バカと恋と友情~もう一つの現実ともう一つの恋 作:ハラミハラ
「あれ、アキ?」
優子と別れてから数分。階段に腰掛ける僕に声をかける人物が現われた。
確認するまでもなく僕を『アキ』と呼ぶのは一人しかいない。
「美波」
彼女は相変わらずポニーテール、ではなく髪はストレートになっていた。
「髪型変えたんだ」
彼女とは仲直りしたとはいえ、クラスが離れてからはほとんど交流がなかった。だから久しぶりに会ったせいだろうか、どこか僕の知る美波とは違う雰囲気がする。
「偶然ね。こんなところで」
「そうだね、美波はどうしてここに?」
彼女は浴衣を着ていなかった。ストレッチの効いたズボンに薄手のTシャツ。そしてサンダル。
決しておかしくはないけれど、お祭り好きな彼女ならもっとおしゃれやそれこそ浴衣なんて着てそうなのに。
「ウチは来る気なかったんだけど、葉月がどうしても行きたいってね」
「葉月ちゃん来てるんだ」
「でもさっきパパとママに連れられて帰ったわ。人混みに当てられてね」
なるほど、家族で来ていたのか。それなら特におしゃれをしたりもしないのかもしれない。
「そんなことよりアンタはなにしてんのよ」
「僕はちょっと休憩」
「へえ……。みんなと来てるの?」
どことなく、美波の言うみんなに悲しげな雰囲気が漂う。
去年まではFクラスで楽しくバカをやっていたのだ。寂しいのは当たり前だ。
「誘ったほうがよかった?」
「木下姉がいないならいくらでも」
「それは残念」
いくら僕でもそれが御法度なことは分かる。
「にしてもアンタ、顔赤いわね」
「……ちょっと暑さでね」
本来の理由を言えばもれなく絶縁できるので適当に答えておく。
「飲む?」
スッとバッグの中から出てきた飲みさしのペットボトルを差し出される。
僕はそれを手のひらで押し返す。
「優子が買ってきてくれるから」
「戻ってこないわよ」
「……そうだね」
かれこれ十分は経っただろうか。ただでさえかわいいんだ。変な男に絡まれているのかもしれない。ノーブラだし。ノーブラだし……
「ちょっと探してくる」
一度考えてしまうと心配が止まらなくなる。
いてもたってもいれなくなり、立ち上がる。
「ちょっと! っきゃあ!?」
「うわ!?」
階段を降りようとする僕の腕をつかんだ美波だけど下から引っ張られる力に勝てるはずもなく、二人して転ぶ。
「いたた、美波大丈夫?」
「なんとかね」
階段といってもせいぜい二、三段と低い位置にいたので怪我はないようだ。
美波が僕を押し倒す形になっているのは仕方がないだろう。とりあえず体を起こそう。そう思った時だった。
パキッ。と頭上から渇いた音がした。
「ゆ、ゆうこ……」
冷たい目をした優子がペットボトルを握り締めていた。
「こ、これはちがくて!」
どう見ても今僕は美波に押し倒されている。さっきもどうだけどこれ以上女性関係でこじれるのは危険だ。相手が美波というところがとくに。
「大丈夫よ、遠くから見えてたから。それよりさっさとどきなさいよ貴女」
「悪かったわね」
優子に言われ、美波がぱっと立つ。
僕と美波の関係はおおむね良好だけど……恋敵(自分で言うには抵抗がある)である二人はどうしても摩擦が生じやすい。ていうか単に仲が悪い。
「怪我はない?」
「は? え、ええ」
自分を嫌っているはずの優子に心配をされた美波がたじろぐ。
「どんな風の吹き回しよ?」
「べつに? あとで怪我したとか言って明久くんにたかられたら困るし」
「はあ? そんなことするわけないでしょうが」
「どうだか。暴力、拷問上等の人の言うことは信用できないわ」
「言ってくれるじゃない……!」
バチバチと異能力者でもない二人の間に火花が飛び散る。間に渇いた木でも入れたら燃えてしまいそうだ。
「アンタもそのうちそうなるわよ。アキの天然ジゴロはなかなかだから」
なにを根拠に。
「ま、まあ一理あるわね」
あるの!?
