若いきつねと三十路のたぬき 作:負けた社畜
暑中見舞い申し上げます(遅)
途中で保存ミスって一部消し飛ばして萎え萎えぽよぽよでした。かしこ
───からんからん!!
「おめでとうございます!3等賞でました~!!」
店員さんの振ったハンドベルが福音を奏でて、道行く人の視線がこちらへ向けられる。あっす、さーせん、あっす。こういうの当たる事ないからどういうリアクション取ればいいか分からないよね。めっちゃ喜ぶ派とふーん、リッチじゃん派に別れると思うんだけど。ちなみに俺は後者です。
今日は日用品の買い出しも兼ねてディスカウントストアに訪れていた。洗剤やセルフケア用品等を買い込んだおかげで結構な金額になってしまったが、そう何回も買い物に行くのも億劫だし消耗品はまとめ買いした方が安く済むので致し方ない措置と言えよう。
それはそれとして、おかげで開店記念何周年だかのフェアで行われていたガラポンを回せる権利を得たので儲けもんだ。3等とはいえ当たっているのもまた気分が良い。さて、当たったものはなんじゃらほい。使えるものだと大変有り難きハピネス。
「こちら大人気商品のハンディマッサージャーでーす!おめでとうございま~す!」
·········oh
まぁ、健康器具の一種であるし何もおかしいところはない。
ただ目的外使用のイメージが強いだけで······いや、あれも一種のマッサージという事にはなるのだろうか。とにかく、後ろのお兄さんが爆笑しているので早いところ受け取って退散するとしよう。
ハンディマッサージャーが何か分からない方も居るだろうから、簡単に説明するならば、そう······あの···えっと······言わなきダメ?···············俗に言う『電マ』ってやつだよ。
最近だとシャレオツな形してるものがあったり、ウィメンズ向けのパステルカラーなものがあったりもするが、俺が引き当てたのは古き良き時代を引き継いだオーソドックスな形状のもの。アレと言われてイメージしたらそのものズバリのソレである。
どうやら3等はまだあるみたいだから、俺と同様の被害を受ける人がいるらしい。じゃんじゃんやってくれ。お前も家族だ。これから毎日メシを炊こうぜ!
帰宅して、とりあえず買ってきた物を片付けてみたものの、
バリキャリ女に中身を知らないフリして授けようか。あいつだったらデスクワークで凝り固まった身体に有効活用してくれそうだし。いやしかし、いきなりプレゼントされても引くか。さすがに自重。
うーん、この······。まあ、今は置いておこう。
ところで、今日のメシはなんだと思う?なんと
底の浅い容器はちょっと違和感がするが、焼き『そば』はあれど焼き『うどん』はなかなか食す機会が無い。楽しみナリよ。
お湯を入れてからの待ち時間って暇だよね。
長いようで短いから何かするにしても中途半端になりやすいし。なので、ヤツを取り出してみた。イメージ通りのフォルム。コンセントにケーブルを差込み、ボタンを押す。
う゛ぃぃぃぃん
動いた。すげぇ、ちょっと感動。本当にイメージ通りの動き。ぽちぽちとしてみて更に強く唸る様は勇ましくもある。じゃあせっかくだし使ってみようじゃないか。振動を最強にして肩に当ててみた。
········うーん。
気持ちよくはない。微妙だ。確かに振動は伝わるものの、凝りに効いている気はしない。まあ、そんなもんだろう。
そうこうしているうちに時間もいい感じになった事だし、焼きうどんの方ね、いただいていきたいと思います。湯切りしてソースとふりかけをまぶし、ちょっとの間かき混ぜる。お好みでたまごをどぼん。あー、いいね。出汁の香りがとてもいい。
「げっ···!またおじさんじゃん······!」
なんか後ろから声が聞こえた気がした。しかし俺は一人暮らし、なんかの幻聴だろう。
キッチンから部屋へ器を持ち運び、ローテーブルの前に座ると、対面へムスッとした顔で少女が腰を下ろした。どかりという擬音が聞こえそうだ。下の階へ響くからやめてもろて···。
「無視はひどいんじゃない!?」
ぷりぷりと怒っている少女。見覚えあるような、はたまたそうでないような。てかどこから入ってきたのアナタ。
目の前には頭頂に狐のような耳を生やした少女が座っていた。日焼けでこんがりと褐色になった素肌。ゆるめのタンクトップと、ホットパンツでヘソ出しスタイルというなんとも夏真っ盛りみたいな格好をしてらっしゃる。ばふんばふんと床をモフりまくる尻尾が彼女の機嫌の悪さを表していた。
「私、せっかくワイハーでバカンスしてたのに!」
ワイハー?ハワイのこと?
