠り所がお前を犯す事しか考えられない肉人形だと解っちまったんだから」
膨らみかけの胸に触れた和枝が後ろからみゆるに密着し、さらに深く貫入してくる。
(悪い夢なら、早く覚めて……
どうして私がこんな仕打ちを受けなきゃいけないの。
私はただ、和枝ちゃんの味方をして横田を遠ざけようとしただけなのに)
和枝に対する優しさが、横田への憎しみを生んだ。
横田の置かれている境遇や心の闇等理解出来るハズも無く、ただ目の前の異物を排除しようとした。
互いに理解し合える日は永遠に訪れないだろう。
みゆるはそんな事だけを考えていた。
北里ニュータウンに住んでいる遠藤聡子は、寝付けない時にジョギングを行う事があった。
ニュータウンの歩道を歩き回り、疲れたら家に戻って寝る。
娘の和枝が家にいないと言う小さな違いが、彼女の体内時計を狂わせていた。
(暑かったし、眠れない時は運動するのが一番ね。
ダイエットにもなるし一石二鳥だわ。
今日はちょっと距離を伸ばしてみようかしら)
疲れて帰ってきた後の寝酒。
度数の高いブランデーを一口飲むだけで一気に眠気が襲ってくる。
彼女はそういった『何時もと違う行動』を大切にしていた。
こうして深夜に外へ出ていくのも『違い』から楽しみを見つける為であり、平凡な毎日を彩るスパイスだと考えていたのだ。
「あら、公園だわ」
彼女は適当に走っているだけだったが、運命に導かれる様に公園へと足を運ぶ。
公園に折角来たのだからと、聡子は一旦ジョギングを止め歩いて公園の中へと入っていった。
「もう出るぅ、もう出るよぉ……
みぃやん、全部受け止めてぇ」
「そうだ、もっと舌を使え。
俺もそろそろ出すぞ」
3人はセックスを続けていた事もあり、聡子の接近に全く気付いていなかった。
和枝は射精寸前の為もうみゆるの中に欲望を吐き出す事しか考えられない。
(何、何なの?)
肉の交わる音、そして喘ぎ声。
聡子は滑り台の中で妙な事をしている者達がいる事に気付く。
「貴方達、何してるの!」
不気味に思いもしたが確認しなければと思い、聡子は持っていた懐中電灯で彼等を照らした。
「あッ、いやぁぁぁ」
ハンチング帽とサングラスと言う、いかにも怪しい子供達が交わっている。
絶頂をそのタイミングで迎えてしまった為、和枝は人に見られているまま射精した。
「ちッ、しょうがねぇな……
受け取れ!」
横田は反射的に逃げようとするみゆるの頭を抑え付け、口の中に欲望をぶちまける。
和枝も人に発見されたと言う事実に気付いていたが、膣内に出すと言う快楽から逃れたくなかった。
(そ、そんなぁ……
ウチ、人に見られながら射精しとるぅ)
聡子は予想だにしない異様な光景に愕然とし、懐中電灯で彼等を照らしたまま呆然としていた。
(子供が裸で……
セックスをしているだなんて。
どうしましょう。
警察に電話しようかしら。
でもこんな年端もいかない子供達の将来を握り潰してしまうのも怖いわ)
間違いなく、小学生程の年齢しかない子供達だ。
聡子は理解が追い付かず、完全にフリーズしてしまっている。
「逃げるぞ」
みゆるに小声でそう耳打ちし、横田は彼女の口からペニスを抜くと勢いよく走り出した。
「このバカ!!
嫌でも解るわよ。
こういう事になるって」
みゆるも後を追いかけようとしたが、射精してもペニスが萎えないまま膣の中に納まっている。
繋がったまま走ろうとした為、そのままバランスを崩して地面に手をついてしまった。
「ちょ、ちょっと貴方達大丈夫?」
懐中電灯が近付いてきた女性の顔を照らす。
和枝はこの時初めて自分の母親に射精する所を見られた事を知った。
(さ、最悪や。
お母んやんか。
どうしてこないな所に)
逃げなければ。
その一心で彼女の腰に手を当て、身体を後ろに引き肉棒を抜く。
透明な粘液に塗れた和枝のモノが聡子の眼前に晒された。
(え?何なのコレは。
男の人のじゃないわ。女の子……?)
