発情期があるタイプのTS幼馴染の性欲を独占したい 作:しじままどせ
「じゃ、じゃあ、脱ぐね……?」
鈴が鳴るような清らかな声を震わせて、理生は言った。
この美緒さんの部屋には現時点では暖房はついていない。つまり暑くはないはずなのに、なんだか理生の顔は赤く染まっている。
僕も、なぜだか暑い。背中を汗が伝う気がする。バレないように気をつけながらごくりと生唾を飲み込んだ。
理生はブカブカの白いTシャツ一枚の姿で、顔は僕の方を向いているのだけれど、なぜかその大きな瞳は伏せられている。頬は相変わらず赤く、呼吸もすこし荒くなっているようだ。
おそらくこのTシャツ一枚の他にはパンツしか履いていない。理生が身につけているのはそれだけである。
つまり、おそらく女の裸がそこにある。
「……ん゙」と小さく咳払いをすると、理生は覚悟を決めたようにゆっくりと目を閉じた。
そして、ゆっくりと、理生はTシャツの裾に手をかけた。
「……」
僕は黙っていた。固唾を飲んで見守る。心臓が早鐘を打っている。
理生は腕をクロスするみたいにしてTシャツを捲り上げた。華奢な肩や二の腕が見える。そのまま両手をあげて一気に脱ごうとする。しかし、途中で胸で引っかかったのか、うまくいかないようだった。
「あぅ……」と小さな吐息を漏らして、止まる。
「――ッッ」
僕は、絶句していた。
予想はしていたことだけれど、理生には男性器が生えていなかったからだ。
ボクサータイプのメンズパンツの股間は布が余ってカパカパで、そこに本来あるはずの膨らみがなかった。
おちんちんがない、という感じ。
これは、女の子だ。紛れもなく女の子だ。
むっちりとしたお尻はともかく、ウエスト回りは細くくびれたのか、腰回りはすこしだけ丸みを帯びている気がした。
もともと理生は中性的な容姿をしていたから、女の子になった姿はまさに美少女というか、いやもう美少女というより美女に近いというか、とにかくめちゃくちゃきれいでかわいかった。
僕は必死に拳を握って、耐える。
「――えい、えいっ」
理生はかけ声をあげながら、引っかかっていたTシャツをなんとか持ち上げると、一気に脱いだ。
――ぱるんっ、と。
「――ッッッ」
僕はあまりの衝撃で一瞬意識を失いかけた。
理生の大きな胸があらわになったのだ。
それは、確実に、女性の乳房だった。
大きさとしては、決してものすごく大きいということはない。けれども、しっかりと丸みを帯びて張りのあるそれは、明らかに男のものではない。
そして何よりも、その色はピンク色で、ぷるっとしていて、お椀型で、柔らかそうで、重力に逆らっていて、先端の突起は綺麗な桜色で、それがツンと尖っていて、なんというか、えろかわいい。
そう、エロい。めちゃくちゃエロい。
こんなに可愛い幼馴染のおっぱいを生で見るのは初めてなのだ。いくら相手は理生だとはいえ、童貞には刺激が強すぎる。
僕は頭がクラクラしてきた。鼻血が出そうだ。
「ご、ごめんね、おれなんかの、変なモノ見せて……。朝起きたらこうなってて……。変だよね、おれは男なのに……」
恥ずかしそうに顔を真っ赤にしながら、理生は言った。
理生は両腕で胸を隠そうとして、しかし大きすぎて隠しきれない。むしろ胸肉が腕に押し込まれて、逆にむにっ♡と強調される結果となり、かえっていやらしい。
そして、慌てて胸を両腕で胸を隠したものだから、
――ぱさ
と。
理生の股間を守っていたボクサーパンツが、落ちた。
「~~~~~~ッッ」
「~~~~~~ッッ」
一瞬、完全に、理生の股間が、見えた。
そこにペニスはありませんでした。
ただふっくらとした恥丘と割れ目があった。真っ直ぐな縦スジが一本、見えた。
慌てて理生はパンツを引き上げ、真っ赤になりながら内股気味になって両脚を擦り合わせた。
「み、み、み、見た?」
「な、なんのこと?」
「その、あれを」
「な、なんにもなかった! 何にも見えてないから!」
「見てんじゃん、うぅ~~っ」
ほとんど裸に近い格好で、理生は羞恥と恥辱に震えていた。泣きそうな表情を浮かべながらも、しかしそれ以上何も言わずに唇を噛んで俯いていた。
元はといえば『着替えるところを見てほしい』と言い出したのは理生なので、僕を責めるつもりはないらしい。
僕は、理生が女の子になってしまったことを確信したけれど。
「ふ、服、着るね」
わたわた、と慌てながら理生はパーカーを頭からかぶって着て、ハーフパンツを履いた。
とくにハーフパンツの腰紐はぎゅーーーーっとキツめに縛っていた。まかり間違っても落ちてこないように。
そして、理生は恥ずかしそうに頬を赤らめながら、
「ど、どう? おかしくないかな……? これなら外に出てもいいと思う……?」と言った。
「うん、いいんじゃないかな。サイズは問題ないし。落ちてこなければ大丈夫だと思う」
地味なパーカーとハーフパンツを着たら理生は、しかしその美少女っぷりは隠せていなかった。
けれども、どうにか普通の少女に見えるようになったとは思う。少なくともあられもない格好をした痴女には見えない。
「じゃあ、病院、行こっか」
「そ、そうだな」
そうして僕たちはそそくさと美緒さんの部屋を出て、保険証と財布を掴んでわたわたと家を出た。
焦っていてお互い気が付かなかったけれど、もしかして着替えるためにTシャツを脱ぐ必要はなくて、Tシャツの上からパーカーを着ておけば苦労はなかったのでは?と気がついたのは、家を出てからのことだった。