いや、今日び日本でワイハーなんて聞かねえよ。死語にも程があんだろ。
「いや、なんか知らんけど飯食わして」
「なんかって何!?そっちから呼んどいて!」
呼んだ覚えはないし、そもそもそれで断らず来ちゃう方もどうかと思うんですが。わざわざ来なくていいじゃん······とバカンスを満喫してましたと言わんばかりの日焼け跡を見て溜息を吐いた。
ずるずる。
さすがに食事中である考慮はしてくれるのか麺を
「えー?何これー?♡」
彼女が手にしたのはお察しの通りハンディマッサージャーだ。スイッチを入切して振動する姿を見て、俺とそれを交互に見た。
とりあえず見つけてしまったものはイジらないと気が済まないらしく途端に嬉々としてメスガキスマイルに早変わり。吊り上がっていく口角がそれはもう見事な三日月だ。
「なに?ついに腰でもヤッちゃった~??
全国の腰痛持ちを敵に回したなコイツ。大の大人が呻きながら崩れ落ちるほど辛いんだぞ。その場から動けなくなるんだぞ。自らの
あ、焼きうどんの方は出汁が効いてておいしいです。ŧ‹”ŧ‹”( ‘ч’ )ŧ‹”ŧ‹”
「バカンス先から私を呼び出したんだし労って♡おじさん♡」
めんどくせえ。勝手に出てきたクセしてなんと態度のデカい事か。
「大体な、お前みたいな
「分かんないよ~?ゴリゴリに凝ってるかもしれないじゃん?」
ぐりぐりときつねは肩を回すが……。申し訳ないが、お世辞にも肩が凝りそうな程のものとは思えない。慎ましやかな丘があるぐらいだ。
「どこ見てるのかな?」
「どこも」
45度の首傾げ、瞳が泥沼の如く濁った。飲み込まれそうな深淵がこちらを見ている。こっちは覗いてないってのに。頭の中に直接声のような思念が溢れ返り正気を失いかけた。
「はい、とにかく、イヤらしい視線をこっちによこしたおじさんには働いてもらいます」
「えー……」
気が進まない。とても。すごく。労働と言われた途端に社畜は警戒態勢を敷く生き物である。
しかしそれを意に返さず
……やれと。そういう事ですか。
ちょうどよく焼きうどんも食べ終わってしまった事だし、やってやらなきゃ後がうるさそうだ。
ゔぃぃぃぃぃん
とりま強でいいっしょ(適当)。そんなに凝ってるんだったら(超適当)。
ぷにぷにとした素肌のうなじと、タンクトップに浮く肩甲骨のあいだ辺りにゴムヘッドを軽く押しあてると音がくぐもったものになり、手のひらにもまた違った振動が伝わってきた。おそらく筋が通ってるであろう場所を沿っていく。
「ねぇ!雑い!」
「しょーがねーだろ初心者なんだから」
どうやら効果の程はあまり良くないらしい。きつねが足と尾をばたばた動かし抗議の声を上げた。そんな事言われても使った事ないし、人体のツボを心得ている訳でもないのだから大目に見て欲しいところである。ぐりぐり。
「痛い痛い!下手くそ!童貞ムーブ!万年平社員!永世窓際族!」
言葉の日本刀で袈裟斬りするな一文字ロリ宗がよ。
だんだんむかっ腹が立ってきちゃったぞ。よーしもう知らん。肩から背筋にハンディマッサージャーを押し付けていく。かと見せかけて……脇!
「う゛に゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!?」
解れろ!竦め!電マの性能を活かせぬまま死んでゆけ!!
油断しくさった脇腹にヘッドをぶち当ててやった。強烈な振動が
「ふ゛ざ゛け゛ん゛な゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!尻尾やめえぇ!!」
みょんみょんと暴れる尻尾を捕まえ、わざと毛並みに逆らって撫でる。たいそう落ち着かないようで、じたばたと手足を暴れさせる狐がアホみたいだ。甘ェんだよ!!
はっはっは!ざまぁないぜ!!