「優子、流石にそれは……」
「あ、そうだ。明久くん、水」
僕の言葉はスルーされてペットボトルが渡される。
ならないよね? 暴力彼女とかいやだよ?
「あ、ありがとう。優子」
「ごめんね。お水売ってる屋台がなかなか見つからなくて」
申し訳なさそうに謝る優子。気にしなくていいのに。
ひとまず水を思いっきり飲んで一呼吸。
「ふーん、仲良さそうじゃない」
「お陰さまでね。さ、いこ。明久くん」
どうやら優子は一刻も早くこの場から去りたいようだ。僕もこの二人の争いに巻き込まれくない。いや僕のせいなんだけど。
「また学校でね、みなーーあれ?」
最後に挨拶をと思ったら彼女はもう階段の上まで登っていた。そして最後までこちらを振り向くことはなかった。
「ごめんね、明久くん……」
「もう大丈夫だって」
「ううん、そうじゃなくて」
水を買ってくるのが遅くなったことを気にしていると思ったけど、どうやら違う様子。こんなに優子に謝られることも珍しい。
普段は僕が謝り倒していることは言うまでもない。
「せっかく島田さんと仲直りしてきたところなのに、アタシ、あんな態度で……ごめんなさい」
深々と頭を下げる優子。本当に今日はどうしたのだろうか。
「でも、あの人の前だとアタシ、どうしても冷静じゃいられなくて。また明久くんに暴力振るったり、近づいたりされたらどうしようって」
「共感してなかった?」
「それは明久くんのジゴロに関してよ」
「それも否定しておきたいんだけど」
「同じ学校で三人も落としといてそれは許されないと思うわよ。しかも一人は代表の次に人気だしね」
胸はダントツだけど。とつぶやきが聞こえたような気がした。気がしただけだからノーコメントです。
「優子、さっき僕が工藤さんとくっつくのがイヤだって言ってたよね?」
「ていうかおっぱいにやられてたのがムカツク」
もはや胸と言わなくなってしまった。
「考えてみたんだよ。優子が他の男にくっついたり言い寄られたりしたらって」
「へ?」
「そしたらものすごく不安になった。さっきも優子の帰りが遅いだけでどうにかなりそうだった」
彼女の正面に立って、告げる。
「僕はきっと、優子が思っている以上に優子のことが好きだよ」
優子の肩をつかみ、自分の元へと寄せる。華奢で綺麗な肌、上気した頬、つやつやとした唇。さっきとは違う意味でどうにかなってしまいそうだ。
「明久くん……だめ……」
「優子……」
互いの唇がゆっくりと近づいていく。
あと五センチ…三センチ…いっ
「見られてるわよ」
「ほえ?」
場にそぐわない言葉に変な声が上がってしまう。優子の視線はもはや僕を向いていなくて、その後ろにあった。
「お前ら、人が少ない場所とはいえ大胆にもほどがあるだろ」
「……相思相愛」
「姉上、ワシと同じ顔なのじゃ。後生じゃから、は、恥ずかしいことは然るべき場所でしてほしいのじゃ……」
「いやー優子のかわいさがそこまでのものだとは。恐れ入ったね」
「……明久、このことは新学期FFF団に報告しておく」
後ろには見知った面々が並んでいた。
「み、みんなどうして……」
「お前が何回スマホに電話しても出ないから探しに来たんだ」
「そうだよ! 心配したんだからねっ」
そうか、買い出しに来たことをすっかり忘れていた。人混みに酔った霧島さんまで来てくれるなんて、これは申し訳ないことをした。
「まあ俺は十中八九面白いことがあると知っていたが」
「わ……」
「「「わ」」」
「わすれてええええええ!!!」
くそ! こうなっったら雄二の記憶だけでも!
