※この作品はR-18です。

洗脳悪堕ちヒロインを正気に戻す力を得た代償として永遠に洗脳悪堕ちヒロインを正気に戻し続ける事になった男の話   作: 霜月ナル(元Hpinch_like)

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洗脳悪堕ちヒロインを正気に戻す力を得る契約をした代償に永遠に洗脳悪堕ちヒロインを正気に戻し続けなければいけなくなった男の話

 異界からの侵略者『ディスペアーズ』

 現代日本に突如現れた彼らには、銃等の兵器は効かず人類には抵抗の術がないと思われた。しかし、同時に普通の少女だったはずの『一ノ瀬ミア』が、彼らに対抗する力を覚醒させ『魔法騎士セイントミーア』へと変身!

 

「絶望の闇を希望の光が斬り払う!魔法騎士セイントミーア、ここに参上です!」

 

 手に持つ剣を振るうと、聖なる光が放たれディスペアーズの下級戦闘員達が呆気なく消滅していく。それでも下級戦闘員はセイントミーアを倒そうと、襲いかかる。

 だが、元々バレエを習っていたミアは華麗に攻撃を避けカウンターを喰らわせる。魔法騎士に変身した事で身体能力は大きく向上し、普通の少女では振り回せないような剣を軽々と振るう。瞬く間に暴れ回っていた戦闘員達全員を倒し終えていた。

 

「――ふぅ。って、あれ?」

 

無我夢中だったミアはようやく自分の状態に気がついた。

 体は物語に出てくるような正義のヒロインのような衣装に身を包み、手には本物の剣を握っている。日本人らしい艶やかな黒髪はピンク色に変わっていた。

 驚きで硬直したミアに助けられた人々が声をかけようとする。

 

「……あの、あなたは」 

「は、はい!あ、ああああの……すみませんでしたー!?」

「えぇ!?」

 

話しかけられたミアは動揺し、何故か謝りながらその場を一瞬で去ってしまった。

その場に残された人々は呆気に取られ、救助が来るまで固まってしまったのだった……

 

 

 一ノ瀬ミアの自宅の隣に住む少年『黒瀬レン』

 ミアの幼馴染みであり、恋人である彼は自室でゆっくりと本を読んでいた。今日はミアがバレエの練習を終えてから家で合流してデートに繰り出す予定で、それまでの暇を潰していたのだ。本から時計へ視線を移すと、お昼前。

 そろそろミアがバレエのレッスンから帰ってくる時間だ。レンはうーんと体を伸ばし、本をしまうかと立ち上がる。本棚へと本をしまうと後ろからドンドン!と窓が叩かれる。慌てて後ろを振り向くと――

 

「だ、誰ぇ!?」

『レンくーん、開けてー!』

 

 魔法騎士に変身したままのミアが涙目で窓を叩いていたのだった……

 

――数十分後

 

「えーと、それでよくわからないうちに変身して、何か怪しい奴ら『ディスペアーズ』だっけ?そいつらと戦ったって?」

「うん……死にたくないっ!って思ったら体がピカー!って光って、ズバババーンって敵を倒したの」

「……お前、ホントに説明がド下手くそだよな」

「そんなー!とにかくどうしたら良いのか教えてー!」

 

 そんなこと言われても……と微妙な表情を浮かべるレン。

 考えるように顎に手を添えながら、変身したミアの姿をジロジロと見る。バレエで鍛えた体にぴったりとフィットしたコスチューム。アニメのようにきらめくピンク色の髪。普通ならコスプレに見えてしまうはずが、違和感なく自然に見える。

 

「……かわいいな」

「えっ……あ、ありがとう――じゃないよぉ!」

「あぁ、ごめんごめん。とりあえず落ち着いて深呼吸、んで元に戻るように念じてみたら?ずっと興奮してたみたいだし」

「わかった、やってみるね……すぅーはぁー……」

 

 ミアが深呼吸して意識を集中させるように目を閉じると、彼女の体が輝き始める。一際強く輝いた後、そこには元の姿に戻ったミアの姿があった。

 ミアは自分の体を見渡して元に戻ったことを確認すると、ホッと溜め息をつく。

 

「はぁ……元に戻ってよかったよぉ。ずっとあの格好のままだったら恥ずかしくて出歩けなかったよ……」

「あ、写真撮っとけば良かった」

「レンくん!?」

 

 むーっと頬を膨らませてレンを睨むミア。

 冗談だよと笑うレンだったが、実際は本気だった。恋人の可愛い姿なら残しておきたいのが心情。もう一度変身してくれないかなーと考えていると、あることに気がつく。

 

「でもさ、ディスペアーズとやらが今後も現れるならまた変身することになるんじゃ……警察は歯が立たなかったんだろ?」

「えぇ!?……でも、自衛隊とかなら大丈夫なんじゃ?」

「いやぁ、自衛隊が動くって相当ヤバくないと無いだろ?ニュース見た感じ、奴らが現れたのはこの街だけみたいだし全国で際限なく暴れ回るとかじゃなきゃな」

 

 自衛隊が動くと世論が凄まじいことになるのは明白だ。地方都市でなんかよくわからん怪しい連中が現れたといっても、彼らが出動することにはならないだろう。

 ミアの証言では警察の銃を物ともせず、暴れ回っていたという。

 

「俺も正直気乗りはしないけど、これお前が戦わないとヤバいんじゃないか……?」

「……そうかも」

 

 二人はディスペアーズが暴れ回る未来を想像して顔を見合わせる。

 

 ――これはヤバい。

 

「で、でも戦うって言ってもどうすれば良いの?また変身できるかも解らないし」

「……しょうがない。今日はこの後デートのはずだったけど、予定を変更だ」

「へ?」

「検証するんだよ。また変身できるのか、変身したらどんなことができるのかとかさ。裏山なら誰にも見られないだろ」

 

 そう言ってレンは立ち上り、タブレットと専用のペンを鞄にしまう。思考が追いつかないミアはあわあわとしている。

 

「ほら、行くぞ。いつ奴らがまた現れるかわからないんだから」

「――えぇーーーー!?」

 

 

 

