※この作品はR-18です。

カクリヨ村のTSっ娘   作:四号戦車

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第05話:喪失~ハジメテ~

翌朝。

 

「ねぇ、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ?初めてなんて、天井のシミ数えてる間に終わるんだし」

 

カチコチに固まるオレを、小夜がほぐそうと声をかける。

 

「そ、そんなこたぁわかってんだよ。それでも……緊張するなって方が無理だろ?」

「どぉせなら昨日の晩に勢いに任せて抱いちゃえばよかったのにね。あえて冷静になる時間作って焦らすなんて、亮様も結構Sっ気あるっていうか」

 

小夜はそんなことをおどけて言うが、多分一番心の準備が必要だったのは亮なんだろう。

だから……あんなことを言ったんだと思う。

でも、その1日の空白がオレにあれこれと思い悩む時間を作ってしまったのもまた事実だ。

 

亮に――――親友に女として抱かれる。

 

言葉にしてしまえばたったそれだけのことなのに、オレはなんだかこの先の運命を分かつ最後の一線を踏み越えているような気になってしまうのだ。

そしてそう思ってしまったが最後、どうしても落ち着かないのだ。

 

亮と相談して、今日はどこへも行かずに互いに家の中ですごそうと言うことになっている。

だから亮もこの家にはいるのだが、お互い目を合わせると気恥ずかしいのか、自然と互いに別の部屋でその時間まで過ごすような流れになっていた。

 

「ねぇ俊様?」

「なんだよ……小夜」

「今日アタシ、別の部屋で寝るから」

 

突然声をかけてきたと思えば、これまた突拍子もない報告。

 

「どうして?」

「いや、普通に男女の初めてのセックスくらい二人きりでさせてあげる分別はアタシにもあるよ?」

「男女の……って……」

「今はそう思っておいた方が気楽だよ?」

 

茶化すような口調だが、小夜なりにオレへのアドバイスなのだろう。

ありがたく受け取ることにした。

 

「ん…………わかった。ありがとう小夜」

「どーいたしまして♡」

 

手をひらひらとさせて去る小夜。

おそらく次は亮のところに行って、同じようにアドバイスするんだろうなと思うと、お節介で世話焼きな小夜の気遣いに思わず笑みがこぼれてしまう。

 

あとは――――

 

「なぁ亮」

「なななななんだ俊?」

 

オレと同じように緊張でガッチガチになった亮。

パニクったときは他人がよりパニクってるのを見るとなんか冷静になれるよな。

 

「ま、まぁ緊張してんのはお互い様だ。そんなに固くなんなよ」

「お、おぅ……」

 

そう返しながらもガッチガチの亮。

普段の亮はいつもオレをリードする役で、オレが緊張してるとこうして声をかけてほぐしてくれるのだが、今日は完全に立場が逆転してしまっている。

珍しいこともあるものだが、そんなときこそオレが冷静になって亮の力になってやるのが普段の恩返しってもんだ。

 

「亮……とりあえず、先に風呂浴びてくる」

「お、おお…………」

「次はお前だからな」

 

ゴクリとつばを飲み込む亮。

行為への期待が早すぎる気もする。

 

脱衣場で服を脱いで風呂に入る。

最近は女物のキャミソールとホットパンツの装いにも大分慣れてきた。

少し肌寒い季節になってきたので、そろそろまた暖かいコーディネートを考えないとななんてことを思いながら風呂桶から汲んだ湯を肩にかける。

少し熱い湯の感触が肌に気持ちがいい。

 

ふと居間の方を見ると、こちらを見る亮と目があう。

(うお……亮まだ居間にいたのかよ)

 

この風呂は居間や寝室と隔てるガラス製の壁が完全に透明なので、こうして居間からは風呂の様子が丸わかりになってしまう構造だ。

それを知っているからこそ亮は普段オレが風呂に入るときは見えない位置に逃げるのだが、今日はあまりにも緊張しているせいかそれを忘れていたらしい。

 

要するに何が言いたいのかと言えば、今亮からはオレの裸身がバッチリ見えているわけで――――

 

「………………っ!?」

 

咄嗟に後ろを振り向いてしまうオレ。

今日これからそれ以上のことをするというのに、その亮に一糸まとわぬ裸身を晒している事実に急に羞恥心が湧き上がってくる。

 

普段ならそこまで気にするようなことは無いのに、それでも気にしてしまったのはあの亮の視線――――これから抱く牝を見る(オス)の視線を感じてしまったからだ。

恐る恐るちらりと居間の方を見ると、先ほどまでいたはずの亮の姿が消えている。

 

多分オレと同じように咄嗟に見えない位置まで待避したのだろう。

亮に固くなるななどと言っておきながら、オレはオレでしっかり緊張していてそれを隠せないでいる。

 

小夜がこの家に来てから、今日は久しぶりの二人だけの夜。

オレと亮が『はじめて』に挑む――――特別な夜。

 

(男に抱かれるって……どんな気持ちなんだろうな)

 

オレはそんなことを考えながら、いつもより念入りに全身を清めるのであった。

 

  *  *  *  *  *

 

そして、とうとうその夜がやってきた。

普段は同じ部屋で寝泊まりしている小夜は昼のうちに宣言したとおり、別の部屋に布団を移してそこに寝ている。

 

「それじゃあお二人さん、あとはごゆっくり……」

 

そう言って小夜が去ると、並べてくっつけた布団の上に座るオレと亮だけが寝室に残される。

 

「じゃ、じゃあ始めますか……」

「そ、そうだな……」

 

風呂の時はまだ比較的余裕のあったオレも、こうしていざ亮を目の前に二人きりで目を合わせているとどうにもギクシャクしてしまう。

布団の上で正対して座るオレと亮。

 

亮の顔は酒に酔っているかのように紅潮している。

そしてオレも――――多分同じくらいに。

 

だがそうやって互いに固まってしまってはいつまでも話が進まない。

 

(ええい、ままよ……っ!)

