Wave ~Summer NudeKiss~ 作:みやびまい
山岸高成や茜谷優里と言ったカラミざかりやボク嘘のキャラクターも今後登場する予定です。
ずっと、今も、愛してる。
ーーーーー
「あっ…はあ…」
学校帰りに彼の家でいつものように少女は抱かれている。快楽に歪み微笑む彼の顔は今でも焼き付いている。絶頂に達しそうな所で目が覚めた。
「ああ、またか…」
女性はベッドからゆっくり起き上がると部屋の電気をつけ、ノートパソコンの電源をつけた。
ここはネット上に存在するとあるチャットルーム。
今日もまた、ある漫画の二次創作小説が投稿される。
「優里は笑顔で高成にそう話しかけたのだ…っと。」
「こんなもんかな。こうして読んで見ると結構進んだなー」
そのチャットルームの主で小説の投稿主でもあるのはKこと古賀みちる。飯田里帆と同じ黒い長髪を持つ20代の女性である。
普段リアルの世界では、フリーライターをしつつ祖父母が営む小さな農園を母親と共に手伝う毎日を送っている。持病があるので体調が整わない日もあるがこうして小説を投稿する事に小さなやりがいを感じつつあった。
みちるの父親は捕鯨船の乗組員であるため殆ど会うことは無い。
投稿し終えると早速コメントが付く。コメントの主はyuという名の人物。彼はリメイク版カラミざかりに登場する女子高生・茜谷優里と塚原日向をこよなく推している人物である。リアルの方が忙しいのかコメント頻度は多くは無いが、毎回熱のこもったコメントを返してくれる。
『2人の描写が生き生きしてて良いと思います!』
彼のコメントはみちるの執筆活動のモチベーションにもなっている。さっそくみちるはコメントを読むとありがとうございます、と返信を送った。
yuはみちるがリメイク版カラミざかりの二次創作小説を書き始めて少し立った頃からのいわば古参である。
(この人のコメント好きだな。モチベも保つし)
みちるは今まで書いてきた小説にまた目を通す。
(よくここまで書けたなあ)
こうして彼女の物語「紅い青春」は徐々に読者を増やしていく事になる。
次の日。yuの他にもう1人分のコメントがつけられた。ユーザーネームは「lee」とある。
『初めまして。作品読まさせて頂きました。高成の描写が好きです!』
(…成程)
みちるはこのコメントにも丁寧に返信を送る。
更にその後、新たなユーザーネームを名乗る人物が現れた。ちひろと名乗る人物だ。
『これまで色んなカラミざかりの二次小説を読んできましたが、これが1番面白いかもしれません。続きが気になります!』
そのコメントを読んだみちるは自分の中で執筆に対するモチベーションが以前よりも上がった事を実感しつつあった。
(やっぱ色んな人に読んでもらえるのは嬉しいな)
(頑張るか!)
みちるは何度か今までついた感想コメントを読み、改めて自身の執筆意欲を確認したのだった。
…ここでそんなチャットルームにいる彼らの普段の生活を覗いてみる事にしよう。
みちるは前述の通り、フリーライターをしながら祖父母の営む小さな農園を母親と共に手伝っている。彼女には持病があり、定期的に大学病院へ受診している。
この日もみちるは母親と共に大学病院へ受診に訪れていた。採血を済ませて診療科の受付をした後1時間ほどソファで待っているとみちるの持つ受付ファイルに記されている番号が点灯する。
「…やっと着いたか」
「失礼しまーす」
「はーいどうぞー」
みちるを出迎えたのは白衣姿の若い男性。髪型や顔つきはどことなく藤野先輩を思わせる。
そんな彼こそが大学病院に勤務しており、現在のみちるの担当医がちひろこと大山智広である。原作リメイクどちらも愛する彼は内科に所属する医師として日々忙しい毎日を送っていた。
「お加減はどうですか?」
「ぼちぼちですかねー…」
こうしてその日の診察は終わる。来院から帰宅までは半日程かかる。帰宅後みちるは一度部屋で寝るとパソコンの電源をつけて執筆活動へ戻る。
その頃「lee」こと佐竹香織(旧姓:角谷)はスーパーで買い物をしていた。飯田里帆推しの彼女は結婚しており夫はマカオへ単身赴任している。その為マンションで1人暮らしている状態である。