 検証の結果、再度変身が可能なことを確認。変身時の身体能力や剣の切れ味、そして魔法とも言える不思議な力が使えることも判明。ミアが戦闘担当、レンが頭脳担当と役割を分担することを決め対策を考えていく。二人は以下のことを戦う際の約束とした。

 

絶対に無理はしないこと。

一人で突っ走らないこと。

 

 そして数日後、再び街にディスペアーズの戦闘員が現れた。繁華街で暴れ回り、モノを壊したり人に襲いかかる。

 恐怖で人々が逃げ惑い混乱の渦が巻き起こったその時。

 

「待ちなさい!」

「な、なんだぁ!?」

 

 暴れ回っていた戦闘員達が動きを止め、声がした方へ振り向く。

 

「ぜ、絶望の闇を希望の光が斬り払う!魔法騎士セイントミーア、ここに参上です!……これやっぱり恥ずかしいよぉ」

 

 そこには変身したミア、魔法騎士セイントミーアが現れていた。剣を構えて勇ましいポーズをとっているが、その顔には恥ずかしさが浮かんでいる。検証の時によくわからないテンションで決めたポーズだったが、いざその時になると凄まじく恥ずかしくなったのだった。

 

「お前が第一部隊をやったヤツか!おい、コイツを倒せば昇格間違いなしだぞ!」

「うぉぉぉぉぉぉ!」

「なんかやる気出してるぅぅ!?で、でもこっちだって負けるわけにはいかないんだから!」

 

 セイントミーアは先手必勝とばかりに戦闘員へ素早く近づき、剣を振るう。あまりの速さに倒されたのことに気づくまもなく消滅していく戦闘員。慌てて攻撃に転じる彼らだったが、セイントミーアはヒラヒラと攻撃を回避。体勢を崩した戦闘員達をあっという間に斬り払っていくセイントミーア。

 剣から伝わる生物の命を断つ感触。

 血が噴き出ることもなく消滅していくのでまだマシだが、その感触は普通の少女だった彼女には重すぎた。しかし彼女が戦わなければ、街の人々が死んでしまう。セイントミーアは吐き気を我慢して、必死に耐えながら戦い続けた。

 

「はぁぁぁぁぁ!」

「うぎゃぁあぁ!?」

 

 最後の戦闘員を倒す。

 彼女は剣を振り払い、一息つく。

 

(なんとか終わった……)

 

 街の平和を守ることができた達成感を感じる彼女だったが、背後からの気配にハッとなる。逃げ隠れていた市民が数人、物陰に隠れて彼女を見ていたのだ。怖がらせてしまったと思い、優しく微笑みかけるセイントミーア。

 次の瞬間、人々が一気に彼女へと近づき騒ぎ始める。

 

「す、すげぇ!あんた何者なんだ!?」

「あんな化け物みてな奴らを一瞬で倒しちまうなんて……しかも可愛い!」

「写真撮らせてもらっていいですか!?」

「サインください!!」

「え?ちょっ、皆さん落ち着いて……」

 

 まるで有名人に出会ったかのように大盛り上がりする人々。まさかこんな反応が返ってくるとは思わず、戸惑ってしまうセイントミーア。とにかくこの場を脱しようと、少しずつ人混みから移動する。

 なんとか脱出したセイントミーアは人々に手を振る。

 

「え、えーと感謝の言葉ありがとう!またディスペアーズが現れたらこの私、『魔法騎士セイントミーア』が駆けつけます!それじゃあ、さらば!」

 

 そう言って、ダッシュでその場を去るセイントミーア。人々の歓声を聞きながらも恥ずかしさで死にそうになるのを堪え、帰路につく。

 

 ――戦っていた時に感じた、吐き気はいつの間にか消え失せていた。

 

 その後、引き寄せられるように二人が行く先々でディスペアーズと遭遇し、彼らを撃退していった。何度か戦う内に幹部級の存在、『ディスペアーズ四天王』が出現。強力な力を持つ四天王に苦戦を強いられながらも、魔法騎士セイントミーアは勝ち続けた……

 

「――んぅ、レンくん……」

「ミア……」

 

 ラブホテルの一室で口づけをする二人。レンの手がミアの胸に触れて、優しく揉んでいく。ミアは切なそうな甘い声を出し、体をピクンと震わせる。

 ディスペアーズとの戦いが増え、ご無沙汰になっていたせいかミアは何時もより敏感になっていた。

 レンが胸の先、乳首に触れると快感で勃起しているのがはっきりと解った。指先で乳首をコリコリと弄る。

 

「んんっ!?それ、気持ちいい……」

 

 思わず大きな媚声を上げるミア。レンの片手が彼女の股間へと向かう。清楚な見た目のミアにしては過激なパンツに手を潜り込ませ、指を秘所に入れた。

 そして入れた指が秘所をかき混ぜる。

 

「あ、あ、レンくん、レンくんっ!」

 

 喘ぐミアの口をキスして塞ぐ。舌を絡ませ、唾液を交換し合う。レンの指の動きが激しくなっていく。それに連動するようにミアの体がピクピクと震え始めた。

 さらに、レンがトドメを刺すようにミアのクリトリスを親指で潰す。

 

「――イクゥゥゥゥゥっ!」

 

 強い快感にミアは体が体を仰け反らせて絶頂し、ビクンビクンと体を痙攣させながら潮を噴いた。数秒間ミアは息を止めその快感に浸った後、力が抜いてベットに倒れ込む。彼女は天井を見つめながら息を整える。

 

「はぁ……はぁ……ん――」

 

 レンが軽くミアにキスをする。そしてベッドサイドテーブルに置いてあるミネラルウォーターをミアに渡す。ミアは上半身を起こしてペットボトルを開けて水を一口。

 

「悪い。久しぶりだったから、ちょっと激しくしちゃったかも」

「ううん、大丈夫だよ?むしろ、その方が気持ちよかったというか……」

「おっと、ミアはもっと激しいのが好みなのかな?」

「もうっ!」

 

 恥ずかしがったミアは備え付けの枕を軽くレンへ投げる。

 

「ごめんごめん、冗談だよ」

「……ねぇ、レンくん」

「ん?」

 

 もう1つの枕を抱えて、顔を埋めながらミアがレンを見つめる。

 

「もうそろそろ、その、もっと先に進んでも……いいんだよ?」

「先って――」

「わかってるでしょ?その、所謂……本番っていうやつ」

 

