若いきつねと三十路のたぬき 作:負けた社畜
アェクセスがすっげぇことになってるからラェンキングを見たらオラぶったまげちまったぞ!
感想と評価ありがとな!
今回はちょっと毛色の違うお話です。次回からまた分からせに行きます。
セックスがつまらないと思ったのはいつだったか。
高校生の時、彼と初めてした時は痛みしか感じなかった。自分の中で暴れる異物感がただただ違和感でしかなくて、感じる演技をしていたら行為は終わってた。
たぶん私も雰囲気とか空気とか、そういうのにただ当てられて付き合ってただけだったんだと後になって気づくともうダメで。好きとか愛してるとかそういうものが分かってなかったんだと自分を納得させた。
その後数回体を重ねたが、漫画のようにオーガズムを感じることはできなくて、一向に反応しない私に彼は飽きたのかはたまた失望したのか分からないけども彼の方から「無理」と振られた。
何人かと付き合い、皆同じ。「自信をなくした」とか「君が分からない」とか「不自然」とか適当な理由で振られた。
同級生の子にセックスを聞いてみれば「心が満たされる」とか「最初は痛かったけど慣れれば気持ちいい」とか、返ってくるのはそんな言葉。
……なら、それを感じない私は?私は壊れているっていうの?
この年代の恋愛なんて、繁殖適齢期の身体を持て余した性衝動の結果でしかなくて、恋愛=セックスみたいなそんなものだと思った。
だから長続きしないし、学生の頃からずっと付き合って結婚だなんてお幸せな関係は夢の中だけで、壊れてた私はただ演じてたんだ。
大学生になってもそう。同級生や先輩とも関係を持ったが、ただただ違和感が身体の中を這い回るだけで全然気持ちよくなんかない。ホテルへ行って身体を触られて、少し濡れたら腰を叩きつけられる。これは感じてるんじゃなくて身体が守ろうとして濡れたものだろう。
おちんちんが大きい人も居た。ただ奥ばっかり突いて痛いだけだった。小さい人も居た。
そうやって何人も何人も身体を重ねる度に期待して、私は壊れてるんだと再確認する。
正直、私は顔はいい方だ。北欧出身の祖母を持つクオーターというやつらしく、隔世遺伝なのか母親よりも祖母に似て、あまり日本人らしくない整った顔立ちと長めの手足。銀に近い髪。親が名付けてくれたごくありふれた日本人のような名前を名乗ると「え?」という反応をされる。そんな女。
だから男は見た目だけで声を掛けてくるし、壊れた私の反応でセックスしたら離れていった。
普通に生まれたかった。説明は面倒だし、白々しい反応にも心が擦り切れてどうでも良くなった。
……どうやってもなれないから。
親のつけた名前に合う日本人らしい黒髪で、ありふれた顔立ちで、どこにもいる体型の、セックスでちゃんと感じられるような壊れてない人間に。
普通を望むのは高望みなのだろうか?隣の芝生は青く見えるだけなのだろうか?そう求めながら男と関係をもって、やっぱり私の体は私を裏切った。
そのうち大学では男から声を掛けられることも無くなって、どうやら裏では『白髪マグロ』なんて呼ばれていたようだ。私と寝た先輩や同級生がそういうアダ名をつけ話をしていたと、気まずそうに教えてくれた同期生も裏ではそう呼んでいたんだろう。
断らないからただ都合のいい女ということらしい。ただセックスで感じないだけで、私は私という名を持った人間なのに。
就職活動をし始めて、今まで遊んできた人達も突然真面目ぶり出して金や茶だった髪を黒にする。周りを見渡しても大人の顔ばかり。
「何度も何度もお祈りされて辛い」とか「否定され過ぎて心が折れそう」とか適当に話を合わせて、いくつか貰った内定のうち一番条件の良い会社へ行くことにした。私の就活は周りが苦労に喘ぐ中、呆気なく終わったのだ。
卒業単位はもう取り終わっていたし、卒論もボロクソに書き下ろしてさっさと終わらせた。他からしたらきっと嫌な女に見えることだろう。だが、今まで散々馬鹿にしておいてちょっと自分たちがへし折られたら折られたままだなんて虫が良すぎやしませんか?
