※この作品はR-18です。

性技の指揮官:ORE NIKKEがえちえちで困る   作:もみにい

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28 ☆ アニス

 掴むはずだった手の中には、何もなく―――

 

 ただ、必死に追いかけ……声を張り上げる。

 

「――――ッッ!!!」

 

 張り上げたはずの声は……音とならず、彼女は暗闇に覆われていく。

 

「――――!!!!」

 

 闇に飲まれながら振り返った彼女は―――

 

 

 涙を零していた。

 

 

 純白の少女は、俺に背を向け―――彼女に銃を―――突きつけた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「……見たこと無い天井だ」

 

 白い天井に白いカーテン……日差しが差し込む暖かな部屋……ここは、病院なのか。

 

 身体は動く……全身の筋肉が痛むが―――それでも、生きている。

 

「ん?……煙草……アイツら、分かってんな」

 

 備え付けられた机には煙草と火種……それと灰皿が鎮座していた。怠い身体を動かし窓を開け―――暖かな風が室内に入り込み、アークに帰って来たことを俺は悟った。

 

「寒くないってのは、良いもんだ」

 

 ルドミラ、アリス、そして―――スノーホワイト。ちゃんと礼を言わないと……そんな事を考えながら煙草に火を付け、紫煙を吐き出した。

 

「あ゛あ゛〜、美味い」

 

 疲れた身体に染み渡り、思わず笑みが溢れる。窓から見える景色は……実に平和な物だ。走り回る子供、散歩する老人……そんな景色を眺めながら煙草を吸い終わり、部屋の扉が開く音が聞こえた。

 

「―――ぁ」

 

 灰皿に煙草を押し付け、振り返り―――

 

「……ぁ―――し、しきかんさまぁああ!!」

 

 手に持った荷物を落としたアニスが、勢いよく胸に飛び込んできた。

 

「アニ、ぐふッ!ッ―――危ねッ……」

 

 咄嗟に抱きとめ、衝撃で身体が滑る。叱ろうとした言葉は、涙を見て途中で止まった。

 

「……ありがとな。アニス、お前が無事で良かった」

 

「ぅ、ぅぅ……ぅんっ……よかっ、たぁ。目がさめてっ……しきかんさまぁ……よかったぁあ!」

 

 泣きじゃくるアニスを―――優しく撫で続けた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 俺が意識を失ってから、既に三日が経っているらしい。

 

 あの後、ルドミラが手配した輸送機に乗りアークに運ばれた俺は、そのまま病院に直送されたようだ―――三日……そう言われれば。

 

「腹が減ったなー」

 

 俺の言葉に、隙間なくぴったりと寄り添ったアニスは、にへへと笑い手荷物を漁り始めた。

 

「そう言うと思った。ほら、いっぱい買って来てるから……食べさせてあげるね♥」

 

 柔らかな体を擦り付けられ、可愛らしく俺を見上げてくる。クリーム色の髪はふわふわで触り心地が良く、撫でると嬉しそうに瞳を細めた。普段は少し冷めている瞳が幸せに溢れ―――めちゃくちゃ可愛いんだが。何だ、デレたアニスはやはり最強か……。

 

「……い、いや、自分で食―――」

 

「ダメ。私がするの……食べさせられるの、嫌なの?」

 

「……そんな事はねぇけどよ……持て余す」

 

 しゅんとした表情をされ、咄嗟に否定したが、俺の視線や雰囲気から悟られたらしい。途端に満面の笑みに代わり、薄く染まった頬が色気を醸し出す。

 

「―――♥♥♥ ……帰ったらいっぱいしてねっ♥ 私も指揮官様が……その、欲しぃの♥」

 

 耳元で甘く囁かれ、下半身が熱を持ち始める。心臓が高鳴り……体が熱く火照るのを感じた。

 

「ッ……なら、早く帰らないとな」

 

 ギラついた瞳を向けられたアニスはぴくんっと反応し、瞳を蕩けさせ触れるだけのキスで答えた。

 