 二人が付き合い始めて1年以上経つが、未だにセックスは前戯までで本番はまだだった。つまり、ミアはまだ処女。彼女は別に処女を結婚までとっておくという固い考えはないし、もっとレンの愛を体に感じたい。

 しかし、レンがのらりくらりとそれを避け続けている。

 

「いや、それは――」

「避妊のことなら、ここにはコンドームがあるし、何ならピルだって飲むよ。――ねぇ、なんで何時も避けるの?」

 

 レンは深く考えるように目を閉じる。静寂が部屋を包み込む。

 数十秒考えた末に、レンが目を開き口を開く。

 

「実は――」

 

 直後、爆発音と振動がラブホテルに響く!ホテルではなく、近場で爆発が起きたようだった。

 

「なになに!?」

「おい、まさか……?」

 

 二人は顔を見合わせると、慌てて荷物をまとめ始めた。

 

「あ!?換えのパンツ持ってくるの忘れたぁ!?なんで着たままやったのぉ!?」

「いや、お前がその格好で誘って来たんだろ!新しい下着買ったからって!」

「あー、どうしよー!?」

「――ここで変身しちゃえばいい!あのコスチューム、レオタードだし!」

「おぉ……天才だぁ!――変身!」

 

 ミアがかけ声を上げると、体が光に包まれる。瞬く間に彼女が正義の変身ヒロインへと変わっていく。

 

「絶望の闇を希望の光が斬り払う!魔法騎士セイントミーア、ここに参上です!」

 

 もはや慣れたように決め台詞とポーズをとるミア。何度もディスペアーズとの戦いを重ねた結果、恥ずかしさは克服していた。セイントミーアを捉えた写真はネット上に沢山アップされてるし、好奇の目に晒されるのはもうしょうがないと諦めている。

 準備を終えた二人は部屋を出てエレベーターを呼ぶが、先程の揺れで止まっていた為、非常口から外に出る。

 

「お前は先に行ってくれ!」

「うん、わかった!気をつけてね!」

「それはこっちの台詞だ!」

 

 ミアは強化された身体能力で非常階段から大きく飛び、隣接したビルの屋上へ移動。爆発で発生した煙が立ち上る場所へ素早く移動していった……

 

 

 爆発で天井に大穴が開いた市民体育館。本来なら様々なスポーツで汗をながす人々がいるその場所を、ディスペアーズの戦闘員達が暴れ回る。幸いな事に一般市民は少なかったのか、既に全員避難している。そして体育館のステージにはディスペアーズ四天王の一人、『絶望道化師』クラウン・ディスペアーが佇んでいた。

 

「――そろそろですかねぇ」

 

 クラウンが大穴を見上げると、白い光が落ちてくる。

 ――魔法騎士セイントミーアだ。

 

「クラウン・ディスペアー!あなたの仕業ですか!?」

「そうとも!君が来るのを待ってたんだ!」

 

 手を広げて叫ぶクラウン。顔は仮面で見えないが、歓喜していることが伝わってくる。

 

 ――クラウン・ディスペアーは敵である魔法騎士セイントミーアに恋をしていた。

 

「私はこんなに君を愛してるのに……」

「何を言ってるんですか!こんな迷惑な事をするようなヒトを好きになるわけないでしょう!」

「――うーん、そっかぁ……じゃあ、ちょっと強引に行こうか」

 

 クラウンが戦闘員達へ指示を出すと、一斉にセイントミーアへ襲いかかる!しかし、所詮は下級戦闘員。瞬く間にセイントミーアは彼らを倒していく。

 恐れをなしたように残りの戦闘員達は後ずさる。

 

「いやぁ、流石はセイントミーア。容赦ないねぇ」

「敵に情けはかけません!」

「……戦闘員がどうやって造られるか知ってる?」

「何を言って……」

「一般市民を秘密裏に攫って改造してるんだ♪」

「――え?」

 

 クラウンから語られた衝撃の事実に、思わず呆けてしまうセイントミーア。今まで幾度となく倒してきた戦闘員達。その全てが、元は罪のない一般市民だったというのか。

 遅れて言葉の意味を理解したセイントミーアは片手を口に当てる。

 

「うぅ……おえぇぇぇぇぇぇっ!」

 

 ショックで胃の中身を全て吐き出してしまう。悪の手先から市民を守るため、という思いで我慢し忘れていた敵を倒す感触を一気に思い出してしまったのだ。

 剣を取り落とし、膝を突く。セイントミーアの瞳は揺れ、光を失う。

 

「可哀想に……倒してしまった戦闘員達に罪の意識を感じてるんだね。優しい娘……」

 

 クラウンはセイントミーアの顎を持ち、顔を持ち上げて視線を合わせる。仮面から覗く瞳が怪しく輝く。

 

「――あっ」

 

 セイントミーアの体から力が抜け、クラウンの体に倒れ込む。そして彼女の体を抱えると、戦闘員達へ撤収の指示を出す。

 

「さぁて、私の恋人になるように調教してあげる……」

 

 ディスペアーズの基地へ繋がるゲートが開き、彼らの姿は消えていった……

 

 ――少し遅れて。

 

 ラブホテルの非常階段を10階分必死に降り、走ってきたレンが市民体育館に現れた。

しかし、ディスペアーズとセイントミーアの姿は消えてしまっていた。

 

「……ミア?何処にいるんだ、ミア!?」

 

 必死に捜し回ったが、ミアを見つけることは出来なかった。

 

 

 

――それから数週間後。

 

 

 不思議とディスペアーズの襲撃は無く、平和な日々が続いていた。だが、黒瀬レンだけはそれが束の間の平和だと知っている。魔法騎士セイントミーアが敵に捕まった以上、街の平和を守る者は存在しない。

 再び彼らの攻撃が始まれば、この街はあっという間に滅ぶだろう。

 

「――くそっ!一体どうすれば良いんだ!?」

 

 当てもなく街を彷徨うレン。時間があれば毎日のようにミアを捜し回っていた。ディスペアーズの拠点が異次元にある以上、見つからないのは解っていたのだがそうしないと落ち着かなかったのだ。

 結局何の成果も得られず、とぼとぼと家へ帰る途中。

 

「ミア――?」

 

 探していたミアのらしき後ろ姿が見えた……

 思わず走り出し、その背中を追う。まるでレンを誘うかのようにゆらりゆらりと移動するミア。そして思い出の公園でようやく追いついた。ここはレンがミアに告白した場所だった。

 

「ミア!無事だったのか!?」

「――レンくん」

 

 振り返るミア。

 その姿は行方不明になる前と何も変わらなかった。レンは彼女を抱きしめて泣き出す。

 

「よかった……本当に……」

「レンくん」

「どうした?――え?」

 

 レンの腹部が熱くなり、次いで激痛が走った。ミアから体を離し、視線を落とすとレンの腹にはナイフが突き刺さっていた――!

