そんな中で先日まで行われたWBCはご覧になりましたか?いやぁ…僕は全試合観ましたけど、本当に楽しかったです。特に準決勝のメキシコ戦と決勝のアメリカ戦はもう激熱の連発でもう常にレッドゾーンでしたよ!どちらも今大会不調だった村神様こと村上宗隆選手が一発見せて…ピッチャー陣も大谷翔平選手を軸としてとにかくほぼ万全だったと思います。(ダルビッシュ有投手は…)
その中でも好きだったのはたっちゃんことヌートバー選手!彼は後半戦は不振だったものの前半戦の切り込み隊長としての役割とパフォーマンスは素晴らしかったですね…これだけハッスルしてくれるならまた次回も出てほしいなと思いました。世界一本当におめでとうございます!
僕も世界から認められる作品を作れるように頑張りますのでこれからもよろしくお願いしますね。そんな今回は玲奈の昔話です。どんな過去があって付き合えないのか…その前半がここでは明かされるのでお楽しみに。
side康太
あの出来事から2週間が流れ、僕はいつものように仕事に打ち込む日々を過ごしている。課長とはもうここ最近は会っても挨拶程度しか交わしていない…怒られることはなくなったので仕事ができるようになったというのは誇れる要素だが、あの僕だけに笑顔と優しいところを見せていた課長がいないのはどこか寂しい気がした。
「随分と疲れてるね?これを飲んで元気を出しなよ。」
そんな中で同期の女性社員である佐藤奈央(さとうなお)ちゃんが缶コーヒーを持って僕の前にやって来る。彼女とは大学が同じで同期の中では仲が良い。
「ありがとう。微糖のコーヒーね…まあ、糖分は脳の回転に良さそうだし頂くとするよ。」
僕は缶を開けてから微糖のコーヒーを飲んでいく。絶妙なコーヒーの苦味とほのかな砂糖の甘みが僕の疲れを癒し、少しだけ体の重りか外れたような気がした。コーヒーの力って不思議だよね!
「それにしても、ここ最近の康太くんって仕事はできるようになっているけどどこか元気がないよね…何かあったの?」
「いや、別に何も…僕は大丈夫だよ。」
「そんな風に見えないけど…もしかして好きな女の人からフラれたとか?」
「はっ?えっ、ああっ…」
奈央ちゃんは僕の表情を見てから何があったのかを言い当ててくる。誰が相手なのかまでは言わなかったけど、何故落ち込んでいたのかを当ててきたから思わず言葉が出なくなってしまった。やっぱり、この子には隠し事はできないな…
「その反応はもしかして図星だったり…言っておくけど、私は君が何を思っているかなんてお見通しだからね?」
「やっぱり奈央ちゃんには敵わないか。君の言った通り、2週間前に好きな人に告白してフラれたんだ…それを発散するために色んな手を打ってるけど、何をしても忘れられないよ。」
「仕事に支障はないの?」
「それが不思議と仕事には問題なく打ち込めるんだ。でも、集中の糸が切れると心が重くてね…これが大人の恋なんだなって勉強になったよ。」
「へぇ、康太くんも女の人と恋をするんだね…最近は仕事で結果を出していて真剣な表情をしているから仕事が恋人なのかなって思っていたよ。」
「そんなイメージを持たれていたの?僕だって好きな人と恋はするよ。大学の時はそういう話をしなかったけど、高校の時までは女の子と恋をしてきたからね?全部片想いで終わったけど…」
「そうなんだ。とりあえず、元気のない康太くんはらしくないから元気を出してまた頑張ろうよ!」
「うん、ありがとう。」
「それじゃあ、私は仕事に戻るから…またね!」
そう言って奈央ちゃんは営業課を後にして仕事に戻るのであった。彼女とは同期でも部署が違う…僕は営業課で奈緒ちゃんは経理課、部署は違ってもそれぞれ頑張っている。しかしながら、奈緒ちゃんはいつも元気で可愛い。課長をデリヘルで指名しなかったら恐らく彼女と恋をしていただろうな…
「おっ…好きだった人にフラれて早々同期の佐藤ちゃんに告白したのか?」
