性技の指揮官:ORE NIKKEがえちえちで困る 作:もみにい
誤字報告ありがとうございます!凄く助かります!!
いつか全部見直します。
……い、一話を改良したの報告するの忘れてました。すいません!
前の一話は読み辛過ぎた……。
風に靡く髪を押さえ、ネオンが悠然と呟く。
「ああ……建物まで壊してしまうなんて」
研究施設は要塞化しており、建物自体がラプチャーと化していた。ルドミラの提案により外部フレームのジョイントを破壊することに決めた俺達は、二手に分かれ左右のジョイントを破壊。動きが止まった所に、一斉掃射をコアにお見舞いし、誰一人欠ける事無く余裕を持って勝利することが出来た。
「私の火力はもう極限に達してしまったようです」
事前に触れ合い、火力を大幅にあげたネオンは獅子奮迅の活躍を見せたが、一種の燃え尽き症候群に罹ってしまったようだ。尚、触れ合いと言っても恥ずかしがるネオンを抱き締めただけだ。微笑ましい目で見られて、俺も少し恥ずかしかった。
ルドミラにはさり気なさを装い、頬に触れてみたりしたが……やはり効果はあった。好意を向けられている可能性は低い為……別の可能性が浮上した形となったが……。
「師匠。私はもう下山します。これ以上、目指す境地がありません」
「この子、なに言ってるの?」
完全にやりきって、灰になろうとするネオンをアニスが半眼で突っ込んだ。
「じゃあ、次の目標はアークの防護壁だな」
ラプチャーに破られた事のないアークの防護壁は鉄壁の守りを誇っている。ソレを壊せるようになれば、火力の極地と言っても過言では無い。
「!!さすが師匠です!更に高い目標をもう決めてくださるなんて!自信過剰でした!これからも、もっと頑張ります!」
ネオンのテンションにあわせ曇ったり輝いたりする眼鏡……本当に伝説の武器だったりしないか?マジでビームが出ても驚かない自信がある。
「ああ、期待してる」
「はい!!皆を呼んできますね!!」
大きな返事を返したネオンはパンツを丸出しにしながら走り去り、アニスは崩れた残骸を脚で突いて確認した。
「……また、動いたりしないよね、これ?」
「ア、アニスッ!」
「!?ひぇっ……えっ―――」
びくっと反応したアニスが可愛らしく、笑っていると―――抱き締められ……腕に徐々に力が籠もっていく。
「しぃ〜きぃ〜官〜様ぁあ!」
―――ま、待ってッ……マ、ジッで折れッッ。ふ、ふざけんな!俺は勝つぞッ!!
「ちょっとくらい罰を、!?っあんっ♥ ……ちょ、んぅ♥ し、しきかっ……ひぁん♥ ……ぅぅぅ♥」
感度の良いお肉を刺激され、腰が砕けたアニスから抜け出しほっと一息ついた。
「ネオンが居なくて良かったな」
「んんぅ、ょ、ょくにゃぃ♥」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
全員が合流し、火照った頬を冷ましているアニスに睨まれながら、俺は涼しい顔でルドミラに訪ねた。
「動いたりしないよな」
「多分……内部が無事かどうかが気になるけど……」
警戒を緩めたルドミラが残骸に触れ……そう判断した。
「し、侵入してみるしか、無いんじゃないかしら?」
「……そ、そうね、少なくとも、記録だけは無事だといいんだけど」
薄っすらと頬を染めたアニスの違和感に、ルドミラが目を見開いた気がした。……多分気の所為だ。
「女王様!もう私たちの家を取り戻したんですか?」
「そうよ、アリス。しもべとその仲間たちの力のおかげってところね……私が呼んだ、しもべとその仲間たちのおかげよ」
「わぁー!女王様、最高です!」
ルドミラも可愛いとこがあるな。アリスに褒められて嬉しそうにしている所とか、褒めて欲しいのか知らないが誇張表現する所とか……。本人に言ったら殴られそうだから言わないが。