「んっ……ふっ…ちょっと!いい加減に……!」
尻尾の周りにヘッドを当てると特に反応が顕著だ。微振動が骨に伝わってなんか全体がビリビリする感じに包まれるがいい!
──だが、突然それは起こった。
持っていたハンディマッサージャーがボムンと音を立てて辺りに煙が立ちこめる。謎のBGMが流れ煙の中から特徴的なシルエットが照らし出された。丸みを帯びた頭、腰に当てられた手、細く伸びた髪の毛のツーテール。
「お困りのようだな!!!!!」
「あ、あなたは···!」
「誰?」
「知らん」
この既視感あれだ、某派出所の某特殊刑事。俺の部屋に全身白タイツのヤベー奴が現れた。うーん、何も解決していない。てか声デッッカ。スト〇ッチマンの親戚でいらっしゃる?
「私は電マの
なんだろう……帰ってもらっていいっすか?
「語呂悪」
「言ってやるな」
これ以上自宅がチンドン屋になったらたまったもんじゃない。最近隣の部屋の住人と会うと哀れみの視線を向けられんだ。たぶん心配されてる。頭を。
「諸君!!!振動を最強にして当てれば気持ちいいとかそんな事を思っているんじゃないかね!!?いいか!!!?!?料理と一緒で『強火で3分』と『弱火で10分』では同じ火が通った結果だとしてもイコールではない!!!!!」
「「えっ」」
「キミ達???さては料理できないな?????」
「焼肉のタレがあればいいので······」
「とりあえず炒めれば何とかなるんじゃない···?」
「初心者はレシピ通りやりたまえ!!!アレンジは上級者のする事だ!!!!なぜそれが分からんのだ!!!」
このビジュに怒られるの辛すぎない?しかも言われている事は一理あるので尚の事反論できん。
「大は小を兼ねると言うが、強は弱を兼ねない!!電マも同じだ!慣れないうちから強い刺激が気持ちいいわけないだろう!!」
クワッと劇画調になる電ママン。どうやらコレが決め台詞っぽい。
「いいか!!!?まずは『弱』だ!!いきなり『強』を使うと皮膚を強く叩きすぎて炎症を惹き起こす場合もある!!表面に当てるのではなく筋肉に効かせるイメージだ!!そこな狐女よ、うつ伏せになれ」
「えっ、あ、はい」
勢いに押されてきつねは言われた通りうつ伏せる。
「まずは肩周り!!肩甲骨付近の菱形筋と僧帽筋!!そしてどんなに長くても一箇所に当てるのは3分を徹底!!」
「あっ…気持ちいかも……」
肩に当てられてゔぃぃぃぃんとくぐもった音が響く。縦を向いていたきつねの耳はへなへなと横へ倒れていった。
「少しデリケートな場所になるが腰骨の突き出した下部の中臀筋!そして腰方形筋!!横ではなく斜めから押し当てるのがコツだ!」
「あ゛ー……これ中にクる感じする…いぃ……」
ぐでんぐでんと更に溶けていくきつね。どうやら刺さったらしい。電ママンの変態的な外見に反して、その手捌きは滑らかで淀みがなく熟練のそば打ち職人のようだ。職人に訴えられそうなシチュだが。
「そしてふくらはぎのヒラメ筋!アキレス腱の上あたり!ここも疲れが溜まりやすいからな!!」
お、それは外回りで歩き回った日にいいかもしれない、なんてちょっとだけ感心してしまった。
そこからしばし施術をして、わざとらしく電ママンは額を拭った。サムズアップ。白い歯が最高に眩しい。殴りたいこの笑顔。
「ふぅ!このぐらいか!!何事にもやり過ぎは禁物だぞ!!では、次の迷える電マが私を呼んでいるのでな!!さらばだ!励めよ!!!」
「うおっ!」
「きゃっ!?」
迷える電マってなんだよとツッコむ間もなく、突然フラッシュを炊かれたような眩い閃光が視界を埋め尽くした。
麻痺した目が慣れてきた頃には、そこに全身白タイツの姿はなく、ベッドサイドにハンディマッサージャーが転がるのみ。思わず手で顔を覆って守ってしまい、奴がどこに消えたのかは分からず終いだ。
「はっ···俺は一体何を······ッ」
「なんかに化かされた気分······」
狐のお前がそれを言うのか(困惑)
……なんだか意味の分からない時間を過ごした気がする。部屋の中を見渡してみてもやはり
「それよりもさぁ、さっきの腰のやつ気持ち良かったからやってよ。お じ さ ん ♡」
「年寄りくせぇ」
「なんか言ったかな?」
「なにも」
深淵が圧をかけてくるな怖いだろ。
……腰といえば骨のある所の下を斜めから押し当てるのがいいんだったか?