時々彼女の様子を見に姑がやって来るのだが、決まって彼女は「早く孫が見たい」と繰り返す。更には夫へもたまにはマカオから日本に帰って子作りに励むよう伝えているようで、香織自身も勿論子供は欲しいと願い妊活に励んではいるのだが、姑の度重なる発言と行動に対してイライラを募らせ辟易としていたのだった。
「晩御飯なににしようかなー…たまには手抜いてもいっか。」
彼女が手に取ったのはから揚げの詰め合わせとサラダだった。彼女が会計を済ませて駐車場へ向かうと近くの道路を救急車が通る。
その救急車に載っている人物の中にyuこと狩野豊がいた。高身長で鍛え抜かれた肉体と爽やかな見た目は頼もしい限りだ。疲れも見せずに現場へと向かっていく。
…と、このようにチャットルームではこの4名が常駐している。チャットルームでは普段みちるの二次創作の他にもストーリーの考察や予想、感想やこんな展開が見たいと言った要望や妄想だったり、作品とは関係ないが身バレしない程度に愚痴も書かれている。
このチャットルームは一種のオアシスのような場所だった。
帰宅したみちるは着替えて外に出る。少し道を歩くとそこには海岸があった。
「…」
波は穏やかだった。海鳥の声も聞こえてくる。
「…」
頭の中によぎるのは彼の顔と幸せだった頃の記憶(と幻想。)みちるはしばらく海を眺めたのち、家へ戻ったのだった。
この日の夜もチャットルームで紅い青春を更新し終えると、みちるは一息ついて星を見上げていた。
「綺麗だなあ…」
星を見ていたのは香織もだった。ふとテレビ画面へ目線をやるとそこには特集と称して救急隊員や消防士の密着ドキュメントが流れていた。そこには豊の姿もある。他の隊員と並んで上半身裸でハードなトレーニングを行う彼の様子が映っていた。
「…」
香織はごくっとつばを飲む。やはり彼の鍛え上げられた肉体は素晴らしいの一言に尽きる。香織は自身の下腹部がぎゅっと熱を発したのを感じた。
「…」
(だめだ…我慢しなきゃ)
頭を左右に振って無理やり性欲を押さえつけようとするも、頭から離れない。
「はあ…」
香織はベッドで横になり足を広げる。ベッドの近くには夫と2人で撮影した写真が2枚並んでいた。片方は結婚式の前撮り、もう片方は新婚旅行のものだ。
「はやく帰ってこないかなあ…」
香織の指は下腹部を沿ってパンツの中へと下る。
「んっ…」
久しくご無沙汰の状態だ。姑は早く孫が見たいと迫るので直近の夫との絡みはムードの欠片も無いただの運動と化している。
やはりたまには愛し合う男女らしいセックスがしたいと香織は胸の奥底で考えているのだが、なかなか切り出せずにいた。
「あっ…んん…」
指を動かす速度を速めるとぬちゅぬちゅと淫らな音が聞こえてくる。
「ーっ!」
そのまま達した香織は息を整えるとはあ、と寂し気に息を吐いて洗面台で手を洗いに行った。
(いつ帰って来るんだか)
ある日の事。みちるは母と買い物しに市街地まで出かけていた。
「これだけ買っておけば十分かな」
車に買った荷物を詰め込み乗り込む。しかしその道中、事故が発生したために道が混雑していた。
「…迂回するか」
回り道をするとそこにはラブホテル街が現れる。昼まではあるが人通りは全くないという事も無かった。カップルや女子会でやってきた若い女性達がホテルへと入っていく姿が見て取れる。
「あ、あれもしかして…!」
みちるの母が見たものは私服姿の智広が同じく私服姿の明るい髪色をした若い女性とラブホテルから出てくる場面であった。母の声を聴いたみちるは思わず身を乗り出す。若い女性は智広と同じ病院の病棟で看護師として勤めている萱原智花だった。かつてみちるが入院した時、担当を務めていた事もある。
(うわっまじで先生じゃん)
その時。智広を呼ぶ大きな声が響いてきた。見ると別の女性が泣きながらその女は誰だと叫んでいる。その女性は智花へと今にも襲い掛かろうとしている。
「ねえ、やばくない?警察通報した方がいいんじゃ…」
「でも他人のあれそれに口出すのも…」
「いやいや主治医だよ?!あと看護師も!」
しびれを切らしたみちるは車から飛び降りると警察を呼んだ。みちるの母も車を停車させ急いで現場へと向かう。現場では女性が襲い掛かり智花を何度も殴ろうとしている所を、智広が羽交い絞めにして抑え込んでいる。
