フロムソフトウェア作「SEKIRO」より、エマの凌辱モノです。
準備はしてたのに遅れました…ブルアカの神シナリオや配信に気を取られてたので。
あと♡語尾は雰囲気を損なうと思ったので今回はなしです。
ではどうぞ。
――起きよ。起きなさい、エマ。
「ぅ……」
まとわりつく沼底から這い上がるような、なんとも不快な目覚めであった。
女――エマは、ぼんやりと涅槃に半歩沈んだままの頭で辺りをゆったり見渡し、そこが暗い洞窟のような場所であることをおぼろげに把握。だが、なぜこんなところにいるのかがわからない。記憶の前後が飛んでいる。
そしてふと、さ迷う眼差しが目の前で静かに佇む白装束の人物に合い……。
「……
「おや。よくわかったものですね。もう何年と久しく姿を見せておらなんだのに」
相手は感心したように告げているが、声に感情の揺らぎはなかった。
道順……かつて、葦名でも指折りの技巧師にして、熟達の薬師でもあった師・
優れた頭脳と才覚を有していたが、もうひとりの師とも呼べる男と連れだって禁忌の研究へ手を出し、雲隠れして以来、存在は杳として知れなくなっていた。
「忘れなど致しませんとも……
「裏切ったなどと人聞きの悪い。我が師と私はあくまで、人々のより良き明日のため、不死の探求を究めんとしただけのこと。あなた方とは見解の相違で袂を
「
変若水――
変若水に侵された者は俗に『赤目』と呼ばれる存在となり、ひとたびその力が身に巣くえば正気に帰る術はなくなる。
エマの師である道玄はいち早く変若水の危険性に気付き研究そのものを破棄したが、葦名のためと死なずに没頭していた道策は危うさを知りながら探求をやめることなく、道玄の棄てた研究成果を手に直弟子であった道順と連れだって姿を消したのだった。
激発したエマにも、男は依然として落ち着いた態度を保っている。さもありなん。彼らは本心から、変若水が不死の鍵となることを疑っていないのだろう。
「言葉でいくら言って聞かせても、あなたに響きはしないでしょう。エマ。無論、私たちにも……。
道策様も、あなたのお師譲りの生真面目な頑固さに苦笑をこぼしてらっしゃる」
どこでもない虚空を眺めて告げる道順。まるで誰かがそこにいるかのような口振りだ。
不審げに眉をひそめるエマを尻目に、道順はボソボソとそこにいない誰かと会話をしている。
「はい。わかっております。いまさらこの者への情は……全ては不死の探求を果たさんがため。そのために、多くのものたちに犠牲を強いてきた……報いるためにも、もはや止まれはしない。……はい、どうか、ここはお任せを」
「道順? 誰と話しているのですか?」
「これは異なことを。我が師である道策様以外にありましょうか。
……どうやら思わぬ邂逅と状況に、エマは動転しているらしい」
「……嗚呼、道順。あなたはもう―――」
納得とともに、女の顔が悲痛と憐れみに彩られた。
不死の研究という大望の果てしなさに絶望したのか、あるいは道策がなんらかの要因で死に孤独の歩みに耐えられなくなったのか、はたまた別の理由か……少なくとも、もはや彼の気が触れてしまっていることは明らかであった。
彼の瞳にはいまもなお映っているのだろう。死なずに心命を費やす亡霊の影が。その影が、いつまでも血濡れの外道に道順を縛りつけているのだ。
「……それで、この扱いは一体なんなのですか? 私をどうするつもりで、こんな場所に……」
狂った兄弟弟子にどんな言葉を投げてもとなしのつぶて。静かに息を整えたエマは気持ちを切り替え、状況整理に意識を傾ける。
地面に横座りの状態……着物姿の彼女の両手首は枷にかけられ、頭上の壁に鎖で繋がれていた。道順を挟んだ向こうには太い木製の格子があり、燭台の明かりに照らされた薄暗い情景は、ゴツゴツとした岩肌がむき出しだった。おそらく天然の洞窟かなにかを利用した牢屋なのだろう。饐えた匂い……湿った水気と、人の死臭が混じったような、ひどい刺激臭が鼻をつんざくようだ。
「葦名城の地下に広がる水路の捨て牢ですよ。正確にはそこに作られた、我々の研究所であり施術場といったところですが」
「葦名の? ……道順。あなた、これまでどうやって姿を隠して……」
「残念ながら、これ以上お答える義理もなし。我々も久闊を叙すために面通しをしたわけではありません。
エマ。端的に申しまして、あなたがここに招かれたのは、我らの研究にご協力していただきたいからなのです」
「そんなもの、答えは分かりきっているでしょう?