 

意を決しておもむろに寝間着を脱ぐ。

ノーブラなので、下着はローライズのパンティ一枚だけだ。

胸ははっきりと女であることを主張する程度にはあるが、動き回ったときにぶるんぶるんと動いて邪魔だというほど大きいわけでは無い。

 

オレより幼いのにオレより胸の大きい小夜に言わせればさらしでもブラでもいいからつけないと胸がちぎれそうになっていたいらしいが……まぁ、そうじゃなかったのは運がいいやら悪いやら。

 

パンティを脱がないのは……まだ、オレの覚悟が決まりきっていないからだ。

 

「亮。一つお願いがあるんだが……聞いてもらっていいかな?」

「あ、ああ……何だ?」

 

すっくと亮の前に立つ。

ちょうど正対して座る亮の眼前に、オレのパンティがある構図になる。

 

「その……だな。この最後の一枚(パンティ)は……亮が脱がせてくれ。そしたらオレ……お前に抱かれる覚悟を……決めるから……」

 

何も言わず、ただゴクリと唾を飲み込み喉を鳴らす亮。

おそるおそるオレのパンティに手をかける。

 

「いいんだな……俊……」

「ここまできて今更だってことはわかってんだよ。でも……ハハ、どうしても怖くてな」

「…………わかった。俺も男だ。俊にばかり侠気(おとこぎ)を見せるワケにはいかないもんな」

 

そういうと亮はゆっくりと手をかけた俺のパンティを下ろしていく。

パンティにはすでにべっとりと濡れた俺の愛液がついてオマンコとの間に一筋の糸を引いてしまっていた。

 

「俊……これって……」

 

気恥ずかしさで死にそうになるが、こうなったら全部晒してしまうしか無い。

 

「ああそうだよ!お前との……亮とのセックスを考えたら……勝手にこうなっちまったんだ。しょ、しょうが……ないだろ……」

 

消え入りそうな声で答える。

羞恥心で顔はまるで火がつきそうなほどに熱い。

亮の顔をまっすぐに見れないオレは、ギュッと目を瞑って最後のイチジクの葉を剥ぎ取った姿を亮に曝し続ける。

 

「そうか……」

 

亮はただ一言そうつぶやくと、一度立ち上がってパンティを下ろしきったオレを布団の上に寝そべらせる。

右手で肩を抱えられるような形で優しく亮に抱きかかえられるオレ。

 

亮の手に触れられたところがやけに熱くて、オレは全身を強張らせる。

布団の上で仰向けになるオレの上半身を抱きかかえる亮は、もう一方の左手をオレの股間に伸ばしていく。

その指先がオレの陰裂(スリット)に触れると、思わずじっとりと愛液が漏れ出してきた。

 

小夜に言わせればオレの肢体(カラダ)はずいぶん濡れやすいらしいが、確かにオレの牝の象徴(オマンコ)はまるでオレの意思を無視するかのように勝手に濡れてしまう困ったヤツだ。

亮に抱かれたいとか、亮のことを男として意識しているとか、そんなわけあるはずないのに、亮に抱かれることを想像しただけですっかりこの有様なのだから本当に度し難い。

 

亮の指先がゆっくりと、オレの陰裂(スリット)を縦スジに沿って撫でていく。

少しくすぐったいようなその感触と、まるで初めて女を抱くような亮の初心(うぶ)な反応に、オレは逆に少しリラックスできたような気がした。

 

「ハハ……亮、もう濡れてるだろ……?前戯はいいよ」

「お前のここ(オマンコ)……全然使われて無いんだな」

「ばっかじゃねぇの?正真正銘処女だっつうの。つうか、誰と比較してんだよ?小夜か?」

「ま、まぁな……悪い、余計なこと言った」

「お互い初めてだしな。しょうがねぇよ」

 

ククク、と互いに口元が緩む。

 

「だけど俊、ずいぶん落ち着いてるな」

「ばぁか。さっきから心臓鳴りっぱなしで止まりそうなくらい緊張してるっつうの。亮がそれ以上にパニクってるだけだぜ?」

「そうか……そうだな……」

 

亮はそれだけ言うとオレを抱える右手を下ろし、オレを完全に布団に寝かせる。

仰向けに天井を仰ぐオレの上に四つん這いの形で亮が覆い被さる。

亮がズボンを脱ぐと、屹立した凶悪な極太チンポがボロン!と顔を出す。

 

(うおお……改めて見るとすげぇサイズ……!)

 

宴席で一緒に村娘達を抱いたときはオレのチンポより一回りほど大きいかなと言う程度だった亮のチンポは、この村に順応したのかさらに大きく節くれ立った形に姿を変えていた。

 

『――――亮様のチンポは形もすごいんだよ?』

 

いつか小夜が語っていたことを思い出す。

それがこれからオレの膣内に挿入されると言うことに、まだ実感が持てないでいる。

 

オレの脚を亮が持ち上げて左右に開く。

亮が腰を下ろしオレの腰にぴたりとつけると、亮のチンポがオレの下腹部の上に乗っかる形になる。

先端がへその上まで到達するそのサイズは、挿入されたら確実に奥まで貫かれるであろうことを否応なく思い知らされる。

 

(こんな……こんなモノが……オレの膣内に……)

 

「じゃあ行くぞ……俊」

「もうここまで来て怖じ気づいてもしょうがねぇだろ……」

「そうか……そうだよな。スマン……」

 

亮がオレの秘裂(スリット)に先端を押し当てる。

互いの性器の先端同士が軽く触れあいくちゅ♡とフレンチキスを交わす。

 

オレと亮に――――これ以上の言葉は必要ない。

 

ゆっくりと亮が腰を前に進める。

オレの縦スジに押し当てられた極悪チンポの亀頭(先端)がオレの(ハラ)の一番下を押し上げていく。

マン肉がわずかばかりの抵抗をするが、ぐいぐいと押し込まれるチンポの圧力にあっさりと白旗を掲げて縦スジが左右に押し広げられると、くちゅり♡と水音を立ててチンポがその中へと沈み込んでくる。

 

(挿入(はい)ってくる――――!亮のチンポが……!)

 

最初に感じたのは圧迫感。

まるで焼けた杭を下腹部に押しつけられるような強い圧迫感が、オレの内臓を奥へ奥へと押し上げてくる。

次に感じたのは――――強烈な異物感。

オレのカラダに存在しない器官がオレの内臓の中に無理矢理ねじ込まれる感覚に、生物としての根源的な恐怖が惹起される。

 

(これ……!こんな……!こんなモノが挿入(はい)るのかよ……!?)