しかし、腰と言うよりか尻だけども良いんだろうか。うら若き女子の尻にマッサージャーを押し当てるという行為に抵抗を覚えた。その間にも尻尾が何かを要求するようにゆらゆらと揺れる。
「ほら、はよ!はーやーくー!」
「分かったから!バタバタすんな!」
そこでふと思ったのだが、猫は尻尾の付近に神経が密集しているらしく、腰というか尻尾の付け根辺りをトントン叩くと尻を上げて続きをねだるような子がいると聞く。もちろん個体差はあるだろうが、あれは犬にも効くんだろうか?
狐はイヌ科であるから、犬に腰トントンが効くなら目の前のベッドで伸びてる『
まあ本人が良いって言ってるからいいか。思考時間0.5秒。俺は懸念を放り投げてハンディマッサージャーを手に取る。
ホットパンツ越しにきつねの尻へ、ヘッドを押し当てスイッチを入れた。
「あ゛~~~~~」
温泉に浸かった時のような間延びした声。喉から自然と溢れ出る声をきつねは抑えようともしない。
器具から与えられる弱振動がいい感じに刺さり、えも言われぬ心地良さが背筋を上がってきて、これならバカンス中に喚び出されたことも少しは許してやろうかなどと考えていた。
……タンクトップとホットパンツでヘソ出しという防御力の欠片も無い薄着だったから、クーラーの風でずいぶん身体が冷えてしまったらしかった。
きつねの身体はハンディマッサージャーの刺激を受け、筋肉がほぐれていく。筋肉がほぐれれば血の巡りが良くなり、湯たんぽを抱いているようなジワジワとした温かさが下半身から広がり始める。
身体を包む筋肉に振動が乗り、その振動はきつねの中へと浸透していく。
「おい、もういいだろ」
「もうちょっと~……」
それは、きつねの油断だった。己の中を知らない為の油断だった。
身体に皮膚の下に張り巡らされた筋組織。骨と骨を繋ぐ架け橋となる靭帯。内臓を支える為の筋。振動はそんな所まで入り込んでいく。食い込んでいく。尻肉越しの細かい振動は伝播して、奥底まで達し始める。
ぞくっ♡
男の手によって
よい、よい。気持ちいい。ちゃんと使えば気持ちいいじゃんか。きつねのご機嫌な心うちを表すように尻尾がゆらゆらと揺れる。
反対側に当てられたハンディマッサージャーから、筋肉へ、同じように振動が伝えられていく。
ぞくっ♡
ぶいんぶいんとくぐもった音を立てるヘッドがきつねの尻肉を揺らす。先程から感じていた痺れのような感触はきつねの中で増幅し、下半身に行き渡ってきた。
なるほど、これが
血行は巡り、火照ったように暖かくじわりと身体は発汗する。濡れ光るほどでもない。不快感を感じるほどでもない。いい感じに温まったと言えるだろうか。
もうそろそろいい頃合いだ。満足した。
「もうそろそろいいだろ?手が痺れてきたわ」
「うん、おじさんいーよもう。ありがと」
尻尾の付け根という神経密集地。無防備に晒すどころかマッサージを受けて解れきったそこ。何気なく、男は終わりの意味を込めて軽くそこを叩いた。叩いてしまった。
ずくんっ♡♡♡♡!!!
「!!!???!?」
すわ何事かときつねは驚く。なんだ?なんだ今の。今のは。ジワジワとした熱感が頭を、脳を包む。とにかくマズい。何がマズいか分からない。なんだ?なにがおかしい?四つん這いになってること?なんで?だめ?お尻が持ち上がってる?どうして?
「なんだよ。猫みたいなリアクションするな?もっとやって欲しいのか?」
そう言って男は呆れ笑い、仙骨の辺り……尻尾の付け根を叩いた。
ぽん ぽん ぽん
ずくんっ♡♡♡♡!!!ずくんっ♡♡♡♡!!!!ずくんっ♡♡♡♡♡!!!!
