バカと恋と友情~もう一つの現実ともう一つの恋 作:ハラミハラ
色んな事が重なってなかなか執筆の時間が取れない中で、お気に入り登録が増えていたり、応援のメッセージを頂いて、本当に感謝しています。ありがとう。
さて、今回からよ――――――やく戦争がはじまります。
正直今まで戦闘描写を書くことはなかったのであまり自信はないです。なので生暖かい目で見てください。
今回は二話連続で投稿しますのでよろしくお願いします。
では本編どうぞ!
午前九時 Fクラス教室――――
「てめえら!準備はできてるか!」
「「「おう!」」」
「今回は女子の身の危険やお前たちの悲願も重なっている!そして高城に一泡吹かせるぞ!」
「「「おう!!」」」
「それに戦果を挙げた奴には特別報酬がまってる!みんな頑張ってくれ!!」
「「「「おおおおおお!!」」」
雄二の叫び声とクラス全員の声が重なってビリビリと教室をの空気を揺らす。みんなされぞれこの戦いには何かしらの因縁がある。
「ようやく開戦じゃな、明久」
軍勢から少し離れた位置にいた秀吉が話しかけてきた。
「そうだね.....ここまで来るのにいったいどれだけかかったんだろう....」
「うむ?なにか言ったかの?」
「ん?僕何も言ってないよ?」
「そうか、気のせいかの....」
二人してうーんと頭を捻る。僕何か言っただろうか?
「お前ら開戦はもうすぐだってのに余裕じゃねえか」
「実感がないだけだよ、雄二」
教卓でみんなに激励を飛ばしている雄二から声がかけられる。うるさかったかな?
でも実感がないというのは本当だ。僕の覚悟は決まってはいるのだけれど、それでもなぜだろうか?気持ちが妙にフワフワとしていて、これから起こることを頭はちっとも考えてくれない。
「たくっ。そんなんで大丈夫か?まあいい、みんな!これから作戦を伝える!」
雄二が教室全体に聞こえるように声を張り上げる。
さてさて、今回はどんな作戦を練ってきたのだろうか。前回の戦争のときはクラスの平均を取るように各クラスから五人ほどのグループを作った。つまり作戦会議をするときはAクラスの教室に全員集まって指令を聞いた。でもここはFクラス教室。他のクラスの生徒は見当たらない。
「今回の作戦は.....」
みんなが息を呑んで、雄二の言葉を待つ。そして放たれたのは
「今回の作戦は全戦力、正面突撃だ!!!」
「「「........」」」
「お、おいみんなどうした?さっきまでの士気はどこにいった?」
雄二がうろたえる中、みんなはまるで死んだ魚のような目を教卓にいる奴に送る。
「雄二よ、さすがにそれは、それではだめじゃと思うのじゃが.....」
「ていうかそれって作戦って言えるの?」
「お前らなあ、本当に俺が何の考えもなく正面突撃なんて言ったと思うのか?」
「「「うん」」」
僕と秀吉だけじゃなくて、クラスの全員がうなづく。頭をがっくりと下げている奴は放置しておこう。
「と言うと、雄二には何か考えがあるのじゃな?」
「当り前だ。これはリンネから得た情報だが、二年のそれぞれのクラスに内通者が少なくとも三十人はいる」
「はぁ!?」
驚きのあまり真っ先に声をあげてしまい、クラスにどよめきが走る。二年のクラスに内通者が三十人?それが本当だとすれば、確実に僕らの動向は向こうにばれてしまう。
それに僕らの最も得意な戦術は奇襲。情報が筒抜けなら、それもあっさりと撃退されてしまう。そんなの一体どうすればいいんだ......。
「落ち着け。そのための全面突破だ」
「し、しかし雄二。それもばれるのではないかの?」
「大丈夫だ。このクラスに内通者はいない」
堂々と言い切る雄二。そうか、こいつはこいつなりにこのクラスの連中を信じているんだ。このクラスに内通者なんているはずない。さすがこのクラスの代表をしているだけのことはあるな。というかすごくかっこいいじゃないか。
「......なぜそうだと言い切れる?」
ムッツリーニが納得がいかないというような顔で尋ねる。やれやれ、邪推だなぁ。これでも僕らはここまで一緒に戦ってきた仲間だ。そんな裏切りなんてことがあるわけ
「証明してほしいか?」
「......コクリ」
「よし、じゃあ三年に裏切りをするように言われた奴は手をあげろ。正直に手を挙げた奴は全学年女子の着替え生写真を進呈する」
ザッ!!!←男子全員が手をあげる音
ガクッ!!←僕が膝を折る音
「と、言うことだ。このクラスには裏切りができるほど頭のいい奴はいねぇ」
僕の信頼と感心を返せ!と叫ぶ気力はなかった。
「しかしこのクラスにはおらんくとも、他のクラスにはおるのじゃろう?それはどうするのじゃ?」
「ああ、今から他のクラスの内通者を探すのは不可能に近い。だからこそ、他のクラスには各教室から一歩も出ないように命じた」
「なるほど、それで内通者も迂闊に外に出れないし、入ってきた三年を入口から徐々に消していく寸法なんだね」
「......お前は本当に明久か?」
あと何回このいじられ方されるんだろう?
「それでいつ動くのじゃ?もう開戦されて時間が経っておるが.....」
「ああ、ちょっと余計な時間を食っちまったな。よしお前ら!
「「「おう!!!」」」
同時刻ーAクラス教室
「ねえ、代表?」
「なに、優子?」
「本当にこれでよかったの?二年全クラスをこの教室に集めるなんて」
「......うん、雄二の作戦には落とし穴がある。Aクラスに三年が来てくれたらいいけど、E、D、Cクラスはたぶんすぐにやられちゃう」
「それで一クラスにまとめようってことね」
「うん、そんなことより優子」
「ん?どうしたの、珍しく早口で」
「吉井とはもう子作りした?」
「.........は?」
「...してないの?」
「し、してないわよ!なんでそんな話になるの!?」
「?まだ付き合ってないの?」
「付き合うって、そんな、えと......」
「優子?」
「まだ、返事もらってないのよね......。いろいろあってね」
「......そう、ごめんなさい」
「代表が謝ることじゃないわよ」
明久君は返事を待ってくれと言った。その答えがイエスなのかノーなのか半分分かってはいるけれど、最悪のパターンは否定しきれない。どっちに転ぶのか、正直この戦争よりも重要だ。
ああ、彼と時間を共にすることができるのならきっとすごく幸せなんだろうなあ。