異世界TS転生はフードを被ったふたなりと── 作:サンゴ珊瑚
「何死んでるんですかこの野郎」
トラックに轢かれたと思えばいきなり真っ白な空間にいて、目の前にいる幼女に罵倒された。意味がわからん。
「いや、誰」
床?まで届いてあまりある白い長髪に薄い黒目は気怠げでかなり可愛い。
幼女のくせにもう胸が育っていて、絶賛成長してますと主張する可愛らしい大きさの胸が服の下から主張している。
白のワンピースのようなものを着ているこの幼女なんと羽まで生えているという天使。ていうか羽生えてて草。
「あなたのその腐った脳みそはさておいてです。あなた本当はまだ生きてなきゃいけない命なんですよ。もっと生にしがみついて下さい」
「んなこと言われても。あんな速度で突っ込んでくるトラックは無理だろ」
そう反論すると幼女はイラッとしましたと言いたげなムスっと顔でこちらを睨んでくる。可愛い。
「はー…。まあこういうこともありますけど、正直だるいんですよね〜イレギュラーは」
チラッチラッ。なんだその目は。何を求めているのか俺にはさっぱり分からんぞ。初対面の幼女の気持ちを分かれと?無理だ。一般人の俺にそんなものを求めないでくれ。
「取り敢えず残りの寿命は使い切って欲しいので雑に転生させますのでよろしくです」
「は?ちょ、ま「じゃあいってらっしゃい〜」
ふざけた幼女のせいで視界は真っ暗になった。
ーーー
「ふざけんなよ…あの幼女…。次会ったらお尻ぺんぺんの刑だ」
目覚めたら知らない森?にいて、しかも男から女になってる件。本当にありえねぇだろ。手持ちはなんもない。武器も食糧も。ステータスとかもないみたいだし、どうすんのこれ。
せめて地図とか位置情報とかくれよ。どこに何があるか分からんのは本当に困る。身寄りのない俺がどうやって生きていくんだよ。
「クソが…。取り敢えず探索するしかねぇ…」
ブラとパンツと薄い水色のワンピースだけが俺の装備である。マジでふざけてる。もっと防御力のある服にしてくれ。
「髪も鬱陶しい…」
お尻まで届きそうなプラチナブロンドの髪は綺麗だけど、ちょくちょく視界に入ってくるのが邪魔だ。ハサミとかあんのか?ないと困るんだが…。
「胸もデカすぎだろ。絶壁の方が絶対よかったわ…」
顰蹙を買う行為は避けたいが、胸で足元が見えないのは致命的過ぎるだろ。自分の胸揉んだって何も感じないんだわ。
道も整備されてないから、マジの獣道って感じがする。怠すぎる。せめて始まりの街とかにして欲しかった。
「靴もスニーカーとかさ。ウォーキング用の靴とかせめて足への配慮くれよ。移動なんて専らバスとか車なんだぞチクショウ」
何事も便利になった世の中からいきなり原始時代並みの不便さに早変わり。スマホもないし、暗くなったら身動きできなくなる。
「この森?の規模も分かんないし、マジで無駄に動いてる説あんだよなぁ…」
食糧もないし、水もない。水があったとしても飲めるかすら怪しい。火を起こす方法もしらねぇんだぞこちとら。
草木をかき分けながらでこぼこ道を進むこと約三十分。人と出会った。
深くフードを被った人。口元だけしか見えないため信用、信頼できるからは別問題として。第一異世界人発見だ。
「こ、こんにちは〜」
猫撫で声が出てしまったが仕方ないだろう。だってこの人悪い人かもしれないし。俺は悪くねぇ、俺は悪くねぇ。
「……ふざけているのか?」
「えっ?」
いきなり低い声で怒られたんだけど。ふざけてなんかないんだが。そんなこと俺に言われても案件だ。
「なんだその装備は。死にたいのか?」
「えっと…その色々訳ありでして…」
剣呑な雰囲気を何とかして、助けてもらわないと…。このまま森にいても死が待ってるだけだし…。
「ほう?では訳とやらを聞いてやろうじゃないか」
少しだけ俺の話を聞いてくれるようなのでここでプレゼンに失敗したらダメだと直感が告げてくる。
ここは正直に言おう。
「じ、実は俺別の世界で生きてて、死んじゃって…羽生えた幼女に転生?させられたんです。信じられないですよね?あはは…」
「………嘘ではないようだな。いいだろう。そのふざけた話を私は信じてやる」
「信じてくれるんですか?」
この人めっちゃいい人なのか?こんな突拍子もない話を信じるなんて…。
「私の眼にかけて馬鹿なお前を信じてやる」
「あ、あの!」
「何だ?」
ここしかない!この森から抜けるためにもこの人に助けてもらうしかない!
