バカと恋と友情~もう一つの現実ともう一つの恋 作:ハラミハラ
いまいち出来が決まらず投稿遅くなってしまいました、お待たせしてすいません!
それでは懺悔が済んだところで本編の方、読んでやってください。
「はぁ、酷い目にあった.....」
あの後何とか連中を振りまいてようやく教室に戻ってこれた。どうせみんな戻ってくるからまた同じことになるんだろうけど....。
「それはこっちのセリフだ明久。せっかく最近は秀吉のおかげでやつらも治まっていたのに」
「まったくじゃ、こうなってしまってはもうわワシにもどうすることもできぬ」
隣にいる雄二と秀吉が口々に言う。ていうかそもそもどうやって抑えていたのかすごく気になる。
「ねぇ、どうやってあの連中を....」
「あ、明久君戻って来たんだ!よかったぁ~!」
「お~みんなよく無事だったねぇ」
「.....元気そうで何より」
理由を聞こうとしたところで教室に優子と霧島さん、工藤さんが入ってきた。
「三人ともお帰り、どこか行っていたの?」
「どこか行っていたの?はずいぶんだねぇ、吉井クン?」
「へ?」
ずいぶんって?
「皆で探していたんだよ~?優子が、吉井クンがお弁当食べれないとかわいそうだってね」
「え、ほんとに!?」
「ホントよ、まったくもう」
「な、なんかすいません」
わざわざ探させてしまったなんて、すごく申し訳ない。
「べつに、お弁当、もったいないし.....」
優子が拭きながら言う。わざわざ探させてしまったから、怒ってるのかなぁ。
(雄二、どうしよう。優子怒らせたみたいなんだけど)
(お前それ本気で言っているのか?)
(あたりまえじゃないか)
(はぁ、お前ってやつは....。いいか?何で木下姉がわざわざお前に弁当を作ってきたと思う?)
優子が僕にお弁当作る理由かぁ。
(材料余ったとか?それとも昨日運んであげたお礼とか?)
(俺は、もう知らん.....)
(どうして!?)
聞こうとするとまたもや違う話題が入ってくる。
「....雄二も、お弁当」
「んぁ?ああ、今朝お前からもらったやつか。今日は大丈夫なんだろうなおふくろ.....」
あぁ、確か雄二のお母さんも殺人料理人だったね。こっちのはなぜか完治したけれども。
「あれ、ムッツリーニ君は?」
「ん?まだ戻ってなかったのか。あいつには三年の偵察に行ってもらってるんだ」
「そうなんだ、じゃあ、五人で屋上いこっか!」
「そうだね。もうすぐあいつらも戻ってくるだろうし、今日は天気もいいしね」
昨日とは違って今日の空は清々しいほど澄み渡っていた。
「それじゃーレッツゴ~!!」
――――――屋上
「ふぁ~気持ちいい~!」
屋上に出ると工藤さんが敷かれた布レジャーシート―に思いっきり寝転がる。確かにすごく気持ちいいや。ここに来るのもずいぶん久しぶりだなぁ。
「ちょっと愛子。みんなが座れないでしょ?どきなさい」
「ええ~?優子のケチ~」
「後で何か奢ってあげるわ」
「わー!優子太っ腹~!」
「どっちよ。ていうかだれが太いですって?」
「そんなこと言ってないよ!?」
「冗談よ」
工藤さんが優子にじゃれ付いて優子が軽くあしらっている。女子二人がキャッキャしているのってなんでこうも癒されるんだろうか?
「ほらっ明久君も早く」
「う、うん」
布はそれほど大きくないからみんな円になって座る形になる。僕の隣には雄二と秀吉、正面には優子、右側に工藤さん、左側に霧島さんが座っている。
「うわぁ~!優子のお弁当気合入ってるねぇ~!」
「ほんとだ!これ僕なんかが食べていいの!?」
綺麗に巻かれた卵焼き、タコの形をしたウィンナー、冷めているはずなのに良い匂いがたまらないから揚げ.....。なにこれ、宝箱?
「いいに決まってるでしょ。貴方のために作ったんだから」
彼女は済ました顔で言う。
「んっふっふ~ア、ナ、タ、のためにねぇ~?」
「ちょ、愛子!からかわないでよ!」
僕のためって、それじゃ材料がどうこうじゃなかったのか....。なら何で作ってくれたんだろう?
「ねぇ優子、どうして僕のためにお弁当作ってくれたの?
「「「はぁ~~」」」
「え、え?みんなどうして一斉にため息つくの?」
優子に訳を聞こうとしたらみんなが疲れたような顔をする。そんなに変なこと聞いたかな?
「あ~そういや飲み物がなかったな。秀吉、手伝ってくれ」
「承知じゃ」
「あ、そうだ。高橋先生に次の授業のプリント貰いに行かなきゃ~、代表手伝って~」
「....分かった」
「それならぼくも「アタシも」」
「「そこにいて」」
霧島さんと工藤さんの声が綺麗にハモる。それだけ言うとみんなそそくさと屋上から出て行った。何なんだ?
