バカと恋と友情~もう一つの現実ともう一つの恋 作:ハラミハラ
新年あけましておめでとうございます。
さて、去年はこの前書き欄で就活だるいだの日本市ねだの(言ってない)うだうだ言いましたが....とうとう内定を頂き就活を終えることができました!!いえーい!
作品にまっっったく関係ないのに就活状況や体調を心配してTwitterやコメントしてくださった方々、本当にありがとうございました。
で!今回の投稿についてなのですが、就活中あまり小説に触れないようにしていたらですね、なんと.....地の文が書けなくなってしまいました.....。もうね、日本より自分がしぬべきですよね。はい。
なので今回はちょっと読みづらいと思いますが、会話だけでも流れは拾えると思うので苦にならないように読んでいただけたらと思います。
では今年もよろしくお願いします!!
職員室――――
「さて、この子たちの処分はどうするべきでしょうか?」
「この時期に三年生の、しかも両名ともAクラスの重鎮....。もし退学や停学にしてしまえば他の生徒の内心に響いてしまいませんか?」
職員室に集められた教職員達は目の前に佇む夏川と高城の処遇について悩みあぐねていた。二人のしたことは女子生徒の拉致監禁に加え暴行未遂。普通に考えれば許されるわけはないのだがそこには大人の事情というのも絡んでくる。
「だからといって、今回の事件を水に流すのは言語道断だと思います」
教員陣が世間体を気にするなか、西村宗一だけは違った。いかなる場合であれ他の生徒に、先生にさえも恥を見せない姿勢を取る。それが彼だ。
「しかし今回の件は表に出すには些か....」
「....一度その話は置いておこうじゃないか。一方的に処分しても後から何か出てきたんじゃややこしくて仕方ないよ」
会議が始まってから部屋の端で成り行きを見守るように口を閉ざしていた学園長が言葉を発する。
「だから先に聞いておこうじゃないか。さあお前たち、言いわけをするなら今だよ」
「学園長!?その子たちに助け舟を渡す気ですか!?」
その場には、というより彼女の立場としてそぐわない言葉が室内をざわめかせる。
「....へへっ。願ってもねえチャンスじゃねえか」
ざわめきの中、夏川が誰にも聞かれないように濁り切った闘志を燃やす。
「聞いてください先生方!!今回俺が木下を攫ったのは全部高城の指示なんです!俺はやらされただけなんです!」
「.....と。言っているが?」
「確かに彼女を隠せと命じたのは私です。しかしそれ以上先の行動に関して私は一切関与しておりません」
学園長と同じく状況を見ていた高城もここぞとばかりに口を開く。
しかしお互いの言葉はお互いの足を引っ張るだけだった。
「ほう....それでは島田に事情聴取をしてみるか?」
鉄人が言う。
「そ、それは....!あいつは吉井と仲が良い!!そんな奴の証言なんて信用できないんじゃないのか!?」
「少し前までは、な。今あいつらはほとんど絶縁状態だ。庇う事などないだろう。無論お前のことも、だ」
一度言葉を区切り夏川の前に詰め寄る。
「それで―――――もしお前の言葉が虚偽と判明した時のことは、覚悟しているんだろうな?」
先ほどのように声を荒げるでもなく舌を巻くわけでもない彼の言葉は余計なものを含まない分、重い。
「ぐっ!それは....」
「やれやれ、あなたは本当にAクラスですか?」
夏川が目を泳がせていると、今度は高城があきれ気味に割り込む。
「純真で無垢な女の子を襲ったのはあなたの劣情でしょう?それを私の責任にしないで頂きたい。...ああ、でも君の友人のように男の子に興味を抱いてしまうよりはマシですか」
「な、なんだと!?そもそもお前が原因じゃねえか!!この野郎ぶっ飛ばしてやる!!!」
高城の芝居がかった挑発に夏川は怒りを表に出し殴りかかる。あわや職員室はパニックになろうとする。
