暖かい目で見守っていただけると幸いです。
前にモモと全裸で一緒に寝た後は美柑とナナからの鋭い視線が凄かった。ナナからはなんというか、疑いや嫉妬に近い視線を感じた。ナナは『結城リト』に恋心を抱いてることにまだ自分では気づいていない。自分でも自分がどうしてこんな感情を抱いてるのが分からないのだろう。ララはまあいいとして。美柑からは警戒されているような感じだ。俺でなくモモが。「ちょっとモモさんリトへの距離が近くない?」と言ったところだろう。それとは逆にモモは『結城リト』との間が近づいたと少しご機嫌みたいだ。前にもよくあったことが少し過激になっただけであまり大事にはならかったので安心した。
それはそうと今、俺は学校の屋上でメアを待っている。昨日ナナが家で新しい友達が出来たと喜んでいたからメアは今日寝ている俺のところにくるのだろう。俺の好きだったトランス兵器三人娘の1人、そんなメアとふれあえるなんて今から胸の高鳴りが抑えられない。
「さっ、ひと眠りすっか…」
(ん…?これは……人の体?すべすべしてる…。それに柔らかくて暖かい。ちょうど手に収まるほどのちょうどいい丸みもある。唐突に抱きしめたいという衝動が大きくなる。人肌ってこんなに安心するものなのか…。前世では味わうことの出来なかった暖かさ…それにすごく心地よい…。ずっと…このままでいたい…。)
「ちょっと…くすぐったいよ……せんぱい…///」
「?!え、えと…ここは…どこかな?俺さっきまで学校に居たはずなんだけど…ていうか君はどうしてうちの風呂に?」
「ここは先輩の夢の中だよ?それに君じゃなくて黒咲芽亜。メアって呼んでいいよ!せんぱいっ!」
できるだけ平静を装って話を続ける。どうやら俺は積年の望みを叶えることが出来たようだ。待ち望んだメアの体、なんと綺麗なことか。ハリと弾力のある柔肌、きめ細かくて真っ白な天使。モモよりはやや小さいが手にちょうど収まるナイスな胸。こんなもの、夢中にならならない方がおかしいだろう。
「そっそうか…それで、どうしてメアがこんな所に?」
「せんぱい…ナナちゃんのことわかるでしょ?ナナちゃんがせんぱいのこと「ケダモノダ〜!」って言ってて気になっちゃって!せんぱいのこと。もっと知りたいな〜!」
初心な男子なら勘違いしてしまいそうなことを言いながらメアが浴槽を出る。後ろで長く束ねられた髪がゆらゆらと揺れている。
「さっ!せんぱい!ここおいで!」
メアが風呂椅子を叩きながらぱたぱたと小さい手で手招きをする。
「メっメア!?一体何を…」
「お風呂ですることと言ったらきまってるじゃん。せんぱい。体洗ってあげる。」
どうやらメアは俺の体を洗ってくれるらしい。原作とは違うが、俺の反応が思ったよりも小さかったからか?まあメアと合法に触れ合えるんだ。断る手はない。
「あ、あぁ。わかったよメア。」
「きゃはっ。せんぱいのからだしっかりと洗ってあげる♪」
前を隠しながら風呂椅子に座りメアに背中を向ける。すると、メアがシャンプーボトルを手に取りメア自身の全身に大雑把に塗りたくった。
「体で洗ってあげるねっ。………せんぱいのからだ…ゴツゴツしてる。素敵っ♪」
メアがその綺麗な体といつの間にか髪留めが取れてロングヘアになった髪で手の届かないところまで包み込んでくれる。
「んっ、…せんぱい、きもちい?」
メアが後ろから抱きつきながら俺と頬をピタりとくっつける。小顔なのにしっかりと柔らかいほっぺた。薄い肌色の絵の具で1色で塗ったかのように肌に無駄な凹凸は無く、しかしお風呂の暑さでほのかに紅潮している。
メアが俺を軸にしてぱっと俺の前に回ってくる。俗に言う対面座位のような状態だ。なんだか、前の世界での妹みたいだ。もちろん妹とこんな裸でお風呂なんかには入ったりしない。でも、なんだかこの暖かい体温を感じるこの安心感。お互いに幸せに生きれてるって感じだ。
「せんぱい…どんな人なの?どんなこと考えてるの?ナナちゃんの言ってた意味が私は知りたい。もっと深くまで入り込んで、見てあげる。せんぱいのこと。」
メアが俺の中に入ってくる感覚がある。じわじわと皮膚が溶けて中に液体が染み込んでくる感覚もしかしたら止めた方がいいかもしれない。だけど俺には止めることが出来なかった。今の俺はそんな難しいことを考える気分ではなかったのだ。
(あれ?ここは…何?せんぱいの心の中、白い。白と黒。2色しかない。どうして?せんぱいはどうしてこんなことを今思い出してるの?)