「ほらほら、バカやってないでいくわよ」
花火始まっちゃうじゃない。と優子に腕を引かれる発情男。
「止めないで優子! コイツだけはいま殺すしかない」
「諦めなさい。節度を弁えない明久くんがわるいです」
聞く耳持たずの優子。腕はロックされ、どうにも動けない。
僕も一緒に打ち上げてもらおう。たーまやー。
「じゃ、案内してくれる? 坂本君」
「全員出てきてしもうたが場所は大丈夫じゃろうか?」
「……シートごと乗っ取られる可能性もある」
「んなやついたら俺がぶっ飛ばしてやる」
「あはは。それは頼もしいけど、女の子がいること忘れないでね」
みんな楽しそうに会話してるなぁ。僕もさっきまでのことがなければ普通に会話に混ざれたけど、五メートルを歩けば必ず誰かがこちらを振り向いてニヤニヤしている。
この状況でなにを楽しめば良いのやら。
「キレー……」
夜空を見上げ思わずといった声を漏らす優子。あなたが一番綺麗です。
もう花火なんて見なくて優子の横顔をずっと眺めていたい。そんな僕の邪念を察したのか、単に恥ずかしかっただけなのか顔を無理矢理上空に向けられる。
新あごクイの誕生。
雄二が河川敷に敷かれたシートは誰にも取られなかった。そのおかげで、座ってゆっくりと花火を鑑賞できる。たまには雄二も役に立つじゃないか。
どれ、感謝でもしておいてやるか。
「ありがとうね、雄二」
「なんだ突然!? き、気持ちがわるい!!」
やっぱり慣れないことはするもんじゃない。雄二が胸を押さえて苦しんでいる。よくよく考えればコイツには道中いじり倒されたんだ。やっぱり少し仕返しをしてやるか。
「いやいや、雄二がこうやって席を見つけてくれたおかげで僕たちは花火を見ることができるんじゃないか。さっきも心配して探しに来てくれるし、持つべきは親友だよ」
「や、やめろ!! は、吐き気がああああ」
今度は打ち上がった魚のようにビタンビタンと飛び跳ねる雄二。
「「……」」
そんなやり取りを見ていた秀吉とムッツリーニがニヤリと笑みと浮かる。お、悪い事をする時の顔だ。
「そうじゃのう、この席のことだけでなく、去年の試召戦争でもずいぶん世話になったもんじゃ」
「……勉強も見てくれた。良い奴」
「や、やめて、くれ……。そんなこと、言われたくて俺はやったんじゃ」
段々と涙声になっていく雄二。よし、もう一息だ。
「「「静かに観なさい!」」」
せっかく花火に来ているんだ! ちゃんと観て楽しまなくちゃね!
花火は名前の通り夜空に花を咲かせ、フィナーレにはそれまでの何倍もの規模と量の花火が打ち上げられ、会場からは熱気に満ちた拍手が送られる。さながらアーティストのライブに来ているようだった。
「すごかったね。最後の花火!」
「まさに圧巻じゃったの!」
「……感無量!!」
花火は終わってもなかなか余韻が冷めない。
周囲を見ればあまりの感動に涙を流している人もいる。
「すごかったね。花火」
「そうね。また来たいわね」
優子の声は冷静だが、シートを片付けて帰り支度をしながらも顔はニコニコとしている。
「でも次は二人で来たいな」
少し挑戦的なセリフ。彼氏彼女なら当たり前のことかもしれないが、僕にとっては重要な一歩だ。この積み重ねが後々の幸せとなっていくのだ。これぞビビり。
対して優子は眉にシワを寄せてうなり声を上げている。なにかあったのかな?
「優子?」
「うん、決めた」
「なにを?」
ビシィッ! と人差し指が僕に向けて指される。
「明久くんが来年まで他の女の子にデレデレしなかったら、一緒に行ってあげる!」
「そんな、僕は優子一筋だよ!」
「どの口が言えるのよ。もう一回愛子のおっぱいやる?」
「あ、あれは男しては仕方ないやつで!」
というかそれは工藤さんのほうに注意が必要なんじゃないだろうか。
「ま、それはいいの」
「え、いいの? じゃあなに?」
優子と付き合ってから今日まで、工藤さんに絡まれるまで、そんなに女の子と接する機会なんてなかった。いったいなんの話をしているのだろうか。
「へー、また身に覚えがないって感じね」
「ごめん、まったくないや」
「じゃあ特別に教えてあげる」
これは本当にわからない。もしかしたら無意識に別の女の子(美波あたりだろうか)に勘違いさせるようなことをしてしまっていたのかもしれない。去年の出来事が大きかっただけにかなり気をつけていたんだけどなぁ。
「じゃあ、お願いします」
「明久くんとさっき歩いているとき」
うん? 今までじゃなくてさっき?