え、あっ──────
じわり下半身に広がっていたはずの熱感が収束する。ぎゅぅぅ♡と下腹部が熱く締め付けられ、捻れるような焦燥感がせり上ってくる。
知っている。きつねはそれを知っている。知っているけど、なんで、どうして。知っているからこそ混乱した。でも、身体は正直に欲しがって、尻を突き出すような四つん這いで
「うそ、イッ──」
口に出せばもうダメで、抑えようとしても治まらなくて、きつねの足の指は固く握られる。途端、自身の心臓が耳元にあるように脈打つ音がして、視界が黒白に明滅した。
パチパチと焼け跡の燻りが爆ぜるように、きつねは絶頂した。
身体を構成する筋肉は運動を
そして、きつねの身体に生える尻尾。この尻尾を取り囲むように張り巡った筋肉。人間には無いはずのこれは肛門や陰部の筋肉と直結しており、筋肉が繋がっていれば当然神経も繋がっている。きつね自身も知らないスイッチがそこかしこに埋め込まれていた。
尻に当てられた電マによる振動はそんな筋肉を伝い、きつねのきもちいいスイッチを起動して回る。奥底の子宮を支える底筋に伝わり、子宮は微細な振動を浴びせられ続けた。ずっとずっと煮込まれてぐつぐつ♡としていた所に大きな刺激が加えられ吹きこぼれてしまったのだ。
要するに、筋肉を気持ちよくするがための行為がコラテラルダメージとなって、きつねのよわよわ
ぽん ぽん ぽん
「あ゛っ♡♡!!?……ちょっ♡!!やめ゛っ♡゛…あ゛♡!!」
下腹部が引き攣り、放り出た声は勝手に濁点のついたものになる。たかだか尻尾の付け根を叩かれただけで、こんなオホついた声を出してしまうことが理解できない。ばちり、ばちりと電流でも流されてるのかと思ってしまうほどびくっ♡びくっ♡と跳ねる腰できつねの状態は目に見えて悪化していく。
「やめ゛っ♡♡……もう、もうい゛い゛っ♡♡♡!!」
ダメだっ……!このままじゃ乱れる一方だ…!こんな、こんな一方的にやられるなんてきつねの性に合わない……!!
はー……♡ はー………♡
もう尻尾まわりを叩かれるのは勘弁だ。そう思ったきつねは手で男を制し、脱力しようとする身体に鞭打って仰向けになる。荒くなった呼吸を鎮めようと深く息を吸い途切れ途切れの言葉を紡ぎ出す。
「ちょーし…のんな………♡」
きつねは分かっていなかった……自身の状態を。
薄いタンクトップは発汗で身体に貼り付き、ありありとラインを浮かび上がらせる。小さいけども確かに布を持ち上げる胸の頂点にぷっくり♡と膨れ上がった勃起乳首。
捲れあがった裾とズリ下がったホットパンツで隠されていたはずの日焼けた腹はすっかり晒され、へその下あたりは腰トン甘イキでびきびき♡と痙攣する様が丸わかり。
そんなのオスの前で弱点ばかりを晒すメス。ほんのチンケなプライドに任せて強がったが、ただのまな板の上の鯉にしかなってない。オスの導火線に火をつける愚行。
「……ん?お前背中のマッサージだけじゃ足りなかったか。凝ってんじゃん」
「………はぁ?」
まだ呼吸の整わないきつねは男の言った意味が分からない。もう十分だと思っているのにまだ足りないとはどういう事だ。
ピンッ♡♡♡♡!!!
「ぅひあ♡♡!!!!」
突如走った電撃に背を跳ねさせる。背中じゃなく、尻尾の付け根を叩かれたわけでもなくて、胸。男の長く
気づいただけだ。ダラけた四肢に向かって脳が懸命に抵抗しろと指令してもその動きは緩慢の極み。きつねの見ている前で、男の指は再び、びんびん♡と
「ぃっ♡!!あああああ♡♡♡♡♡!!!!」
指は情け容赦なくグミでも
ごりゅごりゅ♡
痛いけど気持ちいい。
ぐにゅぐにゅ♡
気持ちいいけど痛い。
与えられる刺激は電流となり、痛みは棘となって同時にきつねの脳内回路を突き刺す。同時に与えられる
痛いのは、気持ちいい。痛いのも、気持ちいい。
男の指はちっとも優しくなんかしてくれない。いっとう敏感なところなのに、甘やかして欲しいところなのに、情け容赦なく
いやらしいのは絶妙な力加減で痛みと快感のバランスを保ち
そんなことしたら、治まるものも治まらないだろ!!
