珍しくオリ主×ヒロインではなく、原作登場人物から採用。
形にはなったものの、あまりスケベに仕上げられなかった印象です。
たまには箸休め的な具合でいいでしょうか…。
葬送のフリーレンは、エロくさせるのがちょっと難しかった。
作風の淡々とした雰囲気をあまり壊したくなかった感じがですぎました。
それはそれとして、読んでもらえたら嬉しいです。
大陸最北端への旅の道中。
エルフの魔法使い、フリーレン率いる一党は立ち寄った街にしばらく滞在中であった。フリーレン持ち前のエルフ的時間感覚に任せていると何年経っても旅を再開しないので、そろそろ出発のタイミングを考えなければならないが。
ある日の午後。貸本屋で掘り出し物の散策から帰った少女がひとり。
身の丈ほどの杖を持ちローブの上に冬着を羽織る魔法使いらしさと年頃の女性らしさを合わせた出で立ちの娘……フェルンは、宿の部屋に誰もいないのを見て息をついた。他の面子とは行き違いになったらしい。
荷物を片付けていると、不自然にベッドのひとつが膨らんでいることに気付く。
「…………」
「あら? シュタルク様、いらしたんですね。具合でも悪いのですか?
……シュタルク様?」
……へんじがない。ただのしかばねのようだ。
冗談はともかく。
シーツの端っこからはみ出た髪色から、それが旅のお供の青年、戦士のシュタルクであることを確認する。ベッドに深くもぐり込み背を向けたままの青年を不審に思ったものの、寝ているのかと解釈して軽く流す。フェルンの意識は、テーブルにぽつんとこれ見よがしに置かれた書き置きへ逸らされた。
手にしてみれば、筆跡はよく知った師匠のもの。
『我が愛弟子へ
申し訳ない。ミスった。
あとをお願い』
「…………なんと不安を煽る文面でしょう」
詳細が何一つ書かれていない。が、おおよそを察して天を仰いだ。
大魔法使いであると同時、おかしな魔法の収集家でもあるフリーレンは、時おり新しく得た魔法で失敗をやらかすことがあるのだ。今回もその類いだろうと。貧乏くじを引かされるのも、後始末に苦労するのも大抵自分で、溜息も重くなろうというものだ。帰ったらみっちりお説教をするとしよう。
では、子供がオネショしたシーツと同義の大魔法使いがやらかしたこととはどんなことかと思考を整理する。
そうして考えに没するフェルンの背後。
音もなく接近した人影が、少女の身体に掴みかかった。
「っ! ぁ、シュタル……っ」
咄嗟に魔法で迎撃しようとするが、相手が仲間の青年と知り中断。手首にかかる凄まじい握力に杖を取り落としてしまう。
なおも抵抗するフェルンだが、戦士と魔法使い、男女の力の差はどうしようもない。揉み合いながら部屋を右往左往し、最終的にベッドへ組伏せられる形となる。
「……シュタルク様、なんのおつもりで」
「…………」
凄んでみせても、モノ言わぬまま、興奮気味の猪のように鼻息が荒いシュタルク。顔色は風邪を患っているかのように火照っていて、濁った瞳はこちらを見ているようで見ていない。両手にのしかかる大きな手のひらは異様に熱を持っている気がした。
(精神支配、洗脳、混乱、肉体操作……いえ、これは)
チラリと下に視線をやる。のしかかられてからやたら身体にすり付けられるシュタルクの下半身、その股間部は大きく盛り上がっていた。かつて取得した『服を見透かす魔法』を使うまでもなく、彼が性的に興奮しているのがわかる。
(あぁ、なるほどそういう……今回ばかりは本当にやらかしてくれましたね、師匠)
点と点は結ばれた。これこそが『やらかし』だ。
どんな魔法をどうやったらこのような症状になるのか分からないが、厄介である。現在のシュタルクは発情しきった獣と同じなのだろう。このままではフェルンの貞操が危ういのは誰の目にも明らか。
しかし、当の本人はいつも通り平静だった。