 

そんなオレの恐怖心すら無視するように、亮のチンポはどんどんオレの膣内へと沈み込んでくる。

 

ググッ……グググッ……!とオマンコが押し広げられていく異物感に必死で耐えていると、ある場所でチンポの侵入が妨げられる。

そこは――――かつて小夜に教えてもらった場所。

 

『――――ほら♡ここが俊様の処女膜♡コレを亮様のおチンポでブチブチィ……♡って破ってもらいたいんでしょ?』

 

その場所を今、亮のチンポの先端で膣奥(おく)膣奥(おく)へと押し上げられている。

処女膜にかかる圧力が強まるたびに、まるでオレのオマンコがチンポに完全に裂かれるような錯覚に陥ってしまう。

だが、そんな恐怖を口にしたが最後亮はオレに遠慮して挿入をやめてしまうだろう。

 

それに――――かよわく無力な女のように恐怖心に負けてワガママを言うということだけは絶対にしたくない。

肉体(カラダ)がそうなっても、精神(ココロ)だけは男でありたい。

それがオレの男としての最後の矜持(プライド)だから――――

 

ブチッ、ブチチチィ――――!

「ぐっ……あっ♡ああっ♡ああああああああああっ♡」

 

亮のチンポの圧力に耐え続けていた処女膜が、とうとう抵抗できずに崩壊を始める。

薄い肉の膜が千切れて裂ける。

マクを破るために力の込められたチンポは、処女膜(最後の抵抗線)が決壊したことで一気に膣奥へと侵入を果たす。

わずかばかりの鈍い痛みがオレのカラダを強張らせるが、それ以上の暴力的な快感によって全てかき消されてしまう。

 

「おおおぉ♡おおおおぉぉぉっ♡」

 

まだ誰にも踏み荒らされていない未踏の膣壁を、女殺しと化した亮のチンポが無遠慮に押し拡げていく。

みっちりと隙間無く埋まるほどの熱い異物が、オレの内臓を掻き分けてその膣内に収まろうとする。

 

「うあ……っ♡うああ……っ♡ああっ……♡」

(挿入(はい)ってる……!亮のチンポが……!オレの膣内(なか)にぃ……っ♡)

 

――――ズンッ!

 

「んおおおっ♡」

 

オレの一番膣奥(おく)を亮の亀頭が叩く。

まるで灼熱のハンマーでぶっ叩かれたような衝撃に、思わず声が漏れてしまう。

小夜のようにはしたなく淫らな声は出すまいだなんて思ってたオレのちっぽけな我慢なんて吹き飛ぶほどの衝撃に、オレはあっけなく叫ぶような喘ぎ声をあげてしまう。

 

(こ……こんな……っ♡こんなのって……っ♡)

 

この村に来て、初めて女とのセックスをした。

男として女のオマンコに挿入する感覚は実に甘美で、経験したことが無いほどに気持ちのいいものだった。

だが――――これは。こんなものは。

女として男に挿入される感覚がこんなにも暴力的で、それでいて――――

 

(気持ちいい……なんてぇ……っ♡)

 

「大丈夫か……俊?痛くないか?」

「しっ……知らない……っ♡しらにゃいぃ……っ♡」

 

亮の問いかけにも答える余裕なんてない。

内臓を押し拡げられる強烈な異物感。強引に千切れ飛ばされた処女膜を喪失した痛み。そして膣壁を隙間無く擦りあげられて歓喜に震える圧倒的な快感。

それらがない交ぜになってオレの全身を支配している。

 

思考なんて全て吹き飛ぶ。

オレの一番膣奥に侵入した亮のチンポ(オレでは無い器官)が、オレの内臓と溶け合って一つになっていく感覚。

いや――――逆だ。

オレのカラダが――――亮のチンポに支配されていく。

 

カラダがオレの意思を裏切る。

もはや何一つ言うことを聞いてくれない。

それどころか、絶え間なく発せられるオレの脳が焼き切られてしまうほどの快感の波動にオレの意思がかき消されていく。

 

「おっ♡おっ♡おおっ♡おおおぉぉぉ……っ♡」

「大丈夫か……?」

「りょ、りょお♡りょおぉぉぉぉ……っ♡」

 

もう何も考えられない。思考がまとまらずに霧散して溶けていく。

自分が消えて無くなってしまいそうな感覚に、縋るように亮の名を呼ぶ。

それを聞いた亮は、黙ってオレの肢体を抱きしめる。

 

女の柔肌とは違う亮の……男の胸板に抱かれて、未知の快感に消し飛びそうなオレにはまるでそれが自分をつなぎ止める最後の寄る辺であるかのように感じられてしまう。

反射的に亮の肢体にしがみつくオレ。

 

きつく強く抱きしめ合うオレと亮。

下半身で一つになりながら、互いの心臓を重ね合わせて鼓動を同期するように強く上半身でも一つになる。

挿入されたオマンコからの快感に消し飛ばされそうな意識を亮の胸の鼓動を感じることでつなぎ止めているような不思議な安心感がそこにはあった。

 

オレが求めたからか、亮も求めていたからかはわからないけど、オレ達はそのまましばらくそうして一つになり続けた。

 

  *  *  *  *  *

 

「俊……まだ意識あるか?」

「ぅ……ん。だ、大丈夫……」

 

あれからどれだけの時間が経ったんだろう。

5分か。30分か。

時間の感覚さえわからないほどではあるが、まるでずっとそうであったかのようにオレと亮は布団の上で互いのカラダを抱きしめ合い続けていた。

 

挿入直後は苦しいほどの異物感だった亮のチンポも、時間が経つにつれだんだんと馴染んでくる。

まるでそれがあるのが当然であるかのように一つになるオレ達の性器。

オレのオマンコが亮のチンポの形に変えられていき、オレの肢体が亮のモノになっていく。

 

「痛みはどうだ?」

「痛み……?あ、ああ……もう大丈夫」

 