必死に抵抗しようとするも、じくじく♡とした痛みはじんじん♡とした痺れに変わり、やがてしつこい擽ったさにも似た痒みに変わっていく。
「んぃぃいい゛い゛♡♡♡♡♡!!?」
「おいおいマッサージしてやった傍から凝ってんな」
誰のせいだッ♡♡♡!?!!!??!
こんど、男の指先は乳首だけを引っ掛け、円を書くように輪郭をなぞった。触覚と痛覚を混ぜ合わせた
びんっ♡♡!!!びんっ♡♡♡!!!
腹が立つ。苛立って仕方ない。自らに責め苦を与えるこの加虐男に。その加虐を受けて
ゴリゴリとした硬さを自ら感じるまでに勃起した乳首はきつねの心情を写し出し怒髪天を衝く。
「やっぱ手じゃダメか……機械に頼むわ」
きつねの頭が働き出す前に男は彼女の胸を
そして、男が手にしたのは先程まで散々こちらの腰を解してくれていたハンディマッサージャー。その効果は先程から身をもって味わったものだから、充分過ぎるほど分かってる。
……ち、ちょっと待って。それ、どうする気…?いまそこは散々摘んで抓って嬲られてダメになってるのに。まさか、まさか……!
ゔぃぃぃぃい゛い゛い゛
「───あ゛♡」
小指の先ほどもない、ほんの僅かな接触面積。しかし、そこから
「まって……!!んぉ゛っ!まってま゛っ゛て゛♡♡♡!!!お、ねがい♡♡!!あ゛!!♡…ッ♡!それ゛ちくびやばい゛から♡♡♡」
ハンディマッサージャーの高速振動がきつねの神経を燃え上がらせていく。反射で腰が疼き、駆け上ってくるはあまりに鋭すぎて受け止めようにも身に余りすぎた。キャパシティなんてあってないようなもので、脳が、脊椎が、腰椎が溶け堕ちるように燃えていく。
「い゛くぅぅっ♡♡♡!!むりむりむりっいッ♡…く!いっく♡゛!!♡い゛っく♡♡♡!」
下腹部の底から、びくびく♡と止まらない痙攣が全身へ伝播して制御不能。背は海老のように反り、足ピンがどうにも止まらない。鮮烈すぎる快感は知らず知らずのうちに、きつねを中毒に近い虜にへ堕とす。
「反対もやっとこうか」
「……!!?」
それは
ぶぶぶぶぶぶ
「あ゛…♡!!ぅあぁあ゛♡♡♡んぁっ!あ゛!!…ああ♡゛くぅ……!あっ!♡♡♡」
バチバチと目の前がショートする。やはり胸を掬い上げられ、無防備にされた乳首に当てられるハンディマッサージャーのヘッド。
さっきと同じはずなのに、さっきよりも声が出る。ずっとずっと声が出る。もっともっと甘い声が出る。上擦って、鼻を通って、溶かし切れない快感を含んだとろとろボイス。揺れて、掠れて、潤いに満ちて。
唇はだらしなく開き、粘付きを増した唾液が糸を引く。それだけ口を閉じることができずただ喘ぐだけの傀儡になりかけていた。
「やだ……やだやだっ!!もう乳首イキやだ!!!やめっ……イッ!!!」
エビのように反った身体がとめどなく
懇願も虚しく勝手に上り詰めていく身体が再び絶頂を迎える。
迎える。
迎える。
寄せては返す波のように繰り返して、絶頂を迎える。
迎える。
迎える。
よもやこれほどまで自分が溶けようとは思わなかった。乳首でイキ続け、もはや液状化してしまったかのような脱力感。それを見て男は気が済んだのかハンディマッサージャーを離した。
ようやく解放されたきつねは、ただただ身体をビクつかせ、虚ろな目で四肢を投げ出す。時々思い出したようにびくりと痙攣する下腹部。ぐったりという単語がここまで似合う状態もなかなかないんじゃなかろうか。
ずむっ♡
「ほぉ゛♡♡♡♡!!??!?」
きつねは突如、下腹部に重しを載せられたような気がした。薄い皮膚、皮下脂肪、筋肉───
載せられた重しのせいでひしゃげた子宮が何とか逃れようと身をよじるも、腹が沈み込むほど押し込まれ逃げ場がない。
ぼやける視界できつねが見た光景は、自らの下腹部に突き立てられたハンディマッサージャーだった。
