俺は異世界に転生した。ここはアニメやゲームに出てくるような二次元ファンタジー世界である。魔物や魔獣などの異形が闊歩する、剣と魔法の世界だ。
そんな世界にレオンは生を受けた。
物心ついた時にはすでに両親はなく、施設で育っていた。この施設はある闇の組織が運営しているもので、その組織は身寄りのない孤児たちを使って様々な人体実験を繰り返していた。その組織の名は【パンドラ】、今のこの世界を破壊し新たなる世界を作ることを目的とした組織である。その為ならどんな非道な行いも厭わない集団だった。
だがその組織の人間たちは、ただのマッドサイエンティストというわけではなく、優秀な研究者であり、その頭脳は天才と言っていいほど卓越していた。
だからだろうか? 世界でも一握りしかいない上級魔術師たちで構成されていた。そしてレオンはその組織の被検体の中でも最高傑作であらゆる魔術適性があり、さらには魔力量も多いことから将来有望株として期待されていた。そんな、ある日レオンは生贄に選ばれたのだ。
それはパンドラが長年の悲願である新世界創造の為、異界なる魔神を召喚しその強大なる圧倒的な力を授けて貰う為であった。
レオンはその魔神の依り代として生贄に捧げられたのだが儀式は失敗に終わったのだ。儀式は魔神ではなくこの俺の魂を召喚してしまったのだ。レオンは既に儀式の影響でこと切れており俺の魂は近くにある新鮮で若い肉体(レオン)に乗り移ったようだ。
これはそもそも、魔神の依り代としてなっていたレオンの肉体に魔神ではなくこの俺の魂が呼び出されて起こった事故だったようだ。
レオンの記憶や知識はそのまま引き継がれていたので特に支障はなかったが、さすがに驚いた。まさか自分の意識と記憶がそのまま他人の身体にあるなんて思いもしなかったからだ。
しかもその乗っ取った肉体は前世の肉体を遥かに上回る高スペックの肉体なのだから……。
まず第一に身体能力が高い。これは恐らくレオンは施設で長年、肉体強化訓練や改造手術などを受けていたためだろう。また、五感なども優れていて視力も良かった。そして何より優れていたのは動体視力だ。目の良さだけは誰にも負けないと自負しているほどだった。そして次に優れた能力があった。それが超回復力である。それも異常なまでの速度で回復するのだ。手足が欠損してもすぐに再生するほどの回復力を持つ肉体になっていた。
それに魔術適正の適性も高くこの世界での魔法には火、水、土、風の4属性があり通常の魔術師はそのどれか一つの属性の魔術を使うことができる。また、稀に二、三属性の魔術を使える者もおり、その四つの属性以外の雷や氷といった特殊な属性の魔術を使える者もいる。
だがオレの場合、それらとは明らかに異なっており、なんと全属性持ち(オールラウンダー)なのだ。これは本来、有り得ない事で異なる世界から来た俺の魂が影響したのだ。俺の魂がレオンの肉体に入り込んだ影響で二つの異なった性質が混ざり合った結果、新たな性質になり誕生した奇跡のような存在になったのだ。その性質の力は強力無比で上位の魔術師たちが束になって挑んでも足元に及ばない程の圧倒的な強さだ。
そして、魔力量も他の魔術師たちと比べて桁違いに多く、もはや化け物の中の化け物と言えるほどの実力を有している。
さらに俺には数少ない魔術師の中でも非常に希少な能力として魔眼を持っていた。それは未来視と呼ばれる魔眼である。
これは瞳に魔力を込めれば込める程それに比例して先の未来を見通す事が出来る神話でしか語られないような伝説の魔眼だった。因みに魔眼、発動時には瞳に黄金の五芒星が紋様として浮かび上がるのだ。