性技の指揮官:ORE NIKKEがえちえちで困る 作:もみにい
「状況終了。指揮官、お怪我はありませんか」
「ああ、問題ない。それにしても……ラピ、凄いな」
「ラ〜ピィ〜、何でそんなに強くなってるのよ!このボディに秘密が!」
「火力が……火力で負けました……私の存在意義が」
ラプチャーとの戦闘において、ラピは以前と比べ物にならない力を発揮した。25機いたラプチャーは、尽くがラピに瞬殺されたと言っても、過言では無かった。
「指揮官のおかげです」
穏やかな笑みを浮かべるラピが呟く。俺のおかげと言われても、特にこれと言って……エロい事をした記憶しかない。
「俺……?」
「はい、指揮官のお力です」
「なに、どういうこと?」
「アニス、後で話すわ、今は……話せない」
ミハラとユニに目配せし、ラピは言葉を切った。
「ふ〜ん、じゃあいいわよ。ラピが強くなってラッキ〜。楽できそう!」
「火力が……火力……かりょくぅぅ」
火力しか語彙がなくなったネオンは不憫だが、こればかりはフォローのしようもない。
「ふふ、私たちにはないしょ……ってこと」
「その通りよ。何か問題でも」
「いいえ〜、何も問題ないわ」
薄く笑みを貼り付けたミハラとは違い、俺の側でムチをしならせたユニが、瞳に影を落とし見上げてくる。
「指揮官……ユニに隠し事、するの?」
「……隠し事って言われてもな……知らねぇし」
「隠してない?」
瞳のハイライトが完全に消え……恐怖が倍増する。
「隠してねーよ」
「うん、隠し事はダメ……」
後でしっかりと教育しようと心に決めた。
その後、数度のラピ無双を見物。俺の存在価値が更に無くなった事に若干ショックを受けたが……ミハラの案内に従い足跡を追跡。先頭でムチをしならせていたユニが振り返り、地面を指差した。
「んっ?ミハラ、これ見て」
「……足跡が消えたわ……ふ〜ん……じゃ、戻るわよ」
はい、そうしましょう。さっさと帰りましょう。よーし、お仕事終わり!
「……拍子抜けね」
ラピちゃんよー……いつからそんな戦闘狂みたいになったんだ?
「あ、ミハラ。あっちの壁!……壁を伝って移動したみたい」
ユニが指差す廃ビルに地面と似た窪みが見て取れる。はー、お仕事続行ですね。
「……壁面を踏んで移動できるというの?ラプチャーが?」
「それできないわよね。ラプチャーは基本、四足歩行なのよ!」
おふざけを辞め、周囲を注意深く観察する……廃ビルについた足跡は周囲が罅割れ、所々が崩れている。壁を足場にして……飛んだ、のか?……ラピとアニスの疑問もその通りだとは思うが、目で見たものを信用する他ない。
「相手が二足歩行の可能性もあるな……それに――」
指を唇にかざし妖艶にウインクするミハラに続きを促す。
「ふふ、トーカティブは壁を伝って移動できる……それから、私たちの追跡に気づいてる」
したり顔のミハラに対し俺は神妙に頷く。
「……知能があるということですか?」
顎に手を当てたネオンが疑問を投げかけた。
「ふふ、それはありえないわ。ラプチャーは知能がないもの、追いつかれたら逃げる。そういうアルゴリズムみたいね」
アルゴリズム。そういうモノか……可能性として頭の隅にでも置いておこう。
「ミハラ、ご褒美!ご褒美!」
嬉しそうにミハラの膝に座り背中を預け、太腿を撫でているユニに緊張が溶ける。……はぁ、えっちな光景ですね。此処って本当に戦場ですか?
「まぁ、確かに。今回はご褒美をあげてもよさそうだわ」
「うん!」
「ご褒美をあげるわ。痛覚センサーをONにするわね」
ユニがミハラの太ももを思いっきりつねった。
「うぅ……んっ♥」
「へへ♥ ……」
指を噛み喘ぎを抑えるミハラに対し、ユニが容赦なく責めたてる。
「っう♥ ……んぁ」
「……何やってるの?」
「つねってますね?」
いいとこなんだから、黙ってろ!