亮に言われてやっと破瓜の痛みについて思い出す。

正直痛いなんて感じる暇も無いほどに強烈な感覚に連続で襲われ続けていたから、そんなこととうに忘れてしまっていた。

それでも亮にあらためて言われると、ようやく実感が少しづつ湧いてくる。

 

処女喪失(ロストバージン)……したんだな。オレ……♡」

「この村で二度目の卒業だな」

「うるせぇ♡まさか亮とセックスすることになるなんて……思っても無かったっつうの」

 

クククと笑い合うオレと亮。

そうやって語る相手は昔からの親友なのに、一方でその相手と深く繋がって一つになっている。

不思議な感覚だったが……悪い感覚では無かった。

 

「そんで、親友の処女膜破って女にした感想はどうよ?」

「それを言うなら、親友に処女膜破られて女にされた感想を俺が聞きたいな」

「わっかんねぇよ……こうしてずっぷしチンポぶち込まれててもまだ……お前のことを異性として意識してるわけじゃねえしさ」

 

オレに取って亮は亮だ。別にオレの姿が変わったってそれは変わらない。

 

「俊からしたら俺が変わったわけじゃないしなぁ」

「それじゃあ、亮に取っては違うってか?」

「オレに取って俊が親友なのは変わんねぇよ。でもさ、今チンポツッコんでんのはめちゃくちゃな美少女で、そいつが亮の言葉を吐いて亮みたいな反応をしてる……みたいな変な感じだよ」

「なるほどなぁ……」

 

言われてみりゃあそりゃそうだ。

俺から見れば亮はせいぜいチンポがえっぐい感じになったってだけ。

でも亮から見れば俺はとびきりの美少女なワケで。

 

「もしかしてさ……結構我慢してた?オレとのセックス」

「もう一線越えちまったから白状するけど……割とずっと我慢してた」

「そっか。大分我慢させちまったな」

 

毎日隣に眠る美少女を見ながら、コレは親友だからと言い聞かせる毎日。

それがこの村での亮の日々。

女になって大変な目に遭っていたと思っていたオレは、そんな亮の必死な我慢にも気付かずにずいぶんと苦労をかけてしまったなと反省する。

小夜はそれに気付いていたからこそ……こうしてオレと亮のセックスを勧めていたんだと言うことに鈍いオレはようやく理解することができた。

 

「小夜にも謝んないとなぁ」

「なにを謝るんだ俊?勝手に性欲処理に使ってごめんなさいってか?」

「いやまぁそれもあるけどよ……小夜は小夜なりに亮のことを考えていてくれたんだなって」

「幼いけど聡い娘だよな」

 

明日朝日が昇ったら――――小夜に『ごめんなさい』を言おう。

そして……『ありがとう』も。

 

「そういえば亮、小夜はどうなんだよ?あの子とのセックスは」

「おまっ……男に抱かれてる最中に別の女の話するか普通!?」

「女を抱いてる最中に別の女の話をするヤツぁクズ男だろうけど、女のオレが聞くぶんにはいーだろーがよ♡」

 

ニシシっと笑う。

亮はあきれた顔でオレを見る。

 

「そういうくだらねぇこと言ってっと……こうだっ!」

「んっお゛♡おまっ……急に……ぃ♡」

 

亮が軽くオレの肢体を上下に揺らす。

深々とオレの膣内に刺さった亮のチンポが、オレの膣壁を擦りあげる。

ぴっちりと亮の形に拡げられたオレのオマンコも、少し動けばすぐにその凶悪な形に蹂躙されてしまう。

 

反り返って節くれ立った肉茎や、松茸のように傘を広げるカリ首に擦りあげられる膣壁が歓喜の絶頂感を放ちオレの脊髄を駆け上がって脳を犯す。

 

「う゛っ……♡動くのは……っ♡まだぁ……っ♡」

「すっかりメスみたいな鳴き声覚えやがって……!」

「う゛っ、う゛るせえっ……♡我慢してても……漏れちまうんだよ……っ♡」

 

まるで男に媚びる牝のように甘い嬌声で啼くオレ。

どんなに恥ずかしいと我慢しても、亮がオレの膣内でチンポを動かすたびに勝手に漏れ出てしまう。

亮に言われるまでも無くそれを否応なく思い知らされて、オレは情けないやら恥ずかしいやらでずっと気にしているというのに、デリカシーのないやつめ。

 

「おっ……お前のチンポ、エグすぎんだよ……♡小夜も散々啼かせてんじゃねぇか……♡」

「女殺しだもんな。しっかり俊の『牝』は堕とさせてもらうぜ?」

親友(ダチ)を堕としてどうするつもりだっつうの……♡」

 

これ以上動かせないように、あらためて亮のカラダを強く抱きしめる。

亮も亮で強い突き上げは諦めたのか、グリグリと深く挿入したまま腰を動かしてオレのオマンコにチンポを忘れないようにと躾けてくる。

 

「ふぅ……っ♡ふぅぅ……♡ふっ……♡んっ♡」

 

さっきの突き上げほどの強烈な快感ではないものの、『オレの膣内(なか)に亮がいる』ということを否応なく意識させるセックス。

 

「亮お前……っ♡いつの間にそんなねちっこいセックス覚えたんだよ……っ♡」

小夜(いい先生)がいたからな。お前の質問の答えがこれさ、俊」

「ちっきしょ……っ♡しっかり女殺しのテク仕込まれやがって……っ♡親友相手にするセックスじゃねえだろうが……っ♡」

「それなら俊はオレの親友やめて(メス)にでもなるか?」

 

口の端をにやりと持ち上げて聞く亮。

そんなつもりさらさらないくせに。

亮のヤツ、しばらく小夜にセックス任せていたらずいぶんピロートークにも慣れたようだ。

 

「ハァ……♡ハァ……っ♡くっそ……♡ぜってえお前のメスにはなってやんねぇからな……っ♡」

「おーおー頑張れ。それでこそ俊だぜ」

 

思わず蕩けてメスにされそうなセックスをしながらオレがそれに耐えるのを頑張れという亮。

冗談がましく言ってるくせに、コレが亮の本音だというのだから全く度し難い。

 

