エッッッなプロセカ 作:おっぱいはすべてを救う。すべてを。
「七.八.九……一〇っと。よし、今日のメニューも終わり」
白い壁に青いカーテン。そして数多のペンギングッズで囲われた明るい部屋で桐谷遥(きりたに はるか)はそう呟き、手にしていた小ぶりのダンベルを定位置に戻した。汗を首にかけたタオルで拭き、壁に寄りかけた姿見へ目を向ける。
「足も大分絞れてきたかな。やっぱり、辞めてた間もトレーニングだけはしててよかったな」
青いショートカットに、青い瞳。それと若く瑞々しい小顔の生み出す、仲間から眩しいと言われる美貌で、満足したように自身の足を見る。日々の努力の甲斐あり健康的に引き締まったそれは、部屋の明かりに当てられ美しく白い肢体を晒していた。
彼女はアイドルだった。かつて『国民的アイドル桐谷遥』と評されるほどの人気を誇り、その絶頂の中、突如の引退で世間を騒がせた。そして現在は高校の友人達と四人組でもう一度アイドル活動を行っている。一度は捨てた生活だった。しかし、新しく組んだグループの中で唯一アイドル経験のない少女……花里(はなさと)みのり、という人物によって、捨てたはずの情熱を呼び起こされ、諦めたはずの一歩がまた踏み出せたのだ。
扉へ向かい部屋の鍵を閉める。入るときにも閉めたはずだが、念入りな確認は必要だ。
(だから、もっと頑張らないと。明日を頑張る希望を届けるためにも)
幸いにも四人のうち三人は元アイドルとしての経験があった。だが、前は違うグループに所属しており、ファン層も異なる三人だ。それが同じグループになると、ファンや事務所とも多くの軋轢が生まれる。今の所はなんとかやって行けているが、これからも上手くいくとは限らないだろう。そうなると、一番アイドルとして知名度のある遥が多く動く必要が出てくる。勿論それもやりがいがあって楽しいが、どうしても疲れは溜まってくる。
……今日は親は外へ出ていていない。準備は万端だ。タオルを敷いてベッドへ倒れ込みジャージを脱ぐ。
「…………」
そうして、ゆっくりと自らの胸元へ手をのばす。
疲れた日で親が家にいないとき。遥はこうして自らのストレスを発散する。
「っ……ぁ」
薄いインナー越しに触れる指は、慣れたように遥の胸をもてあそんでいた――
◇
「……っ」
インナー越しに自らの胸をなぞっていく。整いつつもしっとりとした柔らかさのある自身の膨らみは、久々の行為にいつもより喜んでいるように思えた。下乳から乳輪へ向かって指を擦り上げていくと、早くも声が漏れて身体が暑くなってきてしまう。我慢できずに着ていたシャツを脱ぎ、スポーツブラ越しへと移る。
優しく、くすぐるように指で焦らしていく。片方は指で丁寧にさすり続け、もう片方は軽く揉み上げていく。何度もやってきたからか、どういじめれば自分が興奮するのかは分かってきている。布一枚を挟んだ弾力ある胸を包むように刺激すると、だんだん呼吸が荒くなって、自然と力を入れて揉み込んでいってしまう。
「はぁ、はぁ……あっ」
少しずつ嬌声じみた甘い声が混ざっていく。直接触れるためにブラを少しずらして手を入れる。柔らかい手触りは遥に一段階上の快楽を与える。
「ふっん……んぁっ! んん……はぁっ!」
ずらした関係上うまく見えないが、突起が大きくなっているのが感覚的に分かり更に興奮していく。今すぐ触りたいがもう少しだけ抑えて、ブラを脱ぎ捨てる。
ようやく顔を出した遥の乳頭は、きれいな桜色を突き出して主張していた。怒張するそれをもう少しだけ焦らしながら胸をこねていくと、先程より柔らかく、遥の興奮のままに柔軟に形を変えて、頭に甘い刺激を与える。
「んっ……! 気持ちいい……っ」
はやく乳首を触りたい。昂ぶる気持ちと暑い身体に身を任せようとしたその時……
プルルルル!