「ぅん♥ ……はい、指揮官様♥ あ〜ん♥」

 

 ゼリーのようなものを匙で掬ったアニスは、たっぷりと実った果実を押し付けながら、俺の口に運んでくる。

 

「……甘ッ」

 

 口に含んだ食べ物は、凄く甘かった。

 

「ん?……ぁむっ、ん〜〜?そんなに甘くないよ」

 

「ちょっと貸してみろ……ん?本当だな、そんなに甘くない」

 

「もぅ、指揮官様ったら、ダメだってば……はぃ、あ〜ん♥」

 

 ―――甘い……凄まじく、甘い。これは……そう云う事か。

 

「アニスにも食べさせてやるよ。ほら、口開けろ」

 

「ぇ……♥ ぁ、ぁ〜ん♥ ―――んぅ、甘ぃ……すっごく甘ぁぃ♥」

 

 アニスが持ってきた食べ物は、全てが甘く感じられた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 手荷物にあった食料を全て平らげ、膝の間に座ったアニスを後ろから抱きしめる。

 

「アニスを見れば分かるけどよ、一応聞いとく、皆は無事か?」

 

「うん、無事だよ。ラピはコアの最終調整をしてるの。ネオンは付き添い。もうちょっとしたら来ると思う」

 

「そうか、良かった」

 

 ぎゅっと力を込めた腕に、そっと手が添えられた。

 

「んぅ♥ 私ね……指揮官様に謝らなくちゃいけないの……全然役に立たなかった」

 

「そんな事ねぇ」

 

「ううん、聞いて、ルドミラから聞いたの……スノーホワイト……あの子、何度も転んでたって、それでも、這いずってでも……前に進んだって……そんな子を疑ったの……」

 

 あの脚で、それでも前に進んで俺達を助けてくれた。あの純白の少女にもう一度会いたい。あってお礼を言って、たらふく飯を食べさせて……笑顔が見たい。

 

「……役に立たなかった癖に……あの子を疑ったの……」

 

 力を込めて抱き締め続けると、薄れ行く意識の中で聞いたアニスの言葉が蘇った。

 

『あの子は、人間に捨てられたニケだから』

 

 人間に捨てられた……か。なら、俺は捨てない。二度と手から離さない。

 

「アニス……確かに北部で生き残れたのは、スノーホワイトが居たからだ」

 

「……」

 

「でもなアニス―――お前は戦う為だけに、俺の側に居るのか?」

 

「それは!……それは、違ぅ……けどっ」

 

「俺はお前が好きだ。好きだから側に居て欲しい。今回は助けられた……なら次は助けてやろう」

 

「……できる……かな」

 

 涙を浮かべ俺を見上げたアニスに、俺は笑顔で答えた。

 

「出来る。俺が出来ると思ってんだ。それに、爆撃を撃ち落としたアニスは凄かったぞ」

 

 寸分違わず中央を撃ち抜き誘爆させた射撃。あれが無ければきっと生き残っていない。

 

「あ、あれはね!……何でだろ、狙うの苦手だけど……指揮官様の為って思ったら、凄く集中できたの……えへへ♥」

 

 マジで可愛い。

 

「それが、お前の力なんじゃないのか?俺の為に頑張ってるアニスが、役に立たない訳ねぇだろ」

 

「……そっか。指揮官様の為なら、私って何でも出来る気がする」

 

 涙を拭い笑顔を浮かべたアニスの頭を撫で、優しく抱き締めた。

 

「取り敢えず、今は抱き締めさせろ。柔らかくて最高だ」

 

「んぅ♥ も、もぅ指揮官様ったら♥ か、硬いの当たってるよぅ♥」

 

「……ホント可愛いよな、お前」

 

「ぅぅ♥ 指揮官様のえっちぃ♥」

 

「ハア?えっちって言う方がえっちだろが」

 

「ぅっ、そ、そうよっ、アニスはえっちなのっ♥」

 