「うっ……うるせぇ……♡射精()すならとっとと射精()しやがれこのチートチンポ野郎……っ♡」

「もう少し俊の反応を楽しんでたかったんだがな……お前がそう言うなら遠慮無くやらせてもらうぞ?」

 

オレの上半身(カラダ)を抱き起こして正常位から対面座位の形にすると、両腕を解放して腰をぐっと掴む亮。

亮の首に回したオレの両腕だけがオレの肢体を支える形になる。

密着度が下がって少し遊びのできたオレの肢体を腰の動きでズンッ♡ズンッ♡と強く突き上げる。

 

ぐちゅっ♡ずちゅっ♡どちゅっ♡どちゅん♡

「ん゛ぅっ♡くぅ……っ♡ふぅ゛っ♡ん゛っ♡」

 

とんっ♡とんっ♡とんっ♡とんっ♡と一定のリズムでビートを刻む抽挿(ピストン)

そのたびにオレの膣壁が亮のチンポに擦りあげられて、えげつないくらいの絶頂感が駆け上がってくる。

カラダの火照りがどんどん強くなって、口から漏れる吐息がどんどん艶増していく。

 

「ふぅ゛……っ♡んっお゛♡お゛ぉ♡お゛ぉン……っ♡」

「ようやく……雰囲気出てきたかよ……っ!俊っ……!」

 

亮の問いかけに答える余裕はすでに無い。

ただただ亮のチンポに蹂躙されるオマンコに支配されて喘ぎ声を上げてしまう。

さっきよりは馴染んだと思っていたのに、亮が少し動くだけであっけなく支配権を手放して亮に明け渡してしまうオレの肢体。

 

女のカラダがこんなにオスに媚びるだなんて……思ってもみなかった。

コレがセックス。女の――――メスのセックス。

 

「そろそろ……射精()すぞ……っ!」

「まっ……待て……っ!今……今射精()されたら……っ♡」

 

ぐいぃ……っ♡とオレの腰を掴んで強く引きつける亮の両手。

がっちりと腰をホールドされてオレの一番深くに突き刺さる亮のチンポが一瞬はっきりと感じ取れるほどに膨らむ。

そして次の瞬間――――一気にそれが炸裂した。

 

どぷっ……!びゅくんっ!!びゅっくん!びゅくっ!!ドクドクドクドク……ッ!!

「お゛あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁっ♡射精()てるっ……♡オレの膣内(なか)に……っ♡ザーメン射精()てるぅ……っ♡」

 

亮のチンポが拍動するたびに、オレの一番膣奥(おく)を熱い白濁の奔流が埋め尽くしていく。

膣壁をぴっちりとチンポで塞がれて逃げ場の無い白濁達は、唯一残されたオレの子宮へと流れ込んでいく。

 

「あっ――――()づぅ……っ♡亮の精液……っ♡オレの膣内(なか)……っ♡灼けるぅ……っ♡」

 

子宮の奥まで充満する亮の精子の熱さを、オレの子宮は絶頂感に変換して脳を()く。

脊髄をゾクゾクと駆け上がるそれはまるで灼けた鉄串を脊髄に挿し込むかのよう。

『メス』として満たされる圧倒的で暴力的な多幸感に、オレは意識を手放してビクビクとカラダを震わせる。

 

「お゛――――――っ♡」

 

オレが覚えているのはここまでだ。

翌朝オレ達の様子をうかがいに来た小夜が見たモノは、全身真っ白になるほど精液を浴びたオレと、それでも飽き足らずにオレの子宮に精液を注ぎ続ける亮の姿だったそうだ。

 

  *  *  *  *  *

 

「それで?初めてのセックスはどうだった?俊様♡」

「うぅ……思い出したくねぇ……」

 

頭を抱えて悶えるオレ。

 

朝になって亮とのセックスから解放されてもイキっぱなしで目を覚まさないオレを、亮と小夜の二人がかりで風呂に運んで洗ったらしい。

全身ベトベトの精液を丹念に拭い落とし、オマンコにたっぷりと詰め込まれた精液達も全て掻き出された。

 

それでもオレが目を覚まさないので、仕方なく横にさせていたそうだ。

オレが目覚めたとき、空は既に日が中天にさしかかる頃だった。

 

オレが意識を失ってる間にあったあれこれを二人から聞いたオレは、そのあまりにもだらしない姿に穴があったら入りたい気分だった。

 

そしてとどめのこの小夜の質問。

亮のチンポでオマンコ貫かれて、弱々しいメスにされて雑魚イキし続けた昨夜の出来事を説明するなんて、とてもじゃないが言えそうに無い。

 

「まぁ、俊様にあらためて聞かなくても昨日はすんごぃ声で啼いてたからまるわかりだったけどね」

「そっ……そんなデカい声出してないだろ……!?」

「隣家に聞こえるんじゃ無いかってくらい派手に喘いでたよ?」

「うぅ……」

 

行為が終わって冷静になればなるほど、親友相手に晒した痴態に恥ずかしさが募る。

 

「亮様に媚びるようなあまぁい声でメス啼きしてたよ♡俊様♡」

「小夜お前……完全に面白がって言ってんだろ……!」

「今までアタシが亮様にハメ潰されるのずっと聞いてたお返し。むっつりスケベの俊様が亮様にぜぇんぶ曝け出されてイキ狂った感想はどう?亮様のメスになる覚悟はできた?」

 

それは――――これからも、亮の性欲をこの肢体で受け入れるかどうかと言うこと。

軽い口調で聞く小夜だが、その意味は口調よりもずっと重い。

小夜はそれをわかっているからこそ、あえて冗談めかして聞いているのだ。

 

「そ、それは…………」

「小夜。俊だって昨日の今日でまだいろいろ感情の整理もついてないんだ。そんなに責めてやるな」

「はーい」

 

オレの寝ている合間に寝室の掃除をしていた亮が戻ってくる。

小夜はオレの耳元に顔を近づけると、耳元で小さく囁く。

 

「良かったね俊様♪アタシ達のご主人様が優しくて♪」

「だっ……誰が……っ!」

「とっとと認めちゃえば幸せになれるのに。でもそんな強情なとこが亮様のお気に入りなのかな?」

 