いざとなれば、杖を魔力で手繰り寄せ反撃に転じられる余裕の現れ。フリーレンお墨付きの速射攻撃なら盤面をひっくり返すことは可能だ。もしかしたら交戦の果てに宿が半壊するかもしれないが、乙女の純潔には変えられないだろう。
昏倒させ拘束さえしておけば、やがて魔法の効力も切れるはず。永続的な魔法など存在しない。
正気に戻ったシュタルクの精神が、己の狼藉を受け止められるかは別として。
(いつもみたく、ごめんよぉ、では済まなそうですね。罪悪感でしばらく凹みそう)
だが、実のところフェルンの落ち着き払った態度はそれらの打算とはまた異なる事情だった。
(……なんでしょう。わたし、あまりイヤに思っていませんね)
どこか他人事のように分析する。
嫌悪感や恐怖、といったものをあまり感じていない。いや、正直ちょっぴりばかり怖い気持ちはあるけれども、どちらかと言えば若干鼓動が高鳴ってすらいる。もちろんロマンス的な意味合いでだ。
(以前、イタズラで肩に触れられたときは、ハッキリ怖いと感じたのに。どんな心境の変化でしょうか)
それなりに長く旅をした仲間だ。情もあろう。好ましく思うところ、直してほしいと思うところ、色々ある。それらを差し引きして、状況の異常性やロマンスの欠け具合を考慮しても、フェルンは成り行きに任せてもいいような気がしていた。
間違っても、若さゆえの火遊び感覚などではない。真面目なフェルンが、そんな軽い決断をするはずもない。
ただ、人生に一度きりの『はじめて』がシュタルクというのは、個人的感情として悪くない……気がしていた。
「フェ、ルン……っ」
唐突に、シュタルクが言葉を発した。
目にはいまだ発情の色が濃いものの、幾分か彼本来の、好青年の皮を被った臆病で気遣わしげな下地が戻っている。
魔法の効力が弱まっているのか。強靭な精神力の賜物か。いつの間にか拘束されていた腕が自由になっているのに気づく。脇にどいた彼の両手はシーツを千切れんばかりに握りしめて、衝動に振り回されそうな己を必死に制しているのが見て取れた。
絞り出すような、苦しさと切なさが混じりあった熱い吐息がフェルンの鼻先にかかる。
「やって、くれ。魔法で、気絶させるなりなんなり。加減は考えなくていい。自分じゃ、どうしようもないんだ。このままじゃ俺……っ」
「どうしたいのですか?」
「どうし……へ?」
「シュタルク様―――」
隙を衝くチャンスをみずから棒に振って、フリーの両手を頬に添える。いまにも唇が触れあいそうなほど間近な距離。シュタルクは少女の不可解な行動に困惑している。
「わたしでは、おイヤですか?」
「――――――」
「わたしは、存外、イヤではありません。想像して、いま、気付きました。あなたと交わることに、忌避感があまりないと。
色気のない物言いですみません。こんなわたしを、抱きたいと思いますか? いまなら、魔法で狂わされたからと、言い訳はできますが」
「なッ、そんなの、だめ、だろっ……俺は……俺、だって、でも、フェルンは仲間、で……っ、ただ、大事にしなきゃって」
「なら証明してください。それとも、女なら誰でもいいのですか? これでも精いっぱい勇気を振り絞っているのです……あまり、恥をかかせないで」
表情こそ平静を装っているが、頬に触れる手先の震えを感じ取り、シュタルクは相手の隠れた不安を察した。
綺麗な顔立ち。整えられた黒髪。雪みたいに色白の肌。ほわ、と匂い立つ、男とはまったく違ういい匂い。ひとつひとつの要素がジリジリとシュタルクの劣情に訴えかける。何かと口うるさく、グサグサと棘も吐くが、まるでお母さんのような優しさと甲斐甲斐しさを持つ仲間。
そんな彼女が、間違いなく『おんな』であると、いま克明に思い知らされている。
「…………わかった。その、よろしく、お願いします」
「はい。お願いします」
躊躇いがちに、初々しく男女は唇を合わせた。