 腕から抜け出したアニスは、俺に跨がり、正面から抱き付いた。背中に手を回し、俺も強く抱き締め返す。

 

「んぅぅ♥ はふぅ♥ ……指揮官様に抱き締められて……すっごく幸せっ♥」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 触れるだけのキスを何度も繰り返し、いちゃいちゃしていると、頬を染めたアニスの息が熱を帯び、とろんと瞳が妖しく蕩けた。

 

「……んぅ♥ はふぅ♥ ……ね、ねぇ、指揮官様ぁ♥ ちょっと、ちょっとだけ―――」

 

 蕩けた瞳のまま俺に身体を擦り付けたアニスが、耳元で甘く囁く。

 

「えっち♥ ―――しよっ♥」

 

 即座に頷こうとする頭を抑え、どうにか声を出した。

 

「―――さ、流石に不味い」

 

 大前提としてここは病院だ。それに、意識が戻った事を伝えるのが先だろ。

 

「……いまっ、すっごく、しきかんさまに抱かれたいっ♥ だめかなっ♥」

 

 甘ったるい声に耳を犯され、咄嗟に言葉を発した。

 

「だめ、じゃない」

 

 ……なんて意志の弱い男なんだろう。でも、そんな俺が嫌いじゃない。

 

「いっぱぃ気持ち良くなってね♥ 指揮官さまぁ♥」

 

 服の隙間から手を差し込んだアニスは、胸板をさわさわと撫で擦り、首筋に吸いついた。

 

「はぁ♥ もぅ、ホントすきっ♥ ……はむっ♥ ちゅぅう♥」

 

 胸板を撫でる手が突起を擦り、首筋をぺろぺろと舐められ、グツグツと欲望が煮えたぎる。このまま押し倒そうとして、カーテンが勢いよく開けられた。

 

「アニス、そこまでよ」

 

「「!!?」」

 

「指揮官もちゃんと断ってください!」

 

 無表情で口もとをぴくぴく引き攣らせたラピが佇んでいた。ラピの後ろでは、あわあわ言いながら頬を真っ赤に染めたネオンが、扉を勢いよく締めた。

 

「……ちぇっ、すっごく良いとこだったのに……指揮官さまぁ♥ 見られててもいぃよねっ♥」

 

「あ、あわわ……あ、アニスが……アニスが、えっちです!!」

 

「ネオン、声が大きい」

 

 そこなんですか?ラピさん。

 

「はわわわ、す、すみませっ……って私が悪いんですか!?」

 

「ネオンが悪いわ……んっ♥ 指揮官様ぁ♥ 舌ちょうらぃ♥ ちゅぷぅ♥」

 

 強引に唇に吸い付かれ、お望み通りに舌を差し出すと、二人に見せつけるように舌が絡め取られる。

 

「はむっ♥ れろっ♥ れりゅろ♥」

 

「……あわわわわ!し、舌がっ!?、うわぁ―――すごっ―――はわわっ、えっちです、ラピっ!すごくえっちです!」

 

「んちゅ♥ はぷっ、んれりゅ♥ ぢゅりゅりゅ♥」

 

「うん、殴る」

 

「え、ラピっ!?」

 

「れりゅろ……ちゅぱっ♥ ……しきかんさまぁ♥ びくびくしてるぅ♥ っ!!?―――ふぎゅっ!!」

 

「―――ラ、ラピ……そ、そこまでしなくても」

 

「指揮官、うるさいです」

 

 あ、はい。

 

「―――いったぁあ!ラピ!!何で殴るのよっ!!指揮官様も嬉しそうだったじゃない!!」

 

「うるさい……もう直ぐペッパーが来る……それでもする?」

 

 ペッパー……誰だ?