そう言って小夜がすっくと立ち上がって部屋を出る。

 

「お、おい……!どこ行くんだ?」

「せっかくだからお祝いに『秋の村のお楽しみ』を持ってきてあげる!」

 

とてとてと家を出て行く小夜。

 

「俊もそう小夜を責めてやるな。お前が気を失ってる間、なんだかんだとかいがいしく世話をしてくれたんだぜ?」

「オレが気を失ってもハメ潰してくれたヤツがなに言ってんだか」

「お前がやめてと言えば俺はやめたぞ?最後までそう言わなかったのは俊だろ?」

 

『やめてくれ』どころか、意識すら吹っ飛ばすほどイキ狂わせたヤツがよく言ったものだと思うものの、それもまた亮なりの冗談で俺を和ませようとしてるんだろう。

 

「まぁ、小夜には戻ってきたときに感謝しておくよ」

「そうしとけ俊。俺は少し寝かせてもらうとするよ。昨日は少しばかり俊を楽しみすぎた」

 

ふあぁとあくびをしながら寝室に向かう亮。

オレの処女喪失(ロストバージン)が話題であることをのぞけばいつも通りの他愛ない態度。

それがありがたくもあり――――恥ずかしくもある。

 

オレ一人になった軒先で、紅葉に色づく村の木々を眺める。

 

「オレ……処女を亮に捧げちゃったんだな……」

 

あらためて口にすれば、結構な一線を越えてしまった気がしてくる。

でも、その一線を押しとどめていたある問い――――『もし亮とセックスをしたら、オレ達は親友同士でいられるんだろうか?』と言う想いは、事前に思っていたほどのことは無かったなと言うのが正直な気持ちだ。

 

確かに亮とセックスをした。アイツのチンポで散々メス啼きさせられた。

でも――――アイツとオレは親友同士だ。

恋愛感情なんかじゃ無い。男同士の友情があると確信できる。

それがある限り、オレと亮はうまくやっていけるんじゃ無いかって気がしてる。

 

オレの初めての体験(ロストバージン)の感想は――――最高に気持ちよかった。

 

  *  *  *  *  *

 

「ただいま俊様。いっぱい採ってきたよ」

「おかえり小夜……って、それが言ってた『秋の村のお楽しみ』か?」

「うん。この時期しか採れないけど、すっごくおいしいから試してみて。俊様は料理が得意だからどうやってあしらうのかアタシも楽しみ」

 

嬉しそうに小夜が抱えたザルいっぱいに入っていたのは……キノコだった。

舞茸みたいに見たことがあるキノコから、毒々しい色をした見たことが無いキノコまで。

たくさんの種類のキノコがザルにてんこ盛りだった。

 

「ていうかコレ食えんのかよ?天然物のキノコは知識が無いと結構危ないって聞いたぞ?」

 

ザルから気になっている毒々しい色のキノコを手に取り小夜に聞く。

 

「あ、人聞き悪いなぁ。全部食べたことのあるキノコだし、どういうキノコかアタシ全部知ってるから大丈夫だってば」

 

頬を膨らせて怒る小夜。

時折見せる年相応の仕草がこの清楚な女の子の魅力でもある。

 

「それならいいけどさ、後でどういうキノコか教えてくれよ?」

「もちろん。そこら辺は安心していいよ俊様」

 

そう言って胸を張る小夜を信じることにしよう。

小夜からキノコの盛られたザルを受け取ってキッチンに向かう。

これなら天ぷらもおいしそうだなぁなどと考えていたときだった。

 

「客人様。お話ししたいことがございます」

 

背後から聞こえる小夜の声。

だが、その声音はオレ達の知る少女のものでは無い。

突然のことに振り向くと、そこにいるのは小夜だった。

小夜だったのに、その雰囲気は小夜のものでは無い。

 

「お前……一体誰だ?」

「ああ、驚かせてしまいましたね。今は少しこの娘の身体を借りているのです。決して貴女達に危害を加えるようなことはいたしませんのでご安心を」

 

スゥ……と目を開ける『ソレ』。

小夜の姿をした『ソレ』は、オレ達に安心しろという。

 

「小夜を乗っ取ったのか?」

「この村の娘達はある意味で村そのものであり――――私もまたそうですから。少しだけ貴女達とお話をさせていただくために一時借りているだけです。用件はすぐ済みますし、そうすればこの娘の身体も返しますとも」

 

フフと微笑む『ソレ』。

姿形は間違いなく小夜なのに、その瞳に宿るオレを見据える底知れなさは明らかに別の者の意思を感じさせた。

 

「お前は誰だ?」

「私はこの村の中心にある祭壇を管理させていただいている巫女です」

「その巫女が、小夜の身体を乗っ取ってオレ達に一体何の用だ?」

「いえ、客人様方はこの村を出たいご様子。お噂はかねがね伺ってますよ?俊様」

 

そうだ。オレ達の目的はこの村を脱出することにある。

小夜と一緒に暮らしているのも、こうしてキノコを調理するのも。

 

――――オレが亮に抱かれていることさえ。

 

だからこそ巫女を名乗る『ソレ』の言葉を、オレは無視することができなかった。

 

「村から……脱出できるのか?」

「それをお話ししますので、村の中心……今は閉ざされた(やしろ)にお越しくださいませ。生憎私はここを離れることができないので」

「そこに行けば全て話すと?」

「だからこうしてこの娘の身体をお借りした次第です。お待ちしております、俊様、亮様」

 

どうやら『ソレ』は亮のことも知っている様子だった。

怪しいことこの上ないが、ずっと手がかりが無かったこの村で、ようやく見つけた手がかりでもある。

それに――――早く小夜の身体を解放してやりたかった。

 

「わかった。亮にはオレから伝えておく。なるべく早く向かうよ」

「ありがとうございます。それでは――――この娘はお返ししますね」

 

フッと小夜の意識が途切れその場に倒れそうになる。

オレは慌てて飛び出し持っていたザルを手放してその身体を支えた。

キノコが床に散乱するが、小夜と天秤にかけられるものではない。

 