技巧も何もない、ただ粘膜が薄く触れ合うだけのキス。
それでも、このとき二人は胸に温かい熱が灯るのを感じた。
しかし、我慢が利いたのは、少しの間。
「んんっ、うっぐ! あぁ゛っ! んふうぅうう゛ぅ゛ぅぅ……っ!」
雄のいきり立ちが無垢な媚膜に押し入る。
フェルンは喉奥から飛び出そうな絶叫を圧し殺し、破瓜の痛みに歯を食いしばった。膣道は多少しっとりしている程度で、お世辞にも潤沢とは言いがたい。
「はッぁぁ……すっげ」
悶絶する少女とは裏腹に、シュタルクは初めての女の体内に感嘆をこぼした。水気の足りない粘膜をゾリゾリと削っていく感覚は通常男でも痛いものだが、いい具合に媚熱で酔っているシュタルクにはあまり関係ないようだ。
とはいえ、性急な強行軍には違いない。
互いに、こういった行為とは縁がなかったせいか、何度か啄むようなお子様キスを繰り返したのち、服もろくにはだけずどちらともなく挿入の手順に入ったのだ。娼館の嬢でももう少しムードと時間を作って準備する。
仕方ないと言えば仕方ない。
シュタルクの人生はほぼむさいヒゲ面のドワーフ親父とマンツーマンで修行していた経験しかなく、独り立ち後にドラゴンから守った街でも色っぽい話はとんとなかった。まして発情状態で女に飢えた立場。性交の了解を取ったのを最後にリミッターが外れてしまっている。
対してフェルンも、境遇は似たり寄ったり。育ての親である元生臭坊主は情操教育にあまり力を注がず、自分がいなくなったあとを生き残る術を叩き込むことを優先していた。魔法の師フリーレンは身も心も枯れきったエルフなのでそもそも論外。
身体つきこそ大人に近いが、性的関連にはとにかく疎い両者。そんな有様で焦った初体験に臨めば不具合は生まれて当然だった。
ウネウネと、ヴァギナは独りでに見知らぬ異物を追い出そうと躍起になる。が、それがなおのこと若竿を悦ばせ、暴走のきっかけを与えてしまう。
「動く、ぞ……っ」
「んぐっ、ィぎッ、っつ、ひぃ! ま、まって、くださ……くぁあ゛っ!?」
ぎゅぅぅと強ばる秘肉が引っ張られる。ペニス先端の『返し』が食い込んだヒダ壁が腰の動きにもろとも手繰られる。メリメリと再び割り開かれていくのも違和感が尋常ではない。
特に破りたてで感覚が鮮明な処女膜の付近を通過するさいは文字通り裂かれるような激痛が走る。そうでなくともまだまだ馴染まない肉孔に、若者の独りよがりなピストンは過激であった。
「ぅ、ぅ、うぅ、ぐッ、あふっ、んっんっんん!」
「はっ、くっ、フェルンの中、ギっチギチに締め付けてくる」
「な、ら……少しは、いたわってくだ、さいっ……痛いで、す」
「悪ぃ……頭では分かってんだ、乱暴にしちゃダメだって。
けど、身体が熱くて、はぁっ、腰、動き出したら止まんなく……っ。ホント悪い。すぐ終わらせるから。あとで、いくらでもぶん殴ってくれ」
魔法の効果は依然シュタルクを逸らせる。肉棒の往復は幾度となく未開拓の肉路を自分の形に広げ、かき混ぜる。
言って聞かないのが分かったからか、フェルンはとにかく童貞の気が済むまで堪え忍ぶ道を選んだ。手が白むほどシーツを握りしめ、呼吸を浅く、シュタルクの律動に合わせて整えていく。
「ふ、ふ、ふぅ、ん、くふぅ、はっ、ぁ」
次第に、腰から下が別物になったような錯覚を覚えた。痛みが鈍くなり、強ばりは抜け、生乾きの秘裂が徐々にヌメリを帯びてくる。
肉刺しがスムーズに、そして適度に柔らかな抵抗感に富んでくると、シュタルクはいっそう勢いに乗って女体の虜となっていく。力強い抽送が華奢な身体を揺らし、息を自然と弾ませる。宿の安物ベッドがギシギシとうるさく軋んでいた。
(少しは、痛みも和らいできました……正直、そこまで気持ちいいかと言われれば肩透かし、ですが。初めてで、そうそううまくはいきません、ね。現実は、思っていたよりシビアです)