 レンの体から力が抜け、膝を突いてしまう。

 

「な、なんで……?」

「――ごめんね?でも、御主人様の命令だから」

「御主人様、だって?」

「やぁ!元、恋人くん」

 

 暗闇からクラウン・ディスペアーが現れる。クラウンはミアを後ろから抱きしめると、胸を揉み、股間をまさぐり始めた。ミアは嫌る素振りを見せず、むしろ喜んでそれを受け入れていた。

 

「レンくん、わたしぃ……御主人様のモノになったのぉ」

「何を言って……」

「ふふふ、頭の悪いレンくんにも解りやすくしよっか。――変身!」

 

 ミアがかけ声を上げると、光が包み込む。しかし、その光は邪悪な力を感じる闇の光。

 

「聖なる光を塗りつぶす闇の力。淫魔騎士エビルミーア、ここに参上♡」

 

 光が晴れると、そこには胸を丸出しにし、股間に淫紋を光らせる邪悪な女騎士がいた。コスチュームの色も純白とピンクから黒と紫に変わり、乳首にはピアスが装着され、恍惚とした表情を浮かべている。

 魔法騎士セイントミーアは闇に落ち、淫魔騎士エビルミーアへと生まれ変わったのだ。

 

「そんな、嘘だろ……」

「私、頑張ったんだよ?でも、御主人様の与えてくれる快感に勝てなかったの。レンくんがくれなかったオチンポの快楽!」

 

 腰をくねらせ、手が股間の淫紋を撫でるように動く。股間からは愛液が滴り、いつでもクラウンのチンポを受け入れられるようになっていた。

 

「御主人様ぁ……レンくんを刺したご褒美にオチンポくださぁい!」

「いいよ、私(・)の(・)ミーアちゃん……♪ふんっ!」

「おほぉ!ありがとうございますぅ、御主人様!」

 

 レンの目の前で始まるNTRセックス。邪魔しようにも、腹を刺された激痛でまともに動けない。自分の無力さに腹が立つ。

 

(くそっ!俺のせいだ……!俺がミアへあ(・)の(・)事(・)を(・)打(・)ち(・)明(・)け(・)ず(・)に(・)い(・)た(・)か(・)ら(・)!)

「見てぇ、私が御主人様にイカされて中出しされるとこ見てぇ!」

「ほら出すよ、ミーアちゃん!」

「イクゥゥゥゥゥっ!」

 

 エビルミーアの股間から潮が噴き出すと同時に、クラウンのチンポからザーメンが吐き出される!白目を剥いて顔を仰け反らせるエビルミーア。絶頂でビクンビクンと体を震わせ、小便を漏らし始めてしまう。

 

「あへぇ……ありがとうございます、御主人様……」

「どういたしまして。さて、ミーアちゃん?もっとして欲しかったら、元彼くんを――殺すんだ」

「……え?」

「どうしたの?御主人様の命令が聞けないなら、もうセックスしてあげないよ」

「――や、やりますやります!」

 

 エビルミーアは剣を手に出現させ、レンへと近づいていく。

 

「もう、御主人様のオチンポ無しじゃ生きていけないから……」

「ミア、正気に……戻るんだ……」

「――さよなら」

 

 エビルミーアが剣をレンの首めがけて振りかぶる。死を前にしたレンの視界はスローモーションになり、笑顔のはずのエビルミーアから流れる涙が見えた。

 自分の不甲斐なさに腹が立つレン。

 

(くそっ!俺は、俺はまだ死ねない!生きてミアを助けて、謝らないと!)

『ふぅん?この状況でもまだ諦めないんだ……?面白いね』

「――誰だ!?」

 

 響き渡る声に驚くレン。しかし、周りの光景を見てさらに驚く。

 

 ――自分以外の全てが止まっている。

 

「僕は通りすがりの――まぁ、解りやすく言うと悪魔さ」

「キミは……」

 

 いつの間にか、レンとエビルミーアの間に小学生くらいの女の子が立っていた。彼女が被っている帽子を外すと、明らかに人間とは違う角が美しい銀色のショートカットの間から生えているのが見えた。

 悪魔を名乗る少女は帽子を再度被ると、膝を突くレンに合わせるように屈み、目を合わせ語りかける。

 

「僕の趣味は人間観察でね。たまたま君が目に入ったんだ」

「……人間観察が趣味の悪魔が何の用なんだ?」

「提案をしようと思って。――僕は望まぬ調教をされたとはいえ、恋人の目の前で敵に股を開いてセックスするような女を心の底から助けようと思う君に興味が出た」

「は、はぁ……」

「なので、僕と契約しないかい?契約すれば、あの間男を殺し、彼女を助ける力を手に入れられるよ」

 

 一見魅力的な提案だが、レンは彼女が悪魔だと言っていた事を思い出す。悪魔との契約には代償がつきものだ。

 

「あぁ、契約にはもちろん代償がある。ただ僕が決めるわけじゃ無いんだ」

「どういう意味だ?」

「君の望みによって代償は変わる。だから実際に契約しないとこれは解らないのさ」

「なんだよ、それ……」

「――でも、君に出来る選択は少ない。僕と契約するか、恋人を寝取られたまま惨めに殺されるか」

 

 彼女の言うとおり、レンには選択肢が無い。代償を払ってでも生きてミアを助けるか、このままミアに殺されるか。

 ――答えなど、1つしか無い。

 

「わかった、お前と……契約する」

「よしきた!さぁ、僕の手を握って!」

 

 悪魔が差し出す手に、血塗れの手を乗せる。

 

