バカと恋と友情~もう一つの現実ともう一つの恋 作:ハラミハラ
連続投稿しようと書き溜めてたけどなかなか進まないので投稿です。
読者の方々お待たせしてすみません><
――――体育館
今回の戦争はスリーマンセル。普段の召喚システムとは少し違うらしく僕らは体育館に集められた。
「よく逃げずに来ましたね。褒めて差し上げましょう」
既に両チームの三人が並べられていて、そこから小暮先輩が一歩出て挑発しにかかる。この人ってやっぱり性格悪いよなぁ、エロいから許すけど。
「そっちこそ、よく隣のバカを隠さずにこんな公の場に出てこれたもんだな」
相手の隣に並ぶそれぞれの学友相手に目をやり、雄二が罵倒返しにかかる。性格悪いのはこっちも同じだったか。その罵倒を受けた人たちはと言うと
「おやおや、言われてますよ。なつ...何とか君」
「てめえも同類だろうがハゲ!つかお前俺の名前覚えてないの!?」
どんぐりの背比べをしていた。というかハゲはあんただ。
「まったく、僕らより一年年上のくせになってないですね。バカ丸出しじゃないですか」
「「「お前に言われたら世話ねえよ」」」
体育館の二階に位置する通路に観客のように並んだ人たちから総ツッコミを受ける。はっはっは!皆ツッコんでくれるなんて優しいなぁ!
「全く、せっかく挑発したのに貴方たちが喋ると台無しじゃないですか」
「こほん、そんなことよりもあなたが出てくるなんて意外でしたよ。木下優子嬢」
「だな。俺が言うのも何だが肝っ玉座った嬢ちゃんだ」
優子を怖がらせる作戦だろうか?けれど優子は平然な表情をしつつ
「三年の猿二匹はウキウキ言っててうるさいですね。葵先輩、苦労が忍ばれますね」
悪口を返していた。大丈夫ならよかったんだけど、期待してた大丈夫となんか違うような...。
「おや、言ってくれますね木下嬢」
「ふっ、さっきはあんなに泣き顔浮かべてたくせよく喋るぜ」
......いまコイツ自白しませんでしたか?
「流石に失礼ですよ木下さん。猿に対して失礼じゃありませんか」
「あ、そうでしたね。これは大変失礼いたしました」
「小暮先輩はどっちの味方なんでしょうか....」
わけが分からないよ。
「おやおや、ずいぶん待たせたみたいだね。じゃ早速始めようか」
ずいぶんと遅れて登場した学園長ばばあは悪びれもなく、自分の都合で物事を進める。
「おいおい、ずいぶん時間がかかったな?体育館にシステム貼るのがそんなに大変なのか?」
雄二が質問を投げかける。今回は罵倒ではなく純粋な疑問の様だ。
「それだけなら五分もかからないさね。ちょうどいいから今からルール説明をする」
「スリーマンセルということならもう聞き及んでいますが?」
「いいや違うね高城。今回は戦争を簡単に決着させるためでもある。従っていつものように代表を立てる」
「今から決めるんですか婆長」
「もう何ヶ月最終決戦引っ張ったと思ってるんだ。楽しみにしてくれてる読者が可哀想だろう」
「代表はこちらで決めてある。というか連載が滞っているのはあたしのせいじゃないさね!?そう思うなら無駄な文字数使わすんじゃないよボケ!」
ごもっともだけど、学園長がボケとか言ったらダメな気がする。
「はあ、まったくこのジャリどもは...。代表は木下と葵だ。この二人を落とした方が勝ちさね」
両チームに女性は一人ずつ。決め方としては単純で明快かも知れないけど。
「学園長!優子は...!」
「明久君アタシなら大丈夫。痛みも平気だから」
「お前よりその子の方がよっぽど男前だね。そう、今回は全員にフィードバックがついてある。吉井は慣れているだろうけど、低い点数で強い攻撃を食らったら暫く起きられないから気をつけな。以上!質問は....なさそうだね」
学園長の話が終盤を迎えステージに立つ六人全員の目に戦意が宿る。
「では尋常に....はじ」
「「「「試獣召喚《サモン》」」」」
召喚された互いの獣たちは獲物をぶつけ合う。これは....!
「「「「反側だ!!」」」」
「どっちもだよ!!ああもう女子も早く召喚しちまいな!はじめはじめ!」
学園長が投げやりな合図におずおずと召喚する女子二人。
「なんで男子ってああなのかしら」
男たちが戦闘して聞こえないのをいいことに優子がぼやく。
「ふふふ、こちらのお猿さんはともかく、そちらは可愛いじゃありませんか。坂本君はともかく想い人が本気になってくれるなんて羨ましいです」
「先輩にも好きな人が?」
「んー今はいませんね。さあお話はこれくらいにして私たちも始めましょうか」
「はい。では....」
「「勝負!!」
(...アタシたち代表だけど戦っていいのかな?)
