詩織はある人物の家を訪れる事を決意する
「あ~‥‥。推しの二人が結ばれなかった‥‥」
2016年藤沢家にて少女、藤沢彩菜は自室で少女漫画を読むのに更けていた。
「彩菜ー」
「なに~?」
母親の自分を呼ぶ声に邪魔をされ少しムッとしながら返事する。
「あなたにお友達が来てるわ二人」
「二人?。福島君と美穂?」
「いや、違うみたい。女の子が二人で名前は詩織ちゃんって子と真莉ちゃんって子よ。待たせちゃ悪いから早く来なさいな」
「はーい」
(福島君でも美穂でもない……詩織ちゃんと真莉ちゃん聞いたことないけど行ってみよ)
そうして、彩菜は読んでいた漫画を机に置き玄関に向かった。
ーーーーー
「ごめんなさいね~。あの子ったら本当にノロマで、全く友達が来てると言うのに」
藤沢家を訪れた詩織と真莉に彩菜の母親、藤沢雪は困惑そうな表情をして頬に手を当てた。
「いいえ気にしないでください」
「まぁ。詩織ちゃんは出来た子ね」
「‥‥‥はははは。それ程でもありません」
彩菜の家にも落書きした悪戯を思い出し思わず言葉が詰まりそうになった。
(この人が藤沢雪‥‥‥彩菜の母親)
詩織と雪が話すのを横目に真莉は色々と思惑していた。
詩織から見せられた記憶に彼女に関する物があったが‥‥‥ある意味では雪が若かりし頃に取った行動もあの事件の無数にある引き金の1つだ。
(何も知らない彩菜や裕也にだけ手を汚れさせ、親達は知らないところで高見の見物‥‥‥総一朗だけが悪なんかじゃない。この雪って女も大概だわ)
いずれこの女にも地獄を見せようかと考えてる時に‥‥‥彼女が現れた。
「来たよ。お母さん!‥‥あなた達だーれ?」
『盤面の駒』
『復讐の傀儡人形』
『悲劇の仮面を被り他者を屠った復讐鬼』
藤沢彩菜本人が現れた。
復讐に染まっていたあの時とは違いいっさい邪気を感じない。
至って普通のどこにでもいる小六の女子だ。
「こんにちは!。私は奥井詩織よろしくね」
「私は結城真莉。初めまして」
二人は自己紹介をする。
「私、藤沢彩菜。こちらこそよろしくね!。でも詩織ちゃんも真莉ちゃんも初めてあったと思うんだけどどうして私の事知ってるの?」
「それは話すと長くなるからゆっくり話そうか。お母さんすいません。彩菜ちゃんをちょっとお借りしますね」
「分かったわ。それにしても‥‥‥本当に詩織ちゃんはウチの馬鹿娘と大違いねぇ。好きに接してあげて」
快く彩菜を見送ると思ってくれるのかと思いきやとんでもない侮蔑の言葉が飛び出した。
「あ、はい‥‥」
「うぅ‥‥‥」
雪の言葉に彩菜は泣いていた。しかしその泣き顔を見ても雪は全く動じるどころか「洗濯を取り込まなきゃ」等と言って場を離れようとした。
「い、行こ彩菜ちゃん!。楽しく遊ぼうよ!」
「うん‥‥‥」
「ちょっと待ってください。それが娘に対する言葉ですか?」
「‥‥はぁ?」
移動しようとした雪の足が止まる。真莉が雪に噛み付いたのだ。
そのピリつく空気に詩織と彩菜もその場に留まった。
「あんな言葉遣い掛けられて子供が素直に育つとでもお思いで?」
「‥‥あらあら何とも変わった子ね。真莉ちゃんだったわね。ウチにはウチの躾けがあるの。他人にとやかく言われる筋合いはないわ」
「すみません。口出ししなきゃならないと思った程あなたの言動に腹が立ったので‥‥」
「な、なんですって!」
雪は眉間にシワを寄せながら怒声を上げるが真莉は気にも介しない。
そんな雪を見た詩織は彩菜の手を引いて慌ててその場を離れた。
真莉も「あまり怒るとシワが増えますよ!」と言ってそれに続き移動する。
「チッ‥!何なのあのガキ。目障りね‥‥!」
雪は真莉の顔を覚えた。
…………場所は変わり公園に来た三人。
遊具で遊ぶ子供やベンチで休憩している老人等、様々な人達がいた。
モジモジしながら彩菜は真莉に近づく。
「あ、あの真莉ちゃん!」
「何?」
「さっきはありがとう」
「別にアンタを助けたつもりはないわよ。ただああ言う卑怯な人間が嫌いなだけ」
「そ、そうなんだ‥‥。でも私スッキリしたよ!だからありがとう!」
「‥‥‥ふん」
相変わらず素直じゃない親友に詩織は苦笑した。
「それよか詩織見せてあげたら?」
「あぁ‥‥。彩菜先に謝っとく本当にごめんな」
「‥‥なんのこと?。きゃあ!頭に変な記憶が!」
膨大な量の情報に彩菜は頭を抑えつける‥‥‥‥‥‥詩織は彩菜に前の時間軸の
次第につい先程まで温厚な表情を浮かべていた彩菜の顔が前の未来の憎悪に染まった表情に変貌していく。
「ふっ、見事当時の顔付きに戻ったわね。私達が見慣れた彩菜に」