「えと、美波となら本当に偶然あって少し話しただけだよ?」
もしかて優子の中でヤンデレが芽生えた?
「ちーがーいーまーすー」
ぶっぶー。と両手をクロスさせて唇をとがらせる。かわいすぎか。
「明久くん、歩いているとき五回も女の子、目で追ってた……」
「あ、あー……」
「ほらー! やっぱりー!」
「あ、あれは浴衣が珍しくてつい!」
「ホットパンツの女の子も見てたわよ」
「そ、それはええと……」
「ふんだ」
ほっぺを膨らませてそっぽを向かれてしまう。今日で新しい優子がいくつもみれた。そうじゃなくて。
ていうか僕の彼女こんなにめんどくさかったけ?
「おい、お前らそろそろ行くぞ。お前の姉さんもう呼んだんだろ?」
雄二に促されて、僕と優子は変に仲をこじらせたまま姉さんの車に乗り込んだ。
楽しい空気は花火と共に散り去ってしまったのか、僕たちの間には寂しい空気が漂っていた。
「ではみなさん、お気を付けて」
女性陣の、もう少し浴衣を堪能したいという要望があり、僕の家に着くとそこで現地解散という運びになった。
「アキ君。秀吉君と優子さんをちゃんと家まで送るんですよ」
「分かってるよ。夜道にノーブラノーパンは危ないからね」
「パンツは履いてるわよ!」
ツッコミ所はそこじゃない。
「こうして三人で帰るというのも珍しいの」
「そうだね。普段は僕と優子だけだから」
秀吉は演劇部の引退公演が近いらしく、放課後は遅くまで残っている。
「この状況はあれよね。明久くんを家に連れてきたとき以来じゃない」
「その節はご迷惑を……」
イヤなことを思い出さないでほしい。
「あんなにズタボロの明久は珍しいからの」
「そうね、明久くんもう一回ズタボロにならない?」
「ならないよ!!」
なんてこというんだ僕の彼女。さっきの件を引きずっているとはいえ……まあ拷問に比べればマシか。
「む。しくじった」
「どうしたの秀吉?」
ピタリと足を止める秀吉に僕と優子はハテナを浮かべる。
「お主の家に財布を忘れてきた。取りに帰るから先に行っててくれ」
「そんなの僕が明日届けるよ?」
「定期が入っておるのじゃ」
なるほど、それは朝には間に合わない。
「じゃあ皆で一緒に」
優子が申し出るけど、秀吉はすぐに断る。
「バカを言うでない。姉上の足はそろそろ限界じゃろう」
「なに言ってんの?」
「では明久よ。姉上を頼んだぞ」
「あ、秀吉!?」
言うやいなや、秀吉はもときた道を走り去っていく。
よくフェードアウトする友人だ。というか気遣い屋さんなのかな。
「あー、じゃあ行こっか」
「……」
「優子?」
「足いたい……」
優子が恨めしそうに見上げてくる。暗におぶれと言っているのだが……。
「それ演技でしょ」
彼氏歴半年だけどナメないでほしい。優子が足を引きずったり辛そうにしている様子はなかった。
それでもかわいい彼女のワガママ。素直に聞いてあげたいけど、今はとある事情によりそれができない。
「もー歩けない」
唇をとがらせて歩くことさえ拒否してしまう。いったい今日の優子はどうしたというのだろうか。こんなに駄々をこねるのは初めてのことだ。
「優子さん?」
「つーん」
拗ねているつもりなのか、自分の口で効果音を出している。通知音にしたい。
しょうがない、覚悟を決めて我慢するか。なにを? 迸る青春からあふれ出す婦女暴行への渇望ですがなにか。
「重い?」
「人一人分かな」
「答えになってない」
「ほんなふぉといっふぁっふぇ」
訳:そんなこといったって
おぶっている後ろからほっぺを引っ張られると抵抗できない。
「で、今日はどうしちゃったの? 優子らしくない」
「へー、彼氏に甘えちゃいけないんだ?」
「少なくとも普段の強がりな優子はこんな風に甘える自分を良しとはしないでしょ」
僕がたじろぐことを期待して言ったのだろうが、取り合わない。端から見ればただのわがままこじらせ彼女だが、優子に限って言えば違うと断言できる。
「ぐっ」
ほら、たじろいだ。
「……言っても怒らない?」
「怒ったら別れてもいいよ」
「実は明久くんの女装写真をサイトに流しちゃって」
「なにしてんだあーー!!」
怒ってしまった。どうしよう、別れないといけない。
「「あははは」」
そんなのは冗談で、二人してしばらく笑っていた。
「別にさっきから怒ってないよ」
「そうなの!?」
「なんでそこは素で驚いてるのよ……」
そこは全然わからなかった。優子っていつも不機嫌そうだから見分けが付かなかったりする。
「じゃあどうしてあんな反応してたの?」
「緊張してたの」
「なんの?」
「明久くん、今の状況わかってる?」
「わからないようにしてるから言わないでお願い」
特に背中にある二つの感触とか!