「指揮官。侵入の許可を」
ラピの言う通りこの場に留まっても意味がない。さっさと進もう。
「ああ、行こう」
「ラジャー」
研究基地に脚を踏み入れて直ぐ、ルドミラが腕を水平にあげ、俺達は脚を止めた。、隣のラピが俺の前に陣取り、機械音が響きだす。
「ん!?……これは、困ったわね」
呟きに合わせ照明が点き、部屋を明るく照らす。重厚な扉の左右に小銃が展開され、此方に照準を合わせた。
「!?何が起きているの」
俺を背に庇ったラピが銃器を構え、警戒を顕にする。
「大丈夫、撃っては来ないはず……セキュリティーが生きているわね。侵入できない」
「え〜?なんで?」
撃ってこないと分かったアニスが警戒を解き、不満を顕にする。
「それは、分からないわ……カードキーがあれば侵入できるけど、脱出で忙しかったから、持ってこれなかったのよ」
「心配しないでください。こんな薄っぺらい扉なんて、私の火力で吹っ飛ばしてみせます」
自信満々なネオンが歩を進め、火器を構えようとしてルドミラに止められた。
「やめましょう。厚さが四十センチ以上もある合金鉄板なのよ。個人火器で突破できるようなレベルじゃないわ」
「……なんと、極限に達したと思ってましたが、ただの自信過剰だったみたいです……」
ピッチリスーツの大柄なオッサンという嫌な記憶が蘇るが……背に腹は変えられん。……ん?ピッチリスーツ……アリスのスーツもピッチリだ―――アイツの趣味かッッ!!やっぱりアイツは処理する必要がある……シュエンと協力すればどうにかなるか?
……い、今は忘れよう、帰ってからだ。
「―――カードキー……これで行けるか?」
冷静さを取り戻した俺は、しまっておいたカードキーをルドミラに見せた。
「……ん?」
「え……でもそれ……」
カードキーを見詰めるルドミラは徐々に笑みを深め、対象的にアニスは嫌がった。……アニス、そんなに期待するな、大丈夫―――道連れだ。
「指揮官様が……凄く良い笑顔してる。嫌な予感がするわ」
「『みんな』で躍るぞッ」
しっかりと強調された『みんな』というセリフに、三人の表情が固まった。
「ラピ、アニス……私、変です」
「何が」
「何?」
「恥ずかしいです」
「それは……私も」
「……私も」
ネオン。お前だけは、必ず道連れにすると決めていた。だってお前だけノリノリだっただろ?反省しても駄目だよ?。恥ずかしがる姿が可愛いから許されると思ったら大間違いだ。
「は、恥ずかしいですっ、アニス!ラピ!これすっごく恥ずかしいです!」
「し、指揮官様……そ、その私たちも踊らなきゃダメ……だよね〜」
「……羞恥心を捨てれば……そんなの、無理っ」
恥ずかしがる三人を眺めながら、俺も身体を動かしていく。三者三様の良さがあり、自分が阿呆みたいな踊りを踊っている事実が無ければ、美味い酒でも飲めそうだ……これ女が躍る前提のダンスだろ。
「あ!!それは勝利の舞いですか?女神に捧げるという?……私もやリます!女王様も一緒にやりましょう!」
「……そ、そうね、そうしましょう」
徐々にテンションは上がり、五人の美女に囲まれ躍る高揚感が俺を包み込む。
「アニス、キレが……キレが足りんぞッ!もっと自信を持てッ!身体を揺らせッ!!」
「えっ、ぃゃ……指揮官様っ、恥ずかしいって」
たわわをもっと揺らさねぇかッ!お前のたわわは揺らすためにあるんだよッ!!
「ネオン……何を恥ずかしがってんだッ!俺だって恥ずかしいんだッ!踊りも火力だ!曝け出せッ!」
「お、踊りも火力!!……絶対嘘ですよぅ〜!」
頬を染めながら、ひらひらと揺れる短いスカートから覗く布が素晴らしい!