奈央ちゃんと話し終えた直後、今度は慎太郎さんが声をかけてくる。彼は奥さんの出産が徐々に近づいているということで最近は凄くワクワクしていて仕事も何もかもが絶好調だ…僕とは正反対だよ。
「いえいえ、違いますよ…そもそも奈央ちゃんとはそういった関係になってませんって。」
「そうなのか?しかし、まだまだ元気が無さそうだな…お前らしくもねえぞ!2週間経ってもまだフラれたことを引っ張ってるのか?」
「まあ、そうですね…はい。」
「そんな1人からフラれただけで落ち込みなさんなよ…俺なんか幼稚園時代から数えて100人ぐらいの女の子からフラれたけど、今では結婚して子供も産まれる予定だからこんなにも元気いっぱいなんだぜ?気持ちを切り替えて新たな恋を見つけろよ!」
「そう言われましても諦めがつかなくて…」
慎太郎さんの励ましに僕は少し心を痛めた。新たな恋を見つけたいと思うところもどこかにはある…だけど、僕の中では課長以上に素敵な女性が見つかるかどうかと言われたら選択肢が見当たらない。奈央ちゃんに関しては大学から付き合いではあるけど、彼女が異性として意識してないから自然とお友達になってそこからの関係は発展せずという感じで恋をするという未来が見えないかな。
「そんなに諦められねえ恋なのか。だったら、泥臭く食らいついてみたらどうだ?普段というか最近のお前は前向きなのが取り柄だからな…もう一度アタックしてみろ。そうすればきっと良い方向に相手も考えてくれるかもしれねえぞ?」
「泥臭く食らいつく…か、分かりました!僕、食らいついてみますね。」
「そうか、頑張れよ!」
そう言って慎太郎さんは仕事に戻ろうとした。しかし、相手は課長でまだ仕事中だから社内にいる…こうなったら、すぐに実行する以外に手段はない。
「すみません、慎太郎さん。ついでに頼みたいことがあるんですけど…大丈夫ですか?」
「おおっ、何だ?」
「課長を会議室に呼んでいただけますか?会議室の使用許可は自分で取ってくるので、慎太郎さんは課長に大至急来てもらえるように伝えてもらいたいです。」
「分かった。それで会議室はどれぐらい利用するのか?」
「1時間です。1時間あれば済む話なので…」
「分かった。今から呼んでくるから康太は事務の人から許可を貰ってから会議室で待ってろよ!」
「はい。」
そして、慎太郎さんは走ってオフィスを飛び出してから課長を呼びに向かった。その背中を見届けてから僕は事務の人に会議室の使用許可を得てから会議室の中で待つことに…ここで課長にもう一度アタックする予定だ。慎太郎さんのおかげで勇気が出てきてもう止められない…これでダメなら今度こそ未練なく諦めがつくと思うが、なるようになってほしいところだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜
「お待たせ。」
会議室の中で待つこと15分後、慎太郎さんから話が行った課長が中に入ってきた。その表情は少し面倒くさそうな様子で不機嫌そうにも見える…自分の口で伝えるべきだとは思うけど、フラれた後だったから少し気まずかったからこういう感じになった。
「すみません、課長…下の人間である僕がわざわざ呼び出してしまって。」
「本来だったら直接『用がある』って伝えてほしかったけどね…まあ、あの件もあったことだし直接話すのは気まずかったのでしょう?」
「まあ、否定はしません…」
「そう。ところで、貴方は私をいつまでここに立たせるつもりなのかしら?」
「すみません!どうぞ、僕の隣におかけください…」
「判断が遅いわよ?とりあえず、失礼するわね。」
そう言ってから課長は僕の隣に向き合う形で椅子に座る。それにしても、今日の課長は不機嫌そうに見えてはいても毎日のことながら美しい。ここ最近は眼鏡なしの彼女を見てきたけど、こうやって原点である眼鏡ありの課長も本当に素敵で言葉が出てこない。
「それで、私をここまで呼び出して何の用かしら?仕事のことなら何でも聞いてあげるけど。」