そう、これは芝居。その場をうやむやにする彼らの作戦。事件を上書きする算段だったが…
「そう簡単に俺がだまされると思っているのか?」
極限まで鍛えられてた鉄人の腕に胸ぐらをつかみ高く引き上げられた二人は圧倒的腕力に成す術をなくす。
「に、西村先生!さすがに暴力は...」
「そうですよ。確たる証拠もまだ上がってないというのに。聡明な貴方らしくもない、処分される側になるつもりで?」
「よく舌が回るじゃないか高城。そうだな、もしこれが冤罪なら俺も処罰されるだろう」
動くことは出来ずとも何とか危機回避しようとする言葉に西村は怯みもしない。それどころかより拳に力が入る。
「お前らは本当に高校生か疑わしくなるほどに頭が良いが、子供なのはどいつもこいつも同じだ。そんな奴らを導くのに自分の保身など必要ない」
彼の見つめる目は一点の曇りもない。大人だというのにどうしてそんなにも純粋な目をしていられるのか、きっと当人にだって分からないであろう。
「....問答はこのくらいにしておこう。後はこの件に関わった者に聴収をしていく。結果が出るまでお前たちは補習室に....」
「待ちな」
「...なんですか?学園長」
「いやね。あんたと同じ目をした連中をほっとけなくてね」
くいくい。と握り拳からでた親指で示された方向に目を向けるとそこには生徒が立っていた。
「何をしている吉井。今は会議中だ」
「そうですよ吉井君。これはいつものような事態ではなく大変な...」
西村だけでなく他の先生も明久の乱入を制止しようと出てくる。
「分かってます。大変で大事なことだからこそ来ました」
「ほう?」
「俺たちとそいつを勝負させてください。そいつらの処分はその後ということで」
明久の影から雄二が姿を現す。いきなりの申し出に教員たちはまたもざわめく。
「私からも....お願いします」
「木下!?なぜお前まで!?こいつらを許すというのか?お前のされたことは刑事沙汰になってもおかしくな―――」
「それも、分かってます。でも今先生方は物的証拠がなくてその人たちを処分できない。ですよね?」
「......」
「被害者本人の頼みだ。聞いてやろうじゃないか」
次の言葉を慎重に探す西村を置いて学園長が話を進める。どういうつもりだ?と言いたげな西村と他の教員たちの視線を浴びるが彼女は少しも気にはしない。
「で、あんたたちはこいつらと勝負して何をするんだい吉井?私怨か?それとも復讐、罪滅ぼし、断罪、敵討ち。さあどれだい?」
相手の本心を探ってやろうと学園長は意地の悪い顔で元からあるシワにさらにシワを寄せる。
その一方的な問いに明久は静かに首を横に振る。
「そうか、まあなんにせよ一度きちんと話さないといけないね」
『学園長正気ですか!?』
『一体どうされるつもりなんですか!?』
学校の命運をも左右しかねない決断を学校一の問題児に託そうというのだ。当然のごとく教員たちは反発をする。
「がちゃがちゃうっさいんだよ!!文句あるやつは一緒についてきな。私の部屋で言い分を聞こうじゃないか」
女生徒は思えぬほどドスの聞いた声で周囲を黙らせる。積み立てた年月が違うのか。はたまた教員たちに思慮がないのか、ほとんど黙りこくってしまう。その中で手を挙げた者は誰ひとりいなかった。
「おや?西村先生は食いついてくると思ったんだけどねえ」
「そいつらがここに来た時点で大方あなたの方針は決まっているのでしょう?だったら私の意見は必要ありません」
「そうかい。ならお前たち、私の部屋で詳細を聞こうじゃないか」
ようやく大人の話が終わり、話を向けられた明久たちは深めのお辞儀をする。
「さてさてなにが起こるのやら。くっくっ」
誰もが真剣な顔をする空間で、彼女は昔話に出てくる悪い老婆のように笑った。
もっと頑張ります!