 

「そんなの!するに決まっ―――」

 

 ベッドに乗り出したアニスがラピに顔を近づけられ、ビクッと身体を震わせた。

 

「それでも、するの?」

 

「ぅ……ぅぅ……我慢、するぅ」

 

 平和な光景を見ながら煙草に火を付け、紫煙を吐き出す。……現実逃避している訳じゃないし、ラピが怖い訳でもない。

 

 た、確かに多少は恐怖というものを感じたが……煙草を吸い、全てを誤魔化す事に決めた。

 

「……煙草が羨ましい」

 

「「ラピ?」」

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 カウンターズの二人は少女の入室にあわせ、駄々を捏ねるアニスを引きずり前哨基地に帰って行った。

 

 ラピが言った通り、直ぐに元気な少女が現れた。タートルネックのノースリーブセーターの上に小さなジャケットを羽織り、首にヘッドホンをかけた少女はペッパーと名乗り、挨拶もそこそこに説教をかましてきた。

 

 煙草を咥えながら聞き流していると、身を乗り出したペッパーに咥えた煙草を奪われた。

 

「聞いてますか、指揮官!」

 

「……聞いてるよ」

 

 サイドテールに結われた髪はピンク色―――ピンクは淫乱だと聞いたことがある。……はぁ、セーターの裾が短いんだよな。

 

「もうこんな無茶したらダメですからね、メっです」

 

 子供を叱るように額に指を突きつけ、笑顔を向けられる。可愛い笑顔を見せたペッターの手に持った煙草が、不穏な動きを見せた。

 

「―――ああ、勿体ねぇ」

 

「ちゃんと聞かないから―――ぅん?……お客さんですかね?指揮官、でてもいいですか?」

 

 扉がノックされ、視線を向けたペッパーが伺ってくる。

 

「……頼む」

 

 灰皿に押し付けられた煙草はまだ半分程残っていた。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 来客はアンダーソン副司令だった。ペッパーは副司令の顔を見るなり、そそくさと逃げ去り、扉の隙間から『ごめんね』とジェスチャーで謝っていた。……別に俺が許可したから良いんだが、このナイスミドルに会いたくなかったのは事実だ。

 

「病院にまで押し掛けてすまないね」

 

「……閣下」

 

 結局の所、閣下が白なのか分からなくなった。トーカティブにヘレティック―――閣下が下した任務……手引きをしたのが閣下である可能性。限りなく白に近かったが、今は黒よりの灰色だ。

 

「作戦。ご苦労だった。随分厳しかったようだな……まあ、生きていて何よりだ」

 

「何度も死にかけましたが」

 

「ははっ、冗談が言えるのなら大丈夫だろう。折り入って話がある」

 

 俺の発言を冗談と聞き流す閣下に腹が立つ。お前のせいで死にかけたんだろうがッ……外骨格には助けて貰ったが……。

 

「……吸っても?」

 

 苛立ちを抑えるため、煙草に手を付ける。

 

「構わないさ、押しかけたのは私だ」

 

 断られる事が前提の行動は、意外にも許可された……どうやら、あまり悪い話ではないようだ、煙草に火を付け閣下にも一本差し出したが、断られた。

 

「中央政府から、指令が来てね」

 

 ……勘違いだった。嫌な予感しかしない。

 

「……どんな指令ですか」

 

「トーカティブと何度も遭遇しているのに、生き残っている指揮官は君が初めてだ。ピルグリム、およびヘレティックと接触し、彼らの交戦を直接目撃した指揮官も―――やはり、君が初めて」

 

 前置きが長――― 

 

「ヘレティックになった元部下のニケと遭遇したのも、初めてだ」

 

「ッ……」

 

 ―――何が……言いたいッ。

 

「これらの理由で、私を始めとする中央政府は、決定を下した」

 

 俺に―――手を下だせと?……そんな命令出してみろ―――俺がお前らヲ……。

 

「君と君が率いる分隊を特殊別働隊に任命する」

 

 不穏な気配を悟ったのか、閣下は一息でそう告げ、腕時計に一瞬だけ視線を落とした。

 

 特殊……別働隊?―――

 

「……要は犬に成れってことですか」

 

「逆だな……簡単に言うと、自分で判断し、動けるようになる。副司令官より下の者は、君に命令できない。また、副司令官以上が命令しても拒否できる。妥当な理由さえあればな」

 

 ま、まじか!?……破格過ぎる……妥当な理由など幾らでも捏造出来るだろう。これは実質政府に対して一切縛られない事を意味する―――それは、助かる。……助かるが、信じていいのか?