否。断じて否です。手を貸す理由も意義もない。命惜しさに手を貸すとでも?」
「あぁ、これは申し訳ない。勘違いさせてしまったようで。別に、あなたの意思など関係ないのです。我々が欲しているのは共同開発者ではなく―――」
ずい、と面布に覆われた顔が乗り出してくる。
奥から爛々とのぞく、妄執に取りつかれた昏い両眼と視線が絡んだ。
「研究材料ですので」
「なっ―――」
瞠目した瞬間、ちくりとした痛みに顔をしかめた。足を見れば、むき出しのふくらはぎにか細い針が突き刺さっている。
構えた吹き矢の筒を懐にしまい、道順は淡々と解説するかのごとく告げる。
「ご安心を。針に塗られた毒はただの筋肉弛緩薬。ですがじきに指一本動かせなくなるでしょう。舌の根は別ですが……。
新しい
「さる、お方……」
重りをくくられたような脱力感が肩にのしかかり、舌を動かすのも億劫になる。
しかし、聡い思考は気だるくとも回転をやめず、与えられた断片から該当する人間を推理しようとしていた。
不死の力に興味をもち、道順を葦名城の地下に堂々と匿い、エマを捕らえることが容易であった人物。思い浮かぶ最有力候補は、執念と呼べるほど深い愛国心から、野望に焦がれる一人の武士。
(弦一郎殿……っ)
なんにせよ、かの御仁が関わっていることを、エマは確信した。
「……私がいなければ、一心様のお命を保たせることは難しくなりますよ?」
強壮を誇る無敵の侍・葦名一心。たったひとりの武勇から、志を同じくする仲間、その強さに心酔する臣下が集まり、国奪り戦の果て葦名の国を興した〝つわもの"。
しかし、永劫の統治者などありえない。老境に至った一心の身体は、老いと病いで朽ちかけていた。だからこそ、エマが専属の薬師としてそばに仕え、容態を保たせていたのだが……。
「それも承知の上で、でしょう。かのお方の葦名へ捧げる覚悟は、とっくに肉親への情など超えていらっしゃる」
「情では、ありません。実的な話……胡乱な予言でも誇張でもなく、一心様がいなくなれば、すぐにでも内府が攻めいってくる。あの方への恐怖によって保たれた葦名と内府の均衡は、あの方なくして成立しない。途端に瓦解することとなり、多くの犠牲を民草に強いる……」
「さて。私に計略は図りかねますが、しかし、それもまた飲み込んでの決断なのではないですか?