ペニスの形をした巨大なクリトリス。
包皮が存在していないピンク色の巨根が彼女の眼前で脈を打っている。
「ね、ねぇ……貴方達」
聡子が和枝の肩に触れようとした瞬間、2人はよろけながらも走り出していた。
(ああもう、最悪。
和枝ちゃんのが出てるし……
何でこんな醜態を人に見せなきゃいけないの)
(お母んにチンポ見られてもうた。
ウチのチンポ……
横田のせいや、こんなん)
勃起した肉棒を隠す事無く、彼女から遠ざかる為に全力で走る和枝。
その後を膣内に出された為、まだ上手く身体が動かないみゆるが追いかける。
(困ったわ。
やっぱり警察に通報した方が良いのかしら?
でも、ふたなりの女の子が女の子と公園でセックスしてましたなんて言ったら、私の方が頭がどうかしていると思われてしまうかも……
そうよ、今のは幻。
幻を見たと言う事にしておきましょう)
聡子は暫くの間呆然としていたが、我に返った後今見たものを忘れようとした。
そして、もう1つの事実を頭の中から追い払おうとしていた。
先程の女の子の声に聞き覚えがあったのだ。
(あの子の声……
ウチの和枝と咲の御友達の声に似ていたけれど。
じゃあ、あのおちんちんが生えた女の子は……
違う。違うのよ。そうじゃない。
無かった事にするのよ聡子。
私は何も見なかった。私は何も聞かなかった)
身の毛もよだつ仮説を、否定する聡子。
彼女は自分の娘が両性具有者である事を知らなかった。
そして、両性具有者である可能性などゼロであってほしかった。
後に彼女はこの日見た光景が夢でも幻でも無かった事を知り、自殺する事になる。
2人にとってこの日が最も苦痛で、心が荒んだ1日だったのかもしれない。
菊池の自宅まで走って戻る時、OL1人とサラリーマン2人に全裸で走る姿を目撃された。
勿論和枝は勃起した状態のままだった為、ふたなりの身体を見られた事になる。
顔は殆ど隠れていた為身元がばれる心配は無かったが、和枝は最悪の展開を頭の中に描いていた。
(みぃやん、怒って声を出してもうた。
あの状況ならしゃあないけど……
お母んはみぃやんの声をよく聞いとる。
みぃやんだと気付けばふたなりの女がウチやってばれるやんか)
玄関先で涙を流す和枝に、菊池が薄ら笑いを浮かべながら近付く。
「随分面白い小旅行だったみたいだねぇ。
ますます同行出来なかったのが残念だよ」
「馬鹿、馬鹿、バーカ!!
何が面白いよ。
面白くも何とも無いわよ。
私と和枝ちゃんがセックスしている所を和枝ちゃんの御母さんに見られちゃったのよ!?
もしコレで和枝ちゃんの立場が悪くなる様な事があったら、絶対に許さないからね!」
みゆるは大粒の涙を零しながら怒りを爆発させていた。
膣からはまだ生々しく粘液が滴り、走った為身体も頬も紅潮している。
「大丈夫でしょ。
君の御母さんが君の身体の異常に気付いたとしても、それを世間にばらすなんて考えられない。
むしろ君がふたなりだなんて思いたくも無いだろうから無かった事にするさ。
横田君だって、無かった事にしたい事が沢山あるしねぇ」
「菊池、余計な事を言うんじゃねぇ。
ぶっ殺すぞ」
秀行は虐待されていた事を和枝とみゆるに知られたくなかった為、菊池の胸を掴んで威嚇した。
「おお、恐い怖い。
血は争えないねぇ……
君の御父さんもそうだったんだろう?」
菊池がそう言った瞬間、横田は思わず彼を殴りつけていた。
「おい……
言っていい事と悪い事の区別も出来ねぇのかテメェは」
怒りに顔が歪み、拳をきつく握り締める。
「事実を述べたまでだろう。
君の御父さんが何をしたのか、この2人にも教えてあげようか?