「ラピッ!動きが小さいッ!!こうだッ!もっとこうダイナミックに動けッ!!」
「で、ですが指揮官っ、そんなに脚を上げると……」
最近、羞恥心が芽生えて来たらしい。よく服の裾を握っている姿を目にする……最高に可愛い。
「やれッ!!」
「はぃ!」
ふぅ―――非常に眼福である。
「ウサギさん!私は、私はどうですか〜!ちゃんとできてますか〜!」
「完璧だッ!みんなアリスを見習えッ!!」
可愛いは正義だ。多少えちえちなのは見逃してやるッ!!
「わぁ〜い!女王様も見習ってくださいね〜!」
「わ、私にはこの踊りはちょっと、ほ、ほら……スカートだから」
「ルドミラァ!!もっと大胆にッ!恥ずかしくねぇ!ダンスだ!芸術だッ!俺だって脚折れてるんだよッ、頑張れよッ!!」
タイトスカートを選んだのはお前だろ?ヤるって言ったんだッ!ちゃんとヤらねぇとなッ!!
……ああ、白が眩しいぜ。
「「「「はぁ……ふぅ、ふぅ……んっ」」」」
へたり込む四人の側でアリスとハイタッチし、労いを込めてわしゃわしゃと髪を撫でる。
「凄い勝利の舞いでした!わぁ〜〜、もっと撫でてくださ〜い!」
少しパッションが漏れてしまった。事後のように身体をくねらせ横たわる四人の色気に当てられそうだ。アリスもぴょんぴょんと跳ねるな……色々と跳ねるから止めて欲しい……少し冷静になったが―――こ、これがカードキーの力か……危ない所だった。呑み込まれないようにしなければ。
「す、すごい踊りだったわ……あなたたちも大変ね」
「ふぅぅ、普段は格好いいんだけど……ちょっとえっちなのよね」
「こ、これで火力が上がりましたか〜、恥ずかしくて死にそうです」
「……ふーっ♥ 悪くないかも」
「「ラピ!?」」
「ウサギさん!ウサギさん!どうでした!上手にできていましたか!?」
「ああ、アリスがナンバーワンだ!」
「うわぁ〜〜!女王様褒められました!私が一番だって褒められました〜!」
「よ、良かったわね……アリス」
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四人の火照りが冷めるまで休息し、冷静さを取り戻した俺達は、ルドミラの案内に従い研究基地を移動していた。内部にラプチャーがいる可能性も考慮し、時間をかけ目的地までの安全を確保していったが……結局ラプチャーが現れる事は無かった。
「幸い、こっちにはあまり手を出していないみたいね。あっちの端末を調査するといいわ。私が後ろで、資料の経路を教えてあげる」
「なんで?罠でも仕掛けてるの?」
ルドミラの発言に対しアニスが疑問を吐露し、鋭い瞳が向けられた。
「どういう意味だ?」
「なんで自分でやらずに、私たちにやらせるかってことよ」
怯むこと無く告げられた言葉に対し、剣呑な雰囲気は消え去り、ルドミラは手袋を外し俺達に向き直る。
「ああ、そういうことね。見せてあげるわ、その理由を」
横にあった小さな端末をルドミラが触った瞬間……端末は黒い煙を上げて機能を停止した。……俺の端末を壊した犯人は見つかったようだ。
「……超能力?」
「まあ、こういうことよ。なぜか私が触る機械は全部故障してしまうの」
再び手袋を嵌め直したルドミラを尻目に、アリスがぴょこぴょこと跳ねてアピールしていた。だから……跳ねるなッ、二人……三人の視線が痛い。
「だから家にある機械は全部、私がコントロールするんです!」
「な、なんで」
アニスの疑問も最もだろう。極端に特化した能力……もしかしたらラプチャーにも通用し得る可能性がある。
「私にも分からないわ。まあ、どうやら私は、壊れているものしか触れないみたいなの」
その言葉は誰に向けられた物なのか、たしかにニケも……機械だ。もしや、ルドミラは触れ合った事が無いのか?