メガ企業ではないがそれなりに大きい会社だった。こんな私でも育ててくれた親の為に自立しよう。そう決意して、新調したスーツに袖を通す。壊れた私は隠して、ちゃんとしたセックスをしたい。
「えー、本日はお忙しい中新入社員歓迎会にご参加いただきありがとうございます!今後の皆さんの活躍を期待して、乾杯!」
ワイワイガヤガヤとそこかしこでグラスを合わせる音が響くと、気怠い会が始まった。できることなら今すぐ帰りたいが初めから付き合いの悪い印象を植え付けると払拭が大変。適当に飲んで適当に時間が経ったら抜け出そう。
「ねえ…先輩から聞いたんだけど……課長ってめちゃくちゃセクハラしてくるらしいよ……?」
「へぇ……気をつけなきゃね」
やっぱりあるんだろうか?
身体を見返りにして「昇進させてやる」と脅すあれが。思い返してみれば私の配属された課には女性が多く、男性は
同期の男の子達は別の課が多かったし、ちょっと綺麗めな女の子ばかりがこの課配属なあたり作為的な物を感じるなという方が無理だ。教育係をやっていたから、部長は頭が上がらないそうだし自分の後輩をわざわざ部長に推薦したのも課長なんだそうだ。揉み消す体勢が良く整っている。
向こうで騒ぐオッサン集団、その中の
こういう話が出た後に、誰がわざわざお酌をしに行きたいと思うか。他の同期は固まってしまっているし、上司連中が飲み交わしている中でそのコミュニティの中に踏み入っていくのは非常に勇気がいる。だからこそ私が行くことにした。よく目立つ容姿で、
「今年度からお世話になります♪ぜひ課長たちにもご挨拶をと思いまして!」
「おぉ君は入社試験の面接から特に笑顔がいいなと思ってたんだ!ぜひ頼むよ!」
努めて自然な笑顔になるように。あぁ、一斉に向くこちらを値踏みして舐め回す視線。気持ちが悪い。
既に酒精が回りだしているのか、上気した頬をニヤケ顔に歪めて
「時に君は見た目が日本人らしくないんだが、どこかの国とハーフなのかな?」
「祖母が北欧出身でして……私はそこの血が強くなったようです。ですが生まれも育ちも日本ですよ」
「いやあ肌が白くて雪のようだね!さぞ他の所も色がいいんだろうな!」
ゲラゲラと笑いながら足を崩す
「君は、
「……はい」
膝に這う怖気のような感触。
その手は太腿を2度、3度と這うとゆっくりと腰を経て尻に回っていく。壁際に近いこちら側は、後ろからの目なんてものは無い。テーブルの下で私が何をされようが周りの上役連中は見て見ぬふりだ。年功序列が如何にクソな制度であるか良く分かる。
「あの……他の方にもお酌を」
「他に任せておけばいいさ」
酷いな。飲み会だからこそ罷り通るクソさだ。「気づかなかった」「酒に酔っていてよく覚えていない」ニュースでもよく聞く常套句。私の体臭を嗅ぎまわるのかというように、
噂に違わぬどころかよっぽど酷い。このままなら枕すら要求してきそうなスケベな視線。
「君さえよければこの後別の会場で───」
「課長!」
おそらく別部署配属の、同期の男の子が命知らずにも切り込んできた。手に酒瓶を持ち、課長を挟んで私と反対側に膝をつく。いい所を邪魔された課長だがさすがに新入社員の尻を撫でているところを見られてはマズいのだろう。
一瞬顔を歪めたが、それを飲みこんで男の子の方にグラスを向けた。
「おやおや今年は勉強熱心な
「課長のお噂は先輩からも聞き及んでおります。なんでも夜の帝王だったとか……」
「よしたまえよ。昔の事だ」
「いやぁ!ぜひともその経験を学ばせていただきたくて!ささぁっもう一杯頼みますよ!」
彼と目が合うと、同期の女の子卓へ戻れと視線で合図してくる。そろそろ私も限界が来ていた所だ。他の上役にも酒を注ぎそこそこに話をして同期たちの卓へ戻った。
「……大丈夫だった?」
「あれはダメだね。さっそくお尻を撫でてきたし適切な距離を保つことをお勧めするよ」
「やっぱり……ごめんね?私たち勇気が出なくて」
私の壊れているところはこういう所だろうか。同期の女子も男子も白々しく、私に体よく押し付けたようにしか思えない。結局助けに来てくれたのは未だに課長らの武勇伝で盛り上がっているあの男の子だけだった。