「ミハラ。すごく痛い?どう?」
「そ、そうねっ♥ ……すごくっ……!っ、痛いわぁ♥ ……んんっ♥」
悶える黒髪美女と淫乱ピンクの濃厚接触に、下腹部が反応しそうになるが……悟られる訳にはいかない。
「ねぇ、ちょっと。私、混乱してるんだけど」
「師匠。これは何が起きてるのでしょうか?」
ネオンェ……空気読めよ。楽しめよッ!!
「楽しんでるんだ。ネオンも大人になったら分かる」
「……よくご存知ですね。指揮官……そういう方面のこと」
身をもって体験した癖に、そういう事言うんだ……俺を煽ってベッドで乱暴にさせようという思考が透けて見えそうですよ、ラピ君。
「えっ?そういう方面って何ですか?」
「……そ、それはっ……ぅ」
はい、可愛い。
頬を染めたラピに質問攻めを始めたネオン。恥ずかしがるラピか、絡みあう二人……どちらを見るべきか悩んだ結果、質よりも量を選んだ。
「ミハラぁ、もっと強くしていい?」
「ふ、ふふっ♥ ……いいえ、ご褒美はここまで。夢中になり過ぎちゃダメだから。分かってるわよね?」
あ、もう終わりっすか。
「うん。ユニ、もっと頑張る。そうしたら、指揮官もご褒美、くれる?」
「指揮官様も!?」
「師匠もつねられたいんですか?」
「んな訳ねーだろ。ちゃんと言う事聞けよ、ユニ」
「うん!」
流石にね、衆人環視でベロチューしたいとは思いません。やるならちゃんとした場所でしっかりと……って、違う!そうじゃない!!
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壁面に残された足跡を頼りに荒廃した市街地を踏破するも、一向にトーカティブが現れる気配は無い。
「痕跡が途絶えたわ」
「この先はエブラ粒子の濃度が高い。危険性が高まるということよ」
エブラ粒子……地上に存在する通信を遮断する物質。普段なら大天使シフティーが浄化シーケンスを発動し除去してくれていたが、この状況ではどうしようもない。シュエンにより通信が途絶しているから関係ないように思われるが、ラピが言っているようにエブラ粒子濃度と危険度は比例する。
「ふ〜ん〜どうしようかしら……指揮官、この辺で切り上げる?」
「そうし――ん?」
帰還を決めた俺に対し、通信遮断されているはずのスマホが震える。blablaが起動し、何処から入手したのか知らないがシュエンのアイコンが存在していた。
アイコンをタップすると簡易プロフィールが表示された。……
『私が歩み進めば道は出来る(。◡ 。)』
……一言コメントとかするんだ……顔文字とか使うんだな。ちょっと可愛いとか思っちまったよ。
『おい。』
『しね。』
『おい。』
『し。』
『やっとつながった。』
『追跡の方は?』
ずっとスマホ片手に俺にメッセージを送っていたのかな?メスガキとか言ってごめんな。可愛いとこあるじゃねぇか。
『もう帰る所だ』
『捕まえたの?』
『いや、痕跡が無くなった』
『今日は終わりだ』
『ww』
『勝手にどうぞ。』
『その前にこれだけは言わせて。』
『あの前哨基地の』
『お前の部屋から、』
『アークテロ計画書が見つかったよ。』
……は?
『はあ?』
『それも。』
『すっごく詳しいのが。』
『進行ルートに始まり、』
『どこをどうやって爆破させるか、とか』
『お前の鉄くずたちの手書き文字で』
『細かく書いてあったわ』
『決算欄にはお前のサインがあったし。』
『幸いにも私以外の人の目には』
『触れてないようだから』
『追跡をちゃんとやってきたら』
『処分してあげる』
ふざけんじゃねぇぞ、嵌められたのか?ハメるのは俺の仕事だろうがッ!!