☆
優子の杞憂は虚しいほどに、戦う男たちには届かない。それもそのはず。
「くそがぁっ!Fクラスのゴミの分際で...!
「彼ら相手に侮る貴方がいけないんですよ」
「雄二大丈夫!?」
「なわけあるか!点数を見やがれ!」
『2-F 吉井 明久 & 坂本 雄二
日本史 170点 25点 』
『3-A 高城 雅春 & 夏川 俊平
日本史 350点 19点 』
大接戦を強いられていた。
「くそっ。フィードバックがこんなに痛えとはな...」
「僕は点数の悪かった頃から姫路さんの攻撃食らったりしてたから慣れたよ。」
「今でも点数はそれ以外変わらないだろうが。このマゾ教徒め」
なにそのこわい宗教。僕知らない!
雄二とハゲゴミの点数がなぜ極端に減っているのかと言うと...
「やっちまった...あそこで翔子のパン...が目に入るなんて!俺としたことが~!」
霧島さんは他の生徒と同じく二階から観戦している。そしてさっきから一年生まで観に来始めて、体育館の扉は開けっ放し状態。
だから風が通り文字通りパン☆チラ天国状態になる。けど女子がそんな状態を看過するわけもなく降りていく。あれで観客半分はへったよなぁ...。
「なんで翔子だけそこから降りねえんだよ!」
「...だって。ここだと雄二が見てくれる、から」
頬を染めて呟く霧島さんにフーッとかヒューッとかいう声が飛んでくる。風かお前ら。
「っだあもう!いいから降りてこいバカ!俺以外にんなもん見せんじゃねえ!!」
「...ヒューッ」
「てめえ千の風にしてやろうか」
さすがに聴いたのか、素直に降りてくる霧島さん。ちなみにスカートが捲れたのはハゲと雄二が獲物をぶつ合う瞬間だった。あとは言うまでもないだろう。
「まったく、戦いの最中に他所見しちゃうなんて」
やれやれだよまったく。
「明久君。私見てたからね」
「ん?」
「代表のスカート上がったとき、明久君もばっちり見てた」
「な、なんのことかなぁ」
「アタシのも見たくせに....えっち」
「その節は本当に申し訳ございませんでした!!」
綿じゃないない方のパンツってえろいよね。
「お前ら今なにしてるのか分かってんのか...?」
「ああ、まだ点数残ってたんですねドブネズミ。じゃあちゃっちゃとやりますか」
今までの雰囲気で途切れていた戦闘モードを呼び起こす。浅く呼吸を吐くと自然に周りの音が自重するように消えていった。
すでに相手の召喚獣はこちらに向かって来ている。だけどその点数は20点以下。悪い点数を取り続け、観察処分者の僕だけがよく理解している。その圧倒的弱さを―――――
「ふっ」
横から一閃を入れた。そこでどう防いでも勝負がつくのは確定。だけどこんなのはまだまだ。
「おおおお!!」
胸、胴、足、頭、首、顎。システムが敗北した召喚獣を消す前に全身全霊の斬撃を叩きこむ
「ぐっあっがあああ!!」
フィードバックが発生した痛みに坊主は悲鳴を上げる。いい声じゃないか。
「痛いですか?だけど...あんたが優子にしたことはこの程度じゃないぞ!!」
頭をかち割ってやろう。私怨とも呼べる感情を木刀に乗せ、振り切る。
だけどそれは届かなかった。
「気持ちはわかるが、それはお前のやりたいことじゃないだろう?」
僕の感情の先には雄二がいた。
「ゆ、雄二!?どうして…」
相手の頭を叩くつもりだった木刀はガードされた腕さえも切り落とし、殺していた。相棒の召喚獣を。
「…頼むから、おいたは…これで最後、な…」
「!?雄二!!しっかり…」
痛みがよっぽど強かったのか、雄二は崩れ落ちる。
「雄二っ!!」
状況を見守っていた霧島さんが駆けてくる。彼女はいつも雄二の事となると冷静さを失う。今回に限っては僕も同じだ。
「吉井......」
「ん?...ぐえっ!」
目の前に立った彼女にネクタイを引かれ首が絞まる。僕のものより少し下に位置する二つの目は大切な人を守れなかった悔しさが形になって現れていた。
「勝たないと、許さない...!」
「大丈夫。負けない」
僕の意を聞くと彼女は雄二を担いで退場する。ちなみにお姫様抱っこ。
「優子。そっちは大丈夫?」
気が散ってしまいそうなので意識して見なかった優子の状態を確認すると...。
「あー、言いにくいんだけど...ちょっとやばいかも...」
「え゛」