大勢のため小勢を切り捨てる。為政者ならば避けられぬ選択です。……どの道、あなたはもう関係ないでしょう。此処から無事に出ることは、もう叶わないのですから」
薬が回りきったと判断したのか、接近する道順。打れた毒がなければ枷のない脚で反撃できたものを、と口惜しむ。
(私の不在を一心様が不審に感じれば、何かしらの手を打たれるはず……それに、狼殿。独自に葦名を駆け回るあの方がこの異変を察すれば、脱出の機会は訪れる)
仕える主と、交流のある隻腕の忍びを思い浮かべ、希望を懐に秘めるエマ。
そんな彼女の口に、くちばし型の開口器が嵌められる。
「んご……っぉ……っ」
「では、実験を始めるとしよう」
期待に目をギラつかせた道順が袖から取り出した小瓶。その中の赤い粉末状の薬を、開口器を通じて口内に注いでいく。固い素材の器具によって口を閉じることができず、さらに水を追加で喉に直接流し込まれ、溺れないよう飲みくだしてしまう。
「っ。けほっ……何を、飲ませたのですか?」
「赤目玉」
「っ!?」
「と、別に調合したいくつかの薬品で希釈し、粉末とした
赤目玉とは、文字通り桜鯉と呼ばれる魚から獲れる赤い目玉のこと。変若水の澱を含んだ桜鯉の目玉はそれそのものが変若水と同じ効能を持ち、人を赤目とするための必須材料であった。
「私を、赤目にして、始末するつもりで……」
「馬鹿な。そんな勿体ないことをすると思うかね……先ほど申しました通り、これは実験。すでに分かりきった結果を再現しても意味はありません。あなたに飲ませた師の新薬は、赤目へと変質する作用をある程度抑制した上で、別の効果をもたらすよう調整しているのです」
「はっ、ぁ、うぁっ……!?」
かあっ、と。心臓に炭火がくべられたのかと思うほどの熱量が宿る。叩かれるように早鐘を打つ鼓動。そこから巡り出ては行き渡っていく血流が宿った熱火を身体の隅々まで運び、エマは言いようのない苦痛に身もだえた。
自由の利かない身体でもがくなかで、やがて彼女に訪れた明確な変化。
(下腹が――いえ。子宮が、熱い……っ)
反射的に頭が垂れ、腹を抱えるかのようにその身を折りたたもうとする。まるで発情した犬のように呼吸が乱れ、胎内が戦慄いていた。噴き出た玉の汗が白くほっそりした首筋をなぞり鎖骨へ流れる。それだけでエマの身体にゾクゾクと震えが走った。
「正確には、方向性を与えたのだ。
赤目の欠点は、正気を飛ばし、冷静さを失わせ、当人の攻撃性を著しく上昇させること。ワシが行ったのは、これを強い破壊衝動ではなく、快楽を伴う性衝動へと転ずることであった」
「快っ、楽……?! なんの、意味が……」
口調と雰囲気が、話す最中にも別人のようにころころ移り変わる道順の様子にも気を配っていられないほど、エマは自身の肉体に発生する無尽蔵の疼きに翻弄されていた。
「必要なのですよ。より濃く赤目の力を受けた上で、ただの野生に堕ちてしまわないようにするための工夫が。……目論見のためにも、お前には多くの悦楽と、多くの種を授かってもらいたい。その果てに、我らが大願の次なるきざはしが見えてくるはず……。
案ずるな。きっと此の世のものとは思えぬほどの、気の狂うような法悦が待っておるぞ?」
「た、ね? ま、さか、道順……っ!」
上気した顔から血の気が引くような予感と怖気。
戦慄に凍るエマをよそに、道順に招かれて格子の外から大柄な男がひとり、ふらふらと覚束ない足取りで牢の中に入ってくる。ややくたびれた風体に乞食か浮浪者かと見まがうが、よくよく観察した背格好から察するに、葦名の侍であるらしい。
「ご紹介しましょう。こちら、此度の実験協力者であり、葦名の侍である隈野陣左衛門殿です。あなたの"つがい"として、これから毎日顔を合わせることになるので、ぜひとも仲良くしてやってください」