『帰ったらお仕置きな』
『ww』
『負け犬の遠吠えね』
『ほら、わんわんって』
『鳴いてみなさいよ』
『絶対鳴かす』
『www』
『出来るものなら』
『やってみなさい』
『じゃあ、頑張ってねー』
『w』
それ以上の返信は出来ず、握りしめたスマホからミシッと音が聞こえ、力を抜く……やっぱメスガキだわ。ちゃんと躾ねば。
「……追跡、続けるしかないんでしょう?」
ミハラが最初から分かっていたようにそう呟く……遠隔で権力を持ちだされたら俺に勝ち目は無い。ムカつくが受けたのは俺だ。あーマジで許さねぇ。
「ああ、その通りだ」
「分かりました。行きましょう」
先頭をラピ含むカウンターズへ変更し、追跡を再開した。
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暗くなるにつれ、神経を磨り減らし気配察知に集中する。日が落ちきり辺りが暗くなるが、夜空は嘘のように綺麗に光り輝き、街頭が無くとも戦闘はどうにかなりそうだ。
「今日はここで野営しましょう」
「野営か……このまま進むという選択は無しか?」
「はい。視野の確保も困難な上。指揮官は体力を回復する必要があります」
極度の集中による疲労を見抜かれてるな、気配察知疲れるんだよ……だが、まだどうにかなる。それよりもメスガキへの怒りを早く発散しなくては。
「体力には問題な……?」
ラピが手袋を外し掌を合わせ、指が一本一本艶めかしく絡め取られる。
「んっ……コンディション・イエローと判断します」
「な、なんかラピ……変わったね」
アニスの反応から、指を絡める必要は無かったんじゃないか?と考えそうになるが、指の触れ合いに集中する。
「そう?……倒壊した建物内に入ります。さらに500メートルまでデコイを撒いておきます。4時間くらいは凌げるでしょう」
「うう〜ん、地上での野営は久しぶりね……で?いつまで握ってるの」
「……」
しぶしぶといった様子で指が離れていく。
「わあ、私、野営は初めてです。とりあえず火を起こしましょうか?」
「……火はダメ」
「デコイは私たちが撒いてくるわ」
「いえ、私が行く。あなたたちはここで休んで」
「ミハラ。ユニ、疲れた」
「そう?じゃあ、お願いするわ」
倒壊した建物に入り、壊れかけた椅子に腰掛ける。ラピの帰りを待ち、壁際の死角で煙草に火を付ける。アニスはベッドに座り込み、ユニはミハラの膝を枕にして眠りについた。
「ねえ、ミハラ」
沈黙を嫌うようにアニスが口火を切る。
「何?」
「あなたたち、どういう関係なの?」
「ふふ、どうしてそんなこと聞くの?」
「ユニがあなたに、すごく頼ってるみたいだけど」
「頼る?ユニが?……ふふ、違うわ。お互い、仕方なく一緒にいるだけ。人と人との関係って、よく歯車に例えられるでしょ?……私とユニは、その歯車がすごく歪んでいるの。他の人とは付き合えないわ……その歪みのせいで」
想定外の答えだったのか、アニスが黙り込むもミハラは構わず言葉を紡ぐ。
「でも、その歪んだ歯車が、ぴったりはまる場合もあるの。私とユニのようにね……歪んだ歯車だけど、お互いにぴったりはまる……ふふ、傍から見ると、結構醜い姿かもしれないわ」
「違います。きれいです」
「……ありがとう」
ネオンの微笑みに呆気にとられ数瞬固まったミハラは……ありがとう。と呟き微笑んだ。微笑むミハラは純粋に綺麗だった。
「……歪んだ歯車ねぇ……」
「じゃあ、今度はあなたたちの番よ」
「うん?」
「あなたとラピ、ずいぶん長いこと一緒だったんでしょう?見れば分かるわ……ネオンは、新入りのようだし」
「はい、秘密ですけど、実は私、スパイだったんです。元スパイ!格好良くないですか?」