「……でんわ? だれから……?」
あと少しだったのに……。少し残念な気分になりながらスマホを見る。大事な連絡かもしれない。そして液晶を見て気づく。この名前は……
『こんばんは遥ちゃん! いま大丈夫かな?』
「みのり……!?」
それは遥にアイドルの道を取り戻させてくれた少女、花里みのりだった。
◇
『あれ? 遥ちゃん疲れてる? なんだか呼吸が荒いみたいだけど』
「あ、ううん! 大丈夫だよみのり。ちょっとストレッチしてただけだよ」
『ストレッチかぁ。わたし体固いからなぁ、遥ちゃんみたいにきれいに足上げられないんだよね』
「ふふっ。みのりもいつかできる様になるよ。それで、今日はどうしたの?」
上裸で仲間と……それもみのりと話すなんて変な気分だ。顔も赤くなっているかもしれない。一人でシている所を見られるなんて、現実じゃ恥ずかしくて耐えられないだろう。だが同時に遥の頭に1つの考えが浮かんだ。高ぶった脳は自身の欲望に逆らえずその案に従ってしまう。
もしかしたら今なら適度な快感になるのかもしれない。こっそりとやれば大丈夫かな……? と。背徳感にドキドキしながら指を伸ばす。そして。
『うん、月曜の練習なんだけ――』
「ふぁっ……!!」
『……!? 大丈夫遥ちゃん!?』
みのりの声を聞きながら乳輪をなぞった瞬間、しびれる様な快楽が脳を貫き、耐えきれずに声が出てしまった。唐突に襲ってきた快感に恥ずかしくてたまらないが、なんとか誤魔化さなくては。みのりは恩人であり仲間なのだ。こんな痴態がバレる訳にはいかない。
「だいりょう、だいじょうぶっ……」
『ほんとに!? なんか変な声だったけど……』
「はー、はー。心配しないでみのり、大丈夫だから……」
肩で息をしながらもなんとか返事をする。どうしてこんなに気持ち良いのだろう。もう一度だけ試してみたい。でも、もしかしたらバレるかもしれない……だけど、あと一回だけ……
「はあっ……! んっんん!」
『ほんとに大丈夫……? 何かあったら無理しないで言ってね』
「ふあっ――!」
みのりの言葉を聞く度に耳から快楽が染み渡り、遥の頭をとろけさせる。アイドルは普段から人から見られたり人と話したりすることが多いが、特別妙な気分になったりはしない。なのにこうしてみのりの声を聞くだけで、アイドルとして整えたはずの自身の身体は、みのりにこの痴態を見られている錯覚を起こし、羞恥心と背徳感で悦んでしまう。快感に耐えかねて震えている手でくにゅくにゅと揉みしだいている胸を見ると、乳首がピンピンに張りきっていて苦しそうだ。あと少し、乳首だけ触ったらもうやめよう。あと少しだけ……
『やっぱ遥ちゃん変だよ! 最近トラブルも多かったし、体調崩してるのかもよ? 体温とか高くない?』
「ほんとにだいじょ、ふッ――っんあぁあ!!」
乳首をカリっと搔いた瞬間、今まで感じた事のない程の快楽が押し寄せ、体が強く痙攣する。声を抑えようとするさえ不可能なしびれに全身が悦び、もっともっと気持ちよくなりたいと指が勝手に動いてしまう。欲望のままに赤い赤い先端をこすりつけ、摘んだりカリカリと搔いたりするその度に、スマホを落とさないのが精一杯なほどにびくびくと四肢を揺らし喘ぎ声を吐き出し続ける、下腹部も熱く疼き、下着をだらしなく濡らしているのがわかった。もう耐えられない。ショートパンツもぐじょぐじょに濡れて液を垂らすパンツも脱ぎ、足を開いた。ムワっと部屋に女の香りが立ち込めた気がした。
『遥ちゃん!? 遥ちゃん!』