「それで――」

「うん?なんだい?」

「お前の名前は?」

 

 悪魔の顔が破顔する。

 

「僕の名前は『ルシ』さ!コンゴトモヨロシク……ねっ!」

「ああ、よろしくルシ。俺はレン、黒瀬レンだ。」

「うん!よろしくね、レン!」

 

 ――ここに契約は成った。

 

 停止した時が戻り、再び動き出す。瞬間、レンを中心に膨大な光と衝撃波が奔り、エビルミーアを弾き飛ばす。

 

「きゃあっ!?なんなの!?」

「一体何が起きたのですか!?」

 

 想定外の事態に慌てるクラウンとエビルミーア。気をつけていないと吹き飛ばされるほどの風が吹き荒れ続ける。その光と暴風は数十秒続き、そして止んでいく……

 暴風は止んだが、辺りには土煙が漂い視界を奪っている。

 

「れ、レンくん……?――んなっ!?」

 

 エビルミーアが目を凝らしていると、突然煙から黒い人影――レンが飛び出し、クラウンを蹴り飛ばした!

 

「御主人様!?許さないっ!」

 

 レンへ向かって手に持つ剣を振るうエビルミーア。常人の目には止まらないほどの速さだが、あっさりと躱されてしまう。そして、素早くエビルミーアの背後に回り、首の後ろを手刀でトンっと当てる。

 

「う、嘘――!?」

 

 手刀を受けたエビルミーアは気絶し、倒れそうになるがレンが受け止める。そして気絶した彼女を近くにあったベンチで寝させる。

 

「どういう、事だ……お前にはそんな力は無かったはずだ!」

 

 吹き飛ばされたクラウンが立ち上がり、レンを信じられないような表情で見つめる。

 

 ――レンの姿は先程までとは大きく違っていた。

 

 部分的に鎧が装着された黒のロングコートを着込み、大剣を背負うその姿は暗黒騎士のよう。いつの間にか、その傍らに白銀の髪と赤い目を持つ少女が立っていた。

 その少女を見たクラウンは体が震え始める。

 

「あり得ない……何故、あなたのような高位存在がそんな男に力を貸しているのですか!?」

「君には関係の無い事だよ。さぁ、レン。ひと思いにやっちゃいなよ」

「ひ、ひぃっ!?」

 

 背の大剣を抜き、クラウンへ少しずつ近づいていく。その威圧感に恐怖し、後ずさる。

 

(なんでこんな事に!?セイントミーアを手中に収め、性奴隷に堕とし、全てが上手くいっていたはずなのに!)

 

 何を間違ってしまったのか?セイントミーアに手を出したこと?ダメ押しで彼女の手で元恋人を殺させようとしたこと?当てつけるように目の前でセックスしたこと?

 クラウンの脳内で様々な疑問が浮かんでいく。先程までとは立場が逆転していた。

 

「お前のことはどちゃくそムカつく。が、それ以上にムカつくのが――俺自身だ」

「な、何を言って……」

「俺が決心しなかったばかりに、ミアはお前みたいなクソにヤラれちまった。だから――」

 

 レンが大剣に力を込めると、凄まじい魔力が漂い始める。まるで炎のように大剣に纏わり付いた魔力が可視化されるほどだ。

 

「悪魔に魂を売ってでも、俺が責任を取らなきゃいけねぇ!」

「やめろぉぉぉぉぉぉぉっ!?――あがっ」

 

 大剣が振るわれ、クラウンの動きが止まった。数秒おいて彼の体が縦にずれ始め、左右に分かれていく。そして、斬られた体は炎に包まれて燃えて、塵と成っていった……

 

「――で、どうやったらミアを元に戻せるんだ?」

「そうだねぇ、とりあえずここから離れて誰にも見られないとこに移動しよっか?良いとこ知ってる?」

「あー……そうだ!」

 

 

 ――一時間後。

 

 

 黒瀬家の所有する山の中にあるレンとミアの秘密基地。元々は管理小屋だったものを利用している為、色々と道具が残っており、その中にあった鎖でエビルミーアを拘束していた。

 

「うーん……ここは?――御主人様は!?」

「あ、起きたみたいだよレン」

「あなた誰!?」

「僕はルシ!レンと契約した悪魔みたいなものだよ!ヨロシクね」

「あ、はい。よろしく……って、御主人様はどうなったんですか!?」

「――俺が、殺したよ」

 

 暗がりからレンが現れる。エビルミーアはその異様な雰囲気に一瞬呑まれるものの、彼の言葉に怒りを覚える。

 

「そんなのありえない!レンくんみたいなふにゃちんに御主人様が負けるはずありません!」

「ふにゃちんって……」

「だってそうでしょう!?何度も提案したのにのらりくらりと避けてたのは、あなたがふにゃちんでそれを知られたくないから……」

「――ぷ、あはははははっ!」

「な、なにがおかしいんですかっ!?」

 

 エビルミーアの言葉に大笑いするルシ。レンは微妙な表情で「ふにゃちん……」とブツブツ呟いている。そんな二人を睨み付けるエビルミーア。

 

「いや、だってさぁ……一度も見たこと無いのになんでそう思うのかなってさ」

「それは、そうですけど……でも他に理由がありませんっ!」

「まぁいいけどさ。これから見られるから自分で確かめなよ?」

「どういうことですか……?」

 

 ルシの言葉に疑問が浮かぶエビルミーア。微妙な表情のままルシに確認するレン。

 

「――なぁ?ほんとに元に戻せるのか?」

「大丈夫だよ。あの道化師がやったことは彼女を犯し、心が弱った隙をついて正常な判断が出来ないように暗示をかけてるだけ。魂や脳を都合良く書き換える方法なんてのはこの世に存在しないのさ」

「んで、俺が契約で得た力を込めた精を子宮に打ち込むことで原因の術式を弾きだして破壊する」

「精を打ち込むって……つまり」

 

 エビルミーアには二人の会話の全ては理解できなかったが、方法そのものについては理解してしまった。

 ――つまり、レンとの中出しセックスだ。

 

「いやぁ!御主人様以外の、それもレンくんのふにゃちんなんていやぁ!」

「だから、ふにゃちんって……」

「絶対そうに決まってます!違うというなら見せて――」

 

 直後、ボロンっ!とエビルミーアの面前にレンのチンポが露わになった。

 ――それは平均的なサイズを圧倒的に上回り、エビルミーアの指では掴みきれないほどの太さを持つご立派なチンポだった……!

