※この作品はR-18です。

バカと恋と友情~もう一つの現実ともう一つの恋   作:ハラミハラ

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前投稿の続きでございます。


裏切り

「ねえ雄二」

「なんだ、明久」

「この戦争が終わったら、なにか変わるかな?」

「なんだそりゃ」

「姫路さんが戻って来るとか来ないとか、僕の本心とか、いろいろだよ」

「んなもん知らん。全部お前次第だろ」

「それはそうなんだけどさ....」

「なにを心配してやがんだ。お前はお前の思う通りに行動すればいいんだ」

「ここから先は僕の人生じゃ知らない事でいっぱいで...なにか大きな間違いをしてしまうんじゃないかって、正直不安なんだよ」

「おまえなぁ......いいか?一つお前の勘違いを正してやる。お前は今まで先の見える人生を過ごしてきたか?平凡に生きている奴なら多少は想像できるかもしれないが、お前は明らかに当てはまらないだろう?」

「そうだね......でも僕はバカだからさ、もし間違えそうだったら止めてね」

「任せとけ、再起不能になるまでボコボコにして止めてやる」

「...ある程度は加減してくれるよね?」

「知るか、さっさと持ち場に着け」

「へいへい」

 

 

全く、そんなギラギラした目で情けないことを言いやがって、乙女かっての。大丈夫だ明久、お前はもう間違えない。

 

 

――――――二年Aクラス前

 

「さあ皆さん、ここに閉じこもった子豚たちを一人残らず狩りつくしましょう。全く、一ヵ所に集まって防衛を張るなんて無駄なことを考えものです。何を考えようとケータイで内通者から報告は入って来るのですから。ふふっ、はっはっはっは!!」

「高城君、最近のあなたはザコキャラぽくなりましたね」

「なにを言うのですか葵小暮嬢。イケメンで賢く且つ紳士な私のどこがザコなのです?この戦争は私たちにとっては勝ち戦同然。その戦争を指揮するのはこの私、高城雅春。ああ、なんと完璧なのでしょう!」

「途中で自画自賛に変わっていることに気づいていないあなたはやはりザコキャラ同然です....」

「さあさあ、そんなことは置いといてそろそろいきますよ。皆さん、準備はいいですか?」

『おう!!』

「こんなリーダーに従うなんてあなた達もどうかしています....それより高城君、リーダーであるあなたがこんな所にいて良いのですか?」

「構いません。私が負けるなんてことはありえませんし、早く終わらせたいですから。ではとつげ――――」

『させるかー!』

「「「!?」」」

「全員、右翼左翼から削っていけ!消耗しても戦い続けろ!」

「「「了解!!試獣召喚《サモン》」」

 さて、今何が起きているのかというと、他のクラスに散っていると思っていた三年生を討伐に行ったらどのクラスももぬけの殻。そしてAクラスの前に三年生がいるのを遠目で確認。そこで状況を察した雄二が急遽作戦を変更し、相手を廊下の左右から挟んで挟み撃ち。それが今の状況だ。

「明久!お前も行け!」

「おーけー!雄二!!試獣召喚(サモン)!」

「くそ!代表を下がらせろ!奴らを近づけるな!試獣召喚(サモン)!」

『3-C  山寺 秀俊   VS   2-F  吉井明久

 現国  128点             150点 』

 サモンと叫んだ二人の足元に魔法陣が起動される。そこから出てきたのは自分自身をデフォルメした分身。その名は召喚獣。僕の召喚獣は学ランに木刀という昔の不良見たな風貌だけれど、そこからあふれ出る漢らしさが....

「なにバカやってんだ!前みろ前!!」

「うゎ!?」

 召喚獣の目の前を相手の剣が一閃する。あぶなぁ!

「くそ!コイツFクラスのくせになんだこの点数!」

「Fクラスを甘く見てはいけません!彼らは点数も上げていて....バカが極まっているので行動が予測できません!」

 なんてことを言うんだ。

「くっ!この!!」

 召喚獣に意識を飛ばして相手の剣を軽く弾いていく。やっぱりこの点数差だと大した差は感じないな。

「よっ」

 身を屈ませ下から木刀を振り上げる。ズバッと相手の召喚獣は真っ二つになった召喚獣は血をまき散らして消えた。召喚獣が死ぬ時ってこんなにグロかったかな?

『3-C  山寺 秀俊   VS   2-F  吉井明久

 現国   戦闘不能            150点 』

 相手の召喚獣を倒せばそこで倒された人は戦闘不能、つまり戦死とされ補習室に送られて、その日の戦争には参加できなくなる。

「お、おい....あいつノーダメージで倒しやがったぞ」

「皆さん何をしているのですか!今回の戦争はAクラスの代表を倒せばいいだけです!そんなザコは放っておきなさい!」

「.....させない、お前の相手は俺、試獣召喚(サモン)」

「つ、土屋康太君....!」

 余裕の笑みだった高城の顔が歪む。それもそのはず、ムッツリーニの点数は大したことはないけれど、保健体育だけは違う。その点数は時に教師を超えるほどだ。

「やばい!誰か止めに....!」

「いけ!ムッツリーニ!!」

『3-A  高城 雅春   VS   2-F 土屋康太

 歴史   350点            58点 』

「「「........」」」

 時が静寂に包まれた

『3-A  高城 雅春   VS   2-F 土屋康太

 歴史   350点             2点 』

 ムッツリーニの召喚獣は描写する間もなくやられた。ぎりぎり戦死してないけど。

「なんでしょう、このやるせない感は....」

「くっ!明久、あとは頼んだ....」

 何しに来たんだこのバカ!