何なら、全部教えてあげたって良いんだよ。
それでも僕を殴るかい」
腸が煮えくり返る様な思いだったが、横田はギリギリの所で思いとどまった。
菊池の態度は腹立たしかったが、和枝とみゆるに同情されるのは絶対に嫌だったからだ。
「おい、地下室でさっきの続きをするぞ。
今度は和枝のマンコを使ってやるから」
「ちょ、ちょっと待ってえな。
ウチのお母んに見られたのはどうするんや」
腕を引っ張られながら、和枝はもう片方の腕で横田の腕にしがみつく。
「知るか。
俺達が悩んでももうどうしようも無ぇだろ。
なるようになれだ。
それに菊池の言葉にも一理ある。
お前の母親がお前の身体の事を世間様にペラペラ喋るワケ無ぇよ」
地下室へと連れていかれる和枝を見ながら、みゆるはその場にへたりこんだ。
「君も行かないと後が怖いんじゃないの?」
「……アンタ達は何がしたいの。
私達の人生を滅茶苦茶にして……
一体何がしたいのよ。
もう許してよ。
私が何をしたって言うの!?」
みゆるは我慢が出来なくなり、感情を爆発させた。
子供の様に泣きじゃくり、フローリングの床を何度も手で叩く。
「さぁねぇ。
僕に聞いたってしょうがないよ。
僕は君達の苦しむ顔を見るのが楽しいだけさ。
横田君も含めてね。
僕は彼に場所と機会を提供しているだけ。
そして僕は君達の姿を笑って眺めているだけだよ。
コレはある意味『実験』みたいなものだろう」
不気味な笑い顔でみゆるの顔を覗きこむ菊池。
彼女は思わず目を背けた。
(地獄が……
この世にあるのならば、今この瞬間が地獄。
もし死ぬ事になったとしても、私は1人では死なないわ。
必ずコイツと横田を道連れにしてやる)
みゆるは地獄から解放されるまで、まだ時間がかかる事を理解していた。
少なくとも小学校を卒業するまでは耐えなければならない。
横田の命令がどんなに理不尽なものであったも従わなければならないと言う事実はあまりにも重かった。
「おい、大出!!
さっさと降りてこい。
お前も菊池の様に殴られてぇのか」
横田の怒鳴り声が、随分と遠くから聞こえてくる様な気がした。
「……はいはい、今行くわよ。
行けば……いいんでしょ」
痛みも苦しみも、味わい過ぎて麻痺していた。
虚ろな目をしたままみゆるは立ち上がると、地下室へ向かう。
菊池はその後姿を邪悪な笑みを浮かべながら見つめていた。
その日、和枝とみゆるが解放されたのは午後1時を回った辺りだった。
解放されたと言っても数日後にはまた呼び出される。
そしてその呼び出しに応じなければならない。
2人は心身共に疲れ切っていた。
出口の見えないトンネルを彷徨っているかの様だった。
「みぃやん、ごめんな」
最早涙も枯れ果て、よろよろと歩いていた和枝がぽつりと呟く。
「ウチが我慢すれば、懐中電灯で照らされる前に逃げれたかもしれんのに」
「……もう、良いわよ。
貴方が悪いワケじゃないもの」
裸で歩いた住宅街を、今度は服を着て歩いている。
それが当たり前だと言うのに、みゆるはそれが滑稽だと思い自虐的な笑みを浮かべた。
「ねぇ、何が悪かったのかな……私達。
そんなに悪い事した?」
「横田を傷付けた事は解るけど、ウチはそこまで悪い事をした自覚は無いんよ」
横田は蛇の様な目をしていた。
だから近付いてきてほしくなかった。
たったそれだけの事だったのにと和枝は思った。
それすらも、許されない事だったのだろうか。
みゆるも同じ気持ちだった。
横田は人間として腐っている。
罵倒する事に対して全く良心の呵責が無かった。
レイプ魔に遠慮する必要があるとは思えなかったからだ。
「そうだよね」
みゆるは気付きかけていた。
横田と自分達の気持ちにずれがあるからこそ、この終着点を迎えたのだと。
そしてそのずれは例え3人が死んだとしても治る事は無いと思った。
「なぁ、今度山に行こうや。
カブトムシやクワガタ採るワケや無いけど……
そういう話をしてる子らがおったんよ。
気分転換も必要やて」
「山……良いわねそれ。
咲ちゃんも連れていきましょうよ。
楽しくなりそう」
現実逃避。
自分達が置かれている絶望的な状況から目を背けて、明るい話題を探す。
2人にはそうする事しか出来なかったし、それが彼女達を救う唯一の手段だった。
和枝とみゆるの道は分かれ、横田秀行と菊池貴弘は死亡。
和枝も死に、和枝と咲の両親も死ぬ事となる。
彼女達の不幸が世にばらまかれ、人の命を奪っていったかの様だった。
それでも、生き残った咲とみゆるは生きねばならない。
どれだけ苦しい絶望が待ち構えていたとしても、未来に必ず希望はあるのだから。