ワイルドエリア。ガラル地方の特色ともいえる、大自然とポケモンの脅威をこれでもかと示す広大なエリア……ってテレビや雑誌で知っていたけど。
「ひぃぃぃん……!」
ただいまゴーストに舐められてます、どうしてこうなった……!?
ブラッシータウン駅に到着した時には生憎の雨。それでもポップはレインコートを羽織って先に駆け出しちゃいました。左へ。
私も習ってレインコートを着て、折角だから反対側を歩いてました。そしたら強そうなゴーストに出くわしたので遠回りしようとしたんだけど、なぜか私に気づいてイタズラしてきたんです。
このゴースト、イタズラ好きなのか攻撃する気配は無いけど、初心者の私でも解る程に強い。メッソンやスボミーを出せば瞬く間に返り討ちにされちゃうだろう。
まぁそもそも、片腕と足をガッシリと掴まれて、長い舌で舐め回されているから動けないんですけどね……!
「ひゃぁぁぁん……っ!」
ぬめぬめした舌が服の中に入れてきたぁぁぁ!
「ひぅ、ひ、ひえぇ……んあぁぁんっ!」
私の反応を見たゴーストはケタケタ笑って楽しんでいるけど、やっていることはとってもエッチぃよぉ……!
暖かかくて柔らかいけど、ぬるぬるべとべとした唾液が私の肌に絡みついて、体に巻き付いてくるかのように舌が這いあがってくる。それでいて舌の先端は私のおっぱいを執拗に舐めている。
「ちょ……おっぱい、舐めるの、やめ……てぇぇ!」
振りほどこうと藻掻くけどビクともしないから、ゴーストは笑いながら舌の先端でべろべろと私のおっぱいを舐める。ホップもそうだったけど、オスってのはどうしてこうおっぱいが好きなのかなぁ!
こんな状況でも、徐々に私の体に熱が帯びてきて、胸や乳首が暖かな肉で包まれたり小突かれたりする度に電流が走ったかのような快感が体を駆け巡ってくる。
こんなことなら親切な人から貰ったピッピ人形、さっきのイワークに使わなきゃよかったー!
無くなった後悔やら舐められて感じちゃう屈辱やらで頭がぐちゃぐちゃになった頃、突如ゴーストの手が緩んで意識を取り戻した。何がどうなって―――?
「……ピッピ人形?」
何故かコロコロと転がってきたピッピ人形に私もゴーストも釘付けです。
するとゴーストは私の腕と足を手放し、私の柔肌に巻き付いていた舌も解きだした。バランスを崩しかけて倒れた私を他所に、ゴーストはピッピ人形へまっしぐら。
「君! 立てるならこっちへ!」
不意に声をかけられて「ふぇ?」って間抜けな返答をした私の腕を大きな手が掴み、私を無理やり立ち上がらせた。慌ててその手に引っ張られるようにして立ち上がり、ピッピ人形に喜ぶゴーストから逃げ出す。
「た、助かった……」
ようやく私はほっと一息つけました……。
「いやホント間に合って良かったし、あのゴーストがイタズラ好きな程度で済んで良かったよ……まぁ災難には違いないか」
私を助けてくれた、如何にもキャンパーって感じのおじさんもほっと息をつきました。背はダンテさん程じゃないけどガッシリした人です。
ゴーストにピッピ人形を投げ、私を連れ去ったおじさんのキャンプに私はいます。放り込まれた時はどうなるかと思ったけど、お言葉に甘えて着換えさせてもらいました。
今の私は唾液まみれの服を脱いでシャツとスパッツに着替えてます。レインコートも中までベトベトだし……もっと大きいリュックと、スペアの服を買おうかなぁ……お小遣い足りないよぉ。
「それにしても不用心だね。見たところ初心者みたいだけど、ワイルドエリアにピッピ人形を持ち込まないなんて、もっと強いポケモンに襲われたらどうなっていたことか」
「すみません、おっしゃる通りです……」
おじさんに正座でお説教を受けることにします。次からピッピ人形は大事に取っておこう。
「まぁここのところピッピ人形の需要がありすぎて価格が高騰しているからねぇ……今のでおじさんのピッピ人形も使い切っちゃったし、困ったなぁ」
おや? 徐々に声色がわざとらしく……しかもおじさん、ちらちらっとだけど私の胸を見ているよね……?
「今のうちに何かしら返して欲しいんだが……はっきり言うけど」
じりじりとおじさんが近づいてくる。あの、笑顔だけどなんか怖いです……。
「君の体で返してもらうにするよ!」
「ひやあぁぁぁ!」
覆いかぶさってくるのは、優しさに付け込んで襲ってくる悪いおじさんだったー! なんでこうなった!?