 

 俺の反応に薄く笑みを溢した閣下は、饒舌に話を進めた。

 

「適切な報告さえしてくれれば、誰も手を出せない、その名のごとく特殊な別働隊……情報の隠蔽も、その気になれば幾らでもできる。三大企業のCEOも、君を顎で使うことはできなくなる。これは私が直接提案した内容だ。参考にしたまえ」

 

 ああ、シュエンの事か……嫌われてんな。……まあ、それは仕方ない。嬢ちゃんにも悪い点は……沢山あるなー……うん、身から出た錆だ。

 

「……お礼を言ったほうがいいですか?」

 

「必要ない。その代わり、駐屯地は前哨基地のままだ。目覚ましい発展を見せてくれたおかげで、他に適任者がおらんのだ」

 

 他に適任者がいないと、閣下は呆れた顔で愚痴を溢した。

 

 ……め、目覚ましい発展?……た、確かに財産を注ぎ込みマイティツールズに依頼したが―――まだ、たった数日だぞ……嫌な予感しかしない。

 

「これから君は、前哨基地に駐屯し、地上の存在について自由に調査してくれ。アークへの移動も自由だから。思う存分動いてみるといい」

 

「は。畏まりました」

 

「さらに、君と君が率いる分隊には、一ヶ月間の休暇を与える。君もニケも損傷がひどい。この機会に整備するといい」

 

 は?―――休暇?そ、それも一ヶ月だと!?……一ヶ月もあればッ―――あ、アンタが神だったのか!?一気に閣下が白く見え始めた。

 

「解決したいことは山積みだろうが、とりあえず休息をとりたまえ。これは命令だよ」

 

「は。承りました!」

 

 目に見えてテンションの上がった俺を閣下は訝しみながらも、愚痴を溢した。

 

「……私は、君が中央政府の目に留まらないことを、願っていたのだ。彼らの欲は人を蝕むからな。だから前哨基地へ送って、彼らの目から逃れるつもりだったが……まさかこれほどの、目立つ実績を立てるとは……」

 

 閣下の瞳には憂いが籠もっていた。これが演技なら、俳優になったほうがいいだろう。

 

「仲間のお陰です」

 

「……そうか、すまないもう行かねば、会議があってね」

 

 腕時計を確認した閣下は、そう呟き足早に部屋から出て行った……ホント何時も会議してんな。会議室に住んだ方が良いんじゃないのか?

 

「特殊……別働隊、か」

 

 閣下が俺を前哨基地に送ったのは初日……その時には既に考えていたのだろう……何故だ?閣下は俺に付いて何か知っているのか。尽きぬ疑問はあれど……前に進み続ければ、いつか全てが分かる日が来る。

 

 その時、俺の隣に―――彼女の姿がある未来を思い描き、さっさと退院することを決めた。

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 ペッパーに退院する旨を伝え、憤る少女を煙に巻きさっさと退院した……逃げたとも言う。遠くで薄目の爆乳先生が物凄いオーラを出していた気がするが……追ってこないという事は、気の所為だったのだろう。

 

 カウンターズに召集をかけ、俺は地上に向かった。皆……いや、ネオンは文句を言ったが、ラピとアニスに黙らされた。

 

 二人には何時も迷惑をかけるが……これだけは譲れない。

 

 脚を運んだ場所は―――始まりの地。

 

 殺風景な廃墟の一室。俺がマリアンを安置したその部屋は……もぬけの殻だった―――たが、手紙も無くなっている。マリアンが読んだのかは分からないが……それでも良かった。無くなっているという事実が、俺には希望に思えた。

 

「……帰るか」

 