「ぅぅ……あぁぁ、どこじゃあ、あの調べ……あの美しい……心が、やわく慰撫されるような……きっと儂を呼んでおるのだ……ぁぁぁぁ………」
夢遊病者のように、心ここにあらず。
虚ろなでありながら、どこか恍惚と緩んだ面持ちの陣左衛門。ボソボソと呟かれる言の葉の意味は不明だが、彼は何か、あるいは誰かを追い求めている様子であった。
「はあっ、ぁ、っく……道順っ、この方に、なにをしたのですかっ?」
「なに、薬で思考を少しとろかせて、ワシらの言うことを聞き取りやすくさせているに過ぎん。もとより、この男は捨て牢に迷いこんできたときから終始こんな調子よ。
なにに魅入られたかは知らぬが、壮健な被験者が手に入ったのは実に僥倖であった」
「このっ、外道……いえ、もはや下衆と呼ぶべきですね。救うと宣う民草までも、己の欲望に利用してっ」
「いいえ、これも大義のためであります。
……隈野殿、隈野殿。お探しの女性は目の前におりまする。見えますか? そなたの寵愛を頂きたいと、切なくこいねがっておいでのご様子ですよ?」
道順が侍の耳元でそっと囁くと、虚ろな焦点が囚われのエマにのっそり差し向けられる。
「ぅ、お主が? そう……であった、か?」
「ええ。そうなのです。さぁ、誘う調べに手を引かれるまま、あなたの焦がれた情念を、彼女に捧げるのです。彼女もきっと、それを望んでいますよ?」
「おぉ……おぉぉ」
ゆらり、ゆらりと不気味に身体を揺らめかせ、陣左衛門はエマにすがり付いた。
しっとりした首筋に鼻先を近づけて、そこから漂うなんとも言えぬ芳醇な香りに酔いしれる。安らぎと興奮。相反する感情が、愛おしさの爆発となって男の胸で弾けた。
「おぉぉ、調べの君よ。麗しの琴弾きよ……あぁ、そなたと触れ合えるときをずっと待ち望んでおった。あの悲しげな音色を耳にして以来、務めも何も手につかず、儂はそなたに心奪われていたのだ。来る日も、来る日も、葦名をさ迷い求め……それが、やっと、いま、儂の懐の中で息づいておる……」
熱い吐息と伸び放題の無精髭のくすぐったさが肌をくすぐる。赤らんだ細首をぞろりとなぞる舌のざらつきに、女からひっ、と短い悲鳴が漏れた。
「ふふ、なんともめんこい声をあげるのぅ。そなたの肌はまっこと絹のごとくなめらかで、うまいのぉ」
「違い、ますっ……これは、薬で、火照ってッ……ひぅっ、ん、ぁぁ……いけません、隈野殿っ。どうか正気に……私は、あなたの求める女性などでは……ぅぁんっ」
エマの懇願もむなしく、目先しか見えていない侍は覆い被さって彼女を啄み、すすり、鬱血の跡を雪のような肌地へ無数に刻む。道順の所業で意思が混濁としたところに、焦がれた女と巡り会えた喜びが重なって、正常な判断力はもはや微塵も残っていない様子であった。
「ぁあ、ああ……なぜじゃろうなぁ……たおやかで、いまにも折れてしまいそうなほどに、繊細で……大切にしたいと尻込みする。なのに、そなたの味を、そなたの芳しさを知ると、どうにも儂は……辛抱できなくなるのじゃぁ」
「くひぃ、っ、ぁ、あぁ……これ、かたいのが、ふっ、くぅ……当たってぇ……っ」
投げ出され、裾のはだけた太ももに、雄の怒張が擦り付けられる。股間の布地を突っ張らせる興奮の発露が、艶やかな雌を前に牙を剥こうとしていた。
「ふむ。薬剤を取り込んだ女の体液や体臭に反応しての連鎖的に発情……ここまでは推定した通り」
大きな身の丈の被さる向こう側から冷静な分析が放たれるが、エマにはもはやそれを聞き取る余力がなかった。
「いやっ、お願い、やめて……どうか抗ってください、隈野殿……あなたも誇りある葦名の侍ならば、卑劣なやからの企みに乗ってはいけませんっ」