「……付けないのってけっこう勇気いるわね」
「なんでしたの……」
「だって、明久くん、見てくれるかなって」
「僕はいつも見てるよ?」
「秀吉より?」
「ん!? んー、うんうん大丈夫」
「なにが大丈夫よ」
「ぐえっ」
首ほんと無防備だからやめて。
「ただ、彼氏の気を引きたかっただけよ」
「そんなことしなくていいのに」
「愛子のおっぱい気に入ってたくせに」
「その話はもういいから!」
「良くないわよ。最近の明久くん他の女の子ばーっかり見てるんだもん……」
首に回る腕が少し強くなる。そこでやっと気づいた。
「ごめんね、不安にさせて」
「……ん」
短い返事のあと、それ以上の会話はなかった。
やっとの事で木下家に着いていた。人をおぶるのって意外と大変だ。
「じゃあ、僕はここで」
「帰っちゃうの?」
服の端をつかみ、寂しそうな顔をする優子。子犬を置き去りにする気分だ。
「優子、なに言ってるかわかってる?」
「明久くんよりは頭良いつもりよ」
「…………」
「ごめん、急にいやだよね」
長考していると優子が取り乱しはじめる。
「そうじゃないよ」
やっぱり僕より頭が悪いかもしれない。
「家に上がったら、もう我慢できないよ」
二つの感触だったり、首にかかる吐息に見せかけて吹きかけられる息を我慢するのは生殺しだ。
「しなくて、いいよ」
うつむき顔を赤らめる優子を前にしてもはや僕の理性が保たれることはなかった。
「で、朝チュンってわけね」
「その言い方は身も蓋もなさすぎるよ」
「あら、ことわざを覚えるなんてえらいえらい」
「そういうことじゃ……はふぅ……」
「ふふふ、明久くんってホントに頭なでられると落ち着くのね」
「言わないでよ恥ずかしい」
まったく、昨日までのしおらしさはどこへいったのやら。
「明久くん、アタシのこと好き?」
「さあ?」
「さ、さあ!? それはいくらなんでも酷いわよ!」
「あはは、言わなくても分かってるクセに。じゃあ優子は僕のこと好き?」
言ってて恥ずかしくなるセリフは今このときだけは許される。
「それこそ分かってるでしょうに」
「言われないと不安になるよ」
「それはアタシのセリフ」
「じゃあせーので言おう」
「うん……せーの」
「「大好き」」
完
ここまで読んで頂きありがとうございました。
この話は優子を書きたかったのはもちろんですが、『めんどくさいい女の子』をかわいく表現したいという気持ちがありました。それをできたかどうかはみなさんの目にお任せいたします。
優子のしばしばのキャラブレあったかも知れません。筆が至らず申し訳ないです。
ちなみに最後、朝チュンで都合良く終わってます。夜の内容をみたいですか?僕はとても書いて読みたい。
初Rー18に挑戦ですよええ。時間が取れ次第取りかかるつもりです。
もしも、この作品に「そんなの求めてねーよ」と思われる方がいらっしゃいましたら、見ないように注意して頂くか、残念極まりないですがお気に入り登録を外してもらえればと思います。お互いに不幸にならない形になれればそれが一番です。
それでは近いうちにまたお会いできればと思います。名残惜しいですが、今日はこれにてお別れです。ではみなさん、現在辛い社会状況ではありますが、どうかお元気で。