でも、とフェルンは額に汗をかきながら腰を打ち付ける青年を見つめた。
快楽に忠実な、切なくも欲深い血走った目付き。男らしい顔。平時の穏やかさが嘘のような野獣的面貌。その必死で懸命なさまを妙に愛おしく感じているあたり、自分もなかなか女だったのかと自覚させられる。
「っ、っぁ、ヤバイ、もう出そ……っ」
濡れた蜜洞が慈しむように竿全体を包む。身勝手な乱暴狼藉を慎ましく受け入れる柔肉の抱擁に、シュタルクは切羽詰まった吐息を漏らした。
「出して、ください。中でも、たぶん平気、です」
「いい、のか?」
「ナマで入れてる時点でリスクは同じです。考えはありますが、んっ……もし、デキたら、フリーレン様に名付け親にでもなってもらいましょう。
もちろん、責任はとってくださいますよね?」
「あ、当たり前だっ」
儚げな微笑のはずなのになぜか玉が縮む思いのシュタルク。
不慮の事故で冷めかけた射精の高揚感はがっついた前後運動によってあっという間にぶり返し、ビクビクと逸物が中で身震い。
精巣から昇ってくる濁液の感覚に、少年はとどめの一突きを強く打ち放った。
「んっ!♡」
ぐっと秘部に押し付けられた先から熱い粘液がほとばしる。ぬるめのお湯を注がれてるようなポワポワした感触が下腹を満たすのを、フェルンは感じていた。
呆れ返るような長い放精。間違いなく彼の人生で一番のカタルシスだった。断続的な快感が止まず、きゅむきゅむと吸着するヒダが放出をさらに助けている。
が、ひとしきりの射精を経ても、肉棒の硬度は保たれたまま。
「はぁ、はっ、はあ……マジか」
「ん、まだ硬いまま、ですね。男性は、射精すると落ち着くのではなかったですか?」
「そのはずなんだけど。魔法、まだ切れてないのかな。頭のモヤモヤ感は、結構スッキリしたはずなんだけど」
「……仕方ありません」
シュタルクに一度肉棒を抜かせ、のそのそと衣服を脱ぎ捨てる。
白く細い身体が映った。太陽に焼かれていない白磁の肌が高級な陶器のように美しい。華奢だが、胸と尻についた肉付きは瑞々しい果実を思わせる色っぽさだ。股から溢れる赤いものが混じった精液が目に卑猥で、思わず剛直が生き生きしだす。
杖を引き寄せたフェルンが囁くように呪文を口にすると、陰部から内ももを伝っていた精液がシュワシュワと泡のごとく消えていった。
「何したんだ?」
「『服の汚れを落とす魔法』を応用して、精液を綺麗にしました。お腹のなかも掃除できたので、たぶん、受精する確率はぐっと減るはずです」
魔法に関しては門外漢だがたぶんそれなりにすごいのだと思う。このようなことに魔法を使うのは如何かと嘆かないでもないが、発端は自分なので何も言えない。
「師の不始末はキッチリとします。シュタルク様、続きを」
今度はみずからベッドに身を投げ出し、迎えるように開脚した。
汗に濡れた肢体は健康的な色気があった。表情の変化は乏しくも、献身的な姿勢は少女の優しさを感じられて胸が熱い。
淫液にテカった、花開いて間もない卑猥な花弁。その奥に敷き詰められた濡れ肉の心地よさが鮮烈に脳裏に焼き付き、欲情のボルテージを引き上げる。
ごくり。
人知れず喉が鳴っていた。
ふらふらと花の蜜に誘われるように覆い被さった青年は、収まらない欲望を再び少女に浴びせていった。
***
「出しすぎです。本当にできたらどうするんですか」
「面目ない」
「結構痛かったです。まだ違和感が残ってます。腰も痛くて立てません」
「すみません」
「七度です。合計七回。はじめての相手にする回数じゃありませんよ。この鬼畜、ケダモノ」
「ほんっと、反省してますっ」
翌日のこと。
床に正座し謝り倒しのシュタルク、ベッドに腰かけなじるフェルンの姿。すでに体裁は整えられていて、一晩経った部屋から情交の名残は綺麗さっぱりぬぐわれていた。
