※この作品はR-18です。

行き遅れのお姉さんと一夜の過ち   作:Scorcher

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サブタイトル通りです。本パートの舞台はヒロインである由利恵の実家となります。

終盤までは割と緊張した展開となります。が、良くも悪くも場の空気をぶち壊す人間が同席していますので、なんともいえない空気になります。

次回は夜這い、実質的なレイプ回です。純愛作品なのに隙あらば強姦を挿れてしまう、割と悪い癖なのかもしれません。


20.実家訪問

由利恵の実家前、二階建ての家屋の前に由利恵と鉄斗は立っていた。

 

「……はぁ。」

「やっぱり……緊張しているのかしら?」

「当然だよ。これなら就職面接のほうがどれだけ気が楽か……」

 

固い表情が解れることのないスーツを着た鉄斗。由利恵はそんな彼を心配そうに見つめなら言葉を続ける。

 

「一応事前に連絡はしているし、電話越しの母の反応も悪いものじゃなかったわ。」

「でも……やっぱりお父さんのほうは……」

 

同性である由利恵の父を思い浮かべ、鉄斗は緊張の色を濃くしてしまう。自身に際立った疚しさがあるわけではなかったものの、未だ対面をしたことがなかった彼女の父親に対し、身構える姿勢を崩すことは出来ないのであった。

 

「もう……きっと大丈夫よ。口ではどう言うか分からないけど、うちの父親だってこうして直接挨拶へ来るあなたに悪い印象を持つとは思わないわ。」

「そういうもの……かな?」

「それに……緊張しているのは、きっとあなただけじゃないと思うわ。」

 

鉄斗に対して柔らかい笑みを浮かべる由利恵。年上としての余裕を垣間見せる中に、鉄斗は彼女が肝を据えてこの場に立っていることを感じ取る。そして彼はネクタイを確認するように締め直すと、彼女と共に実家へと足を踏み入れるのであった。

 

 

 

◇

 

 

 

緊張した空気の流れる洋室の客間。テーブルを挟んで4脚の椅子が並んだ部屋の中で、由利恵と鉄斗、そして由利恵の両親は対面していた。

 

「………」

「………」

 

自己紹介から始まり、尽くせるだけの礼儀を尽くした鉄斗。由利恵の母親からの問いに対しても丁寧に返事をし、それを聞く父親も納得する様子を見せていた。しかし

 

「お願い父さん、私は絶対に後悔なんてしないから。」

「………」

 

不安げな表情のまま、父親に対して鉄斗を認めるよう求める由利恵。その娘の言葉に対して彼はさらなる沈黙を続ける。厳格さを醸し出す壮齢の初老の男は、向かい2人に重い口を開く。

 

「由利恵の気持ちは十分に分かった。児玉さんの誠意も私に伝わっている。だが、本当に申し訳ない。それでもやはり、2人が一緒になるということには不安がある。」

 

率直な思いを口にする父親。それに対して鉄斗は恐る恐る言葉を返す。

 

「それは、僕が由利恵さんに比べて若いから……でしょうか?」

「………」

 

鉄斗の問いに父親は小さく頷き、彼の言葉を肯定する。妙齢を過ぎているであろう自分たちの娘に対し、鉄斗は未だ青年の域出ていない男。青二才、若輩と誹る気持ちは一切ないものの、由利恵の父親はその親心に一抹の不安を抱えていた。

 

「若いということは、それだけ可能性があるということだ。良いことも、そして悪いことも。由利恵と一緒になった以上、君は本当に由利恵だけを大切にしてくるのかと……」

「っ……!?鉄斗はそんな男じゃないわ!間違えたことをすることなんか絶対に……!」

「分かっている。彼がそんなことをするような男には見えない。だが、彼が由利恵だけで満足してくれると思えない自分が、私にも情けなく思えてくるのだ。」

「そんなの……!父さんの勝手な都合じゃ……」

 

自らの父親に対して声を荒げる由利恵。そんな感情を露わとする彼女を鉄斗は制し、彼は改めて父親向き合って言葉を返す。

 

「そう言われてしまうと、僕にも不安があることは確かです。信じてほしい、などと安い言葉は使いません。が出来ることは、お二人に由利恵さんを満たしたいという意志を見せることだけです。そしてそれだけは、これからも一切変わることがありません。」

「鉄斗……!」

 

自らの父親に真っ向から向き合う鉄斗の姿に、由利恵は心を穏やかなものとする。そんな由利恵を見ていた彼女の母親、僅かに笑みを浮かべながら声を上げる。

 

「どうしたの?もしかして、惚れ直しちゃった?」

「ほ、惚れ……!ち、違うわよ……!そんなんじゃない……から!」

 

自らを茶化すような母親の言葉に顔を赤くして言い返す由利恵。その母親は笑顔をそのままに、父親に対しても口を開く。

 

「お父さん、もういいでしょ。ちょっとくらい歳が離れている夫婦なんていくらでもいるんだから。由利恵と鉄斗さんの事、認めてあげてください。」

「……ああ、分かっているよ。子供の自由を親の不安だけで阻みたくはないからな。」

 

妻の言葉に安堵の表情となる父親。そして彼はその老い始めている顔を鉄斗へと向け、彼に対して求める。

 

「児玉さん……いや、鉄斗さん。由利恵のことをよろしくお願いします。私たちから言えるのは、ただそれだけです。」

「……っ。は、はいっ……!」

 

小さく頭を下げる父親に対して、椅子から立ち上げり深々と下げる鉄斗。互いの度量と誠意が伝わり合ったことに、由利恵と母親も安堵の表情を浮かべて緊張を解くのであった。

 

「もう……こんなに若くて素敵な人が由利恵の旦那さんになるというのだから、あなたも無理に父親らしいところなんて見せなくてよかったんですよ?」

「そ、それはまぁ……」

「ふふっ……ねぇ鉄斗さん。この人ってば、あなたが挨拶に来るという話を聞いてから、ずっと緊張しっぱなしだったのよ?」

「ちょっ……母さんっ……!そういうことは秘密にしてあげてよっ……!」

「うぅっ……」

「は、はぁ……」

 

母親の言葉に呆気となる鉄斗。しかし、家へと入る前に由利恵から聞いた言葉通りの状況が間の前で繰り広げられることに、彼もまた安堵の笑みを浮かべるのであった。

 

「そういえば、まだ一つだけ大事なことを聞いていなかったわね。」

「えっ……まだ何かありましたっけ?」

 

緊張が解れた鉄斗に対し、由利恵の母は調子そのままに彼に対して問う。

 

「鉄斗さん、由利恵とはどこで知り合ったのかしら?きっと思いがけない出会いがあったりしたんじゃないの?」

「そ、それは……!」

「っ……!」

 

その問いに言葉を詰まらせる鉄斗と、俯いて赤面する由利恵。向かい合う両親の前で、彼らはその馴れ初めを言うことなど出来ようはずがなかった。

 

「ん……?由利恵、どうかしたの?」

「まぁ、別にいいじゃないか。鉄斗さんが由利恵とお似合いだということが分かっているのだから、そんなのは些細なことさ。」

「ふふっ……!そうよね。」

 

ディスカウントストアの店員と客という間柄から始まった2人の関係。それだけであれば健全といえたものの、道端で酔っぱらって寝転んでいた由利恵を鉄斗が介抱し、あろうことかそのまま男女の関係とへと至った、などと2人は決して自分たちの家族に公表することなど決して出来ないのであった。

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