「んんっ! なにみのりぃ……ッあ! はぁ……はぁ……っ!」
『遥ちゃんが大変だー! どうしようどうしよう! きゅーきゅーしゃ!? 何番だっけ一一〇番!?』
「だいじょうぶだから……なまえ、なまえもっと呼んでっ」
とろりと蜜を溢れさせる秘所へ指をぐちゅりと入れる。それだけで軽く達してしまうが、さらなる快感を求め激しく動かしていく。クチュクチュといやしく鳴らしている水音がもし聞こえたらと思うとゾクゾクとしてより頭がおかしくなりそうになり、思わず身体をよじらせる。入り口のざらざらとした所を擦ると、全身を痺れさせる快感に襲われて際限なく愛液が掻き出されるし、口からも唾液を抑えられずに垂れ流しになっている。
『わ、分かったよ! 頑張れ頑張れ遥ちゃん!』
「あうぁっ!! みのり……みの、りぃ……っ!」
『負けるな遥ちゃん! 遥ちゃんなら頑張れる! わたしの最推し!』
「ひゃぅ……あんっ! やぁ……ん゛ぅ! も、もうむりぃっ」
ぐちゅぐちゅと激しく出し入れしていた指を抜き、フィニッシュを迎えるために、ぷっくりとふくらんだ陰核を指で濡らしてしごく。スマホの声を聴き逃がさないようにして、もうすぐ来るだろう絶頂に備える。その時ふと視界に入った姿見には、いやらしく顔を赤くして、ぐじょぐじょの陰部をこすり続ける淫乱な少女が映っていた。
「みのり、みのっ……んんあああ!!!」
『遥ちゃん!!』
悲鳴にも近い嬌声を上げ快感に全身が支配される。頭が真っ白になって何も考えられなくなる。身体が弓のように反ってビクビクと痙攣し、膣から勢いよく水が噴き出す。そして最高の快感に包まれたまま意識が遠のいていく。
『遥ちゃん! 返事して遥ちゃん!』
最後に聞こえたのはそんな声だった。
◇
「うっ……ん」
あれからどれほどの時間が経ったのだろう。意識を取り戻した遥が急いでスマホを見ると、みのりとの通話が途切れていることに気づいた。そして、途端に仲間を自分の興奮に利用してしまった事に罪悪感が芽生える。みのりはずっと私を心配してくれていたのに、私は自分のことばっかりで……。恐らくバレてしまっているだろう。その時は勢いで誤魔化せていたかもしれないが、冷静になって考えればすぐ分かってしまうはずだ。
遥はもう一度姿見に向き合う。あの時の私の顔は、気持ちよくて堪らないといった顔で……あんな自分がいるのだと初めて知った。あんなままでは、アイドルとして失格だろう。でもあの気持ちよさは本当に……
思い出すだけでまた子宮が寂しげに疼き始めた。だが、今日はもう寝よう。明日はみのりに直接謝らなくてはならない。例えどんなバツや罵りだろうと受け入れよう。私はそれだけのことをしてしまったのだから。ウェットティッシュを取り、濡れた場所を拭き取って服を着直し……
ピンポーン
こんな時間に来客……? 宅急便は頼んでないし親もまだ帰らないはず。じゃあ誰が……
寝巻きをちょうど着終わった遥は部屋を出てリビングへ向かい、インターホンのカメラを見る。そこにはやけにそわそわした花里みのりが、寝間着らしき姿のまま立っていた。慌てて音声をオンにして叫ぶ。
「みのり!? 今開けるね!」
◇
「あ、遥ちゃん! 良かったぁ〜、遥ちゃんが無事で」
「みのり……」
そこにいたのはやはり花里みのりだった。肩まで伸ばした綺麗な茶髪にニコリとした表情の似合う朗らかな少女……。アイドル未経験でありながら誰よりもアイドルとして周りを照らそうとするこの子は、桐谷遥を挫折から救ってくれた恩人だ。同時に仲間でもある。