「俺の話を信じて頂けるなら人のいる場所まで連れて行ってもらえませんか!」
「……いいだろう。ここで会ったのも何かの縁だ。それぐらいの手助けくらいはしてやろう」
「ありがとうございますっ!」
嬉しさのあまり俺は目の前のフードさんに抱きついてしまった。
「ごっ…」
お腹に強烈な痛みと同時に俺は気を失ってしまった。
ーーー
「知らない天井だ」
お腹に痛みは感じるが、まあ割と引いているかな。ここは一体どこだろうか。上半身を起こして周囲を見渡す。
俺が寝ているベッドとテーブルとソファしかない。ミニマリストか?
一応痣になってないか確認くらいしておくか。
ワンピースを捲ってお腹を確認する。ふむ、痣のない綺麗な肌だ。
「お前は何をしている…」
いつの間にかいたフードの人は自身のお腹をガン見する俺に対して呆れた声を漏らす。
「痣なってないかなーって」
「……あれはお前が悪い。余程平和な世界に生きていたのかは知らんが素性も分からない人間に抱きつくな。不用心にも程がある」
「うっ…それはごめんなさい…」
項垂れつつも、謝罪する俺を見て少し柔らかくなった空気を感じる。
やっぱりこのフードの人かなり優しい人だな。
「……気絶する程の強さで殴った私にも非はある。その詫びとして私の家に連れてきた」
なるほど…?だけどお家にお呼ばれしたことが詫びになるのか?そういう価値観とか?
「その顔を見るに自宅に呼ぶことが何故謝罪に繋がるのか分からんといった顔だな。……そのなんだ。お前がこの世界に馴染むまでこの家に置いてやる。必要な物も、食糧も私が全て出してやる。だからさっさとこの世界に慣れて巣立つといい」
なるほど、そういうことか。衣食住とか安心して過ごせるのは凄くありがたいし、こちらとしても願ってもないことだ。呑まない手はない。
ただ一つ思ったのが殴ったことは互いに悪いで終わりでもいいのにわざわざここまでしてくれるのはやっぱりこの人が優しいからだろう。
じゃなきゃ会って間もない素性もよく分からん上に異世界から転生したとかいうイカれた奴を自宅に居候させようなんて易々とできるもんじゃない。
「ではそのご好意にありがたく甘えさせて頂きますよ」
「……ふん」
こうして顔の見えない人との生活が始まったのだ。
ーーー
異世界生活開始一週間。
まずこの世界における戸籍らしきものを作ってバイトのようなものから始めることにした。多少の収入は欲しいと思ったからである。
それと合わせてフードさんに一般知識を教えてもらいつつ、文字と言語の勉強もした。文字を書けない、読めないは深刻な問題だし、言ってはいけない言葉とかある可能性も知っておくべきだと思ったからだ。
それと二日間くらい経ってもフードさんは俺の前では一切素顔を見せず、名前も教えてくれなかった。なのでフードを強引に外したら死にかけた。
『死にたいらしいな』
『いい加減顔見たい!名前知りたい!あなたの事もっと知りたい!』
ってじたばたしたら怒りを通り越して呆れたらしく観念してくれた。俺の勝ち。
どうやらエルフの女王様で超絶有名人らしく、この街に銅像も建っている程の有名人で俺は卒倒した。
名前も馬鹿長くて、俺が愛称としてリーちゃんって呼んだらぽかーんしてた。本来なら拷問の末公開処刑されて首は晒されて体はモンスターの餌にされるらしい。グロ過ぎて吐きかけた。
そんな女王様が何故こんなコソコソ生活しているのかと聞けば顔を真っ赤にしながらふたなりを治したいって超小声で言ってくれた。
手入れが行き届いた金髪を肩まで伸ばして森を連想するような瞳は本当に綺麗だしちょい垂れ気味なのも○。
『変なことを考えているな』