「はぁ、みんなってばまったく....」
「優子?」
(みんなが時間くれたんだしこの際こっちからいきましょうか)
「ねぇ、明久君。なんでアタシがお弁当作ってきたと思う?」
さっき僕が聞こうとしたことが本人から返ってくる。ええーと
「昨日のお礼?」
「三十点」
「材料が余っていたから?」
「マイナス五百点」
「ええ!?」
「本当に思いつかない?」
「あるにはあるけど.....」
これを言うのはどうなんだろうか?正直恥ずかしすぎる。けれど優子は答えを待っている目をしている。これは言わないといけないか.....。
「えっと.....僕のこと、その、す、好きだから?」
「.....わかってんじゃなのよ。そういうことよ」
目を逸らして答える優子。対する僕は彼女の顔を見ようとすることもできない。
「こういうの迷惑だった?」
「め、迷惑なんてそんな!」
「ねぇ、明久君」
言い切る前に彼女がぽつりとつぶやく。
「ん?」
「この前アタシが告白、した時、島田さんが出てこなかったら、なんて言うつもりだったの.....?」
「そ、それは.....」
僕はあの時、優子の気持ちに応える気はなかった。それはまだあの子に謝ってなくて、自分にはそんな資格はないと思っていたから。
状況に甘えてはぐらかしてきたというのに、彼女はそれでも僕のことを好きと言ってくれるのだろう。だからこそ、この子を振るという答えはもう僕の中にはない。
それに今にも泣いてしまいそうな目で答えを待つ彼女に僕はもう恋をしてしまっているんだ。だから僕は正直に答えよう。
「あのとき、答えようとしたことは忘れてほしい。僕の答えは変わったんだ」
「変わった、ね。どれがどういう風に変わったのか教えてくれる?」
「今はまだだめなんだ」
「今は....?」
僕の支離滅裂な言葉に混乱する優子。自分でも言いたいことがわからなくなりそうだ。
「今はってことは、そのうち教えてくれるのね?明久君の気持ち」
「うん、この戦争が終わったら必ず」
「わかった、それまでは待たされてあげる」
彼女は笑顔を見せてくれたが、それは辛そうで僕の心を締め付けた。
「ありがとう、優子」
「ただし、また逃げたりしたら本当に許さないから!」
「うん、僕はそんな命知らずじゃないよ」
「どうだか」
やれやれ、こんなバカな提案を受け入れてくれるなんてこの子はどこまでやさしいんだろう。
「それじゃ、明久君。あ~ん」
「.....はい?」
優子がから揚げをお箸で取ってこっちに向けてくる。あ、取ってくれたのね。
「ありがと....」
パシッ
「あーん」
受け取ろうとしたら空いているほうの手で叩かれてしまった。これはいわゆるアレですかね....。
「あーん」
「あの、優子さん?」
「ま、待たされるんだからこれくらいいいでしょ!はい!あーん!」
ムッとした顔で一向に引こうとしない。これは観念するしかないのか.....。
「あ、あーん....はむっ」
口をあけるとから揚げが口の中に入れられる。うん、冷めているのに柔らかくておいしい!
「ど、どう....?」
「うん、すごくおいしいよ」
「そう、よかったっ」
はにかむ彼女が可愛くて本当にどうにかなってしまいそうだ。この子の気持ちに応えるためにもがんばらなくちゃ!!
「お前ら、もう付き合えよ....」
「うわ!?雄二いつからそこに!?」
「木下姉があーんとかやりだしたあたりだ」
急に声がしたと思えば後ろに雄二がいた。よりによって恥ずかしいところを見られた....。殺るしかないか。
「残念ながらワシらも見ておったのじゃ」
「いや~やるね、こんな堂々といちゃつかれると目のやり場に困っちゃったよ」
「......明久、万死に値する....!」
「みんなも!?」
気がつけばさっき屋上から出たみんなが戻ってきていた。
やばい、こんな状況をみんなに見られたなら優子が.....!
「聞いて!これは!「イチャついてましたが何か?」って優子!?」
「うわぁ、言い切ったね優子.....」
「反応が予想外すぎるんだが....なんつーメンタルだよ」
「まあ姉上らしいといえば姉上らしいの」
スパッと言い切っちゃったよこの子.....。なんて男らしいんだ。
ここは僕も少しはいいところを見せなくちゃね!
「ふふん!そのとおり」
『ここにいたかー!!』
「ゲッ!あいつら気づきやがった!馬鹿のクセに!!」
「畜生!僕の台詞を返しやがれ!」
せっかくかっこよく決めようと思ったのに!
『往生せえやぁーーー!!』
「してたまるか!逃げるぞ明久!」
「了解!!」
そこから昼休みが終わるまで全力疾走した僕ら。
結局から揚げひとつしか食べれなかった.....。