「じゃあ蘭麗ちゃんと珠璃碧ちゃんも小6なんだ」
「そ~ですよー。何の因果かコイツと従姉妹でもありやがるんですけどね。全く私もついてないです」
「こっちの台詞よ。性悪蘭麗」
「なんですと〜!」
言い合う二人に彩菜と真莉は苦笑する。
「彩菜ちゃんと真莉ちゃんは小学校違うのに友達なんだ」
「うん!‥‥‥大切な友達だよ」
「そうね。一蓮托生しても悔いがないぐらい私は彩菜を信じてるわ」
「真莉‥‥」
彩菜を見つめる真莉の目は透き通った熱意を帯びていた。
前の時間軸で見られた狂気や憎悪は一切感じず‥‥ただただ真っすぐ透き通っていた。
今度は『敵対』ではなく『協力』へ。
二人は確実に前に進もうとしている。
「なんだか羨ましいな。そういう関係」
微笑みながら珠璃碧はテーブルに置かれたチョコレートクッキーを「いただきます」と手にとり頬張った。
彩菜と真莉から見ても珠璃碧はとても同年代と思えぬ知的さと落ち着きがあって同性ながら凄く美しい。
「同じ小学校ならともかく違う学校なのに友達になるって中々難しく感じるわ。例えば塾とかスポ少とかやってたってそこまで踏み込んで仲良くなるってはあまり聞かないから。素敵ね二人共」
「‥‥もう一人の親友のおかげでもあるんだ」
「そうね。あの子がいなければ私達は―――」
『分かり会えなかった』
ギュッと手を握り合いながら彩菜と真莉は同時に答える。
「ね、ねぇ珠璃碧‥‥」
何かが気になった蘭麗はヒソヒソと珠璃碧の耳元に顔を寄せた。
「彩菜さんと真莉さんの手の繋ぎ方‥‥。あれって恋人繋ぎですよ――――」
台詞を言ってる途中でパチィンと鈍い音が響いた。
珠璃碧が蘭麗の頭を叩いたのだ。
「危なかったわね蘭麗。頭にキイロスズメバチがついていたわ。いやぁ気付けて良かった」
「この暴力従姉妹!どこにキイロスズメバチなんているですか!?」
「あら?じゃあ私の幻覚かしら?。やぁねぇスマホの見すぎか勉強のし過ぎのいずれかね。ごめんなさい
「
珠璃碧の意向を察してくれたのか、蘭麗の母、麗奈は苦笑しながらすぐさま娘を別の部屋へ連れていった。
三人になった部屋で彩菜と真莉は顔を赤らめながら互いに違う方を向いていた。
「あ、彩菜ごめんなさい‥‥。何か熱くなって気づいたらあんな握り方してたみたい‥‥‥」
「ううん‥‥。私の方こそ‥‥‥。何か真莉といて安心しちゃって‥‥」
「ふふふ。別に恋人繋ぎは恋人だけがやるものじゃないのよ」
「「言わないでよっ////」」
「あらごめんなさい」
茶化してるつもりは更々ないがおかしくなり珠璃碧は笑った。
「貴女達が自然にその繋ぎ方になったのわお互いを本当に信頼しあっているからよ。つまるところベストフレンドなのよ」
「私達が‥‥」
「‥‥ベストフレンド」
復讐に染まっていた前の時間軸ではとても考えられなかった。
「そう。過程や要因はどうであれ彩菜ちゃんも真莉ちゃんも互いを信頼しあえてる。さっきの武術と関係あるのかしら?あの武術、空手をベースとしながらもかなり独特だったし」
‥‥一体珠璃碧はあの短時間でどこまで把握したのだろう。
敵になったらかなり恐ろしい人間だと彩菜も真莉も察した。
「まぁいいわ。あんな強力な武術を学ぼうとしてるんだからそれなりた理由があるのは確かね」
「あのさ‥‥珠璃碧ちゃんさえ良ければ私達のコーチをしてくれない他にも二人いるんだけど‥‥」
「彩菜、本気!?」
「珠璃碧ちゃんは強い人間だよ‥‥。学べる事は多いわ」
当の珠璃碧は少し考える仕草をしたあと「良いよ」と返事した。
その後彩菜と真莉は珠璃碧と、(珠璃碧から勧められ)蘭麗の連絡先を交換し帰路についた。