助けてもらった恩とピッピ人形の事を考えると手が出しにくいこともあって、あっという間にシャツを脱がされました。
「はぁ、はぁ、おっぱい大きいんだね君……それにこんなに張りがあって、とてもやらしいよ……」
「いや……あ、あん、んあぁぁ……っ!」
脱がされた際にぷるんっと弾けたおっぱいを、その大きくゴツい手で鷲掴みして揉みくちゃにされる。ホップはもう少し丁寧に扱ってくれてたからか、慣れない手つきに声が出ちゃいます。
確かに同年代の女友達から「羨まけしからん」と言われる程度には大きいけど、本当におっぱい好きなんだなぁ男ってのは……なんてのんきに考えていたら。
「ひ、ひぅ、乳首、いやぁぁ……あんっ!」
「こんなに先端を硬くしといて何を言っているんだい君は……さっきのゴーストに舐められて感じていたのかな? 変態ちゃんだねぇ」
胸に顔を押し付けて、乳首をちゅうちゅう吸ったり指でこりこり摘まんだりしてくる。ホップと比べて荒っぽいけど、いつも違った快感が体を巡っちゃう。
「んぁ、あっ……いたっ……ひきゅっ……んんんん!」
痛いと気持ち良いが入り混じってて頭が混乱しちゃっている感じ……それをおじさんは変態だって嘲笑い、より荒っぽく胸を揉んだり体中を舐め回したりする。
「いいよ……凄く良い……今までの子の中で一番可愛くてエッチだよ……!」
(一番って……この人私以外の女の子にも似たことしてきたの!?)
じょーしゅーはんだこの人! 身体は感じちゃっている頭はクールな私はムカっと来たから、おじさんの頭をボカボカ叩く!
「この、このぉ!」
「いだ、あだ、こら大人しく……いっだ、このガキ!」
何かされる前にお腹をゲシゲシ蹴ってみる。お前なんかホップに遠く及ばないんだよバーカ!
「いい根性しているよ嬢ちゃん―――よっと!」
「うおぉっ!?」
誰かの声がしたと思えば、キャンプの入り口から白い手が伸びておじさんの足を掴み、そのまま引きずり出しちゃった。冷たい空気が入り込んで寒いです。
「な、なんだお前……げぇっ!?」
「警察だ、大人しくしろ!」
「観念するんだね」
複数の声が外からするので慌ててシャツとスパッツを着てから外に出てみると……さっきまで雨だったのに雪が降ってる!? そりゃ寒いですわ……じゃなくて。
「無事のようだね、ナイスガッツだよお嬢ちゃん」
お巡りさん二人がおじさんを取り押さえていてのを背景に親指を立てて笑みを浮かべる女性―――この人知ってる!
「うわ、うわぁぁ生メロンさんだぁぁ! サイン、サインください!」
「……あんた襲われた癖に元気だね?」
そりゃ元気出ます。だってファンなんですもん。レアリーグカードだって持ってます。
どうやらあのおじさんは、私にやったような手口で初心者の女性ジムチャレンジャーにエッチな要求を繰り返していたらしい。その癖、逃げ足が速くて中々捕まえられなかったって。
メロンさんがユキカブリ目当てに近くを訪れてなかったら、今頃おじさんにもっと酷い事されてたんだと思う……運が良いやら悪いやら……。
あのおじさんはお巡りさんに連行され、「心細いだろうからついていく」と言ってくれたメロンさんと並んで歩いている。優しい人だぁ。
「にしても、不用心な癖してガッツがあるねぇあんたは。若い頃のあたしも似たような経験したが、初めてであれだけ抗えるたぁ上等だよ」
「あはは……恐縮です」
言えない……ホップとセックスし慣れていたから冷静でいられただなんて……しかもホップより下手くそだったから抵抗できただなんて……。
助けられた上にレアリーグカードにメロンさん本人のサインまで書いてもらったから、気分はルンルンパッパです―――というか。
「め、メロンさんもあんな目にあったことあるんですか?」
「恥ずかしい話だがね」
連れ歩いているユキカブリの頭を優しく撫でながらメロンさんは苦笑いする。
男ってのは大抵碌な奴じゃないから気を付ける事、旦那(ニシウリさんの事だ)みたいな良い男には頼る事、もしもの時はあたしみたいな大人の女性に相談する事などなどアドバイスを貰ってます。メモメモ。
私が憧れているのは、こういう気の強さと母親の優しさを兼ね揃えた所です。他にも惚気話やポケモンの育て方のコツ、道具の節約術など色々な事を話し合い、楽しいひと時を過ごせました。
そうやって歩き続けて暫く経った頃。
「メロンさんにユウリさんじゃないですか、こんにちわ」
「……疲れたんだぞ」
エンジンシティ前でサイトウさんと、何故か肩を落とすホップに会いました。
「あらサイトウじゃないかい……そっちの男の子はユウリの彼氏かい?」
すみにおけないねぇってメロンさんから小突かれるけど、すみません反応が遅れてます。ホップのせいで。
なんでそんな疲れた顔してんの? 一体何があったのホップ?
ホップとサイトウに一体何があったのか。