「ルドミラ……手を貸せ」
「どうして?」
「良いから貸せ」
腑に落ちない顔で差し出された手を取り……手袋を外す。しっかりと握り締め、指同士で体温を交じりあわせる。
「俺は壊れているか?これから壊れるか?……壊れねぇだろ。あんまり気にすんな。俺の端末を壊した事も気にしてねぇよ」
「……気にしてるじゃない。馬鹿なしもべね。いいわ、このままこっちに来なさい」
手を絡めたまま、笑みを零したルドミラに連れられ、端末の前に座らされた。どうやら俺に端末を操作しろという事らしい。
「パスワードが、かかってんぞ」
「パスワードはWonderLand。大文字と小文字に気をつけて入力して頂戴」
ワンダーランドね。アリス大好きかよ。
「さあ、次はあのフォルダよ」
どれだよ。
「それから、そのファイルを開けて……」
……。
「違う、そのファイルじゃないわ。それはゲームよ。DigitalCopって知ってる?古いけど名作なの」
「ルドミラ……あのとかそのじゃ分からねぇよ。因みにそのゲームは知らねぇ」
「ふふっ……もう、仕方ないわね」
柔らかな塊が押し付けられ、マウスを握る手をルドミラが包み込む。俺の手だけに触れるよう注意しながら動かされた手に、目的のファイルへ誘導された。
「これを開けて、パスワードは」
密着し過ぎて話が入ってこないんだが……柔らかな膨らみと熱っぽい息遣い……花のような良い匂いもする。
「SuperUltraNikkeよ。ふぅー……聞いてる?」
「―――近いッ……当たってるんだが?」
「ふふっ、当ててるのよ。可愛いしもべね」
なんで手球に取られてんだよ。クソッ、可愛いじゃねぇか。
「ラピ」
「何、アニス」
「殴っていいかな」
「……やめておこう」
不穏な会話を耳に入れながら、パスワードを打ち込み画像ファイルを読み込んだ。
「その画像をスクリーンに出力させて……北部の全体地図よ。そして画面に表示されているのは巡礼者、つまりピルグリムを目撃したところ」
椅子ごとスクリーンに身体を向け、引っ付いたルドミラも同じように移動する。
「目撃したことがあるの?」
少しばかり不機嫌そうなラピがルドミラに訪ね。俺の耳を澄んだ声が擽った。
「遠くからね。実際会ったことはないわ。それから、今画面に表示されているのが、巡礼者が出没する時期よ」
「……パトロール」
「そう。巡礼者は北部で何かを捜しているみたい。一定した周期で動いているのよ。そしてちょうど、このポイントに現れる時期が近いわね。運が良ければ会えるわ。コードネームは『スノーホワイト』」
スノーホワイト……白銀のニケ。雪の様に白い……白雪か。名は体を表すとは言うが、まんまか。
「それで、何時まで指揮官様に引っ付いてるつもり?」
「あら、嫉妬?しもべは嬉しそうよ」
煽んな。面白がってるだけだろがッ。
「ルドミラ……離れてくれ」
「……あら、残念。振られちゃったわね」
「指揮官。休息を取ってから、すぐに出発しましょう」
「ならついて来い。ここは天井に穴が開いているから、休息には向いてないわね」
ルドミラに連れられ、一室に案内された。普段は掃除が行き届いているであろう部屋は、戦闘の余波で散乱してはいたが埃は被っておらず、休息を取るのには十分だった。
「ルドミラはピルグリムを追跡しているように見えたが、どうしてだ?」