「はあっ…はあっ…警察呼びましたから!!」
「え?!」
ほどなくして警察が現れ女性は連行されていった。幸い智広と智花の2人には怪我は無いようでみちるはほっと安心したのだった。
「古賀さんでしたか…ご迷惑をおかけしてすみませんでした。体調の方は大丈夫ですか?」
「萱原さん…!いえいえ大丈夫です!お2人ともけがはないですか?」
「こっちは大丈夫です。心配かけてすみません。」
智広は頭を掻きながらそう返すと、みちるとみちるの母にご迷惑をおかけしてすみませんと丁寧にわびた。2人はその後は警察に任せて車へと戻る。
「はあ疲れた…あんたも優しいのね。」
「だってあれは見逃せないっしょ」
「まあそうだけど…」
2人は家へと帰っていった。後日お礼の品々が届き、家族で分け合う事となった。
ある日の事。チャットルームにて豊からある提案がなされた。オフ会を開催しようというものだった。
『オフ会?』
『そうですね。せっかくなので4人で会えませんか?』
「…」
(どうしようか)
先に参加表明を出したのは智広だった。その次にみちるが参加の意思を示す。そんな中画面を見て香織はかなり迷っていた。
(男の人がいるか女の人がいるか分からないよね…)
(全員男の人だとしたら色々とまずい…いや、全員女でない限りまずいのは変わらない)
夫への操とせっかくなので楽しみたいという2つのはざまでしばらく揺れ動く。
(…この機を逃せばもう会えないかもだしなあ。いこっか)
結果的にはまあいっかの精神で香織は参加する事を伝えた。これで4人全員の参加が決まった事でチャットルームでは集合場所や行きたい場所についての会話が盛り上がる事となった。
みちる達は画面を見ながらはたしてやってくるのはどんな人物なのかと思いを巡らせていた。
「楽しみだなあ」
みちるはそう呟くとチャットルームを閉じた。
そして、オフ会の日がやって来た。みちるは指定された待ち合わせ場所である駅の銅像前へと着いた。まだ誰も来ていないようだ。
「ちょっと早かったか?」
みちるがスマホをいじっていると近くに黒髪のショートヘアの女性が現れた。香織だ。
「あのー…もしかしてリメイク版カラミざかりの?」
「あ…はい、そうです。紅い青春の人です。」
「leeです。いつも楽しく読まさせて頂いております!」
香織とみちるは互いに自己紹介を交わすと手を握り合いテンションを高める。
「みちるさん、あと2人ですかね」
「ですね。…どんな人だろう。」
するとそこへある人物が近づいてくる。
「ん?大山先生?」
「…あれ、古賀さん?」
「あーあの、もしかしてリメイク版カラミざかりの…」
「うん。それで来たんだけど…もしかして古賀さんもそう?!」
みちると智広は互いに信じられないという驚きの表情を浮かべた。
「「え“えっ?!」」
更にそこへ豊もやって来る。香織はゑ、と腹の底から名状しがたい声を出した。
「え、この集まりリメイク版カラミざかりのオフ会…だよな…」
「合ってるけど…なんで前田ここにいんの?」
「いやいやこっちのセリフだよ!!」
待ち合わせ場所は大混乱の渦に包まれた。
「「「「ええ~!!!」」」」
ーーーーー
ようやく落ち着きを取り戻しつつある一行は駅前のベンチに座っていた。
「どこ行く?」
先にそう切り出したのは意外にも香織だった。4人は顔を見合わせながら考え始める。
「行きたいとこあります?」
「うーん…そうだな…」
「とりあえず歩きますか」
智広の提案で4人は街をぶらぶら周りながら見て回る事にした。やはり市街地だけあって多くのビルが建ち人がひしめき合っている。車の交通量も多く、わいわいと喧騒がこだまする。
「人多いですね」
「街だからねー」
ここでそういえばなんで皆さんはカラミざかりにはまったんですか?とみちるは質問してみた。するとこのような答えが返って来る。
まず智広の場合スマホのサイトに映る広告で原作を知り、その流れでリメイク版カラミざかりも読んだというものだった。
次に豊の場合、彼もまた智広と同じくスマホのサイトの広告で原作を知り、リメイク版カラミざかりを読んだようだ。この時、原作では登場しなかったキャラクターが登場していると聞いたのもあると言う。