「ありがとうございました」
「きみぃたちも気をつけるんだぞぉ!」
「運転手さん国領までお願いします」
フラフラになった
同期たちみんな、仕事は私たちに放り投げて終電前に帰っちゃうしこの男の子が居なかったらもうちょっとひどいことになっていただろう。
いくら私でも一人で助けに来てくれた男の子にすべて任せて放置はできない。
「あーちくしょうマジしぶてぇあの
「お疲れ様」
自販機で買った水を彼に手渡すとすごい勢いで飲み始めた。
どうやらよほど喉が渇いていたようだ。彼もだいぶ飲まされていただけに足取りは少しふらついている。
「わりぃ……。ありがとう」
「どういたしまして。助けてくれたお礼だよ」
私があの
「ところで家は?終電あんの?」
「私は浜田山だけど……ちょっと厳しいかな」
「だよなぁ……」
「君はどこなの?」
「俺?町田だけどもう終わってるわ」
口ぶりからもう彼も終電が行ってしまっているのだろう。私はまだしも彼は都内と言えどもう県境。ここから深夜料金のタクシーなら万越え確実な距離であり、新入社員の財布には痛手が過ぎる。
明日は休日だからカラオケなどもちょっと高いし、どこも空き無しといった状況だ。
「しょうがねぇ……ネカフェか……」
「提案があるのだけど」
彼がこっちを向くのを待ってから私は口を開く。先ほどまでのはきはきとした態度はどこへやら、気だるそうに向き直る彼。
……これは壊れている私だからこそできる提案だ。
「ラブホ
その提案を私が口にすると彼は思いっきり眉を
「いやお前……。知り合って間もない男とラブホとか良くないだろ……自分大事にしろよ」
「何かするつもりだったの?私は君だったらしてもいいけど」
「俺、三秒前に自分を大事にしろって説教したんだけど」
変なところで真面目な彼に、ラブホの設備と料金の割り勘でいかにお得か説いていく。安い所だったらネカフェと同等の料金で、しかも同期の女の子付きで怪しまれることは無い。これほど魅力的な提案を断るのはいかがなものか。
「ほら、部屋が無くなっちゃうよ?早く」
「マジかよ……」
なんというか、彼はとても話しやすかった。
外見に囚われるんじゃなく私自身の中身と会話をしてくれて、いやな所に触れてくるわけでもない。それでいてちゃんと人間らしく会話をしてくれる。なんだか壊れた私にはそれが染み入る様に感じられて嬉しさが勝った。
駅前の繁華街から少し離れたホテル。部屋を選択すると連れ立って入室しお互いジャケットをハンガーに掛けた。
あまりラブホらしくないが、浴室が広めでベッドはダブルが一つ。枕元の籠にアメニティとゴムが入っていて必要最低限の部屋と言った感じ。大学の途中から男に誘われることも無くなったから久しぶりのラブホ。
「お風呂は入る派?それともシャワーで済ます?」
「普段は入れないからたまには湯に浸かりたいな」
「オッケー。沸かすよ」
ベッドと椅子に腰かけ、お互い沈黙。今日初めて会話した新入社員同士。その二人でこんなインモラルな場所に居るのだから当然か。
「改めて、今日はありがとう。あのままだったら今頃
「へーへー。どういたしまして」
結局ラブホなんかい!と彼のツッコミは置いといて。いくらその辺が壊れている私でもあの
「よく知らん男とラブホって抵抗ないの?俺同期ってだけで名前も良く知らないんだけど」
「別に、1回セックスしたぐらいでどういうワケでもないでしょ?大学生の飲み会なんて持ち帰りが常だったし、サークル内穴兄弟とか竿姉妹なんて普通じゃない?」
「いや……君の周りが爛れまくってることは良く分かった……」
どうやら彼の周りでは信じられないことのようで、げんなりした顔で水を飲んでいる。
対して私はスミルノフの瓶を開けた。ここに来る前にコンビニでお酒とおつまみを買い込んだのだ。このホテルで淫臭ではなくおつまみの香りが充満しているのは私達の部屋ぐらいだろう。
「どこ課配属……いやあの
「そうだよ。だから今日じゃなくともそのうち枕でも要求されるよ」
抱かれるのは嫌だが、セックス自体は何とも思っていない。私は不感症のマグロだという事も道すがら彼には話した。大学のあだ名が『白髪マグロ』だったことも。