「おのれ高城め!無抵抗な相手を無慈悲に切るなんて卑怯な!」

『そーだそーだ!』

『この人でなし!』

『葵さんをとっとと俺に譲れ!』

 雄二のやじ(?)に周りが反応して悪口が飛んでいく。

「吉井明久君、これは私が悪いのでしょうか?」

「....さ、さあ」

 ガラッ

「さっきから騒がしいわねぇ、もう戦争始まってるの?」

「「あ」」

Aクラスの生徒が扉を開ける。

「あ」

............

「突撃ー!!」

 しまったあ―――――!!そうじゃん!教室の入り口でこれだけドンパチやってたら誰か出てきちゃうよ!

『うぉ!?なんだ!三年が入ってきたぞ!?』

『ご、ごめん開けちゃった!』

『何してんだよ!?』

 やばい、三年が全員Aクラスへと流れ込んでいく。これは予想していなかった....!

「焦るな明久。ここにはあいつがいる」

「え?」

 この危機的状況で何を

「みんなとりあえず教室の奥まで下がって!」

「まだ状況は悪くなっていません!Fクラスと三年を挟み撃ちにします!!」

 雄二の目線を追うと怒号のように指示を送る優子と久保君の姿があった。そうだ、最初の防壁が突破されただけでまだ何も変わっちゃいない!それにあの二人もすごいけど、こっちには二年全クラスがいるんだ!

「それより問題はあっちだ」

「おらおら!二年はこの程度か!?ピーピー泣いてみろや!!」

「...夏川、これ終わったらマジ絶好な....」

「なんでだ!?」

「さあ二年生の皆さん、素直に降参してくれらお姉さんがイイコト、教えてあげますよ....?」

『うっ、ぐっ....!!』

 小暮先輩が胸元のボタンを外し、スカートの裾を太ももから手のひら全体で舐めるように上げていく、けれど中身は決して見えない。なるほど、確かにやばそうだ。

「お前絶対最後の方しか見てねえだろ」

「な、なななんの事かな!?」

 決してパンツが見えたらいいななんて思っていません。

「だが、なんか変だな....」

「変って?」

「3年にここが突破されたらもっと混戦すると思っていた。考えすぎか...?」

 確かに押されてはいるけど、いきなり教室に3年が流れたにしては騒ぎもそこまで大きくない気がする。いったいこれは?

『2年BクラスCクラス代表打ち取ったぞー!!』

 三年生の声が高々と響き渡る。

「なんだと....?」

「大変じゃ雄二!!B、Cクラスが.....!」

「聞こえていた!なんで一気に二クラスも!?」

「いやあ負けちまった~いけるとおもったんだけどなぁ~」

「あれは仕方ないよねえ~」

 戦死して退場しなければならない二クラスが出てくる。その先頭を歩く代表である二人がわざとらしく腑抜けた声をだして歩いてくる。まさか、こいつら.....!!

「おい、何やってんだてめえら」

「ああ、坂本か。すまないな、負けちまったわ。まああとは頑張ってくれや、負け戦をな」

「このクズが....!」

「やめるのじゃ雄二!!」

「おいおい、戦って負けた奴を貶すなんて酷いじゃないか坂本~。ここで俺を殴ってもお前が後悔するだけだぜ」

 確かにこいつの言う通りだ。今手を出しても雄二が何かしらの指導に引っかかるかもしれない。だけど、こいつらはわざと負けて悪びれもない。裏切りの理由は知らないけど、それを許すつもりはない。

「雄二、フィールド出して」

「俺も同じことを思っていた。起動(アウェイクン)」

 雄二は教師の許可なく自分でフィールドを出せるという白金の腕輪をもっている。

「試獣召喚(サモン)」

 再び姿を見せる僕の召喚獣。

 そして僕の召喚獣は他とは違って物質に触れることができる。その分、召喚獣が受けた痛みは何割かフィードバックするのが難点だけど、今はありがたい。

 召喚獣の拳を根本君の腹へ届ける。こいつは見た目には似合わない力を持っているからかなり手加減はするけどかなり痛い筈だ。僕らの痛みを知るといい。

「やめて、明久君」

 パンッ

「ゆ、優子?」

 召喚獣の拳は根本の腹を抉る前に優子の召喚獣に止められた。

「こんな人たちと同じ土俵に立つことなんてないよ。明久君の手はそんなことの為にあるんじゃない、たとえ召喚獣であっても」

 まっすぐこっちを見つめる優子の目は正しすぎて、思わず目を背けたくなる。

「ごめん、優子...」

「気にしないで。あなた達もさっさと消えたら?ゴミが目の前にあるのって本当に見苦しいから」

 ゆ、優子さん?

「なんだと...!」

「文句、ある?」

 にっこーと笑う女の子がここまで恐ろしく感じることは人生初めてです。

「...ちっ、覚えてろよ」

「私たちも一度体制を立て直しましょう。撤退です」

 そうして二年B、Cクラスと三年達は教室を後にした。

 

 

 

 

 

 

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