最後に香織の場合、ツイッターで見かけてリメイク版と原作を読んだという。
「へえ~…成程…」
「みちるさんは?」
みちるも広告から知った口である。その事を伝えるとだよねえ~と言った反応が3人から帰って来た。
「広告は大きいよねえ」
「結構見かけたし今もちょいちょい見るわ。」
街をぶらぶら歩いていくと、先ほどとは違った雰囲気と景色が目の前に現れてくる。この道にみちる(と智広)は見覚えが合った。
「あのーここってラブホテル街ですかね?」
そう、みちるとその母親が女性関係のトラブルに巻き込まれた?智広を見かけて助けたのがこのラブホテル街の出来事である。
改めて辺りを見渡すとかなりの数のラブホテルやソープにクラブ?と思わしき建物が続いているのが見える。
…その当時の様子をみちると智広はやや気まずそうに思い返していたのだった。
「へえーこんなとこあったんだ」
香織はそう興味ありげに呟く。建物は色とりどりで夜になるとネオンで輝くのだろうというのが装飾や看板からも分かるほどだ。
そして人通りは駅前ほどではないがぽつぽつと点在している。女性グループやカップルと思わしき人影もちらほらといた。
「昼間っからいるもんだな」
豊がそう言ったタイミングで一行はある建物に近づく。その建物は看板に
「あれ、人の声が聞こえてくる」
「前田まじ?」
「まじだよ佐竹…ほら」
確かに豊の言う通り人の会話音がうっすらと聞こえてきた。
「レストランとか、ですかね?」
「あー…古賀さん合ってる。けどここもう1つ面があって。」
「先生なんですか?」
「ここ、ハプバー。」
ハプバー、そうハプニングバーの事である。どうやらこのバーの会員兼常連である智広が言うには、1階は食事や歓談が出来るスペースとなっており、食事が提供されているようだ。プレイルームは2階にあり、そこで「ハプニング」を楽しむ事が出来るのだという。
「へえ~大山さん常連なんだ」
「最近は行けてないけどね。…昼食がてらに行く?」
智広の提案に対し3人は頭を悩ませる。
「う~ん…佐竹はその…人妻は…」
「分かってるわよ…」
「私も初めてなので色々緊張するというか、マナーとか迷惑かけたりしないでしょうか?」
迷惑をかけないか心配と言うみちるの声に対しては、智広がスタッフが色々説明してくれるから大丈夫だと告げる。
「そうですか、なら良かったです。あとは…」
「佐竹さんと前田さんでしたか。どうします?」
「おれは…行ってみたいけど…佐竹が…」
香織はしばらく無言でいると覚悟を決めたかの如くつばを飲み込んだ
「…いく。」
香織はそう意志を示す。ただ豊は心配そうに香織を見ていた
「いや大丈夫なのか?人妻だろ?」
「…もう決めたから」
そう言って店内に入る香織の顔はどこか寂しげだった。
受付とスタッフからの説明を受けた4人はスマホを含む手荷物をロッカーに預けると1階の食事スペースへ向かった。
どうやらビュッフェスタイル形式のようで客も何人か来て食事を楽しんでいる。
「へえ~美味しそう」
各々食材を取って食べ進めていく。サラダなどおかずは勿論メインのスパゲティナポリタンやマルゲリータピザ、野菜カレーも中々の美味しさだった。4人はあっという間に食べ終える。
「ふう、美味しかった」
「ね。ホテルのバイキングみたい」
智広はそんな3人の様子を見ているとそろそろ上に行こうかと呼びかける。席を立ち食事分の会計を支払うといよいよ「ハプニング」の場へと向かう。
「今更ですけど先生はここ来て大丈夫なんですか?」
「いやー、ここ元々よくうちの職場の人間が来てるからね。自分も先輩に連れられて来たのが最初だったし」
「そうなんですか…」
智広曰くこのハプニングバーには職場でのストレスを解消するために、先輩や後輩の医師や看護師、薬剤師などがよく訪れているそうだ。
事実智広が務める大学病院は県はおろかいくつか他県も含めてもトップの大病院である。色々あるのだろうとみちるは考えていた。
スタッフに誘導され2階へ行くとそこで既に何人かの客が「ハプニング」を楽しんでいた。ワイングラス片手におしゃべりに興じる者たちもいれば、専用のスペースや部屋でもつれるように抱き合う者たちもいる。
全裸の者もいれば、きわどいランジェリー姿や普通のなんら変哲もない私服姿だったりスーツ姿の者もいる。彼らが醸し出す雰囲気はまさに淫靡だった。