彼はものすごく居心地が悪そうに反応を返してくれていた。初対面に近い女にこんな事をぶちまけられれば誰しも困るだろう。
「それでさ。時間も有り余ってるわけだし、一回セックスしてみない?もしかしたらものすごく相性いいかもしれないし」
「風呂先入るぞ」
そう言って彼は立ち上がるとフラつきながらも浴室へ入ってしまった。
私が誘ってるのに食いついて来ない。それだけで彼は今までの男たちと違う、不可思議な存在へとランクアップした。グイッと酒瓶を空けて叩きつける。酒も入ってか私の中には今までにない感情が沸き上がって渦巻いた。
〝絶対に私を抱かせてやる〟
そうと決まれば今の私には攻める大チャンスが訪れている。
浴室からシャワーの音が聞こえてくるという事は、彼は服を着ていないってこと。つまりここで私が押し入ってしまえば逃げ場も何もない。私はブラウスとスカートを脱いで下着も抜き放って浴室に飛び込んだ。
「は!?お前何してんの!??」
「何って一緒に温まろうと思って。洗ってあげるから」
「いやいいって!」
「遠慮しないでよ。体冷えちゃう」
ボディソープを手に
運動趣味でもあるのか、彼の体はけっこう締まっていて、男らしく筋張った筋肉と浮き上がる血管。私の白い肌とは違う濃いめの肌。うん、浮き上がる血管と筋肉は加点対象だ。お、けっこうおっきい。
彼の視線は努めて私を見ないようにしているけど、胸や秘所に行ってるのはバレバレ。そこまで大きいわけではないがしっかりと膨らみはあるし、もともと薄い体毛はここもそうだ。色素の薄い肌はお酒で上気して少しピンク色。ほら、食べごろのメスが目の前にいるのだから手を出してみろ。
「……」
「童貞なの?」
「……素人が付くけど」
「ふぅん……。じゃあ経験のチャンスじゃん。セックスに夢見ててもいいこと無いよ?」
カポーンと音がしそうな状況。湯船に浸かって二人並んで体育座り。
今頃その辺で立ちバックでもしてるはずの私の目論見は見事に崩れた。どうせこいつも、これまでの男と一緒でちょっと押せば本性を現すと思っていたのに頑なに私を抱こうとしない。
「いや、そのさ、すごい童貞臭いかもしれないけどさ。もうちょっと、ちゃんと相手を選んだ方がいいんじゃないの?」
「だから君がいいって言ってるんだけど。そこまで言うならさ、ちゃんとしたセックス教えてよ。私に」
そろそろ、私もムキになってきた。彼は私の顔を見て溜息を吐く。人の顔見て溜息吐くとか失礼にもほどがあるんじゃない?
「………………分かった。ただ酒飲ませてくれ」
「お酒の勢い?いいよ?そういう獣チックなのも」
「覚えていたくねぇんだよ」
ベッドに移ってお互い全裸のまま
「じゃあ、します」
「ふふ、どうぞ」
ゆっくり、唇が触れ合うだけのキス。すごくソフトな感触にちょっとびっくりしてしまった。もっとガッと来て舌を吸われるもんだと思ってたから。
私のぷっくりとした唇を労る様な、もう一度唇に触れ合うようなキス。今度はもうちょっと長く、彼の体温が少しずつ伝ってくる。少し吐息がお酒臭いが、私も同じようなものだろう。
もう一度キス。
舌先が私の唇をノックしてきたから、口を開いて彼を招き入れた。おずおずと入ってくる彼の舌を、自らの舌で持て成してまずはおくちでセックスする。
「ん……ぷぁ……っ…」
お互い酒が入っているだけあってアルコール臭い。潤んだ粘膜を重ね合わせお互いの欲望を確かめ合って、唾液を撹拌してカクテルを作っていく。酷く甘いそれを飲み下して、もっと欲しいと
どのくらい続けていたのか分からない。離れていく男の顔と、思ったより酸素が足りなくて深く息を吸う私。
正面に座り合っているから、胡座をかいた彼の象徴が強く張っているのが分かった。キスだけでそんなになっちゃって、この先大丈夫なのだろうか。
私の後ろに座り直して、彼は後ろからあすなろ抱きをした。ふわりと漂う私と同じシャンプーの香り。背中から伝う体温と心臓の音。なんだか安心するその音にくすりと微笑みをこぼす。
「緊張しすぎ」
「うっせ」
どく、どく、どく。早鐘を打つ彼の心臓。
ゆっくり深く抑えて呼吸してるのバレてるよ。
どく、どく、どく。早鐘を打つ私の心臓。