思考を色に染められつつも、淫情と戦うエマの哀切が響く。
けれど、枷と毒に蝕まれる弱々しく儚いさま。瞳を潤ませ、ほつれた黒髪を頬に張り付ける不自由な姿は、背徳的な色香を漂わせていた。本能が幅を利かせる現在の陣左衛門からすれば、いたずらに欲望を煽る材料でしかなく。
「はあっ、はあっ、もう、たまらぬっ」
手早く腰紐をほどき、下履きとフンドシを蹴り飛ばす勢いで乱雑に脱ぎ捨てると、ビンと弓なりに跳ねあがる肉棒があらわに。
力の抜けた女の膝を割り、脚の間に入り込むと、ずぷりと一息に挿し貫いた。
「んああぁぁぁっっ……あっ、あぁぁっ、そんな、はあぁぅぅっ」
「くおぉっ、なんと心地の良い女陰か。うねうねと、揉まれながら魔羅が奥へと引き込まれていくッ……まるで貪り食われるような極楽坩堝。戯れもなくこれほどしとどに濡れてうねっておるとは、やはり、お主もずっと儂を求めておったのじゃなっ」
「ち、ちがぁうぅぅ、はっ、はぁあっ、やめっ、はふ、くふぅん、動いてはぁ……あはぁぁあんっ」
「ふふん。上の口は恥じらうばかりだが、下の口は随分素直であると見える。もっと儂に動いて欲しいと忙しなく催促してくるぞ」
火照ったぬかるみの感触を味わうように、陣左衛門は繋がったまま腰を「の」の字に回す。生々しい熱をたずさえる鉄杭のような肉棒が、柔らかな蜜壺をすりこぎのごとくこねくり、迎えた男の固さと逞しさを教え込もうとしてくる。
くなくなと首を振って拒むエマ。ほぼ前戯なしの性急な挿入は、しかし異物感以上の大きな悦楽を彼女にもたらしていた。
「ひぃぃっ、んんっ、んあ゛っ、だめっ、あっ、あぁ! お止め、くださっ……ぃいっ、やあぁぁっ!」
決して律動は大きくない。が、敏感なエマの身体にとってはたまらない刺激だった。猛りが媚肉にすり付けられると、意識が浮き上がってしまいそうな快感が神経に爆竹のごとく弾ける。股からどぷりと追加の淫蜜がまぶされ、抽送を助ける潤いとなる。
女の樹液を吸った陰茎はますます張りと固さを増し、狭隘な姫割れは逞しい怒張を食い締めて愛おしげに海綿体をもみほぐす。
「おおっ、たまらぬっ、たまらぬっ。貪らずにはおれん。腰が止まらぬ! おっ、おっ」
「いやっ、やぁああぁ、ぁはん、っく、いぅっ、ずんずんって、強いっぃひんっ……そんなに、突かないでっ、ぁあっ、だめぇ、はああんっ」
猛然と腰を振りたくる陣左衛門。
たぎる獣欲をそのまま乗せたような一撃が、何度も膣底を打ちすえる。張り詰めた穂先がひしめくヒダ肉を掻き分けては、返す刀でめくりあげる。ぱん、ぱん、と肌の衝突する生々しい秘め音が捨て牢の中に響き渡っていく。
女体の生理的な反応は、エマの意思ではどうしようもない。抵抗むなしく野盗に蹂躙される小娘のごとく、ただただ望まぬ交わりの愉悦に浸らされる。
(くっ、なんという……薬を飲まされたとはいえ、なぜこんなに身体が火照るですか? あぁっ激しい。そんなにたくさん突かないで! 疼いてしまう……私の女が呼び覚まされて……私の意思に関わらず、彼を欲してしまいそうになる。気を確かに。私が、私がしっかりしなければ……っ)
押し寄せる快楽に流されかける心を手繰り寄せ、なんとか正気を保とうするエマ。しかし、肉床を穿つ鋭さは苛烈になるばかりで、投げ出されていた両足はいつの間にか陣左衛門の胴を抱き締めるように回され、彼の打ち込みに合わせて妖しくうごめいていた。
「ふあっ、あっ! あんっ、だめです、そこ、そこはぁ、ひっぃいぃ! 来ては、こすっては、いけませっ、んぁああっ」
「ここかっ、ここが良いのか? ではたんと突いてやろうぞ! 奥底の隅々まで儂を感じるのじゃ! 儂の切なる想いを、余すことなく味わっておくれ!」