そんな少女を私は自分の欲に利用した。失望されるかもしれないリスクに酔いしれ痴態を晒した。みのりはどう思っただろうか。
どんな言葉だろうと受け入れなくてはならない。
「どうして家に来てくれたの?」
怒りか、軽蔑か
だが、少女は思わぬことを言い出した。
「さっき、遥ちゃんが体調悪そうだったから、心配になって来ちゃった! でも、元気そうで良かった!」
「あ……」
この少女は、みのりは、ただ遥の事を思って来てくれたのだ。遥がみのりに糾弾されるのを恐れている間、ずっと心配してくれていたのだ。玄関から見える景色はほとんど真っ暗で、街路灯の明かりしか存在しない。そんな中、寝間着のまま急いできてくれた。
何をしているのだろう、私は。花里みのりの憧れのアイドル、桐谷遥は何をしているのだろうか。
「ごめん、みのり。心配かけちゃったよね……」
「!? いえいえ、遥ちゃんが謝ることなんて無いですっ! 遥ちゃんはわたしの憧れだし、グループでもお世話になってるから、これくらいなんてことないよ」
でも、とみのりは付け足す。
「遥ちゃんが困ってるならすぐ言ってね! わたし、遥ちゃんの為なら何でもするから」
「…………」
その一瞬、遥の下腹部がまた疼いた。そんなこと考えちゃいけない。いけないのに、みのりを襲いたいって考えてる。許して、なんて言えば許してくれるかもなんて考えてる。
信用を裏切りたくない。だから抑えないと。でも……!
「お腹さすってるけど、やっぱり痛いの?」
「あっ……ううん、そうじゃないよ、気にしないで」
「本当? ……そうだ!」
「みのり?」
首を傾けて悩んでいた様子のみのりが急に近づいて遥の額に自身の額を合わせる。ふわりとみのりの甘い匂いが漂ってきて、遥の理性を蕩けさせる。もっと嗅いでいたい。だめだ、これ以上はまずい。
「まって、みのり……離してっ」
「動いちゃだめだよ遥ちゃん! お熱測れないから、ちょっとだけじっとして?」
「あっ!」
離れようとしたが腰に手を回されて抑えられる。すると身体が密着し先程より強くみのりを感じてしまう。抱き寄せるようにしたみのりの手、鼻腔をくすぐる香り、目の前にある柔らかそうな少女の肌。胸同士がぶつかる感覚。何もかもが限界だった。
遥もみのりの腰へ手を回し抱き寄せ、そのまま首へ舌を這わせる。
「うーんちょっと熱いかも……ひゃっ!?」
「……どうしたの、みのり。首が濡れてるよ、かわいいね」
「やっ……遥ちゃんやめて、わたし走ってきたからくさいよ、っ!」
「いい匂いだよ。もっとこっち来て?」
「は、遥ひゃん……! あっ!」
みのりを抱き寄せたままドアを閉める。みのりの綺麗な茶髪を撫でて、そのままキスをする。一分ほどみのりの口を舌で貪った後唾液を引きながら離すと、みのりは「あぅ」と声をあげトロンとした目でこちらを見つめていた。だが、まだ迷いがあるのかもしれない、口づけしている最中にちらりとドアを見ていた。なら。
「そういえば、みのり身体が固いって言ってたよね、じゃあ部屋で一緒にストレッチしよっか」
「すとれっち……?」
「そう、ストレッチ。ならいいでしょ?」
「すとれっち……うん」
「良かった、じゃあ行こっか」
みのりの手をひき部屋へ連れて行く。しっかりと扉を閉めて、鍵もかける。準備は万端だ。
気持ちよくするからね、みのり。
……水音の響く中、姿見は変わらず部屋と二人の少女を映し続けていた。
姿見になりたい人生だった。