私もそう。鼻息荒くなってるのたぶんバレてる。
「触るぞ」
「ふふっ、どーぞ」
私に確認を取ってから、彼の指は私の指先に重ねられる。指先だけフェザータッチすると、肌をなぞる様に
指先、手のひら、手首、腕、肘、二の腕、脇、肩。
くすぐったさは、ゾクゾクとした感覚に変わり神経を伝って肌を粟立たせる。それがより輪郭を持たせるように神経を鋭敏にして手の動きを際立たせた。
「んん……♡触り方えっち……♡」
今度は脚だ。彼の手がぺたん座りしてる私の爪先に触れ、腕と同じように指先だけを這わせる。今までの男たちとは全く違う、ガッツいてくるやり方じゃなく、まるで弱火でとろとろ煮込んでくるような焦れったい責め。
爪先、裏、甲、
果実の皮を剥くように、私の中の何かを一枚、また一枚と剥いていく指先。爪は立てず、かと言って手のひらを触れる訳でもない。指先の細やかな皺を当てるだけで私の肌をなぞっていく。
身体に走るゾクゾクとした感触。
いつしか肌が突っ張るような感覚がして、視線を下ろすと乳首が酷く勃起していた。人よりも幾分も白いはずの肌も紅潮し、そこは真っ赤になって震える。今までにない身体の反応に私は戸惑う。
違う、コレはアレだ。寒さとかでキューってなるやつ。今までだって乳首が反応を示す事はあった。だから半信半疑。こんなにビンビンなのは初めてだけど。
彼の手はお尻を這うと
大事なところは触ってこないのに、身体は隅々まで見られていく。
なぞられていく。
分かられていく。
把握されていく。
裸にされていく。
彼の手が背筋を余すところなく這うと、次はいよいよ正面だろうか。まだ焦らすつもりだろうか。次はどこを触れるのだろうか。頭の中をぐるぐる回る期待と焦燥。ここまで時間をかけて焦らされるなんて思ってもみなかった私。
私の身体は全身隈なく肌から温もりを与えられ、それがじわりじわりと中に食いこんできて熱くなっていく。今までこんなに熱くなることなんて無かった。全身が汗を分泌し出す。
「どこもかしこも柔らかいな」
「……スキンケアは怠ってませんので♡」
ようやく指が辿り着いた先は、胸の膨らみの先端。赤く膨れ上がって存在を主張する果実。しかし指はそこだけ素通りして胸骨に至ると谷間を通り、腹部、へその筋を下っていく。
「……はぁーっ♡…はぁーっ♡」
なんで触ってくれないの!?
────とんっ
男の指先は下腹部で肌を離れ、秘裂のほんの上部辺りから何かに沿ってタップし始めた。
────とんっ♡
身体中に散りばめられ、肌から吸わされた男の体温がタップされた箇所に急速に集う。
────とんっ♡
まるでぐずる子供の背をあやす様な優しいタップ。指先から伝わる微震は確かに、皮膚越しに膣道に波及する。
────とんっ♡
未知の感覚がせり上ってきた。下腹部が熱い。一体この感覚は何なのだろうか。頭が処理をする前に全身に熱が回って、更に廻って下腹部に集まってくる。ずきずきとぐずる下腹部。おかしい。制御できない。びくびくするのがとまらない。
────とんっ♡
ぱちっと静電気のような火花が目の前に散った。あたまがあつい。からだがあつい。おなかがあつい。おなかのなかがあつい。
────とんっ♡
あっ……!♡
へその下。肉の薄い下腹部の中。男の指は遂に至る。全身に散らした熱が一箇所に集中し、パンパンに膨れ、女自身の自覚もないまま破裂寸前で留まっていた快感。
今まで全てを溜め込んでいた
「──♡♡゛♡♡!♡゛…゛゛♡!♡゛゛……♡゛♡♡゛♡…゛…!♡!」
イッ───!!な…!にっ♡こ♡♡れっ゛イ゛ッてる♡っ゛!?中っ゛が!イッッてっる♡!?ゆ゛びっで゛とんっ♡!とん♡!される♡…たびに!中♡♡!が♡…゛いっっ!て…゛る♡っ
肺も心臓も握られた様に浅い呼吸しかできない。頭の中と目の前でバチバチッと神経がショートして、思考がまるで纏まらない。思考しようとしたそばから快感が爆発して弾け飛ぶ。
「あ゛♡♡ぁあぁぁっ♡゛ああ♡…ぁあ!あぁ♡!あ♡♡ぁっ!ああっああ…♡…っ!」
わけわかんない♡!わけわかんない♡!!わけわかんない♡!!!なにこれ♡!?なにこれ♡!!?!なにこれ♡!?!!?
