バカと恋と友情~もう一つの現実ともう一つの恋 作:ハラミハラ
それにしても前の投稿はダメもとで出したつもりがかなりの人数が増えていてびっくりしました。いや、ほんとありがとうございます。これからも頑張らさせてもらいます!
さて、今回のお話でやっとあいつが出せました。ほかのキャラもバンバン出したいのですがいつになるのやら...
それではどうぞっ
「う、うん...ここは....?」
目を覚ますとそこには知らない空間に僕はいた。普通の人ならば混乱してパニックになるだろうが、僕がそうなることはなかった。なぜなら、隣に眠っている木下さんがいたからだ。僕の手を握って....
そうか、僕倒れて...多分ずっと看病していてくれたんだろう。となると、可愛らしい部屋の風景から考えて、ここは彼女の部屋なんだろう。
(ありがとう、木下さん)
心の中で静かにお礼を言って...もちろん後でちゃんと言うけど...とりあえずベッドから出ようとしたときに、彼女の顔が濡れていることに気付いた。
(...涙?)
そう、彼女の顔は涙で濡れていた。しかもベッドのシーツがかなり濡れていた。なぜこんなにも?
「ううん...よしい、くん?」
あ、木下さんが起きた。
「吉井君!!?」
ゴッツ
「あだっ!?」
突然起き上がった木下さんの頭が僕の顎にクリーンヒットした。いてて...
「あ、ごめんなさい...大丈夫?」
「うん、なんとかね」
というかいつもの痛みに比べれば何ともなかった。
「そう...あ~びっくりした~」
「はははっ、木下さんも大丈夫?」
「うん!アタシはヘーキ!」
木下さんが眩しいくらいの笑顔を向けてくる。や、やば...
「き、木下さんなんかご機嫌だね!」
僕には耐えれそうになかったから慌てて顔を逸らす。
「え?...あ~多分泣いたからスッキリしたんだと思う」
「そうだ、どうして泣いてたの?」
「あ、いや、えっと...ってそれよりも熱は!?」
木下さんが強引に話題を変えてきた。う~ん、まあ触れられたくないことなのかもしれない。
「一応大丈夫だと思うけど...」
「ほんとに?」
そう言って僕の額に手を当てる木下さん...かなり恥ずかしいし、なんかデジャブだし...
「まだ熱いじゃない」
「い、いやこれは」
「これは?」
「えっと....なにもないです...」
なんだろう?いつかの映像をもう一度見てるような...そうだ、こんなやり取りを姫路さんとも...
『姉上~帰ったぞーい』
「あ、やっと帰ってきた」
二人の声で僕はハッと我に返った。
「吉井君、あなたは一人じゃないよ」
「え?どういうー」
「む、やはりここにおったか」
どういうこと?と聞こうとしたところにちょうど秀吉が部屋に入ってきた。
なんだったんだろう今のは?
「えらく遅かったわね秀吉」
「実は途中で雄二に会っての、話が長くなったから連れてきたのじゃ。ほれ、薬を買ってきたぞい明久」
「え?わざわざ買ってきてくれたの!?ありがとう秀吉」
「礼には及ばんて」
ほんとお世話になりっぱなしだな~。
......雄二....?
「よお明久、まだ生きてるか?あ、じゃましてるぞ木下姉」
「...ああ、坂本君いらっしゃい」
今木下さんの目の色が変わったのは気のせいだろう。
「って雄二なんでここに!?」
秀吉の後ろから現れた人物はまさかの坂本雄二だった。身長180cmはあるがっつりした体格とライオンのようなツンツンした頭は相変わらずだ。それとブサイクなのも...こんなのでも僕悪友にしてFクラスの代表だ。
「誰がブサイクだ。まあ平気そうで何よりだ」
「うん、なんとかね...」
「まだ姫路のこと気にしてんのか?」
「っ!!」
流石雄二だ。今触れられたくないことだと知って僕の心を抉ってくる。
「たくっ。お前、なんでそんなに苦しんでんだ?確か姫路の携帯番号知ってただろ。あれから一回でも連絡とったのか?」
「そ、それは...」
次々と発せられる雄二の尋問のような問いかけに僕はたじろぐ。
「ちょ、ちょっと坂本君!」
「黙ってろ木下姉、こいつにはこれぐらいがいいんだよ」
「雄二!僕のことはいいけど、木下さんにそんな言い方ー」
雄二が木下さんを厳しくあしらった態度に苛立ちを覚え反論しようとするけど、それもすぐに跳ね返される。
「お前は人の心配をしている場合か?」
「僕のことはどうでもいいんだよ!いいからさっさと木下さんに謝れ!!」
なぜか感情がヒートアップして自分を止められなくなる。すごく頭が熱い...
「どうでもいい、だ?ふざけてんじゃねえぞ!!明久!!!」
雄二の怒鳴り声がビリビリ部屋に響いてそれに共鳴するかのように僕の声も大きくなっていく。
「一体何がふざけてるって言うんだ!」
「お前のそのくだらねえ自己嫌悪のことを言っているんだ!いつまでもウジウジしてんじゃねえぞ!」
「く、くだらないだって...?これは僕が背負うべき罰なんだ!それを雄二にどうこう言われる筋合いはない!!」
「いい加減にしろ!何が罰だ!お前はそんなことで姫路が喜ぶとでも思ってんのか!?」
「思ってるわけないだろ!」
「だったらなんでまだそれを続けてる!?意味のないことだと分かんだろ!?」
「............」
雄二の問い攻めに僕はとうとう答えを失う。
怒鳴り合ってお互いに乱れた息が整うまで少し間が開く。そして、落ち着いたときにまた雄二がゆっくり話を切り出す。
「...お前、今姫路がどうしてるか知ってるか?」
「え...?」
「あいつな、週に一回俺のところに電話してくるんだ。泣きながらな」
「な、なんで」
「なんでだと思う?心配してんだよ!お前のことを!電話してもつながらない、状況を知る術もない。そりゃ不安にもなるわな!...一応お前は大丈夫だと言ってある」
「ぼ、ぼくはー」
....僕は一体今まで何をしてたんだ?彼女への罪滅ぼしだと思っていたのはただの自己嫌悪と自己満足?僕は....一体何を何をなにをなにをなにをなにをー!
「....秀吉、携帯をよこせ。」
「う、うむ...」
雄二が秀吉から携帯をとる。なんだ...?
「今、姫路とつながってる。俺たちの会話を全部聞いたはずだ」
「な、んだって....?」
姫路さんとつながってる?今の会話も全部聞かれた?そんなー
「後はお前がどうにかしろ」
そう言って雄二は僕に携帯を渡すと部屋から出て行った。
そして静観していた木下さんと秀吉が口を開く。
「明久よ、お主のありったけの気持を吐くのじゃ。すまぬがワシにはこれくらいしか言えん...」
秀吉も部屋から出ていく。
「....吉井君、辛いだろうけど頑張って。それと...ごめんなさい」
目に涙を溜めた木下さんも部屋を後にする。
....そうか、雄二のやつこれを狙ってたのか。秀吉と木下さんも見ているのはきっと辛かったはずだ。
そこまでしてもらったんだ。期待に応えないわけにはいかない。
「もしもしー」
意を決した僕は電話の向こう側にいる人物に話しかける。緊張と恐怖で手が震える。....でも、もう逃げない...逃げたくない!しっかり今の現実と向き合うんだ。