発情期があるタイプのTS幼馴染の性欲を独占したい 作:しじままどせ
林堂《リンドウ》理生《りお》は僕の幼馴染だ。
引っ込み思案で大人しい性格で、幼いころはよく僕の後ろに隠れてばかりいた。気弱で、泣き虫で、でも人一倍優しい男の子だった。
弱っちいくせに困った子を放っておけないタイプで、しょっちゅういじめっ子に刃向かって返り討ちに遭っていた。
だから僕はよく理生を守ってあげたものだ。大抵いつも僕は理生を守る側になり、だから理生はいつも僕を頼ってくれるようになった。
だから、理生が女の子になってしまった日も、最初に頼ってくれたのは僕だった訳で……。
「ま、マジ? 本当に理生なのか?」
「うん……。朝起きたらこうなってて……」
林堂家の玄関先。
後ろ手に鍵をかけて、困惑した様子の自称理生を見る。
目の前の美少女は、不安そうに眉根を寄せながら、しかし頬を紅潮させて、吐息混じりの甘い声で「どうしよう……」と呟いている。
白いTシャツの上からでもわかる程度の膨らみが呼吸に合わせて上下している。
どうやらブラジャーをしていないらしい。なぜそれが分かるかというと、突起が自己主張をしているからだ。つまり、乳首が。
実のところ僕は童貞である。女性耐性はない。
急にかぁーっと顔が熱くなって、頭が爆発しそうになった。
「──ぁ」
こちらが胸を凝視していることに気がついたらしい彼女は慌てて両手で胸を隠して、
「きょ、京介……」
と僕の名前を呼ぶ。
僕はハッとして慌てて目を逸らした。
「ご、ごめん」
「いや、こっちこそ……?」
彼女はふわふわとした栗毛を指先でいじりながら、ちらりと僕の方を上目遣いで見つめてくる。
ぶかぶかのTシャツの胸を押さえているものだから、乳首は確認できないものの、そこに胸があるという事実は変わらないわけで。
目を逸らすと彼女の生のふとももと生足が視界に入ってしまうので、僕はそっぽを向いて必死で素数を数えた。
「ほ、本当に理生なのか? マジで女の子になったのか?」
「う、うん」
「なんで? 心当たりとかは?」
「おれにもわかんない。心当たりは、ない、と思う」
「そうか……」
彼女は不安そうに胸を押さえて、長くなった前髪のすき間から僕の様子を窺っている。
確かにこれは理生だな、と僕は思った。
不安そうに下から見上げる癖は昔からだし、それに何よりこの引っ込み思案な雰囲気は理生そのものだ。
でも、どうしても信じられなかった。
だって理生は男なのだ。つい数時間前まで男だったのだ。
男なのに女の子になってしまって、どうしていいか分からない、といった様子で理生はもじもじとしている。
内ももをすりすりとこすり合わせて、でも股間にモノがない感じが気にかかるのか、すぐに顔を真っ赤にしてぎゅーっとそこを押さえたりしている。
「どうすればいいんだろ……」
「え?」
「京介、おれ、どうしたらいい?」
「どうって言われても……。病院に行くしか……」
「で、でも、服がないし……」
と、彼女は自分のブカブカの白い長袖Tシャツを見下ろす。
肩幅が縮んだせいか肩が余ってずり落ちていて、裾はふとももの半ばまで届いてしまっている。
Tシャツの下は何も履いていないようで、ふとももの白さが眩しい。胸だって、ぷにゅん、という擬音が聞こえてきそうなほど柔らかそうに自己主張をしているし。ノーブラだし。
はっきり言って、外に行ける服装ではない。あまりにもエロすぎる。このまま外へ出たら確実に痴女だ。
「──ぁ」
そこでまた視線に気づいてしまったらしい彼女が声を上げる。
僕は慌てて彼女から目を背けた。
理生によく似た別人なのでは?という疑いは完全に消えたわけではないけれど、でも間違いなく理生であるということは理解できた。
ただ、今の理生は明らかに女の子であるということを強く意識してしまうような格好をしていた。
要するにエロいのだ。
このままでは僕が危ない。主に下半身が。
「あ、あのさ、理生。ひとまず落ち着こう。深呼吸をして、心を落ち着けよう」
「え、あ、うん……。わかった。すぅーー……、はぁーー……」
「「すぅーー……、はぁーー……、すぅーー……、はぁーー……」」
並んで、ふたりで、深呼吸をする。
ぶっちゃけ理生から女の子特有のめちゃくちゃ甘い匂いがして全然落ち着かない。くそ、この子、なんでこんなにいい匂いがするんだよ。
あまりにも可愛すぎる女の子が僕を頼ってきて、潤んだ目を上目遣いで見てきてくれるものだから、もうそれだけで理性が崩壊しそうだった。
こんなの、童貞には刺激が強すぎる。
「…………」
「…………」
しかしともかく無理矢理どうにかこうにか落ち着くことができた。
理生を守るのはいつだって僕の役目だ。親友が女の子になってしまったからと言って、ここで慌てるなんて格好悪いことはできない。
大切な親友が僕を頼ってきているのだ。その信頼には応えたい。
「とりあえず、病院に行く。そのためには服を着替えないといけない。でも元々の理生の服や、それよりも背の高い僕の服では不適格だ」
「う、うん……」
「だから、とりあえず理生のお姉さん――
「で、でも、ねーちゃんの服は女の子のだよぉ……」
動揺した様子で美少女は言った。