あれだけの詳細な情報を入手するため、どれ程の年月を割いたのか……ルドミラが、いや、アンリミテッドが本来の任務に加え、そこまでする必要があるのか。
「ふぅん、それが気になるのね」
「無理にとは言わねぇが、教えてくれたら嬉しいな」
「……理由は二つよ。恥ずかしかったから。そして、やるべきことだと思ったから」
「チッ、曖昧な事言いやがって」
「ふふっ、詳しいことはしもべが私ともっと親しくなってから、教えてあげるわ」
「そうか、頑張らねぇとな」
「ふふ、そうね。頑張りなさい……アリス」
「はい、女王様!」
「しもべの隣にいてあげなさい」
「あ、温かくしてあげましょうか?」
「そう」
アリスはぴょんぴょんと跳ねるように近づき、スペースを作るため詰めた俺に覆い被さってきた。
「アリス?……まぁ、いいわ、その方が暖かいでしょう」
「おい、アリス……ああ、もういいよ。そんな顔するな」
「えへへ〜、ウサギさん。重たくないですか?」
「ああ、問題ない。むしろアリスは軽いな」
柔らかな肢体を満遍なく押し付けられ、多幸感に包まれる俺を余所に、指示を出したルドミラに対し、ラピが疑問を投げかけた。
「……発熱スーツ?」
「いや、冷却スーツなのよ。アリスの体温は異常に高くてね。あのスーツで体温を抑えているのよ。疲れすぎると眠れないから。そんな時は、アリスの体温がとても役に立つの」
「えへへ、ウサギさん。温かいですか?」
覗き込まれる顔には優しい笑顔が浮かび……徐々に、瞼が重たくなっていく。二つの柔らかな膨らみに顔を埋められ、体温と鼓動が安らぎを生む……少女の体温はとても心地が良く。
「おやすみなさい。私が側にいます」
耳元で囁かれた言葉は慈愛に溢れ、心地よい温もりに抗えず、全身が溶けるように重くなっていく。
「……おやすみ」
ルドミラの言葉を最後に……意識が途切れた。
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柔らかな感触が顔を包み込み、思わず手を伸ばし柔らかな膨らみに指が沈んだ。本能の赴くままに揉み込み、掌全体で膨らみを堪能する。
「……んぅ、んっ、ぁ♥ ……」
何かに覆われているような手触り……感触は少し芯が残ったような、張りの有る柔らかさをしていた。
「……ぁぅ……んんっ、あはぁ♥」
喘ぎ声が聞こえ、急速に意識が覚醒する。瞳を開け顔を上げると、アリスの顔が近くにあった。
「ア、アリス?」
「……んぅぅ、ウサギしゃん、しょ、しょんなに人参は食べれましぇんよぅ〜……むにゅむにゅ」
人参……隠喩か?―――取り敢えず自身の身体を確認したが、下は履いている。上は……肌着は着ている―――良かった。セ、セーフッッ!手を出していないようで安心した。
「……それにしても、暖かい子だな。持って帰りたい」
「ダメよ。お触りは許したけれど……アリスはあげないわ」
お触りという言葉に固まった俺は、首をずらし声がした方向を見詰める……月明かりが差し込む窓際に座ったルドミラが、静かに俺を見つめていた。
「ルドミラ……他の仲間はどうした?」
「ん?……警戒してるの?」
「いや、純粋な疑問だ。ネオンはともかくアニスや……特にラピが許す訳ないと思ってな」
「ふふっ、無理を言って許可を取り付けたのよ……しもべ、あなたには不思議な力が有るわね」
「!?」
ラピやアニスが話すとは思えない……ルドミラの上昇率は些細な物だった。アリスの能力上昇を勘付かれたか!?