「へぇ、格好良いわね」
嬉しげに笑うネオンとは対象的にアニスの表情に影が落ちる。
「私たちは……そう。問題児なの、うん。いや……不良品かな?……ごめん、もう寝てもいい?」
一瞬。本当に僅かな時間だったが、アニスの笑顔は何処か痛々しかった。
「ふ〜ん〜卑怯ね」
「大目に見てよ」
「そうね。特別に許してあげるわ」
話が終わり、ラピを出迎える旨伝える。護衛に付いてくると言ってくれたが断った。気配を感じたら直ぐに逃げると伝え一人で煙草をふかす。アニスへのフォローは後で考える事にした。
想像以上に厄介な事に巻き込まれている可能性が高い。俺は俺でやるべき事があるのだが……トーカティブを捕獲しシュエンをお仕置きして、手伝って貰おう。最悪、調教してしまおう……と物騒なことを考えているとラピが戻って来た。
「よッ」
「指揮官。もしかしてお一人ですか?」
「ラピと二人になりたくてな」
「そんな……嬉しいですが、危険です」
一人という状況に、険しくなりかけた表情が笑みで崩れる。
「どうして、デコイを撒きに行ったんだ?」
「私が……私が指揮官の事を一番大切に思っています。だから、綻びを作りたくありません」
「そうか……ありがとな」
ラピの帽子を手に取り感謝を伝える。撫でる手が徐々に下がり頬に差し掛かった。
「んっ……し、指揮官っ」
「じっとしてろ」
従順に瞳を閉じ唇を差し出すラピが……此処が戦場だということを少しの間でも忘れることが出来るよう、重ね合わせる。
「ぁ♥ ……んっ……んんっ……ちゅれ♥ ……んっ……ちゅ♥ ……ぁっ」
「どうする?今夜が来ちまったが……お前は、どうしたい?」
頬を擦る手に身を捩るラピが、言葉をつまらせる。
「……し、指揮官っ……ぁ……だ、ダメです!こ、此処は地上です」
「だから?」
「で、ですから……帰って……から、可愛がって……くださぃ♥」
「ククッ、ほんと可愛いよな、お前」
「―――っぅ、指揮官の……ばか」
「じゃあ、戻って寝るか?」
「ぅぅ……そ、その……もう少しだけ……っ、そ、の……して、ほしぃ♥」
「分かったよ……お姫様」
本当に、この世界はイカれてやがる。こんな可愛らしい子が銃火器を片手に戦場を駆け回る。
「お!?、っあ♥ ……ちゅれりゅ♥ ……んぁ♥ ……ちゅれ、れりゅ♥ ……」
「し、指揮官♥ お辛そう……て、手で」
「地上まで我慢するんだろ?」
「っっぅ――はぃ……んんっ……ちゅぷ♥ ……ちゅ、ちゅ……ちゅっぱ♥」
結局、半刻もの間、唇が離れる事は無く、艶めいた水音を反響させ、ラピの腔内を舌での蹂躙が続いた。
瞳を蕩けさせ腰砕けになったラピを連れ、ベッドに寝かせた後、直ぐに隣の埃っぽいベッドに横になる。視線を感じ辺りを見渡すも、皆の扇状的な格好が目に入り瞳を閉じた。
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俺の目覚めは……重さから始まる決まりでもあるのだろうか?
「ううん……」
「あら……ユニ、起きて。指揮官が窒息死するかもしれないわ」
ミハラの側で寝ていたはずのユニが、身体の上で寝ている。幸い、耐えられない重さではなく、どうにかしようと藻掻くが、ガッチリと身体をロックされ身動きが取れない。
「ううん……ユニ、もうちょっと寝る……指揮官、あったかくて硬くって、気持ちいい……」
た、確かに元気だが……何処がとは言うなよ。
「……これどういう状況?」
「ユニが師匠をベッドの代わりに使っています」
「……起きなさい。出発する」
昨日の蕩け眼が嘘なように理性的なラピが、ユニを剥がそうとしてくれる。
「……うぅん……イヤだ〜〜」
抵抗して更に力を込めるユニに抱き締めッォ!ま、待て、力強ッ!!