無意識にみずから急所を探るような浅ましい行いが見咎められる。発覚した肉洞に隠される女の泣き所を、これでもかと執拗に小突き、嗜虐の面相で男がせせら笑う。
快楽から逃れんと思わず身をよじるも、正常位で覆い被さられた姿勢はびくともせず、がっしり抑え込まれてしまっていた。エマの頭上に掲げられた枷が揺れて、鎖のチャリチャリとした音色が背徳の交わりを囃し立てるよう。
荒ぶる男女の息遣いが間近で行き交い、気づけば唇を奪われていた。
(いや、こんなことをされては、恋しくなってしまう……身体が、悦んで……っ)
啄むような口づけから野太い舌の根がエマの口内を犯す。のたうつように内粘膜を撫でつけつつ、エマのそれに襲い掛かった。
唾液とともに複雑に絡みあう柔軟な肉蛇。ざらついた舌同士がずりゅずりゅと摩擦するだけで、痺れるような愉悦の火花が頭に散り思考を乱していく。
緊張と警戒に固くなったエマの表情。苦悩を刻む眉間のシワや、険しくなった目尻が時間とともに段々ほぐされていき、抗えない色情に翻弄された色気のある困り顔へと変えられていく。
それに伴って熟れた膣道がさらに長竿を締め付け、不規則に戦慄くのだった。
「うぐっ、ぉ、なんと健気な肉壺か。そのように淫らに絡み付かれては、もはや儂も……うおぉおっ!」
「んんんんっ……あっ、ぁ、中で、熱いモノがほとばしって……っ、あっく……いやぁぁ」
陣左衛門が下半身を密着させ、切なげに尻を震わせる。びゅくり、びゅくりと。あまりに粘っこい、ヒダ壁の隅々にベットリ張り付くような濃い射精。切羽詰まった有り様で睾丸から送り出された精子群を愛しい胎に一滴漏らさず注ぎ込もうとしている。
高ぶったエマもまた、不本意ながら軽い絶頂に追いやられた。見知らぬ男の種を迎えて、淫に狂う身体は条件反射的に快楽を刻まれる。
「……っふぅ、久しく女を抱いておらなんだのでな。具合が良すぎて思わず吐き出してしもうた。
されど、落胆めされるな? そなたに抱く儂の想い、まだまだこんなものではこざらんぞ」
「あぁ、そんな……出したばかりなのに、もう……っ」
罰の悪そうだった面持ちを浅ましく歪め、瞳を濁らせた男が言い放つ。
その台詞に嘘はなく、ひきつけの収まった彼の股ぐらは、なおも固く反り返っていた。秘裂から飛び出した赤黒い偉容は、まさしく葦名のつわものらしい、意気猛々な肉刀。
「あ、ぁ、ぁっ……もう、おやめください……隈野殿、どうか、はふっ、ぅんんんっっ!」
胡座をかいた陣左衛門の上に座らされる。適度にほぐれたぬかるみへぐぷぐぷと雄竿が飲み込まれていき、尻餅を突いた。再び抽送が始まり、秘壺が掻き乱されると、先ほどの精液とエマの本気汁が合わさった白濁が外へ次々と溢れ出ていった。
「ぅっ、はっ、う、う、ぅ、ぁぅっ……」
せめてはしたない声を漏らすまいと唇を結ぶ。だが完全には殺しきれず、秘部を満たす圧迫感が内臓を押し上げ、か細い吐息を断続的にこぼしていた。
細い身体を揺さぶりながら、陣左衛門が着物に覆われた上半身を剥いていく。帯をほどき、襟口を寛げる。やがてはだけられた白雪のような胸元、汗と女の芳香が入り交じる場所へ、彼はひげ面を押しあてた。
ふんわりとなだらかな丘陵を描く乳肌に顔をすり付け、母性的な柔らかさを堪能すると、おもむろに淡く咲いた薄桃の蕾に吸い付いた。
「あぅぅぅっっ!」
膣内を抉られるのとは異なる新鮮な刺激がエマを仰け反らせる。充血しきり存在を主張する乳首は吸われ、噛まれ、格好の餌食としてなぶられる。
しつこい責めがようやく終わったかと思えば、ツンと立ち尽くす突起を両方同時に指で弄ぶ。唾液で照りを増した胸先から駆け抜ける官能が膣肉を震わせ、腰を小刻みにカクつかせていた。
「ほれ、ほれっ、もっと鳴いてよいのじゃ。聞かせておくれ。悲しげな琴の音色よりも、いまは心地よい艷声を奏でておくれ。儂を楽しませておくれ。