「ふふふっ、その反応。図星ね」
―――これは嵌められたのか。だが上機嫌なルドミラは敵には見えない……思いたくないという願望もあるが。
「女王様は、随分と人が悪いんだな」
「人……ね。あなたはニケを人と言うのね……どうして?自分よりも力のある物が怖くはないの?」
ゆっくりと距離を詰めたルドミラは、ベッドに俺を押し倒し、視線が絡まった。
「それとも―――指揮官ゆえの傲慢?」
長い髪が顔に触れ、こそばゆくも甘い香りに包まれる。
「怖い?……なんで怖がる必要がある……こんなに可愛いんだ。怖がる暇があるなら、この子が笑顔になれるよう尽力するさ」
アリスの頬を撫で、身じろぎする様は小動物の様に愛らしい。
「確かに、アリスは可愛いわ。無知で無害……誰にだって優しくて素直な良い子……でも、アリスみたいなニケは少数よ」
「傲慢だと言ったな……その通り―――俺は傲慢だ」
ルドミラの頬に手を当て、頬を撫でる。
「俺から見れば、お前も可愛い女だ」
「!?か、可愛い……私がっ?しもべの癖に生意気ね」
「ククッ、そうやって動揺するとこが、可愛いって言ってんだ。俺に抱きついた時、耳が赤かったぞ」
「!?―――っ、うそよ」
「嘘だよ」
本当は耳なんて見えていない……間抜けは見つかったがな。
「……くっ」
ベッドから降りたルドミラは窓を開け、火照った頬を冷ますように冷気を浴びた。身を突き刺すような冷気が入り込み、思わず声が漏れる。
「寒っ……」
「ああ、ごめんなさい。人間には寒かったわね」
表情を曇らせ、窓を閉めようとするルドミラの隣に移動し手を止めた。
「いや、そのままでいい。煙草を吸いたい」
懐から取り出した煙草を咥え、火を付ける直前―――ジッポが奪われた。
「そう……ほら、貸しなさい。付けてあげるわ」
火が付いたジッポが近づけられ、俺も口に咥えた煙草を近づける。
「……フーーッ、まさか女王様がこんな事してくれるとはな……意外だったよ」
「勘違いしないことね。これはしもべに対する褒美よ。家を取り戻してくれたことのね」
「それなら、頑張ったかいがあったな」
紫煙が舞い上がり、距離を詰めたルドミラが伺うように俺を見上げた。月明かりに照らされ、金色の髪がキラキラと輝きを帯び……まるで魅了されたように視線が吸い込まれた。
「ねえ、一本……頂戴」
「ん?……吸うのか」
「吸わないわ……初めてよ。しもべが美味しそうに吸うから、少し興味が出たの」
懐から煙草を取り出し、ルドミラに手渡す。眺めていたルドミラに対し指で口に咥えるように指示を出し、火種を返すよう要求した。
「ほら、点けてやるから返せよ」
「……そこに、火種があるじゃない……それで―――それがいいわ」
俺が咥えた煙草の火を指差し、大きな瞳がジッと見つめてくる。
「口に咥えろ。吸わねぇと火が点かねぇぞ」
唇に煙草を咥えたルドミラの顔がゆっくりと近づき……ゆらゆらと煙草が揺れる。
「あっ、ちょ……ちょっと、ジッとしてなさいよ」
「わーったよ、お前が動くな」
慣れない癖にシガーキスなんて要求するからだ。意外と難しいんだよ、これ。
「文句言うなよ」
ルドミラの腰を抱き、見開かれた瞳をジッと見つめ、煙草は交わり―――火は溶けるように移り二人を繋げた。
「ぇ……ちょ……んっ……すぅっ!!?げほっ!!、ごほっ!―――げほっ、ぅえっ」
盛大に
「ククッハハッ………まぁ、そうなるよな」
「ぇほっ……不味っ……よ、良くこんな物を吸えるわね」
「慣れだな……慣れれば旨く感じるんだ。珈琲みたいなもんだ」
「―――ぜ、全然……違うっ」
吸いきった煙草の火を消し、ルドミラが咥えていた煙草を咥える。
「それっ―――もういいわよ。二度と吸わないわ」
目を拭い、立ち上がったルドミラは再度俺の隣に陣取り……月明かりが二人を照らしていた。
「それがいい。吸わないなら、吸わない方が良いに決まってるからな」
