今回は説明回。
俺の名前は稲瀬貂駕、18歳の受験を控えた何処にでもいる高校3年生だった。
古武術の師範だった爺ちゃんに叩き込まれた剣術と徒手空拳の技には自身があるが、それ以外はちょっと歴史に詳しい位で人に自慢できる特技もない一般人‥だったんだが。
車に轢かれそうになった子供を助けるために道路に飛び出した俺は、子供の身代わりになって轢かれちまった…。
俺の人生はそこで終わるはずだった…。
ーーー征服歴1535年7月 王国北西部ーーー
王国解放軍の陣地に、任務を終えた俺の率いる騎兵小隊が帰還した。
「テンガ、お疲れ様でした」
「流石ね、倍の人数の騎兵相手を殆ど被害無しで撃退するなんて!」
二人の美少女が、偵察任務から帰還した俺を輝くような笑顔で出迎える。
交通事故で死んだはずの俺は、気がついたら地球とよく似た異世界に転生していた。
俺が生まれたのはファガリア王国北部、リーゼフォン侯爵家に代々仕える騎士家ナーゼ家だった。
ナーゼ家の次男として、転生前と同じテンガと名付けられた俺は、騎士となるべく厳しく育てられたが、転生前の人生で祖父に鍛えられていたお陰か、それとも転生者として現地の人間よりも身体能力が高いお陰か、若くして一人前の騎士と認められるほどの実力を手に入れていた。
今目の前で俺を笑顔で出迎える二人の美少女は、今回の人生で出会った俺の大切な幼馴染達だ。
豊かな黄金色の髪と蒼い瞳に、緑を基調とした軍服を纏い、その軍服からでも目立つ大玉のメロンのような爆乳の美少女は、俺が仕えるリーゼフォン侯爵家の長女シェーラ。
もう一人の、燃えるような赤い髪と金色の瞳、フレイアと異なり赤い軍服を纏い、フレイアほどではないが豊かな胸を弾ませ馬から降りた俺に抱きついてくる美少女は、この国の第ニ王女フレイア。
騎士家に生まれた俺は、歳の同じシェーラの遊び相手として幼い頃にリーゼフォン侯爵家に招かれ、シェーラに気に入られたことと既に大人顔負けの武芸を身に着けていたことから、彼女の護衛として身近に接するようになった。また、シェーラの父である現侯爵の姉であり、前国王の第ニ妃を母に持つフレイアは、幼い頃は病弱だったため療養の為一年程、母の実家であるリーゼフォン侯爵家の領地に滞在していた際に、シェーラと俺とも仲良くなった。フレイアは成長した後も、第二の故郷として侯爵領を訪れるようになった為、その後も交流は続いた。
そして現在、フレイアの父親である前王を無理矢理退位させ、わずか10歳の第4王子を無理矢理即位させ専横の限りを尽くす宰相と彼のバックにいるゴドフリー公爵家を打倒するため、王国北西部の盟主であるリーゼフォン侯爵家は兵を挙げた。
王都を脱出したフレイア王女を旗印に、王国北西部の貴族たちを糾合したリーゼフォン侯爵家は、若くして用兵の天才的な才覚を発揮したシェーラの指揮と、一騎当千の実力を誇る俺の力によって周辺のゴドフリー派の貴族や王都からの討伐軍を次々に撃破し快進撃を続けていた。
俺はこの戦争で手柄を立て、シェーラとフレイアの二人を嫁に出来ると、それがこの異世界で俺に与えられた神様からのご褒美だと、そう思っていた…。
だがこの時の俺は、世界がもっと残酷なものなのだということを自覚していなかったのだ。
知っていれば俺は…俺は……!!
簡易人物紹介
①テンガ・ナーゼ 20歳
転生者、一応本編の主人公。
18歳で交通事故死したが何故か異世界に転生した少年。祖父から叩き込まれた武術で幼少期は天才と持て囃され、主家のお嬢様の遊び相手兼護衛に抜擢されヒロイン達と知り合った。
学業成績はあまり良くなかったので知識チートはほぼなし。火縄銃を作ろうとしたら既に実用化されてたり、導入しようにもコストの面で周囲(主にシェーラ)に徹底論破されたりと、この方面で成り上がるのは諦め、戦闘力を高めることに決めた脳筋族。
ちょっと濃い目の顔の熱血系イケメン。
時々ポロッと転生前の知識を漏らすが、本人は気付いていない。
内乱勃発後はその武功から敵には“悪魔騎士”、味方からは“女神の守護騎士”と呼ばれるようになる。
②シェーラ・リーゼフォン 20歳
ヒロインその1
豊かな金髪と翠色の瞳の美少女。メートル単位の巨乳。
リーゼフォン侯爵の長女で兄と弟がいる。
幼い頃から神童と謳われ、学芸だけでなく内政や軍事にも才覚を発揮するが、運動は得手ではなく乗馬は並程度。
転生者であるテンガの謎知識に興味を示し、直接役立つ知識ではないが異世界のお菓子や芸術を再現できないか隠れてて研究させている。
火縄銃は実物を知っているが運用コストがかかりすぎる為、実戦配備は却下した。内乱勃発後は侯爵軍の実質的は司令官として敵には“雌狐”味方からは“叡智の女神”と呼ばれるようになった。
③フレイア・ファガリア 18歳
王国の第2王女でありシェーラとは従姉妹の関係。燃えるような赤い髪と金色の瞳の美少女。シェーラほどではないが巨乳。
幼い頃は病弱で母である第2王妃の実家であるリーゼフォン侯爵家で静養していた。主人公やシェーラとはその時期に知り合う。
成長してからは病弱だった反動から剣術や馬術にのめり込み、いつしか並の騎士が束になっても敵わないほどの実力を手に入れていた。王都で前王である父が退位させられ、その後第一王子と共に毒殺された際に近侍達と共に脱出し侯爵家へ逃れ、父と兄の仇をとるため剣をとった。
敵からは“首刈り姫”味方からは“炎の女神”と呼ばれ畏れられている。
次回は2時間後の予定です。