「詩織‥‥!真莉‥‥‥‥!。一体これは何なの?‥‥なんであんたらが3年前の今の時点で私と知りあってるのよ!?」
今の彩菜が怒りに支配されてたのは声音だけで容易に察せた。
恐らく殺したい程、詩織と真莉を憎んでいるだろう‥‥だが詩織は救わなければならない。
藤沢彩菜と言う人間を。
「‥‥彩菜。落ち着いて聞いてほしい。私は未来からあの惨禍を止めるためにこの時代に戻った」
「意味の分からないことを!何あんた!汚水の飲み過ぎで気でも狂ったのかしら!?えぇ!詩織!」
「アンタ‥‥!詩織になんてことを!」
「いい、真莉。やめてくれ」
彩菜に駆け寄ろうとした真莉を静止する‥‥してなければ彩菜と真莉は喧嘩になっていただろう。
そんなことになっては本末転倒だ。
「本当にごめんなさい」
「なっ‥!」「詩織‥‥!?」
彩菜に土下座する詩織に彩菜は勿論、真莉も驚いていた。
「私は卑怯者だ。真莉に命じられ彩菜をいじめそして更にはその行いを無理矢理正当化し彩菜だけでなく真莉も傷付けた。‥‥止めに入るべきだったのに私は火を注いだ!」
詩織はコンクリートを拳で思いっきり叩いた。
拳を放すと血が何滴か滴り落ちた。
「詩織‥‥あなた何を?」
「なぁ彩菜。私はアンタを虐めた責任を取りたい。でもそれは私の自己満足じゃ駄目なんだよ‥‥‥だから彩菜に裁定を委ねたい‥‥‥」
震える口調でやっと話すように詩織は言葉にする。
『私を彩菜の好きにしてくれ』
カランカランと音を立て彩菜の前に何かが飛んだ。
「ちょっ‥‥詩織!アンタ本気なの!?」
真莉は飛ばされた物を見て驚愕した。
新品の包丁だったのだ‥‥‥。
「許せないなら今ここで私を殺していい‥‥。だけどもし殺したら真莉と今度は仲良く過ごしてほしい‥‥。裕也と総一朗には気をつけて‥‥」
「『殺していい』じゃないわよ!たとえ彩菜が認めたって私は大反対よ!」
「真莉‥‥‥」
必死に止めようとする親友に詩織は苦笑した。
彩菜もゆっくり口を開く。
「そうよ‥‥‥。憎たらしいけど真莉の言う通りだわ。詩織、貴女を殺しても
彩菜は何処か達観した眼で包丁を拾うと詩織に返した。
「はい。こんなものもう放っちゃ駄目よ」
「彩菜?‥‥でも私はアンタからの裁定を‥‥‥」
「裁定。裁定って大人じゃあるまいし。そんな難しい言葉連発しないでよ。いいよ赦す」
「本当に‥‥‥いいのか?」
「ただし私に協力‥‥いや、私が貴女に協力した方がいいんだね。貴女の復讐に協力させて詩織」
「うぅぅぅ‥‥ありがとう!本当にありがとう!」
「な、泣かなくていいよ。貴女も相当あの後苦労したみたいだし」
「ごめんつい感極まって‥‥でも別に復讐のチームリーダーは彩菜でもいいんだぞ?」
「貴女の配慮は嬉しいけれど。私は指揮者の器じゃないわ。裕也と違ってね。それに貴女は未来の情報を持ってるし貴女が適材だよ」
「随分と物分りがいいじゃないの?貴女本当に彩菜?」
「うっさいわ。真莉、互いに散々思い知らされたでしょ?。裕也の底知れぬ恐ろしさを」
真莉の挑発じみた台詞に彩菜は冷静に言い返す。
「それはそうね‥‥」
「何にせよ。彩菜が仲間になってくれれば百人力だ」
「なんか‥‥あまり嬉しくないわ」
詩織は本心から言ってるんだろうが彩菜は複雑だ‥‥。
「あんたの場合やったことがやったことだからね」
「あんたもでしょうが」
「何よ?」
「そっちこそ何よ?」
「「プッ‥‥ぁはははははははっ!」」
互いに腕を組み睨み合う彩菜と真莉だったが次の瞬間には笑いあっていた。
「今度こそいい友達になれそうね」
「私と友達になると楽しみが増えるわよ」
(喧嘩するかと思ってびっくりしたぜ‥‥)
詩織の心配は杞憂に終わった。
「改めてこれから宜しくね。詩織、真莉」
「あぁ!宜しくな彩菜」
「宜しく彩菜」
(真央も連れて来たかったが‥‥またにお預けだな)
こうしてあの時命を掛けて復讐しあった三人は結束した。
巨悪に立ち向かう為に。
〜同日その後〜
「よしっ!みんな仲良くなったところでモンハンでもやろうぜメル・ゼナでも狩るか」
「「は?」」
彩菜も真莉もモンハンをやっていたがメル・ゼナと言うモンスターは知らない。
「メル・ゼナは嫌いか‥‥じゃあ奇しき赫耀のバルファルクでも狩るか!」
↑
(※詩織は今のモンハン最新作をサンブレイクだと思って話している)
「え!?」
「今度のメインモンスターバルファルクに特殊個体がいるの!?初耳よ!」
↑
(※彩菜と真莉はモンハン最新作をダブルクロスだと思って話している)
その後、まぁ色々混乱したがモンハンの話は一段落したそうな