姿勢を保ってられない。
狂ったように痙攣する下腹部。ガクガクと震え、制御なんてまるでできない脚。彼の指を振り切って襲い来る快感を必死に耐えようと、手はシワになるほどシーツを握って顔を突っ伏す。
猫がしっぽの付け根をイジられたような姿勢、お尻を彼に突き出した状態で縫い付けられた私。
四つん這いの脚の間から滴る蜜は私がひどく発情してる証で、膣口から自分でも信じられないほどの涎を垂らしていた。
その先、膝をついた
先端は赤黒く膨らみ、絶対に雌の穴をぐちゃ混ぜにするカリ高……。その下に実ってる陰嚢はパツパツに腫れ、たんまり種を蓄えてる事がありありと分かる。
猛々しい肉槍に薄いゴムの被膜が被せられていく。コンドーム、しっかり付けてくれるんだ……。
子作りじゃなく、繁殖の為じゃなく、オスとメスの性欲を発散するだけの、100%ギトギトの性欲解消の為だけのセックス。
私とする為だけのセックス………♡
涎を垂らし続ける膣口に、にぢり♡と肉槍の先が合わされた。
もはや隠しようもないほど真っ赤に充血して、モノ欲しげに自分からばっくりと口を開く秘裂は、私がとても興奮している証になってしまう。
「……
「お願い……します………♡♡」
なんて
くちっ……♡
先端が肉の花弁をわり開き始め、膣口が押し広げられていく。
自分だって腰を叩きつけて気持ち良くなりたいはずなのに、彼は
「はああ……あ…………♡」
そのせいで、感度が極限まで高まった膣内は彼の形をはっきりと記憶してしまう。
膨れ上がった亀頭、エラが張り詰めて肉襞を
トロトロの蜜がどっぷり吐き出され、潤滑の良い膣内は嬉々としてその剛直を飲み込んでいく。ぬむぬむ♡としゃぶりつき肉襞は幾重にも重なって我先にと結合したがった。
ゆっくり、ゆっくりと時間をかけて侵入してくる彼。それがあまりに焦れったい。肉襞と肉槍が触れ合わさった所からはぞくぞく♡と背筋を駆け上がるような快感が上ってきて脳を犯す。こんなこと今まで無かった。
「あぁ…あ…♡あ゛あぁ♡あ゛あ…ああ……♡」
奥へ、1歩ずつ奥へ。ぐるぐると下腹部に渦巻き続ける熱を溜め込んだ中心にじわじわと肉槍は近づいていく。
水責めのようにジワジワと。迫る壁のように逃げ場なく。もう、私の、最奥の剥き身の果肉を剛直が喰らわんとしている。残さず食べられてしまうのだろうか。それとも、ぐちゃぐちゃに食い散らかされてしまうだろうか……♡
──ぐにゅっ♡
「……っあ!♡」
バチンッとお腹の奥がショートした。
何が起きたのか理解する前に猛烈な波に飲み込まれ、頭の中が吹き飛ぶ。許容範囲を遥かに超えた電気信号が神経をバグらせ全身の痙攣が止まらない。
「あぁ♡!あ♡かはぁっ!あぁ゛んあぁ!あ♡いぃぃ゛♡!あ゛あぁ゛!あ!」
溜め込み過ぎた快楽を吐き出そうと、でろでろに溶けて降りた私の子宮に、肉槍は優しくキスした。
優しいキスだ。あまりに優しすぎるキス。ずっとずっと子宮が求めてた優しいキス……♡
じわじわと高まっていく。彼は微塵も腰を動かしてないのに、どぐんどぐんとゴム越しに伝わる肉槍の脈動で勝手に高まっていく。膣内がイッてるのか、子宮がイッてるのか分からない。
「……♡!」
「ほら、起きて」
「んぁっ……!♡」
上体を反らされ、さらけ出された下腹部を、彼の指が再び秘裂の上あたりから膣道に沿って指でタップし始めた。
とんっ♡とんっ♡とんっ♡
今、私の膣内には彼の膨れ上がった鋼のような肉槍が
それは埋まっている下腹部が少し隆起する程に、触ればガッチガチのおちんちんが詰まってるのが分かるぐらいに私の柔肉は無防備すぎた。
身体の内側からおちんちんで押し出された弱点部位を外側から指で刺激しようとしてる。
……戦慄した。
私の体は外側から膣道を指でタップされただけで果てた。彼の肉槍を挿入されて亀頭と子宮がキスしただけで達した。ゴム越しなのに彼のモノが膣内でどぐりどぐりと脈打つだけで甘イキし続けている。
スイートスポットを探すように、指先が恥丘でタップダンスする。
このタップが探り当ててしまったら……?ホントのホントにウィークポイントを直撃してしまったら……?