「そうね」

 

「指揮官、必ず取り戻しましょう」

 

「さ、三人で雰囲気出さないでくださいよぉ!寂しいんですよぉお!!」

 

「ああ、悪かったネオン……ヘレティック、彼女の名前は―――」

 

 帰り道でネオンに話をした。マリアンについて……彼女の勇姿を―――彼女の意志を、俺は話した。……不思議と涙は流れなかった。

 

「ぅぐっ、ぐじゅ……そ、じょんなのっ……あんまりでじゅっ!」

 

 俺の代わりにネオンが泣いてくれたからだろうか……それもあると思うが、一番の理由は―――彼女が見せたあの顔が原因だろう。あの時、あの一瞬だけ―――彼女は確かにマリアンだった。

 

「ネオン、ありがとな。もう泣くな……」

 

「ぐぅ、ふっ……む、むりでじゅよぉ、じじょぉお!!」

 

「おわっ、鼻水垂れてんぞ、美人が台無しだろが」

 

 飛び付いて来たネオンを受け止め、懐から取り出したハンカチで涙を拭い、鼻水も拭った。ここまで本気で泣いてくれるのか……本当にネオンが仲間で良かった。

 

「ほら、鼻かめ、チーンしろ」

 

 子供をあやすように、らしくないことを言いながら、鼻水でねっとりと濡れたハンカチを……手荷物にしまった。流石に懐に入れる事は出来なかった。

 

「―――ぐずっ……師匠っ!私は決めました!!」

 

「あ?」

 

「私が火力で目を覚ましてやりますっ!!」

 

「「「ぶふっ」」」

 

「な、何で笑うんですか〜!!」

 

 やっぱり、ネオンはネオンであり、火力に魅了された火力馬鹿に変わりは無かったが……そんなネオンが俺は好きなんだなと確信した。

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 夕陽に照らされながら、やっと前哨基地に帰って来た。随分久しぶりに思えるのは、変わり映えしたこの光景のせいだろうか……。

 

 うん、色々と言いたいことはあるが……マイティツールズ、アイツらがミシリスのニケである事を忘れていた。あのシュエンが作ったんだ……やっぱり、どっかのネジが飛んでいた。

 

「指揮官……私の責任です」

 

「いや、ラピは依頼を持って行っただけだろ。好きにしていいって書いたのは俺だ」

 

「それでも、私は止められる立場でした!罰を受けます!」

 

「別にいい。これは俺の責任だ……ちょっと考えないとな」

 

 建物が並んでやがる。たった数日でこれほどの建物を建てた事を褒めれば良いのか……考え無しに建てられた事を嘆けば良いのか。

 

「指揮官!罰を!罰を受けます!!」

 

 ん?……なんか息が荒くないか?

 

「え?ラピ、罰を受けたいの?」

 

「んっ、そんなこと無い」

 

 頬を染めて俯いたラピに……俺とアニスは瞳を輝かせ、ネオンがあわあわと慌て始めた。

 

「そっかそっか〜、アニスさんや、罰は何がいいかね〜」

 

「そうよね〜、指揮官様〜、欲しがりなラピに罰をあげないとね〜」

 

「……ほ、欲しいなんて言ってない」

 

 ヤバい、めちゃ可愛い。

 

「決まったな……」

 

「決まったね……」

 

 アニスとガッチリと握手し、アイコンタクトを交わす。ヤる事は決まった。後は身体を慣らすだけだ。

 

「うわあ、二人が悪い顔してます。……わ、私はシャワーを浴びたら宿所に帰りますね〜〜」

 

 これから起き得る事を想像したのか、ネオンは頬を染め、空気を読むようにそそくさと中に入って行った。

 

 うん、完全にバレてるな……まあ、分かるか……。




アンケート追加しました。
得票が多かったキャラのえろを一つ書こうかと思います。
(内定済みが何人かいるため休暇中の何時になるかは不明)

他のキャラが一番多かった場合は再アンケでもしますね。

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