「いえ、仕事のことではなくてプライベートの話ですけど…よろしいでしょうか?」
「ええ、まあ…私の分かる範囲であれば何でも結構よ。話してみなさい?」
「はい。それで課長…どうしてあの時、僕の告白を断ったんですか?」
「…」
僕が肝心の質問を課長にぶつけたその時、課長が険しい表情になって黙ってしまう。その時の表情は過去の話をしようとした時と同じだ…辛い気持ちにさせてしまって申し訳ないとは思っているけど、僕は課長をどうしても諦めたくないと慎太郎さんに言われて真剣に思ったんだ。そのためには断った理由はどうしても知らなくてはいけない…それを知った上で改善策を生み出して結果が変わることもあるからね。
「申し訳ないけど、その質問には答えられないわね…私のことを好きでいてくれたことは嬉しいけど、私と貴方が結ばれることはないの。いい加減に諦めなさい?」
「それって僕と課長が上司と部下だからですか?それとも、年の差だったり…」
「確かに役職と年の差も付き合えない要素の中にはあるわ…ただ、それより大きいのは私の心。過去にあった出来事が私を縛りつけているのよ。」
「課長、過去に何があったのかを僕に話してもらえないでしょうか?」
「それを貴方に話したところでどうにもならないでしょ!どうしてそこまでして私に構うの?ほっといてよ!!」
その時、課長は怒鳴っている時とは違う感じで僕に怒りをぶつけた。彼女の目にはうっすらと涙が浮かんでいてどこか悲しそうにも見える。だけど、これを聞き出さないと課長の心は救われない…少しでも助けたいと思い僕はさらに口を開く。
「いいえ、そんなことなんてできませんよ!僕は課長のことが大好きで大事な人だと思ってます。好きな人を助けたいと思って何が悪いんですか?だから、教えてください…それでも嫌なのなら僕はそれを直しますから。」
「貴方って人は本当にバカね。諦めるって選択肢はないのかしら?」
「こんなにも素敵な女性を諦めるなんて無理ですよ。それぐらいに僕の中には課長しかいないです。」
「そう、分かった…そこまで好きなのなら話そうかな。私がどうして今のようになったのかを…それを聞いた上でそれでも付き合いと思うのなら考えてあげる。」
「分かりました…話してください。」
「うん。それじゃあ話すわね…」
そして、課長はついに重たい口を開いて自らの過去を僕に話す。この後知ることになる彼女の過去はあまりにも壮絶だったとは…この時はまだ知る由もなかった。
side out
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side玲奈
あれは私が就職を決めてから大学卒業した後のこと、私には20歳になった日から付き合ってる年上の彼氏がいて名前は脇本裕之(わきもとひろゆき)、彼のことは『ヒロくん』と呼んでいた。年齢は10歳上で当時は32歳(満33歳)…今の浅原くんと私と同じ年齢関係だ。
「ああっ、はああっ、やあっ…ヒロくん、今日も気持ち良いよぉ!ああんっ♪」
「僕もだよ…玲奈とのセックス、気持ち良い!」
私はこの日もヒロくんとの正常位でのセックスを楽しむ…彼とは生理中でない時や体調がどうしても悪い時以外で家に来たらいつも夜はセックスと決まっていて、正常位、騎乗位、対面座位、後背位等と色んな体位でリードしたりされたりのセックスをすることが日常になっていた。
「やあっ、ああっ…ダメ、もうイくぅ!ヒロくんもセックスも大好きすぎてイッちゃうぅ!!はあっ、ああああああっ…」
もちろんこの日のセックスも絶頂に至る。しかし、セックスをする時はいつもヒロくんはコンドームをつけていた…いくら就職が決まっていても当時はまだ大学生。生でしてくれないことに不満はあったけど、彼は私の将来とかそういうのを考えてこうやってコンドームで避妊を欠かせない。生でやったら妊娠してしまったらこの先の仕事とかに支障が出てしまうからね…
「はああっ…ヒロくんのおちんちん震えてるぅ。射精してるんだね?」