「ベアハッグ!」
「すごい技ですね!」
お、お前ら!!怒るぞッ!
「!!ッ、ユ!ユニ!……ご褒美、要らないのか?」
「えっ……いる!欲しい!」
胸板に顔を擦りつけ俺を締め上げていたユニは、ご褒美に反応し顔を上げた。その一瞬で体制を変えユニを膝に乗せることで辛くも窮地を脱出する。
「なら、起きて行くぞ」
膝上で見上げてくるユニの頭を撫でる。頬を撫でると年相応の子供みたいに笑みを零した……そういう所は凄くポイント高い、普通にめっちゃ可愛いな。
「んっ……うん!!」
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どんな世界でも朝日というものは眩しいんだなと現実逃避をしながらユニと手を繋ぎ歩く。まさか、手を繋いで戦場を歩く事になるとは思わなかったが、説得の結果……今は……これで満足してくれているようだ。
「へへ。指揮官、ユニ、もっと強く握ってもいい?」
「潰れない程度にな……」
――――ッテぇ……だが上手いな、傷めないギリギリを責めてくる。
「へへ、指揮官。あったかくて大好き」
「珍しいね。ニケが温度に執着するなんて」
「センサーが誤作動しているの?」
「そういうわけではないわ……感覚が麻痺しているから、でも、なぜか他人と接触した時だけ、感覚を感じるの。理由はわからないけど、それでいつも他の人と接触したくなるの」
「……」
唐突なカミングアウトに思わず皆が黙り込む。
「でも、普通の人には引かれてしまうのに。ふふ、貴方たちの指揮官はちょっと変わってるわ」
「変ではない」
「そう、変な人とは違うわ」
「師匠はいい人ですから」
「……そう」
お前ら、むず痒くなるから止めてくれ。
握り締められた手を強く握り込むとユニの笑顔が輝く……俺に執着する理由……問題が山積みだな。
ユニが満足し手を離して貰ってから早数刻。太陽が天頂に差し掛かった頃、一直線に続いた足跡の追跡が終わりを迎えた。
廃ビルに囲まれた道の先は円形の更地となり……周囲を囲むよう山なりに土が盛り上がっている。何処かコロッセオを思わせる地形に……中心で消えた足跡。
「あそこまで続いているわね」
「……危険な地形よ」
誰がどう見ても誘い込まれたとしか思えない地形に、冷や汗が背中に流れる。
「全隊止まれ。壁に背を付けるな、奇襲に備え、周囲のビルを警戒しろ」
更地に入る道はここから見える限り一本道。中心地で突如無くなった痕跡。此処はもう腹の中という事だ。
「フォーメーションHO。指揮官は私の側に」
「任せて指揮官様!」
不気味な程に静かな空間。円形に広がった更地にラプチャーが全く存在しない……ラプチャーがまさか、止め足……を使うだと?……明らかな知性の証明。それもこの地形……悪意が渦巻いて見えそうだ。
「此処までの足跡に大きな変化はあったか?」
「いえ、大した違いは見受けられませんでした。誤差の範囲内です」
……そして、頭も悪くない。何処で跳躍しても良いよう、常に体重を分散させたのか。
「クリア!指揮官様、目視出来る範囲にラプチャーはいないわ!」
俺の気配察知にも反応は無い。考え過ぎなら、それでいいが。
「指揮官、罠だったの?」
「その可能性が高い……少し待て」
撤退する選択肢は罠と判明した瞬間に消えた。俺なら逃げた先にもっと凶悪なのを仕掛ける。通って来た道は瓦礫に囲まれ遮蔽物が大量にあった。隠れる場所が多数ありラプチャーとは戦い安かったが……相手に知能がある以上、最適な奇襲場所へと変化する。……クソッ、俺は馬鹿かッ!相手に知能がある可能性は考慮していたが、見くびり過ぎた。