「ねえしもべ……言いたくないなら言わなくてもいいわ……どうして、どうして命を賭けるの」
「……命を賭ける、か」
そんなのは決まっている……。
「あなたはまだ新兵だと聞いたわ。やってる事がちぐはぐよ。新兵にさせる任務ではないわ。しかもたったの一分隊……彼女達は確かに強いわ。でも所詮は三人……命を大切にしなさい」
「命を大切にする為に―――命を賭けるんだ。矛盾してると思うか?」
吸い殻を懐にしまい込み、ルドミラに顔を向けた瞬間―――頬に手が当てられ唇が重なった。
「っ――――はぁ……煙草ってこんな味なのね……矛盾してるとは思わない。でもこうすれば、しもべにとっての『大切』が増えるんじゃない?」
触れるだけのキスで、してやったという顔をされるのは―――少しばかり心外だがな。
「お前も意外と傲慢だよな……ちゃんと味わえよ」
「―――あっ……んんぅぅ」
細い腰を引き寄せ、顎に手を当て唇を重ねる。固く閉ざされた唇を抉じ開け……舌を絡め取り、煙草の味が分かるよう唾液を流し込む。
「んぅ♥ ……んぁ……んんぅぅ♥ ちゅぅ、ぢゅ……こくんっ♥」
大きな瞳を
「んっ……はぁん♥ ……ちゅぅ、れろっ♥ ……んんっ、んくっ、こくっ♥ ……はぁ、はぁぁ♥ ……」
「煙草の味は、どうだった?」
「んぅ……ほ、本当に……馬鹿な男……ね……わ、悪くなかったわ」
「ククッ、女王様にそう言われたなら、煙草も満足だろうな」
どうせ煙草の味なんて分かってる訳ねぇがな。
「……くっ、分かってる癖に……本当に生意気なしもべね」
「そうか?なら、もう一回しておくか」
「なっ―――っぅ♥ ……んっ……んんっ」
「ほら、お前から舌絡めろ。さっき教えてやっただろ?」
「―――くっ……ちゅ♥ ちゅぷっ、はぷっ……れりゅ、ぢゅるっ……れるっ♥」
舌同士の交わりは長く続き……頬を染めたルドミラは肩により掛かり、体重を少しだけ預けてきた。その姿が美しくもあるが―――少しだけ儚く見えた。彼女が何を思ってこんな事をしたのかは分からない……分からないが、ルドミラという女が抱えている重りを少しでも軽く出来るなら、それだけで良かった。
「ねえ、しもべ……いや、何でも無いわ」
「……そうか」
「そうよ……それじゃあ、私も休むわ。くれぐれもアリスに手を出さないでよね……ラピとアニスみたいに」
「……な、何のことだ?」
「誤魔化そうとする所は減点ね。見れば分かるわよ。ニケになっても女を捨てたつもりは無いわ」
「俺からは手を出さないように気をつける……けどよ、ちゃんと性教育くらいしておけ」
「……アリスにだって分別はあるわ。興味だけで行動してると思ったら、痛い目を見るわよ」
「あ?どういうことだ」
「自分で考えなさい……明日は早いわよ、しもべ。……おやすみ♥」
「なんだってんだよ……ッゥ寒ッ、俺も寝るか」
ベッドではアリスが親指を口に入れ、身を縮めて眠っていた。隣に寝転び毛布をかけ頭を撫でていると……手がさわさわと俺を捜すように身体を撫で、ふわりと抱きついて来た。
「んんぅ……むにゃぁ、うしゃぎさぁん、ここれすかぁ〜〜……んぅぅ」
「お姫様は随分と人懐っこいんだな、えっちな身体しやがって。悪い大人に食べられちまうぞ?」
掌に余る程の胸を押し付けられ、にへにへと笑顔を浮かべるアリスがどんな夢を見ているのか……少なくとも、幸せな夢を見ている事だけは分かった。
「んにゅぅ……うしゃぎしゃぁん……らいしゅきでぅぅ……」
小さな手を絡め……確かに人よりも体温が高い事を実感する。一度手を離しアリスを抱き枕にして再度指を絡めた。蕩けるような暖かさに身を委ねると……直ぐに眠気が襲ってきた。
「俺も、アリスが大好きだよ」
「ぅへへ……ぅしゃぎ、しゃぁん……」
小さな寝言を聞きながら……深い眠りに誘われた。
ネオン「解せぬ」