「ん……あ、あれ?俊様……」

「大丈夫か小夜?」

「あ……キノコ……床に落としちゃった……」

「キノコは拾えばいいさ。とにかく……どこかおかしいところはないか?」

「うん……少し寝かせて……」

 

そう言ってスゥと瞼を閉じる小夜。

スヤスヤと寝息を立てているのでとりあえずは無事なようだ。

オレは小夜を寝室に運び寝かせると、床に散乱したキノコの後始末をして亮を起こしに向かった。

 

  *  *  *  *  *

 

「それで――――村の中心にある社、か……」

 

オレと『巫女(ソレ)』の話を一通り聞いた亮は、難しい顔で悩んでいる。

そりゃあそうだ。そんな話をオレ伝いに聞くこと自体オレも亮も想定していなかったのだから。

こういう話は頭のまわる亮の領分なのだ。

返す返すも亮のいる時で無かったことが悔やまれる。

 

「俺が眠ってるタイミングを狙ったのかもな」

 

さすがに頭の切れる亮はそこまで考えたらしい。

罠だとすれば、それを見抜きやすい亮を避けたというのは一理ある。

 

「どうする亮?」

「悔しいが、他に手がかりが無いのも確かだ。俊、そいつは『村の中心』そう言ってたんだよな?」

「ああ」

 

亮がこの村の地図を拡げる。

 

「もしそれがあるとすればきっとここだと思う」

 

亮が指さした先は、何も無い場所。

地図の上では、森のど真ん中だ。

 

「どうしてそう思うんだ亮?」

「この村の形だよ俊。この村、ここを中心に川に向かって扇形に広がってるだろ?」

 

言われてみれば確かにそうだ。

亮が指さしたのは、扇で言えばちょうど要の部分。

何も無いはずのその場所に、何かがあると言うことだ。

 

「地図に書いてないのは盲点だったな。そりゃどこ探しても見つからないはずだ」

「じゃあ亮……そこに行くのか?」

「罠の可能性は十分警戒するけど、唯一の手がかりでもあるしな。とにかく行ってみることにしよう」

 

そうして、オレと亮は『村の中心』に向かうことにした。

社があるであろう場所に向かう道は舗装されていない古い道が敷かれたエリアで、その道の先は木々で覆われている場所まで続いていた。

一見すれば行き止まりに見えるそこは、よく見るとツタで覆われているものの道の痕跡がさらに先まで続いている。

 

オレは護身用に持ってきた鉈でツタや藪を刈ると、その先に続く道を開くことができた。

 

「確かに……こりゃあ言われなきゃわかんないよな」

「ああ……信憑性はありそうだ」

 

オレも亮もその先に何かがあると言うことだけは確信できた。

だが、ソレがオレ達にとっていいことかどうかは――――まだわからない。

 

警戒しながら道を進むと、そこはまさに社と言った作りの建物が並ぶ。

ただ、周囲の家々は人の気配の代わりにどうにも嫌な……直感的に忌避したくなるような気配で充満していた。

 

道の一番奥にある本殿とその前に置かれた賽銭箱の周囲を見回してみるが、オレに突然話しかけてきた『巫女』の姿は見当たらない。

 

「さぁて亮……どうしたもんかね」

「多分どこかに入り口があるんだと思う。本殿の裏手の森との境を探してみよう」

 

小一時間ほど歩き回って探したところ、ツタで覆われた洞窟のようなものを見つけることができた。

ここがそれか、罠の可能性も警戒して身構えていると、突然奥から声が聞こえた。

 

「お待ちしておりました。どうぞお入りを」

 

透き通るような、それでいて凜とした良く通る声だった。

オレと亮はいつでも逃げ出せるよう警戒しながらも、恐る恐る洞窟に入る。

 

「よくぞ参られました。生憎私は見ての通りここを離れることができないため、このような形でお呼びだてしてしまい、不調法ご勘弁願います」

 

そこにいたのは――――注連縄(しめなわ)に手足を埋められ捕らわれた若い女だった。

村娘達と同じように長い耳を持つその女は、羽織の前をはだけて陰部と乳首を札で隠された淫靡な姿だったが、その顔には人ならざる神聖な雰囲気を漂わせていた。

だがよく見ればその顔は村娘達に似ていると言うより――――

 

「俊、コイツの顔――――見覚えあるよな?」

「ああ、幽によく似てる」

 

――――そう、この『巫女』の顔は、幽によく似ていた。

小夜や他の村娘より一段凄みを感じさせる幽。その幽に神聖性を纏わせたような『巫女』。

なるほど、同系統の顔立ちをしている。

まるで親戚同士のように。

 

「はい。彼女たちはある意味この村そのものであり――――そして私もまたそうですから」

 

ニコリと微笑む『巫女』。

 

亮が一歩前に進み、彼女に問いかける。

 

「そんなことよりどうして俺達を呼んだのか、理由を聞かせてもらいたいところだが……まずは最初に一番大事な問いに答えてもらおうか」

「ええ、私に答えられることであればなんなりと」

 

亮の問いかけに優しげに答える巫女。

そして亮がオレ達にとって最も大事な質問を投げかける。

 

「俺達は元の世界に――――帰れるのか?」

 

しばらくの沈黙が流れる。

やはり答えることができないことなのだろうか。

そう思った時、巫女がゆっくりと口を開いた。

 

「結論から申し上げれば――――この村を出て帰ることは可能です。貴方方客人様を外界からお呼びするため、この村は一年に一度だけ現世に開かれるのです」

「つまり……その時運悪くオレ達はこの村に迷い込んだと?」

「『魅入られた』と言う方が近いかもしれませんが……概ねその通りです」

 

そこからの巫女の話によると、この村は一年に一度だけ現世に開かれるので、そのタイミングであれば村から脱出できること。

脱出したいとこの祭壇で強く願うことで元の世界に戻れること。

 

ただし、そのチャンスは一度しか訪れないこと。

 

この村に順応し、老いず死なず無限に循環する不変の存在であることを受け入れてしまえばこの村と同化していき、帰ることができなくなること。

裏を返せば――――この村で人として成長することが必要だと言うことに他ならない。

 