「このまま、進む。罠に飛び込む形となるが幸い見晴らしは良い、遮蔽物もある……先頭は俺とラピ。左翼にネオン、右翼へアニス。後方をミハラとユニに頼みたい」
「理由を聞いてもいいかしら?」
「簡潔に話す。ミハラの能力を当てにしている。ユニは――」
「指揮官!ユニにも能力あるの」
何となくそんな気はしていたが、有り難い。
「ふふ、ユニは相手の特定の感覚を無効に出来るわ。例えば視覚とか」
「うん!バキューン!って撃って切れる!」
ユニの指先にミハラと同様、青い光りが集まる。
「そうか、話してくれてありがとうな……頼りにしてるぞ」
「うん!」
「カウンターズ!質問はあるか?意見は無しだ……」
三人が無言で頷き、各々の武器を構える。
「ミハラとユニを信じる。周囲を警戒しつつ……行くぞ」
更地に脚を踏み入れた瞬間。全身が凍りつくような、痛烈な悪意が浴びせられた。
『ミツケタ』
「散れッッ!!!」
声を張り上げた俺に……影が落ちる。振りかぶられた……拳!!明らかに俺のみを狙った強襲。世界が色を失い……時の流れが緩やかになる。
いなす、無理。躱す、不可能。脚を犠牲に受け流す、可能。瞬時に脚を切り捨てる覚悟を決めた俺の身体を……想定の範囲外から衝撃が襲った。
「指揮官!!」
「!!ッッ、ラピッッ!!」
衝撃を殺し空中で反転、地面へと着地する。俺を庇ったラピが宙を舞い、瓦礫へ吹き飛ぶ。
「このっ!!」
「火力!!」
ショットガンが火を吹き、ロケットランチャーが直撃するも、ダメージを負った気配が無い。
『喚くな、自分の前にいるのはダレカ、思い出すンダ』
俺だけを見据え言葉を紡ぐ人型を模したラプチャー……極端に発達した両腕が特徴的であり、二足歩行。コイツがトーカティブ……気配がデカすぎるのが見落とした原因かッ!!逡巡の間にミハラから青い光が放たれ、それと同時にミハラは自身の腹部を抉った。
『ガハッ……!』
「ユニ!」
「うん、切るね。バキューン!」
『目ガ……?視覚を遮断シタのカ!』
「こんなの簡単よ。さぁ、捕獲する時間よ」
時間は稼げるはずだと、ラピの安否を確認するため脚を動かし……トーカティブの重く耳障りな声と、その意味に脚が止まる。
『感覚交換カ』
鈍い音と共に、トーカティブが自身の腕を引きちぎった。
「……っ……!」
乱暴に自身の体を引きちぎり、撒き散らす。
『フハハハハァ!!愉快ダナ!!自分ノ体を抉る楽しみヲ味ワえるとハ!!グハハッ!!』
「ミハラ!!切れ!!」
蹲るミハラに声は届かず、身体を抱きしめ座り込む。
「うっ……!グゥッ……!」
『サァ、耐えてミロ!八つ裂きにサレル苦痛に!!ドコまで耐えラレルか見セテみろ!!人間モドキッ!!』
許容範囲をはるかに超えた苦痛により、ミハラは地面に倒れ体をくねらせ、動きが止まった。
「ミ、ミハラ!こいつ!!―――っ!!」
ミハラの形相に呆気に取られていたユニが武器を向け……振り回された尻尾に打ち付けられ、地面に沈む。
『視野ヲ遮断したナラ、まず立ってイル位置を変えるノガ基本ダ。よく覚えてオケ、人間モドキ』
一瞬にしてワードレスを無力化したトーカティブの身体が……メキメキと音をたて、修復していく。
「じ、自己修復!?ラプチャーにそんな機能が……!」
『人間。共に行こう。大人しく付いてくるなら、危害は加えない』
……もはや、勝ち筋は途絶えた。頼みの綱であったワードレスは倒れ、最高戦力のラピは俺を庇い安否不明。