「…………」
「フリーレン様?」
「子供の名前はシュテルなんてどうかな? 男でも女でもいけそうだし。シュタルクの主張が少し強いけど」
「フリーレン様……?」
「冗談だ。ごめんなさい」
少年の隣で深々土下座する涼やかな美貌の耳長娘。一見フェルンより年下にも見える彼女が、遥か昔から生きる英雄パーティーの生き証人。大魔法使いフリーレンだ。
しかし、魔族もおののく勇名も、怒髪天の弟子相手では機能しない。
「昨夜はどこへ?」
「別の宿を借りたんだ。ほら、途中で帰ってきてお邪魔だったらいけないから」
「お黙りなさい」
「|||{= ω = }」
師匠がしょんぼり耳を萎びさせる横で、シュタルクがなにやら挙動不審だった。
変に腰を引いてモゾモゾしているかと思えば、なんと勃起した逸物の位置を誤魔化そうとしているではないか。
「シュタルク様……反省は口だけのようで」
「い、いや、俺もなんでこんな風になってるんだか……」
ハッキリ侮蔑を込めた眼光で睨まれ、しどろもどろ言い訳を重ねる。
「うーん。魔法の影響が身体に残ってるようだね。魔力は薄いけど、放出されるでもなく浸透するでもなくこびりついてる印象だ。たぶん、性交渉で完全に発散しきれなかったんじゃないかな。100%射精で解消されるってわけでもないだろうからね」
「ほ、放っておけば直るよな?」
「さてどうだか。シュタルクの魔力適応力が鍵かもね。
まぁ、都合の悪いとき以外は発散に努めたほうがいいと思うよ。戦うにも歩くにも不便でしょ、それ。四六時中勃起が収まらなくて性犯罪者扱いされてもイヤだろうし」
同道するこっちも嫌だ、と諸悪の根源。
「あぁあと、できれば異性と交わって射精したほうがいいと思うよ。魔法理論的に。効率を考えなければ自慰でも問題ないだろうけど、すりきれても知らないよ」
「マジかぁ……」
頭を抱えたシュタルクを慰めるように背中を撫でるフリーレン。珍しく気遣い上手な様子に、フェルンは師への不信感を募らせる。
「それなりに大きな街でもなきゃ娼館街もないからねぇ。村なんかだと余所者の血を取り入れるために若い娘を旅人へ接待させるなんてこともあるけど。そうでもなきゃいきずり女に適当に声をかけてお金を握らせるくらいしかないかなぁ。準童貞でしかないシュタルクにナンパはハードル高いかな? あくまで噂だけど街娼って病気対策もろくにされてないらしいね。っていうかそもそも人のいる拠点に毎度辿り着けるかもわからないし。
あーあ、旅路に同行してて都合のいいとき解消を助けてくれて日頃憎からず思ってくれる若い娘がいたならねぇー」
「…………」
ウザイ。チラチラ横目で露骨に呼び掛けてくるエルフが激しくウザイ。
フェルンは拳を繰り出す寸前だった。
(というか、それなら別にフリーレン様が相手でも……)
正直あまり想像したくないが、次善案として考えざるをえない。
「言っとくけどわたしは無理。性欲ないからね。乾いた穴に突っ込まれても痛いだけさ。体格的にもキツイ。
それに、どうせならシュタルクだって、ほどよくムチついた身体のほうが抱き心地いいと思うよ」
(平然と思考を読まないでください。誰がムチついたですか……別に、言うほど太っていない、はず……)
失礼な物言いで選択肢を潰し、いよいよ余所に頼れる相手がいない。我慢で済む問題でないのはさすがに理解していた。
「はぁ……」
少年のすがるような視線に溜め息をこぼし、フェルンは不透明な先行きを憂いた。
フリーレンが勇者たちと十年かけた旅路の軌跡。
その終点への道のりは、まだ長い。
とりあえず、若者を悩ませて愉悦する師匠のニヤつきを止めるべく、少女は杖を振り上げた。
これもあくまで始まり、みたいな感じですね。シュタルク完全被害者で可哀そう。
フェルンが乱れるとしたら続きが出たときでしょう。そのときは頑張りますよ。