 

「――は?え?」

「実は、その……これがお前と本番セックスしなかった理由なんだ……デカさにドン引きされるかもとか、そもそも入らないんじゃないかとか不安で」

「う、嘘です!?どうせこれもそこの女から得た力の一部なんでしょ!?」

「いや、流石にそれは無いよ(笑)正真正銘の天然物さ♪」

 

 ルシによって即座に否定されてしまい、困惑するエビルミーア。思わずクラウンのチンポとサイズを比較してしまう。

 

「嘘、御主人様のよりずっと大きい……?」

 

 あまりの雄々しさに息が荒くなり、秘所から愛液がじわぁ……と溢れ出す。心の奥底に閉じ込められた本来のミアがレンのチンポを求めているのだ。

 レンはいつもしていたように、エビルミーアの体に優しく触れる。

 

「んあっ……」

 

 ピクンと体が震える。レンの唇がエビルミーアの唇に重なり、舌を絡ませる。クラウンの調教とは違う、スロースペースな前戯。

 一度に感じる快感はクラウンの責めが強かったが、こちらはじんわりと痺れる快感が持続する。相手を思いやり、感じてもらいたいという気持ちが伝わってくる。思えば、クラウンとのセックスは向こう側が感(・)じ(・)さ(・)せ(・)て(・)や(・)る(・)という自分勝手なセックスだった。

 

「はぁ……はぁ……んふぅ」

 

 あんな事をしたにも関わらず、レンは怒りもせずに優しく愛撫する。その優しさにエビルミーアの眼から涙が流れる……

 

(どうして……御主人様の方が気持ちよかったはずのに、なんで嬉しいのぉ……!?)

 

 表面的な思考と心の奥底から感じる気持ちの違いで混乱する。ミアを助けたい、というレンの気持ちが伝わり、エビルミーアの心を解かしていく……。秘所から愛液が溢れ出し、眼がトロンとし始める。レンの唇が離れ、エビルミーアの瞳を見つめる。

 

「ミア……」

「レン、くん……」

 

 レオタードの股間部をずらし、レンはデカチンポを秘所に押し当てる。そのあまりの質量にエビルミーアの体が震えてしまう。そんな彼女を安心させるように、頭を撫でるレン。

 

「大丈夫、優しくするから」

「――うん、きて」

 

 ゆっくり少しずつ秘所の奥へ、デカチンポを差し込んでいく。変身しているのと、クラウンに受けた調教の影響か思ったよりもスムーズに入っていく。エビルミーアは凄まじい質量のチンポが子宮へ入る感触だけで、既にビクンビクンと感じてしまっていた。

 

「あ、ああ……すごいぃぃぃ」

(御主人様のオチンポよりもずっと、ずっとすごいよぉ……こんなの勝てないぃ)

「……くっ、締め付けが凄くて進みづらい!――あ」

 

 レンがつい腰に力を入れてしまったせいで、デカチンポが子宮口を一気にこじ開けて底を突き上げてしまった。エビルミーアの腹にボコンっ!とデカチンポの形が浮き上がる。

 

「おほぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「うわ、えっぐ……」

 

 あまりの衝撃と快感で盛大に絶頂したエビルミーアは体を仰け反らせて潮を噴き出した!ビクンビクンと体は痙攣し、顔はアヘってしまう。それを見ていたルシはちょっと引いてしまった。

 

「ご、ごめん!つい力が入っちゃって……!」

「あへぇ……しゅ、しゅごいぃぃぃぃ」

「おい、大丈夫か……?」

 

 目の焦点が合わず、アヘ顔を晒すエビルミーアを心配するレン。

 

「ら、らいじょうぶだからぁ、動いて、いいよぉ……!」

「お、おう……なら、よっと――」

「お、おほぉぉぉぉぉ……オマンコひっくリかえりゅぅぅぅぅ!?」

 

 ゆっくりと腰を引いて、また最奥へデカチンポを突き上げる。レンが動く度にビクンビクンと絶頂しまくるエビルミーア。

 

(まだゆっくりなのにこれだったら、激しくなったら私どうなっちゃうのぉぉぉ!?)

 

 彼女の中で恐怖と好奇心がせめぎ合う。このデカチンポでわからされてしまえば、もうこれ無しでは生きられなくなってしまう。それでもこの未知の快楽を知りたいという好奇心が勝ってしまった。

 

「ね、ねぇ……もっと激しくしても、いいよ?」

「……大丈夫なのか?」

「うん、だかりゃもっと、もっと――激しくしてぇ!」

「――わかった。じゃぁ、行くぞぉ……ふん!」

「おひぃぃぃぃぃぃ!?」

 

 レンの腰の動きが速くなる。ただそれだけで、エビルミーアは絶頂した。子宮内のあらゆるGスポットが刺激され、凄まじい快楽が生まれる。痛みなど感じず、ただただ気持ちいい。

 

「おほっ!ほひぃ!あひぃぃぃぃ!?」

 

 快感が脳を突き抜けていく度に、レンと過ごした日々が記憶の奥底から呼び起こされる。一緒に裏山で遊んだり、勉強したり……。そして、公園で告白されたときのこと――どうして大事な記憶をどうでもいいものとして、忘れようとしていたのだろうか。それに連動するように少しずつ、エビルミーアのコスチュームが白くなり始めた。

 これが契約によってレンが得た力。性交によって愛情や優しさ、助けたいという想いを魂に直接伝え、本来の正常な意識を呼び戻す。そして体や魂を犯す淀みを排出させ、破棄することで完全に洗脳や人格改変を解除するのだ。

 

「あ、あ、ああぁぁぁぁ!レンくん、レンくん!もっと、もっとぉぉぉぉぉぉぉっ!」

「ミアッ!」

 

 さらにレンの動きが激しくなる。もはやエビルミーアの頭の中にはクラウンのことなど消え去っていた。目の前の自分を心から愛してくれる本当の恋人、レンの事しか見えていない。いつの間にか鎖が外れて手足が自由になっていたが、反抗する気などなかった。エビルミーアはレンを抱きしめるように手足を絡ませる。

 絡ませた手足でレンを引き寄せることで、彼のデカチンポがさらに深く突き刺さる!