「……仲間に手を出さないと約束してくれるか?」
「指揮官様!!」
「師匠!!」
『イイだろう』
最悪な状況。……しかし、幸いなことにトーカティブは、俺を所望している。最悪なのは全滅すること。それに、お前らが死ぬの……見たくねぇわ。
アニスとネオンへ目配せし、笑いかける俺の眼前に……ラピが立ち塞がった。
「それは許さない」
『ン?モウ起きたノカ?人間モドキが?……ふはは、そうか……フェアリーテールモデル。レッドフード!か』
「……黙れ」
『フハハハ!!今日ハ本当に運がイイな!!』
「……指揮官。私が時間を稼ぎます。その間に脱出を!」
「ラピ、逃げろ」
勝てない。そもそものスペックが違いすぎる。ラピでさえ逃げるので精一杯なことが……分かってるから、そんな事言うんだろ?……それにな……。
「指揮官っ!!聞けません!貴方をっ、貴方を失いたくないっ!!」
「惚れた女の前でくらい、格好付けさせろ……な」
無表情で、むっつりスケベで、愛らしい……ラピ。そんな顔するな。そんな悲痛な顔も出来るんだな……と思わず笑みが溢れ、ラピの側を――
「ぇ……」
――通り抜けた。
『グハハッ見上ゲタモノだ!人間!!』
トーカティブへ微笑みかけ、両手をゆっくりと上にあげる。視界の隅で尾が動くのが見える。
「さぁ、何処にでも連れ――」
ゆるりと振るわれた尾に打ち据えられ、身体が宙を舞う。コレは通過儀礼。従順なのかを図るテスト……俺が避けられる速度で振るわれた悪意。
「!!ッッ……がはっ……ッう、お、いおい、乱暴に、するな、よ」
――――ッ、脚が……折れた……受け身を取るも、衝撃を殺しきれず呻いた俺の眼前に……再度、ラピが立ち塞がる。
やめろ。
「アニス!!ネオン!!ごめん!命をかけてっ!!」
やめろ!
「……くそっ」
「……はい」
アニスとネオンも……ラピの隣を陣取り……背中で覚悟が伝わる。
巫山戯るなッ!!
「カウンターズへ命ずる!ワードレスを連れ全力で逃げ――」
「っ!指揮官!!!」
指揮官の命令は絶対服従……逃げろという命令を下す刹那、命令に逆らうようにラピが声を張り上げ――――
「素晴らしい」
――――白銀が舞い降りた。
地面を揺らす振動と、鼓膜を破りかねない轟音が鳴り響き……トーカティブの体に……巨大な穴が開いた。
『グガッ!!』
「……対、艦……ライフル?」
「ここは任せろ」
迷いを感じさせない強い声が雑音無く聞こえ……白銀が引き金を引き絞る。轟音が鳴る度、トーカティブの体が削れていく。
『クッッ……!巡礼者ァ……!!』
「失せろ、異端め」
『……修復機能ガ間に合わナイ……!クッ』
白銀の力は圧倒的で、トーカティブはあっという間に逃亡した。
「お前たちは帰れ」
声を掛ける間もなく、凛とした声が響き……周辺の砂が舞い、瞬きの間に――白銀は姿を消した。
「……何これ」
取り敢えず……助かったんだよ、アニス。
「アニス!ネオン!ワードレスと指揮官を連れて安全地帯へ!急いで!!」
「え?ああ……!うん!分かった!」
「はい!」
難産でした。えろが……遠い!!
特殊個体トーカティブ撃破ァアア!!!
今後の方針について※アンケート結果が反映されるとは限りません
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シュエンのえろを増やすんだ
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シュエンは当分お腹いっぱい