目の前にドアがひとつ。その周りには壁と床がしっかりとある。しかし、見る場所を少しでもずらすとそれらより右に、または左に本来あるはずの壁や廊下が存在しない。まるでこの場所。この画角からの景色以外は要らないでも言っているかの様に。
「せんぱいの記憶はこの部屋の中かな?」
メアは全く物怖じもせずドアを開ける。凄腕の賞金稼ぎの『赤毛のメア』である彼女からすればこの世界に自分に危害を加えられるものなど一部の猛者のみ。怖がる理由もないのだろう。部屋の中に入れば、そこはどうやら病室のようだった。ベッドの上に一人の少女がぐっすりと寝ている。寝息も立てずにすやすやと。まるで本当に死んでしまっているかのようだ。
「…この子は…だれ?」
一向に何も起きない病室。記憶に印象深く残っている思い出なら何かしら特別なことが起きているはず。この瞬間も含めて特別な思い出ということなのだろうか。
すると、後ろから誰かの走る足音が近づいてくる。
「はぁ…はぁ…おい!大丈夫か!?」
走ってきた男はいきなり来るなりメアを無視し病室のベッドへもたれ掛かる。そこに眠っている少女のボーイフレンドだろうか。とても平静と言える状態ではないことは見て取れる。
「おいお前…どうしてお前がここに居るんだ!お前を許した覚えはないぞ!」
「え?私…?あっ、そっか。せんぱいが言われてるのか。」
「どうして近くにいながら…を助けなかった?!」
青年はメアを恨みを煮えたぎらせた鋭い目で睨みつける。
(せんぱい…この人に一体何したの?どうしてせんぱいはこの人に恨まれてるの?)
職業柄メアにはこういうような視線にはよく慣れている。この目は大事な人を傷つけられた時の加害者への視線。地球で、しかもこの日本ではこのような視線は滅多向けられることは無い。一体『結城リト』は何をしてしまったのか。人との関わる経験の少ないメアにはその答えは分からなかった。
「俺はお前を絶対許さない…!」
ドタッ
「わっ!」
メアが軽く突き飛ばされ尻もちをつく。なんでもないというふうに身軽に立ち上がろうとしたその時。メアの視界が一瞬にして真っ白に変わった。数秒間、そのまま白い世界が続いた。そしてだんだんとガヤガヤと周囲から声が聞こえてきた。賑やかな街の喧騒。私のマンション近くにある商店街でよく聞く感じだ。とメアが考え始めていると視界がはっきりと見えてきた。全く見たことのない景色。街ゆく人や景色からここが地球の日本であるということぐらいは分かる。目の前にはナイフを持った先程の青年。殺す気だろうか。『結城リト』を。『結城リト』は逃げる素振りすら見せない。避けるのだろうか。それともこのまま刺されてしまう…
「…っ!わっ!ヤミお姉ちゃん!?」
現実世界へと意識が一気に引き戻される。どうやらメアのお姉ちゃんが勘づいてしまったらしい。お楽しみの時間はここまでだ。
「大したものですね…第2世代の変身能力。生体との物理融合まで可能とは…。しかし、ひとつ忠告しておきます。彼に手を出したら私はあなたを敵とみなします」
「へぇ〜随分せんぱいに肩入れしてるんだね…まっ安心しなよ。私はせんぱいに危害を加える気はないから。あっそうだヤミお姉ちゃん。せんぱいの昔のことについて何か知ってる?」
「結城リトの過去…?」
「あぁ…やっぱいいや。そもそも質問があやふやすぎるね。気にしないで。それじゃ。」
校舎への扉を開け、軽快な足取りで階段を降りていく
「…さっきのは気になるけど…またね、せんぱい。」
◆
「初めまして!ヨロシクねー!」
時と場所は変わり、今はナナがメアを紹介しようと俺とララを呼び、ララと一緒にいたのでついてきた西園寺と古手川、それに遠くから見てるモモの7人で自己紹介中というわけだ。前にメアと夢であった後はヤミが起こしてくれた。
「あら?あなた確か…」
「あ!このあいだはありがとーございましたぁ♪」
「メア。西園寺と会ったことあるのか?」
「うん!前にせんぱいと会った時にどこにいたか教えてもらったの。」
あぁそういえば原作でもそんな描写があったな。忘れてた。しっかりと原作知識は予習しとかないとな。
「結城くんこそ黒咲さんと知り合いなの?」
「えっ俺?俺はまぁ前にちょっとメアと会ったことがあるだけだぞ。」
「え?!メアとリトって知り合いだったのか?!」
「もーせんぱい!何言ってんの?せんぱいと私は裸の付き合いをした中じゃないですかぁ♪」
「ちょっ!メア!何言ってんだ!」
「はっ裸で何をつき合うですって!?ハレンチな!」
「おっおいメア…いつの間にリトとそんな関係になったんだ…?」
「いやいや、なんかみんな誤解してるって!?」
(リトさん…いつの間にそんなことを…黒咲芽亜さん。彼女もハーレム候補に入れとこうかしら…)
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