 

「おっほぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

「うぐぅ……締まりが強く!?ミアッ!中にだすぞぉぉ!」

「出してぇぇぇぇぇぇっ!いっぱいザーメン出してぇ!」

「うぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

 レンが一際強く腰を打ち付ける!瞬間、ドビュルルルルルルルッ!と大量のザーメンが子宮の中に放出された!

 

「いっくぅぅぅぅぅぅぅ!?レンくんのあっついザーメンで子宮焼けちゃうぅぅぅぅ!?」

 

 あっという間に子宮の中はレンのザーメンで満たされ、エビルミーアの腹が妊娠したように膨らんでいく。数十秒かけて溜め込んでいたザーメンを全て吐き出した。

 ――すると。

 

「うぉっ!?光が――!?」

 

 エビルミーアの体が光り輝いていく。黒く染まっていたコスチュームが白く輝く聖なるコスチュームへと戻り。股間に刻まれた淫紋は消え失せていく。

 

 ――光が止むと、『淫魔騎士エビルミーア』から『魔法騎士セイントミーア』へと戻ったミアが横たわっていた。

 ただ、レンのデカチンポが突き刺さったままだし、アヘ顔で気絶したままだったが。

 

「元に戻ったのはいいんだが、何かしまらねぇなぁ……」

「ミアちゃんのオマンコはしっかりとレンのチンポを締めてるじゃん?」

「そう言う意味じゃねーよ!?」

 

 

 ――三十分後。

 

 

「ほんっとに……すみませんでしたぁ!」

「いや、今回のことは俺も悪かったから……だから、服着てくれ」

「きれーな裸土下座だねぇ……」

 

 目覚めたセイントミーアはコスチュームを脱いで、全裸で土下座していた――

 

「でも私、レンくんの気持ち無視して勝手に思い込んで、クラウンにいいようにされて……ふにゃちんとかも言っちゃったし!」

「気にしてないって。悪いのはあのクソ道化師なんだからさ」

「レンくん……ありがとう」

 

 セイントミーアは変身を解いて、一ノ瀬ミアへと戻る。ようやく一息ついたレンは今後のことについて考え出す。

 

「ミアも元に戻ったし、あとは――契約の代償についてだな」

「契約の、代償……?なに、それ」

「こいつ、ルシと契約して望む力を得ると代償がある、らしいんだが……どうやらその時にならないとどんなモノなのか解らないんだと」

「うん、そうだよ。ミアちゃんを正気に戻したし、そろそろ何かありそうなんだけど……!?」

「な、なんだ!?」

 

 突如、レンとルシを囲むように魔法陣のようなモノが現れる!慌ててミアは再度変身してレンに手を伸ばすが――

 

「きゃあ!?」

 

 弾かれるように吹き飛ばされてしまう。強力な力をもつセイントミーアさえも阻む、謎の力。レンはこれが契約の代償だということに気がついた。

 

「これが、契約の代償なのか!?おい、ルシ!この魔法陣は何なんだ!?」

「多分、転移陣だよ!しかも、異世界に渡るタイプの!」

「はぁ!?なんでそんなことになるんだ!?」

「いや、僕にもよくわからないけど――もしかして」

 

 何かに気がついたように考え込むルシ。しかし、彼女の考えがまとまる前に事態が進行していく。足下から少しずつ転移されていく。

 

「レンくんっ!待ってぇぇ!?」

「ミア!ごめん、必ずお前の元に帰るから待ってくれっ!」

「――いやだっ!もう離れ離れになんてなりたくないよ!」

 

 無理矢理魔法陣の内側に何度も入ろうとするセイントミーアだったが、バチンッ!と弾かれてしまう。それでも諦めずに何度も入ろうとするが弾かれてしまい、コスチュームのあちこちが破け、小さな傷が出来てしまっていた

 

「なんで、なんで一緒に行けないのぉぉ!?」

「ミア、もうやめろ!」

「レンくん、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

 慟哭するセイントミーアの目の前でレンとルシの姿が消えていった……同時に魔法陣も消え、小屋の中が静寂に包まれる。セイントミーアはペタンと床に座り込み、呆然としてしまう。

 

「私の所為だ……私があんなクソに洗脳されたから。ごめんなさい……ごめんなさい……」

 

 しばらくの間、彼女は泣きながら謝り続けた……

 

 

 ――何処かの異世界にある廃工場にて。

 

 

「正気に戻って!ラピス、トパーズ!」

「私たちは正気よぉ?ルビーちゃんも御主人様の性奴隷になれば気持ちよくなれるんだから、一緒に来てちょうだい?」

「そうそう、ラピスねぇの言うとおりだよ?一緒に気持ちよくなろっ!」

「そんな……」

 

 『聖光戦姫ブリリアントルビー』は敵に洗脳され悪へと堕ちた姉妹、『邪光戦姫ダークネスラピス』と『邪光戦姫ダークネストパーズ』に追い詰められていた。

 三人の姉妹は『聖光戦姫ブリリアントジュエルズ』として悪の組織と戦っていた。少々苦戦したりすることもあれど負ける事は無く、組織との戦いにも終りが見えていたのだが……

 ある日二人が突然、行方不明になってしまったのだ。

 そして、再びブリリアントルビーの前に現れた時には悪に堕ちた姿、『邪光戦姫ダークネスジュエルズ』へと姿を変えられてしまっていた。コスチュームは淫靡なものに作り替えられ、胸や秘所が丸見えになっている。

 

「ほら、刃向かわないで?一緒に行きましょ……?」

「いや、絶対に嫌!」

「もー、ルビーねぇは頑固だなぁ。私たちには勝てないって解ってるでしょ?」

 

 ブリリアントルビーのコスチュームはボロボロになり、素肌にも傷がついている。二人に追い詰められ、逃げ道もない。武器も弾かれて手元に無く、反撃することも出来なかった。

 

「いや、来ないで……誰か、誰か助けてぇぇぇぇぇぇっ!」

「こんなところへ助けに来るモノ好きなんているわけ――!?」

 

 呆れたようにルビーを嗤うダークネスラピスだったが、異様な力の流れを感じて上を見る。同時になにか叫び声のような音が近づいてくる。

 

「――うわわわわわぁぁぁぁぁ!」

 

 凄まじい音を立てて、廃校所の屋根に大穴が空き地面に何かが落ちた。辺りに煙が立ちこめて視界が奪われる。

 

「な、なんなの……?」

 

 流石に困惑するダークネスラピス。やがて煙が晴れるとそこには……

 

「男の人が地面に刺さってるぅぅぅぅ!?」

 

 ブリリアントルビーの目の前に謎の男性?が頭から地面に突き刺さっていた――!