うっ、おっ、締まりがさらに強くっ、まっこと淫らな女陰をしおってぇ」
「ひゃあっ、あはぁぁっあっ、くふんっ、やめて、言わないで……私の意思ではないの、あぁっ、コツコツ、奥、突かないでっ、だめぇっ」
「不思議なことを言う。そなたがみずから腰を押し付けてきておるのじゃろうが。己の淫蕩ぶりを儂に擦り付けるとは……しかし、そのそぐわぬ恥じらいぶりもまた
まろやかな双臀を引っ掴み、腰を突き上げ肉柱を深く食い込ませる。ガツンガツンと打ち上げては、エマの身体がふわりと浮き上がって垂直落下。待ち構える肉棒との衝突で鈍い痛みと強烈な快感が子宮口で弾け飛ぶ。
「いっ、ぎっ! かはっ……いぃぃあぁあっ! ぉ、ぉぉ、ふぉぉっ!」
ついには体重の乗った負荷を借りて、槍先が入り口をこじ開けた。もとより薬の影響で発情していた肉体は、思いの外容易く陥落し子宮内部に亀頭の侵入を許してしまう。
とうとう愛する女のもっとも奥深くまでを征服した陣左衛門は、感無量の悦びのまま上下動を繰り返した。巾着状の狭い第二の入口を押し広げ、膨らみがボコボコと貫いては引き抜かれる。
「お、おご、うぐ、っふぅぅぅぅううっ! なんで、ここまでされてぇ……っ、んぐっ、くぅぅううんっ」
エマは、子宮を直接犯される状態に性感を覚えていることが信じられなかった。柔らかくなった子袋の挿入口は、いまや立派に男を咥えこむ性器と化している。道順に飲まされた薬で自分の身にどんな変調が現れているのか。想像するだけで熱病の這いずる身体に冷たいモノが走る。
「くっ、うぅ、またこみ上げてきたぞ。
今度は直接、そなたの子宮に吐き出して、儂の子を孕ませてくれるっ」
「やっ、あぁ、ぁ、それ、だけは……隈野殿、おやめくださいっ、お願い、出さないでっ!」
尊厳を徹底的に凌辱される恐怖から、逃れようと懸命にもがくエマ。抑え込まれた下半身は身動きが取れず、陣左衛門の呼吸と律動だけが浅く速くなっていく。
そして、ずぶんっ、と打ち込まれた直後、彼の激情が放たれた。
「おぉぉ……ぉぉ……っ!」
「くあぁぁっ、子種が、出てっ……奥にどぷどぷ当たってる……っ!!」
躊躇無用の接地射精。揺りかごに先端を押し入らせたまま、厚かましく子種を打ち込んでいく。エマの尻を手形がつきそうなほどがっしり握りしめ、放埒的な快楽を直接注ぎ込む。
男根のひくつきが収まってくると、陣左衛門はエマの胸元に顔を埋め、赤子のように甘えながら息を整えていた。種付けを敢行されたエマも言葉はなく、放心している。全身にのし掛かる疲労感に任せて気を失ってしまいそうだ。
ちゃぷちゃぷと胎内で揺蕩う精子の感覚がある。暗澹とした心地と雌としての本懐を遂げようとする歓喜の念が彼女の心でせめぎあっていた。
(早く、掻き出さなければ……いえ、それより、隈野殿をなんとか説得して、道順を捕らえるように……私の縛りを解くよう願うのが先でしょうか……)
好きに扱われ肉人形に落ちる気はなかった。幸い、性行のお陰か発情の発作は落ち着きを取り戻しつつある。冴え始めた思考は、次の手を導こうと思いを馳せていた。
しかし。
「まだ、まだ……じゃあ」
「あひっ? く、隈野、どのぉぉおっ、まっ、待ってくださっ、ひあっ、ぁん、どうして、んぐっ、こ、これはぁ、うあっ、はぁあああっ!」
男が再び腰を動かす。力を失っていたはずの陰茎は圧倒的質量感を復活させ、媚肉を拡張していた。その滾る熱量と硬度は、むしろいままでより精強なようにさえ思う。
抱えたエマをさば折りせんばかりに力強く抱きすくめ、真下から轟然と貫いてくる陣左衛門。混乱の中エマが垣間見たのは、男の目に宿るほのかな赤い光だった。
(――赤目の症状!)