殺されかけたけど実際リーちゃんは美人だし可愛い。もうtntnついてるからお得理論すら通用するとみた。
ていうか多分体も凄いんだよなリーちゃん。体のライン分からないけど抱きついた時細いのは分かったし、胸も大きい。
女王様に相応しい体なん──すみません、なんでもないです。
まあそんなこんなで一緒に料理したりお風呂入ったり、モンスター討伐しに行ったりと中々激動の一週間だったのだけれど……。
それすら超える問題が発生してしまった。
「リーちゃんごめん…」
「………気にするな」
二人で依頼をしていたのだけど、今回の受けた依頼は迷宮に存在するアイテムの回収で、俺がミスってしまい謎の液体を頭から被ることになってしまったリーちゃんはピンク色のいかにも怪しい液体がリーちゃんを濡らした。
「拭こうか?」
「いや、構うな。今風魔法で……」
俺が近づいた瞬間に即座に距離を取るリーちゃん。最近は近づいても逃げないのに。…普通に考えたらこの怪しい液体が何か効果あるんだよな。
「どうかした?」
「…なんでもない」
そう言ってリーちゃんは風魔法で液体を吹き飛ばして体と服を綺麗にした。
依頼報告はいつもリーちゃんがしているのに、今日は何故か俺に全てを押し付けてどこかへ行ってしまった。
流石にこれだけ何かありましたと明言するようなことをされては同居人としても心配なのでリーちゃんを探す。
依頼報告を完了して報酬を受け取り街を走り回った所風俗に行ったことが判明した。
ーーー
異世界人であり居候のアオイ。そのアオイをあと少しでレイプするところだった。その想像だけで私は背筋が凍る思いだ。
関係の悪化だけでなく、エルフの女王として禁忌である。恐らく発情させる液体だと思われるアレのせいで、元を辿ればアオイのせいなのだがそう言う小さなミスを言い訳にして、レイプを正当化しようとした私がいたことが情けなくて憤りを感じた。
ゴブリンに呪いをかけられた時と同等の怒りを自身に感じるほど脳みそが下半身と直結しているような思考に陥ったことが許せない。
まだ一週間ちょっとの関係で更にはただの同居人を自身の欲望の捌け口にしようなどと、一人の女王としてあまりにも恥ずべき考えだ。
そのためお金を払い風俗で既に七人に相手をしてもらったのにも関わらず、愚息は未だに天を仰いでいる。
お店側からもこれ以上は…とやんわりとお断りをされているためもう一回だけヤって出るのだが、どうしたものか。
アオイには既にふたなりだとバレているが、何故かアオイをレイプはしたくないと心が言っているのだ。
なんとなく頭の中で分かってはいるのだが、それを認識してしまえばもう戻れないと分かっているから。
だがこのまま家に帰るわけにもいかない。一体どうすれば──。
「うわ、凄い臭い…」
今一番聞きたくない声が聞こえた。伝承や伝説に必ず出てくる女神様と同じ容姿の彼女が。
「リーちゃんって絶倫?」
いつも通り。何も気にしてませんといった顔でアオイは部屋に入って来た。
「ど、どうしてここに…?」
「あー…まぁリーちゃんが心配でさ。街の中駆けずり回ったんだからな。少しは俺を頼れって」
………。
「分かった。アオイ今すぐ家に帰ろう」
「へ?ちょ」
私は服を回収し、裸のままアオイの腕を掴み転移魔法で家へと直帰した。
もしフードさんに助けてもらえなかった場合、主人公はモンスター達の孕み袋として生き続けることになってました。ゴブリン、オーク、ドラゴン、インキュバス、虫、触手等にいいようにされてしました。
助けられた頃には既に遅く、自分からモンスター達の孕み袋として嬉々として孕みアクメ出産をしたくてわざと犯されに行っちゃうbad endルートです。
これ続きいります?