───トんじゃう…♡
「はーっ……はぁーっ……はぅっ……はぁーっ……♡」
上手く呼吸ができない。
口はだらしなく開いたまま、舌はだらりと垂れ下がり、唾液が垂れるのを気にする余裕なんてとっくにない。彼の卑猥なタップダンスは終わらない。だんだんとその指が舞うところは確信めいた場所に近づいてゆく。
探してるんだ……♡私がトんじゃうところ……♡
お臍から下に向かって数センチ。子宮よりも少し下に、中に入っている肉槍の硬さと違うぷっくりとした感触があった。彼の指がすりすりと皮膚の中の感触を確かめるように這いまわり、ついに止まると肌を
「ん゛お…゛♡♡ぉ゛っ!?」
一瞬息が止まった。目の前がチカチカする。多量の発汗が肌を滴っていき浅い呼吸を繰り返す。たっぷりと水を吸ったスポンジを圧し潰したかのようにじゅわり♡と膣内に蜜が溢れかえった。
中指と薬指が狙いを定めた。……私はそれを見ていることしかできない。
止められない……!止めたくない……♡
せめぎ合う心の中が言い争っている内に指先がぎゅっと押し込まれる。膣内にみっちり詰まった肉槍と指でサンドイッチされたウィークポイントがブチュッ♡と潰された。指はそのまま円を描きながら指圧マッサージのようにぐりぐりと圧を掛ける。
「あ゛゛!あ゛!あっ!ああぁ゛あ!あ♡゛イく!ああ♡♡あ♡あ゛あ…ああ゛イッちゃっ……!あ…あ♡っあぁ゛っぁ♡゛ああ…!あ♡♡あ゛イくぅっ…!いい♡…っくうい゛…♡く♡ぅ゛っイぃいい゛く……!?」
出したことも無いような大声で、私はあらん限り絶頂を叫んだ。いくら防音性に優れるラブホテルといえど、フロア中に聞こえてしまうかもしれない嬌声交じりの絶叫。彼はその間も私のGスポを指圧し続け、あろうことか親指で子宮までイジめだした。
頭と子宮と膣内が直結してるんじゃないかっていうぐらい、直列繋ぎ大容量の快感が止めどなく流れ、ブチブチと脳内回路が焼き切れる。もう、今すぐに廃人になってしまってもおかしくない。
「イ゛っ!て♡…っる゛っ!!♡…゛!イ゛゛ッって゛ぇる゛!?からぁ…子゛♡゛宮!い゛じ゛っめぇな♡…い゛でえ゛?!゛♡!!♡!!?奥♡…♡!お゛゛く♡゛っだ゛♡ぁっめぇぇぇっあっっ゛゛あ゛…!あ゛♡あ!ああ゛あ!また゛っイ゛く♡…ぅ゛イッ!くぅっイく゛♡♡!!!」
制御不能な全身が痙攣して狂う。膣穴はドポドポと蜜を噴き出して、ブシャッとハメ潮でシーツを汚す。涙が止まらない。汗が止まらない。涎が止まらない。ナカがきゅんきゅんしておかしくなる。
私の体だけじゃなく、ナカの肉槍もどくんどくんと脈打ち暴れ狂っているのが分かる。ゴム越しにずっしりと重たさが溜まっていって膣内の圧迫感がものすごい。
「はぁ…あ゛ぁっ!ー♡……はぁ…♡゛…はぁ゛!ぁ♡゛っー♡…んぅぅ!!?」
ずるり♡とみっちり肉の詰まっていた膣内から肉槍が、次いでゴムの塊も一緒に引き抜かれた。圧迫感から解放された膣口が白く濁った愛液をどぷりと排出しぱくぱく♡とヒクつく。子宮は子種を飲ませてもらってないと抗議の声を上げ、更に濃い粘液で膣内を満たし始めた。
圧迫感が無くなると、訪れたのは喪失感。もっと繋がりたい。あれだけ自分は壊れていて感じないと思っていた身体は、男の愛撫だけでイかされ、膣内でも子宮でも絶頂した。