「ふむ。やはり粘膜接触によって、赤目の影響は伝播するか。重畳、重畳」
「道、順っ……うっ、ぁ、あぅ、っく」
ぼそりと呟かれた方向を睨み付ければ、白衣に身を包む観察者の姿が。エマと陣左衛門が交わり続けるなかでも、下劣な眼を向けず坦々と実験経過を見据えている。
「お主に投与した薬の効能は、粘膜接触によって毒のように"つがい"へ伝染する。
しかも昔から薬や毒の試験をみずからの身体で行いある程度薬物への抗耐性を獲得しておるお主と違い、その男はむき出しの効果を浴びる形。なかなかに面白いこととなろう」
「貴様っ、なんてこと……はあぁあああっ!?」
「まだ……まだじゃ、こんなものでは、おぉ、儂の、わしのじゃぁぁ……っ!」
再び女を押し倒し肉刀で突き殺していく陣左衛門。ますますもって正気をそぎ落とされ、もはや狂奔といっていい有り様に変貌しつつある彼を止められないまま、エマは喘がされるしかなかった。
そんなを二人の恥態を尻目に、道順は背を向け牢の外へ去っていく。
「つまりその男の欲望がひとしきり収まらぬ限り、安息の時間はないということじゃ。エマよ。
……では、あとはお二人でごゆるりと。定期的に様子は見に来るので安心してください。とはいえ、互いに赤目の力を受け増進した生命力があるので、そうそう簡単には衰弱しないでしょうが」
「まっ、待ちなさっ、はぐぅっっ、いやっ、隈野殿、お気を確かに、ぃぃいんっ! あ、あぅっ、んぶっ、んちゅむっ、ぅむんんんっ」
制止の言葉は深い口づけに阻まれ、視界に覆い被さられた、瞳を欲情一色に染めた元侍によってめちゃくちゃに快感をもたらされる。
ぶるりと震えた次の瞬間、またも膣奥に雄汁が放たれた。一向に衰えることのない勢いと濃密さがエマをも狂わせようと雪崩れ込む。
吐き出しながらも、男の腰振りは途切れることなく、濁り汁を噴きながら肉傘でヒダの凹凸をこすり続ける。獣欲任せの無茶を咎めることもできず、何度も無理やり昇天させられてしまう。
(いつまで続くの? このまま、ずっと続けられたら、いずれ……っ)
強靭な意思力の糸を、少しずつ断裁されるような感覚が、足元から上っていた。決して遠くない可能性。使命も役割も何もかもを忘れ、雌の本能に負けて人の尊厳をうち捨てる暗い未来予想図が、エマの脳裏に鮮烈な恐怖を刻んでいた。
そうして……薬師の懸念をものともせず陣左衛門は精を吐き出し続け、それから何日にも及ぶ時間、捨て牢からは獣の咆哮と悲鳴じみた嬌声がやむことはなかったという。
ちなみに作中設定に誤りがあっても流してもらえると…。