そもそも、散々っぱら乳首イキをさせられて、快感のショックを浴びせられ続けた子宮はびくびく♡イキ散らかすだけの
「まって、おねがい、やめて」
今、きつねの
例えるならコップの中には限界まで水が注がれ、何とか表面張力で保っているものの
何かきっかけがあれば容易に砕け散る。そうなってしまったら……後は一生戻ることはできない。
もしスイッチを入れられてしまったら。あの振動が腹に浴びせられたら。
カチッ
ヒュッと鳴ったのはたぶん、きつねの喉。鈍い音を立てて動き出したのはハンディマッサージャー。揺らされたのはきつねの下腹。なんの守りもない剥き出しの
砕け散ったきつねの
「あごぉッ♡!おぉお゛お゛♡♡……これむり♡!むり♡♡゛!!しぬ゛♡!!こわれる♡?!……しきゅう♡♡!!こわれちゃ♡♡!♡!…あー!!!♡♡♡」
ハンディマッサージャーはきつねの皮膚を揺らし、肉を揺らし、筋を揺らし、臓を揺らし、子宮を揺らし───脳を揺らす。人の手では絶対に不可能な強振動。超周期的な爆発はあっという間にきつねを
「また…っイく♡!またイ゛く♡イく♡!イく♡!イく!!♡♡♡っ……あ゛お゛っ!!!!♡♡♡♡っっだ゛めっ♡゛!だっ!めっ!だめッ♡♡♡……こ゛わ゛れる!!!っこわれ゛る゛ッ゛ッ♡♡♡!!
ギンギンに見開かれた目。目からは汁が溢れ。
嬌声を垂れ流す開いた口。口からは涎が溢れ。
弓なりに反った震える喉。喉からは声が出て。
膨大な快楽に狂乱する躰。手足らは爪を立て。
身体はもうどこにあるのか分からなくて、頭はもうどうなってるのか分からなくて、子宮はもうどうなってるのか分からなくて、分からなくて、解らなくて、判らなくて、理解らなくて。分からなくて、分からなくて、分からなくて、わからなくて、わからなくて、わからなくて、わからなくて…………
叫ぶ様に嬌声を張り上げていたきつねが、突如がくんと脱力しそれきり動かなくなった。驚いた男はハンディマッサージャーを離し飛び退いて俯瞰した。ぐりんと上向いたきつねの瞳。至る所から溢れ出た汁やら汗やらその他の液やらでぐしゃぐしゃ。正しく壊れてしまったと言えるだろうか。
びくんびくん♡と痙攣する身体が、何度かも分からないぐらい
「やっば……」
自分がやった事とはいえ、ここまで乱れるものなのかと男は戦慄していた。
どこで目にしたのか記憶は無いが『体外式ポルチオ』で電マを使ってたから、丁度いいしやってみようなんて調子に乗ったのだ。何らかのリアクションを期待していたのだが結果は劇的で、イキすぎたきつねは意識をぶっ飛ばした。アヘ顔晒して。
「……ちゃんと時間守って使お」
『用法用量を守ってご使用ください』なんて一文が頭を過ぎる。男は何か取り返しのつかないことをしてしまったような気分になり、思わずハンディマッサージャーを手放した。きつねはひとまず呼吸はしており、責め苦から解放された体は時折びくん♡と跳ねる。
少し休ませれば大丈夫だと思うけど、まさか気絶するなんて思わんやん……。
「……あ、ぅ…」
「お、起きた。ほら水」
よろよろと身体を起こしたきつねに水を差し出すと、かたつむりのような遅さで水を受け取りそのまま全て飲み干した。
「も゛っと」
「ほれ」
かすれ果てた声。今度はスポーツドリンクを渡してみると、これも余さず飲み干した。まるで砂漠に放り出された動物みたいだ。
被害甚大らしいきつねは緩慢な動きで指をさす。わなわな、震える肩が大きく息を吸うと、そのまま耳をつんざくようなシャウトで俺の鼓膜を破壊した。
「……お」
「お?」
「覚えてろよーーー!!!!」
きつね
後日、〇安の殿堂で電マを手に取る姿があったとかなかったとか
男
夏バテ。そうめんがうまい