(すごい…)
みちるは目を見開いてその現実離れした光景を目に焼き付ける。香織は胸を高鳴らせ、豊は汗をにじませていた。
「じゃあ、楽しもうか」
智広はそう言うと手慣れた手つきで近くにいた上半身裸の男性スタッフにジュースを注文すると奥にいる茶髪のボブヘアで黒い下着姿の女性へ話しかけにいった。
「…どうすれば」
みちるは先ほど智広がジュースを注文したスタッフにアドバイスを求めた。
「初めての方ですかね」
「はい、そうです。楽しみ方とかいまいちよくわかんなくて。」
「うーん、じゃあせっかくですし僕と話しましょうか?話だけなら全然かまわないので。」
「いいですか?じゃあお願いします。」
みちるはスタッフの厚意に甘え、会話してみる事にした。みちるはそこまで社交性のある性格では無い事を嫌程自覚している。その為にもまずはスタッフと話して打ち解けてからの方が良いと考え慎重な姿勢を見せたのだった。
「あの、経験自体はある方ですか?」
「はい、学生時代に色々と。スタッフさんは?」
「僕もですかねー。やっぱ周りは中高で卒業する子って意外と多いですよねー」
会話が弾む。ふとみちるが近くのスペースに目をやると、早くも智広は女性とハプニングを起こしていた。
「んっ…いいっ…」
「ふふっ…」
2人の絡みはうわ、すごいとみちるの口から思わずセリフがこぼれてしまうほどである。やはり智広は手慣れた手つきを見せていた。
そして智広は指だけでその女性を何度もイかせたのであった。女性は最初こそ余裕そうな表情を見せていたが、すぐさま快楽に溺れ最終的には喘ぎ声しか発せられない程であった。
「わあ…」
あっという間に終わった様子を見てみちるは目を大きく見開きながら智広とソファでぐったりしているその女性を見るだけであった。
そこで智広がみちるに気づく。
「あ…」
「次やってみる?」
…まさか日ごろ自身を診察してくれる医師とこういうハプニングを起こすとはみちるはこれまで考えもしなかった事である。みちるの頭の中は混乱のるつぼにあった。
(まじか。先生とやるのか)
(んー…)
みちるはゆっくりと智広の元へ近づく。
「…お願いします。」
こうしてみちると智広はハプニングを起こした。
一方。香織は辺りを見渡していた。すぐ後ろに豊がついていく。
「おいおい、ほんとにやんのか?せめて話すだけにした方が…」
そう言った豊が香織の目の前に立ちふさがった。香織は目を細めながら豊に視線を向ける。
「じゃあ、前田とするって言ったら?」
「えっ?」
「冗談。」
香織はソファに座る。豊も続いてその隣に座った。
「ねえ、前田。してきたら?ほら。」
「え、でも…」
「あの2人はやってるよ?」
香織が指さした先には2人の私服姿の男女がいた。みちると智広だ。後背位の体位で智広から激しく突かれるみちるは半ば混乱した様子で喘いでいる様子が見て取れる。
「あっ…んっんっ…」
豊はその光景に目を大きく見開いている。
(うわ、すげえ…あの2人やってる…でもおれは…)
(そら佐竹とはしたいけど!でも佐竹は人妻…不倫は流石にだめだろ…)
豊は頭を覆う。その姿を隣で見ていた香織は彼の右腕を取った。
「佐竹…?」
「…私としてよ。」
「はあ?!いや、でも…無理だって!!」
豊が無理と大きな声で叫んだ瞬間、香織はため息をついた。
(…折角来たんだ。前田となら別に…なんかもういいや)
(帰ってこないあの人とあの姑が悪いんだ…)
香織は勢いよく豊を押し倒し、キスをする。口の中で舌が熱く熱を持って絡み合う。しばらくして香織が顔を離すと豊を見下ろしてこう告げた。
「前田とならいいから」
「佐竹…」
こうしてみちると智広、香織と豊の絡みが現実離れした狂乱のバーで繰り広げられたのだった。
「あっ…んっ…!」
「んっっ…!!」
気づけば室内の時計は17時を示していた。4人はゆっくりと着替え身支度を整えると退店し、駅で解散となった。
4人のまなざしはいつもと違い、どこか遠くを見つめている。
帰宅し夕食を食べたみちるは自室でパソコンの電源を入れて、紅い青春の執筆活動へと戻る。
「ふうー…。…。」
…4人分の糸はここから大きくもつれていく。