 

 驚愕でその場の空気が固まる。ブリリアントルビーはあわあわとし、悪堕ち済み姉妹は呆けている。

 

「え?これ、生きてるの……?」

「いや、ラピスねぇ。流石に死んでるでしょコレ」

 

 恐る恐る近づこうとすると、また上から声が聞こえてくる。

 

「――あー、しつれーい!よっと!」

 

 今度はパラシュートで降りるようにゆっくりと地上へ降り立つ。銀髪ショートカットの少女――ルシだ。彼女は突き刺さったままの男、レンに近づくと腰を掴み持ち上げる。見た目からは想像もつかない怪力なのか、あっさりとレンは地面から抜けた。

 

「おーい、レン大丈夫?」

「……お、お前ー!?そうやって安全に降りられるなら最初からそうしろぉ!」

「いやぁ、ごめんごめん。悪気は無いんだよ?すっかり忘れてたんだ」

「ふざけんなよ!身体強化が無かったらぺしゃんこになってたぞ!」

「ごめんってば」

 

 周りの状況を気にせず、まるでギャグ漫画のような掛け合いを始める二人。思わず苛ついたダークネストパーズが怒声を上げる。

 

「ちょっと、あんた達なんなの!?邪魔なんだけど!」

「……んぁ?――なぁ、ルシ?結局俺らどうなってるんだ?」

「うーん、僕の予想なんだけど。多分君の代償は、『全ての世界の洗脳悪堕ちヒロインを正気に戻し続ける事』なんじゃないかなぁ」

「はぁ!?全ての世界って、それ終りあるのか……?」

「今このときも様々な世界が生まれていることを考えると……まぁ全部に『洗脳悪堕ちヒロイン』がいるわけじゃないと思うけど」

「まじかぁ……」

 

 代償の大きさに落胆するレン。彼女を助ける力を得た代わりに、永遠に会うことは出来ない。まさに悪魔との契約らしい代償だ。もしかしたら、いつか全ての洗脳悪堕ちヒロインを正気戻すことが出来れば再会できるかもしれないが、その無限にも等しい苦行の中、正気を保ち続けられるだろうか?

 不安がよぎるが、レンは考えていてもしかたないと気持ちを切り替える。

 

「とにかく、やるしかないか……で、君たちは何者なの?」

「――私たちを知らないとはとんだ田舎者のようですね……私たちは『邪光戦姫ダークネスジュエルズ』!御主人様のに仕える最高の奴隷よ!」

「あーつまり……」

「彼女達がこの世界の洗脳悪堕ちヒロインだね。でこっちが」

 

 ブリリアントルビーを見る二人。見つめられて慌てて自己紹介する。

 

「わ、私は『聖光戦姫ブリリアントルビー』です。あの二人と姉妹で元々は三人で『聖光戦姫ブリリアントジュエルズ』として戦ってたんです!」

「ほーん、じゃあ俺たちは君の味方ってことね」

「あの、あなた達は一体何者なんですか……?」

「俺か?俺は――」

 

 ブリリアントルビーを背にして、大剣を抜き構えるレン。魔力を体中に巡らせ、さらに大剣へ付与する。体と大剣が淡く光り、強化されていく。

 

「――通りすがりの洗脳悪堕ちヒロインカウンセラーさっ!」

 

 ――黒瀬レンと洗脳悪堕ちヒロイン達との長い戦いが今、始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レンが消えた後の小屋の中で魔法騎士セイントミーアは項垂れていた。自分一人を残して、異世界へと連れ去られてしまった。

 

「なんで……?私を置いて行かないでよぉ……」

 

 両手で顔を覆い、泣き崩れる。自分が、自分が捕まってクラウンに洗脳さえされなければこんな事にはならなかったのに。そう考え、自分を責めるセイントミーア。

 

「どうすれば、どうすればもう一度レンくんと会えるの……?」

 

 必死に普段はしないような思考を巡らせる。あの時のレンやルシの会話、異世界へと飛ばされていく時の事を思い出す。

 そしてあることに気がついた。

 

「あの時……あの女の子、私を見て嗤(・)っ(・)て(・)た(・)――」

 

 そう、異世界へ飛ばされる直前に見た少女の表情は『嘲り』だった。それはまるで自分に対して勝ち誇るような……

 

「まさか――!?」

 

 そもそも、あの瞬間になんで都合良く悪魔が現れるのか?最初からあの悪魔の目的はレンを手に入れることだったのではないか?異世界に移動したのはセイントミーアの邪魔が入らないようにするためではないか?代償が解らないというのも嘘の可能性が高い。

 

「――ふざけるな」

 

 今まで感じたことのない怒りが沸き立つ。あまりの怒りで力が漏れ出し、周辺の空間が歪む。

 

「レンくんは私だけの……私(・)だ(・)け(・)の(・)も(・)の(・)なのに」

 

 瞳から光が消え、表情も消える。今まで共にいることが当たり前だった故に、それを奪われた時に彼女は始めて自分の独占欲に気がついた。

 ――レンは自分だけのモノだ。他の女には渡さない。

 

「……まずはディスペアーズを滅ぼして、奴らの技術から異世界を渡る方法を見つける」

 

 目的を定めたセイントミーアは小屋を出る。そして、星々が輝く空を見上げた。

 

「待ってね、レンくん。――絶対に、泥棒猫から助けてあげるから」

 

 




2023年1月現在、私史上最長の短編となりました……

普段はヒロイン敗北ものばかり書いている私ですが、たまには逆転する話もということで洗脳悪堕ちヒロインを正気戻すお話にしてみました。
タイトルが長いですが、正直これでいいのかは未だに悩んでます(笑)
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