バカと恋と友情~もう一つの現実ともう一つの恋 作:ハラミハラ
それにしても前回の話はあまり上手くかけなかったな~と思っていたのですが登録してくれた方がさらに2人も増えて感激です!この調子でドンドン増えたらな~と高望みをしたくなります。
それでは本編どうぞ!!
「あ!しまった!!」
引きずられながら木下家へ向かう途中、いきなり木下さんが大声を張り上げる。
「どうしたのじゃ姉上?」
僕より先に彼女の隣にいた秀吉が質問する。
(今朝急いで出てきたからアタシの聖書がリビングに置きっぱなしなのよ!)
(もうこの際ばらしてもいいのではないかの?)
(いいわけないでしょ!!)
うーん、何か2人が前でコソコソ喋っているけど内容までは聞こえないな...
まあ、聞いちゃいけないこともおるだろうからここは耳を塞いでおこう。
(とりあえずアンタ先に帰って聖書片づけてついでにお風呂沸かしてきて)
(うむ?それは別に姉上でもいいのでは?)
(そう、アタシに雑用押し付けるのね。秀吉って自分の間接が大事じゃないの?)
(了解したぞい、すぐに行ってくるのじゃ)
お?2人の会話が終わったと思ったら今度は秀吉が猛ダッシュで走り去っていった。なんかすごく怯えた顔してたけど.....
「木下さん、いったいどうしたの?」
「ああ、ちょっと家が散らかっているから秀吉に片づけに行ってもらったのよ」
あ、大体事情がつかめた。友達のお姉さんって優しそうに見えて家ではその真逆だったりする。秀吉...今の君の気持は僕にもよくわかるよ.....
「吉井君?なんか失礼なこと考えてない?」
「いえ、なんでもありません!」
木下さんが満面の笑みで聞いてくる。その笑みに何かが潜んでいたことは記憶から消しておいた方がいいだろう。
「そういえば吉井君、だいぶ表情が柔らかくなったわね」
彼女は手が解放されて隣に並んで歩く僕に急に話を投げかけた。
「そ、そうかな?」
正直あんまり触れてほしくない部分だ。仕方ない、適当にごまかすか...
「だってさっきまで死んじゃいそうな顔してたもの」
「あはは、僕だって落ち込みぐらいするよ」
「いや、そうでしょうけど....」
「でも木下さんたちのおかげで大分気持ちが楽になったよ。」
彼女に悟られないように精一杯の去勢を張る。これはよくごまかせた方だと自分で思う。思ったのだけれど...
「......嘘ね」
「え!?」
一瞬で看破されてしまった。いったいどうしてーーー
「貴方、嘘つくのが下手なのね。今のその辛そうな顔で騙せる人なんていないわよ」
「っ!」
しまった!いろいろ考え過ぎていつの間にか表情が戻っていた。くそ!嘘もつけないのか僕は!!
「吉井君、そんなに辛そうな顔しないで。アタシが付いてて....あげるから......」
そう言って木下さんは僕の手を優しく握って正面に立つ。
「木下さん...」
そこでハッと我に返る。何をしているんだ僕は?姫路さんを傷つけておいて木下さんの優しさに甘えるのか?いや、そんなことはしてはいけないはずだ。でも、体は...動かない....
「ねえ吉井君、なんでそんなに辛いのか教えてくれない?」
木下さんの手を握る力が少し強くなる。
「ごめん、今は言えそうにない」
震える唇を動かして言葉を口にする。
「そう....じゃあ、その内教えてね」
「うん、必ず....」
その言葉で彼女は手を離しまた歩き始めた。
そして木下家に到着するまでお互い大した会話もなかった.....