「うん…玲奈のおまんこ、最高だよ。僕がセックスをしてきた女性の中でも一番だ…」
「えへへ。ヒロくんに褒められて幸せ…でも、私達っていつになったら生でセックスできる時が来るのかな?もっと気持ち良くなりたいよ。」
「ああ、まあ…そのうち来ると思うんじゃない?」
「それってもしかして…結婚?」
「いや…うん、できたら良いね。」
私が『生でセックスをしたい』と言ったらヒロくんは顔色が悪くなって目が泳ぐ。表情は笑顔だったけど、何か隠し事をしているようにも見えていたが、この時の私は早く彼と結婚したいという気持ちでいっぱいだったから異変に気づけずでこの時の私は体は大人でもまだまだ心は子供だったと言える。
「ねえ、ヒロくん…今度の祝日は空いてる?」
「ああ、仕事は休みだし都合も大丈夫だからOKだよ。」
「良いの?それじゃあ、その日はデートね!楽しみにしてるよ♪」
「うん、絶対に忘れないようにね。」
「ヒロくんもだよ♪」
そして、私達は次の祝日である春分の日にデートをすることになったのだが…この日がまさか私にとって地獄への入口になるとは想像すらできなかった。
~~~~~~~~
それから3日経って春分の日…私とヒロくんはデートをしていてボウリングや卓球をしたりゲームセンターで遊んだりして楽しんだ。その後、近くにあるファミレスでお昼ごはんを食べていた時に私は彼に質問を投げた。
「ねえ、ヒロくんは私のどこが好きになったの?」
「どうしたんだい、藪から棒に…」
「ほら、私達って付き合ってもう4年ぐらいになるけどどこが好きになったのかをお互いにまた聞いてないでしょ?だから、まずは私から知りたくなったの。」
「そうだね…玲奈をまず好きになったのは顔かな?僕は前も言ったけど、中国のドラマが大好きで中国美人がタイプだからね。君は実際に中国とのハーフで可愛くてスタイルが良いから、最初に会った時は中国の女優さんじゃないのかって思ったぐらい見とれちゃったな…もちろん、今も素敵だと思ってるよ。」
ヒロくんは私の質問に対して褒めてくれた。私は幼稚園から小学生の低学年ぐらいまでは中国をバカにする男子から『中国語を喋ってみろよ!』と言われて喋ってみたら笑われ、『中国人ならカンフーとか得意なんだろ?』と言われてヌンチャクを渡されてそれでカンフー映画のような動きをしようとして失敗したらまた笑われたりしてからかわれ、自分が中国とのハーフであることに嫌悪感もあった上に中国人のお母さんを恨んでいた時期もあった。だけど、ヒロくんは中国をこよなく愛する人で本当に良かったと心の底から思う…彼の存在がいたから中国の血が入っている自分を好きになれたのだ。それと、私を可愛いとヒロくんが言ってくれた上に優しく接してくれたことでますます自分に自信を持つことができるようになった。
「ありがとう。でも、顔だけなの?ほら、性格とか色々あるでしょ?もっと言ってみてよ。」
「もっとなら沢山あるよ。性格はとにかく甘えんぼさんなところがもう僕のハートにキュンと響くし、何より大きいのは優しいところだね!やっぱり顔が良くても優しくない女性ってあんまり嫌でしょ?君は顔だけじゃなくて天使なところもあったからこそこうやって好きになれたんだよ。あとはおっぱいが大きいこととおまんこの締まりが良いことだよね♪」
「もう、ヒロくんのバカ!ここは公共の場だし食事中の人もいるんだよ?」
「あはは…ごめん。」
ヒロくんはファミレスだということを忘れて何もかもを包み隠さず世間的に下品なところまでもを褒める。おっぱいとおまんこを褒められたのは嫌ではないけど、時と場所を考えてほしかったな…でも、ヒロくんはそれぐらいに変態な面もあったのも事実だ。
「それで、玲奈は僕のどこが好きなの?逆に聞いてみたいな…」
「うん。ヒロくんは10個年上だけど、それを感じさせないぐらいイケメンで性格も優しくて何よりも中国の人をバカにしないところかな?ハーフの私を受け入れてくれて凄く嬉しかったの。これで自分のことも好きになれたから貴方には凄く救われた気がして…だから、私はヒロくんのことが大好きなんだよ。これからもよろしくね♪」