私は壊れてなんかなかったんだ……!ちゃんとセックスできたんだ!心の中に湧き上がる多幸感に、なるほど同級生の言っていたことは間違いじゃなかった!ごめんね!心の中で謝っとく。
ぐったりと脱力し、うつ伏せで伸びた私の顔の横に口の縛られたゴムが放られた。
粘液でどろどろになって汚れたその中には、本当に一人が出したのか疑いたくなる量の精液がみっちり詰め込まれていた。こんなの、膣内で出されたら一発で妊娠だ……安全日でさえ危ういかもしれない……。
「ごめん、お疲れの所悪いんだけど、俺満足してない……」
「………え?」
枕元の籠から小分けのゴムが抜かれ、ピリピリと袋を破く音がする。
体力を使い切った私は体を起こすことができず首だけを巡らせると、全く萎えた様子のない肉槍がゴムを装着されぐちゅり♡と膣口に狙いを定めていた。寝バックって確かGスポを抉りやすい体位じゃ……?
「ちょ……待って……ちょっと休ませ……んお゛っ♡」
「知らない天井だ……」
朝、だと思う。
ベッドの枕元に備え付けられた時計はそろそろ午前10時を指し示そうとしていた。
……頭が痛い。これは完全なる二日酔いか。昨日は新入社員歓迎会に参加し、女性社員のケツを撫でていた
だが、どう考えてもここはラブホで、ダブルベッドでよく知らん女が背中を向けて寝ているこの状況に覚えがない。霞みがかったような記憶と二日酔いでガンガン痛む頭に鞭打つ気にはなれない。
てかヤったのか……?うわぁ、何あの済みゴムの量……一箱分ぐらいあんじゃんヒくわ……。乱交でもヤったのか……。
すっきりするためにシャワーを浴びて戻ると、女がシーツで体を押さえこちらを睨みつけていた。
新入社員歓迎会にもいた銀髪女やんけ。
「……おはようございます?」
「……おはよう」
うわ、めっちゃハスキーボイスやん。ド渋いわ。
「うわ、めっちゃハスキーボイスやん」
「だれのせいだと思ってんの?」
鋭い眼光で射抜かれる。めっちゃ怖い。
彼女からお話をお伺いすると、セクハラ
盛り上がって一発ヤってしまったが、俺の収まりがつかなくなり一晩中彼女を犯し倒したんだとか。セクハラどころじゃねーよ!みだらな行為やっちまってるよ!
「この度は大変申し訳ございませんでした心よりお詫び申し上げます」
必殺土下座。社畜ポイントが上がった!
「……おこってないから顔上げて?その、初めてだったから……あんなに感じたの……」
「寛大な処置に心より御礼申上げます」
まさか新入社員歓迎会から酒でやらかすだなんて……。全く記憶にないけど、この女性には酷い事をしてしまったんだろう。怒ってないとか女神かマジで。
「新入社員同士よろしくね?」
嘘、やっぱり怒ってるだろコイツ。握りつぶされそうな力の籠った握手に、俺の心も一緒に折れた。
女(新入社員のすがた)
酒が入っても記憶が残るタイプ。Lv.24でバリキャリ女に進化。なつき度MAX状態で指輪を持たせ進化させると???になる。
感じにくい体質でバキバキに貞操観念が壊れてしまっていたが、よわよわ子宮のスイッチがONにされるとハチャメチャつゆだくになる。好きな人にはキツめに当たっちゃう。
得意技はコンプライアンスパンチ。
男(新入社員のすがた)
酒で記憶を吹っ飛ばすタイプ。Lv.22で社畜に進化。
優秀だが