この村はある神様が結ばれる運命にありながら結ばれぬ人々を嘆き作った幻想の郷。

だからこそこの村では永遠に愛し合うことができるように、永遠に循環する閉じた世界になっている。

だが一方でその歪みが異常な性常識やセックスを強要するような男根の呪いと言う形で世界の有り様を歪めてしまったのだという。

 

そんな不変の村(かわらずのせかい)で変化する『異物』であること――――それが脱出の条件だった。

 

「そんな簡単なことでいいのか?黄泉戸喫(ヨモツヘグイ)は影響ないのか?」

「難しい言葉を存じているのですね亮様は。ええ、その程度では影響ありません。ですが、2年、3年と季節が巡るほど馴染んでしまえば、現世には帰ることができなくなるでしょう」

「――――だから、1年後の一発勝負ってことか」

「はい。ですからこうしてお呼びだてしたのです。現世に戻る機会を失ってからでは遅いですから」

 

亮と互いを見てうなずき合う。

なるほどな。これで巫女が小夜を使ってオレ達を呼び出した理由もわかった。

帰りたいと願う客人に帰る道標を与えたかったのだろう。

 

「だが、同時に一年はここにいなきゃいけないってことか」

「残念ながら、それ以外の方法はございません」

「わかった。脱出できる方法があると言うことがわかっただけでも大収穫だ」

 

亮は心底ほっとした顔をしている。

亮はきっと、ずっと一生このままでは無いのかと言う不安に精神が苛まれていたのだろう。

そんな不安から解放された、そんな顔だった。

 

「ただし――――この村を出れば、貴方たちお二人の運命は永遠に交わらぬものとなるでしょう」

 

(どういう意味だろう……?)

俺には意味がわからなかったが、ふと亮の方を見るとまた険しい顔になっている。

 

「亮、どういう意味かわかるか?」

「要するにここに呼ばれるような人間達は、ほっときゃ望んでいても引き裂かれる運命にあるような連中ってことだ……俺達も含めてな」

「だから……この村の神様とやらがそうならないよう呼び込んだ……ってことか」

「幸か不幸か、魅入られてしまったということはそういうことですね……」

 

巫女はどこか寂しそうにオレと亮を見つめる。

もし戻れても、オレは地元で亮は都会で。

また別々の生活になって離ればなれ――――そういいたいのだろう。

 

「俊……」

 

亮が複雑な表情でオレを見る。

ここから脱出したい。でも、オレと離ればなれにもなりたくない。

そんなことを考えているのだろう。

 

「亮、とりあえずまだまだこの村にいなきゃいけないんだ。そのことはいったん後に回そう」

「俊……それでいいのか?」

「お前は頭がいいぶんあれこれ考えすぎるのが悪い癖だ。バカなオレはいつだってそうさ。頭をひねってもわからん問題は、今すぐどうこうしなきゃいけないってワケじゃなきゃ先送りするしかねぇよ」

 

俺の言葉にキョトンとする亮。

だがすぐに破顔する。

 

「俊……そっか。そうだよな。俺は難しく考えすぎてたのかもな」

「難しく考えるのは亮のいいとこだぜ?」

「まぁなんだ。お前のそういうとこに俺は助けられてるってことさ」

 

そんな俺達を巫女は慈愛に満ちた瞳で微笑む。

とりあえず、この巫女に俺達に対する悪意が無いと言うことがわかっただけでもよしとしよう。

 

「さて……とにかく俺達に帰れる手段があることはわかった。だが巫女さん、俺達には……俊にはもう一つなんとかしなきゃいけない問題がある」

「伺いましょう」

「俊はここに来た時男だった。でもこの村の飲み物を飲んで女になっちまったんだ。コレをどうにかしない限りただ帰るってワケにはいかないんだよ」

 

そうだ。亮の言うとおり、帰れるだけじゃダメなんだ。

俺が男に戻る方法。

それを突き止めないことには帰れない。

さすがに女の身体で帰るわけにはいかないからな。

 

だが、それを聞いた巫女はずいぶんと困った様子の表情だった。

 

「俊様がこの村で牝となられたことは存じ上げております。ただ……初めてのことなので私にもよくわからないのですよ」

「まさか?老いも死も無い世界を作れるカミだ。それくらいのことはできるんじゃないのか?」

「ええ、亮様の言うとおり。それもまたきっとこの村の歪みなのでしょう。ただ、今はまだそれをどうすればよいのかお答えすることができないのです」

 

亮が怪訝そうに巫女を睨む。

 

「アンタ、この村のご神体のようなもんだろ?多分この村で一番『カミ』に近い存在のはずだ。そのアンタでもわからないと?」

「はい。残念ながら……」

 

少しの間思案していた亮だったが、ふぅと一息吐くと肩をすくめて見せる。

 

「それならしょうがないけどな、俊を男に戻さないことには俺達は帰れないんだ。アンタにもできれば協力してもらいたいもんだ」

「ええ、それはお約束しましょう。ここに来ることができると言うことはまだお二人が現世に近いしるし。何かわからないことがあれば、いつでもお越しくださいまし」

 

そうして、オレと亮はこの村の巫女との邂逅を終え、洞窟――――いや、祠を後にする。

 

「なぁ俊、お前はあの巫女のこと、信用できるか?」

「ん?亮は疑ってんのかよ?オレは……信用してもいいんじゃねえかなって思ってる」

「どうして?」

「この村の連中はどいつも……小夜でさえ、セックスすることをまるで神聖なことのようにありがたがってる。まぁそれが巫女の言う『この村の一部』って意味なのかもしれねぇけどよ。でも、あの巫女さんだけは村のことより俺達のことを考えてくれてただろ?まるで神様に反抗するみたいにさ」

「なるほどな……まぁ、それならあの巫女に乗っかってみることにするか」

 

帰りの道中、そう言って亮は吹っ切れたような表情になっていた。

多分、やるべきことがはっきりしたからだと思う。

 

この村で一年を過ごす。

そして、その間にオレが男に戻れる方法を探す。

現世に帰った後俺達がどうなるかは――――それについても、決着はつけなきゃいけない。

 

こうして、俺達のこの村でのモラトリアムが、本当の意味で始まったのであった。

 

 

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