私は逆に訊かれた同じ質問に笑顔でヒロくんに答える。彼は本当にかっこよくて優しくて年の差なんてどうでも良いぐらい素敵な男性…浅原くんから見た私のような感じかな?それと同じぐらいに好きだと思っていた。
「こちらこそ。いつも元気をくれてありがとう…玲奈は僕の太陽だよ!君に出会えて本当に良かった。いつまでも一緒にいれたら嬉しいな。」
「えへへ、大好き♪」
そんな感じで愛を確かめあった私達はお話しをしながらもお昼ごはんを食べていく。こうやって愛を確かめあったからにはこの幸せが長続きすれば良いと思っていた。
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それから買い物とか色々済ませてからの帰り、私達は告白をした思い出の公園に立ち寄る。夕焼けの赤い空に沈んでいく太陽、20歳の誕生日になった日の夕方にここでヒロくんに告白されたのだ。未成年じゃなくなった瞬間に言われて私は嬉しくなってOKを一発で出した。それぐらいに好きだったし、私を受け入れてくれた彼となら幸せになれると思ったのが決め手だったわね…
「懐かしい…そういえば、私が20歳になった日にここでヒロくんが告白したんだよね。」
「うん。君と出会ってしばらくは手を繋ぐしかできなかったけど、こうやって気持ちを伝えるタイミングを待つのも楽しかったな…それからはキスもしたし、セックスもしたしデートも自由にできるようになって本当に幸せだよ。この幸せがいつまでも続くと良いね…」
「ねえ、私…ヒロくんとキスをしたい。良いかな?」
「良いよ…あの時のように熱いキスをしようか。」
そして、私とヒロくんはキスをしようとする。唇と唇の距離が迫って息の音も伝わるぐらいまで来てもう少し…そう思っていた瞬間、私達は地獄へと一気に突き落とされる悪夢を味わうことに。
「ふぅん…私の目の前でキスをするとは良い度胸をしてるじゃない?」
「えっ…!?」
「ま、真緒…お前、出張じゃなかったのか?」
私達がキスをしようとしたタイミングでどこから現れたのかヒロくんの奥さんである脇本真緒(わきもとまお)さんが姿を現してから声をかける。彼女は彼と幼馴染という間柄で結婚して当時8年ぐらいだったのだが…その時の私は彼が結婚していたことを知らなかったので驚きを隠せずにいた。
「出張に関しては昨日終わってたけど、今日はちょっと最近の裕之が怪しかったから尾行してたのよ。」
「ヒロくん、この人って知り合いなの?」
「いや、それは…」
「裕之が言えないのなら私から名乗ってあげるわね…私は脇本真緒、彼の妻です。浮気相手の貴方は確か女子大生の稲川玲奈さんだったかしら?」
「はい…どうして私の名前を知ってるんですか?それとヒロくんが結婚してるって!?」
「貴方のことは探偵を雇って調べたから知ってて当然でしょう…それと、どういうことも何も私達は結婚しているのよ。大学生なら『妻』と言った時点で察せると思うけど…それで、裕之はどういうつもりで浮気をしたのかしら?どうせ、子供のできない年増女よりも貴方の大好きな中国系でピチピチな子に惹かれたのでしょうね。」
「…」
真緒さんから迫られたヒロくんは何も答えられずに俯いて黙り込んでしまう。そんな彼と怒っている彼女を見てどうすれば良いのか分からなくなってパニックになってしまった…知らなかったとはいえ浮気をしたことに変わりはなくて罪悪感が重くのしかかる。
「はぁ…お義父さんとお義母さんに孫の顔を見せたいと思って不妊治療をここまで頑張ってきたのにこれじゃあ私がバカみたい。とりあえず、稲川さんの番号はもう知ってるから日を改めて慰謝料とかの話し合いの日時を連絡するわね…逃げたら慰謝料を10倍にするから覚悟しなさい?それじゃあ。」
そう言って真緒さんはヒロくんを引きずるようにしてこの場を後にする。この時点で私の中にあったヒロくんへの愛は冷めていた…結婚していたことを隠していた上に不妊治療をしていた真緒さんを放置して浮気していたことが何よりも許せないし、私がその片棒を担いでいたと思うと寒気しかしない。そして、表向きのかっこよさと優しさしか見てなかった自分を恨んだ。
~~~~~~~~
「ただいま…」
「姉さん、おかえりなさい。」
そして、私は空が暗くなった頃に家へとたどり着く。ドアを開けると家の中にずっといた6つ下の弟の俊輝(しゅんき)が玄関で待っていた。
「お父さんとお母さんは?」
「もう食卓で待ってるよ…ご飯の準備もできてるし、手を洗ってから来てね。」
「分かった、ありがとう。」
私は俊輝に言われて手を洗ってから食卓へと向かった。そこには既にお母さんとお父さんが座っていて、夜ご飯もできあがっていた…どれぐらい待たせたのかは分からないけど、申し訳ない気持ちになってしまう。
「おかえり、とにかくお前が無事で安心したよ…」
「ごめんなさい、ちょっと色々あって。」
「とりあえず、全員揃ったことだしご飯にしましょうか。」
落ち込む私をお父さんの久徳(ひさのり)とお母さんの麗(うらら)が温かく迎え入れてくれて、その後私は何も言うことなく夜ご飯を食べていく…ウチの家族は凄く優しい人ばかりで滅多に怒ることなく私を支えてくれる人達だった。できることなら私はこの人達とずっと一緒にいたい…そう思っていたが、まさか家族までもを失ってしまうだなんてこの時はまだ想像できなかった。ここから私の人生は下り坂から一気にどん底へと向かっていくことになる…
脇本裕之(わきもとひろゆき)
(脳内)CV:阪口大助
身長:176cm
体重:64kg
誕生日:10月11日
年齢:現満43歳
玲奈の元カレ、中国ドラマを中心として中国をこよなく愛する無類の中国オタク。玲奈が大学生の時にふとした出会いから好きになってセックスもするぐらいの関係までになったのだが、彼には真緒という妻がいた…性格は表面上では優しいが、実際は優柔不断で不妊で苦しむ真緒を放置するクズ野郎。
脇本真緒(わきもとまお)
(脳内)CV:ゆきのさつき
身長:155cm
体重:??
誕生日:5月25日
年齢:現満43歳
裕之の妻。子供ができずに不妊治療で苦しんでいたが、その中で裕之の浮気を把握して玲奈までもを特定…曲がったことが許せない性格。
稲川久徳(いなかわひさのり)
(脳内)CV:大塚明夫
身長:178cm
体重:68kg
誕生日:11月24日
年齢:現満63歳
玲奈の父親。厳しそうな顔つきで口数は少ないが娘である玲奈を誰よりも大事に思っていたが…
稲川麗(いなかわうらら)
(脳内)CV:日高のり子
身長:170cm
体重:??
誕生日:5月31日
年齢:現59歳
玲奈の母親、広東省出身の元中国人で帰化前の名前は紅春麗(こうしゅんれい←現地読みだとホン・チュンリー)。結婚する前は横浜中華街で売り子をしていて、美貌とスタイルの良さに関しては娘の玲奈に引き継がれている。性格はおっとりしていてマイペース。
稲川俊輝(いなかわしゅんき)
(脳内)CV:松岡禎丞
身長:179cm
体重:68kg
誕生日:9月17日
年齢:現満27歳
玲奈の弟、姉である玲奈とは遊んだり勉強を教わったりと仲は良好。
佐藤奈央(さとうなお)
(脳内)CV:河原木志穂
身長:155cm
体重:??
誕生日:12月7日
年齢:22歳(満23歳)
康太と同期で大学時代からの親友、経理課所属で課は違っても仲良しは継続中で慎太郎と同じぐらい頼れる相談相手でもある。性格はとにかく前向き。
今回だけで新キャラが沢山出ましたね。そして、いよいよ次回は玲奈の過去の後編…全てを知った康太の答えは果たして?恐らくいつもより長めにお届けいたします。
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