※この作品はR-18です。

【AIのべりすと】 いろいろ作成集   作:北村 貴之

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14話 久しぶりの実家

俺は岩馬雷児。

2023年の元旦は、天川財閥のお嬢様、天川三月と一緒に熱田神宮に初詣に行き、その帰りに三月の実家である天川の豪邸を訪れた。

三月の御父上である天川玄洋は、高校生の娘を持つ父親とは思えないほどの若さがあった。

若いと言っても見た目だけなので、実年齢はもっといっている可能性はある。

三月の実家は財閥の持ち物だけに本当に広くて大きくて、そして豪華だった。

「お茶とお菓子を持ってきたわよ」

三月がお茶を淹れてくれたみたいだ。

場所は俺の住むワンルームマンション。ここで三月と一緒に暮らしている。

なぜ三月が俺の家に同棲しているのかと言うと、「監視」の名目らしい。

なぜ彼女が「監視」をしているのかというと、俺に護衛を任せたいらしく、俺が彼女を守るにふさわしい人間なのかを三月が見定めるためだかららしい。

しかし、俺は三月を守ることはいまのところしてはいない。

俺が三月にしたのは、家事や仕事を教えただけだからなあ……。

まあ、それはともかくとして、俺は初詣に行った翌日の2日に、何もせずただじっと家にいるだけだった。

明日の3日に仕事始めだ。俺はスーパーマーケットで働いているフリーターだが、2日まで特別に正月休みをいただいてしまった。

去年は12月31日まで、バイトで来てくれている三月と一緒に仕事をしていた。大晦日の夜には三月とテレビで年越しの瞬間を見守った。

俺は三月が淹れてくれたお茶をすする。

うん、いい味だ。

三月は持ってきたせんべいをパリッ、と音をたててかじった。

「ねえ、雷児さん。今年の抱負は何?」

「抱負?うーん……そうだなあ……」

俺は腕を組んで考える。

抱負って言われても……特に思いつかないんだよなぁ……。

「三月はどうなんだ?」

「私はねですね…。やっぱりまずは教師になるべくいい大学に入学することですかね」

「ああ。初詣の時も言ってたもんね」

「私も今年で3年生で、受験も控えてるから頑張らないと」

そう。三月は財閥出身でも教師になりたいという夢があるらしい。

彼女がなぜそんな夢を持っているのかというと、彼女は小さい頃に教育番組を見ていて、そこでやっていた歌のお姉さんのようになりたいとずっと思ってきたからだとか。

いや待て。教育番組を見たからといって、教師になりたいなんて普通いうか?

いや。彼女がそう言ったんだから、変に口出しをするのは無用だろう。

俺は気持ちを落ち着かせるためにもう一度お茶をすする。

その後、俺は自身のスマホの画面を開く。すると、そこにはラインが来ていた。俺の兄、岩馬雷太からだ。

『雷児。実家にはいつ帰れる?』

こんなラインが来ていた。

俺は実は、実家には1年以上は帰ってきていない。

俺は兄貴に返事をする。

『兄貴、どうした?帰れるなんて言っちゃって』

すると、兄貴からこんな返信が来たのだった。

『何やら荷物が来た。生ものらしくてな。帰れるならすぐ帰ってきてくれ』

その返信を見た俺は返事をする。

『すまない。3日から仕事始めでな。すぐに休みを変更できないから、明後日帰るよ』

こうして俺は4日の昼過ぎに帰ることを決めた。

 

 

4日になった。俺は日帰りで仕事終わりに実家に帰る予定を組んでいたため、泊りに持っていくものは持ってきてはいなかった。

俺はできるだけ早く仕事を終え、実家に帰ろうとしていた。

今日は俺にとって特別な日だ。なんせ実家に帰れるのだからな。

俺の後の仕事は三月に任せ、俺は家へ帰ることとする。俺が帰ろうとする時、三月が話しかけてきた。

「雷児さん、気をつけてくださいね。最近は物騒ですから」

「大丈夫だよ。何かあったとしても、俺が守るからさ」

「はい……。ありがとうございます……」

三月が少し頬を赤くした。三月はバイトの時に黒縁の眼鏡をかけているのだが、恥ずかしがる顔がこれまたかわいい。

知的な雰囲気を漂わせているが、やはり女の子なのだなあと実感させられる。

俺は仕事を終えた後、電車に乗って名古屋にある実家へと向かうことにする。

三月は店の裏からお見送りしてくれた。

「じゃあ、行ってくるよ。遅くはなると思うが、留守番は任せる」

「はい!雷児さんもお元気で!」

俺は三月に見送られながら、実家へと足を進めるのだった。

地下鉄を使い、最寄りの駅まで向かう。

さすがに東京ほどではないが、名古屋の地下鉄は混み合っていた。

そして名古屋駅に着く。そこからさらにJRに乗り継いでいく。

「ふう……」

俺は一息つく。

電車は最寄りの駅まで走る。

実家まではもうすぐだ。

 

電車は俺の実家の近くの最寄りの駅に到着した。

俺は降車し、駅を出る。

そして、スマホを開いて何か通知が来ていないかを確認する。

…何も来ていなかったようだ。

俺は兄貴にラインを送ることにする。

『俺だ。雷児だ。駅に着いた。今から歩いてこっちに来る』

俺は歩き始める。

駅から実家まではかなり近いはずだ。しかし、実家に行くのは久々だなあ……としみじみ思う。

しばらく歩いていると、実家が見えてくる。

実家の門が見えてきた。こここそが岩馬の家兼道場として建てられた建物だ。

以前訪れた天川財閥の豪邸と比べ小さいが、それでも大きめなのには変わりはない。

『岩馬』の表札がかかっている門の扉を開けると、そこには……若い男が立っていた。

この人物こそ、俺の兄である、岩馬雷太だ。

「雷児。待っていたぞ」

「兄貴。久しぶりだね」

俺は兄に会うのは実に2年ぶりくらいになる。

兄はスーツ姿で、髪も整えられている。

普段の兄はそんな恰好はしないと思うが、今家に誰かが来ているんだろうか。そのための正装だろう。

「兄貴。なんでスーツなんか着ているんだ」

俺は雷太に質問をする。

「実はお前が以前会ったお偉いさんが来ていてな。その対応でこんな服を着ているってわけ」

以前会ったお偉いさん…か。『聖女の祝祭』で一緒にVIP席に座った方々か。

道場主や会社の社長をしている人ばかりだ。一人だけ、京都の方で剣を極めているという人がいたが。

「それより雷児。よく帰ってきたな」

「ああ。ただいま」

俺と雷太は久々の再会を喜び合うのであった。

俺と雷太は家の中に入る。

玄関には靴がたくさん置いてあり、どれも高級そうなものだ。一体誰のなのかはわからない。

俺は、久々の実家の匂いを嗅ぐ。

「懐かしいな……」

俺は思わず呟いた。

雷太は俺に話しかける。

「マンション暮らしのお前にとってはいい匂いだろうな」

雷太のその声は、どこか俺に対するうらやましさが込められているようだった。

「一人で暮らすのも悪くはないぜ」

俺は笑いながら答える。

「そうそう。なんでお偉いさんなんて来ているんだ」

俺は改めて兄に聞く。

「なんでもとんでもなく高い肉を持ってきてくれたんだと。それですき焼きをすることになってな」

「俺の家じゃあ狭すぎるしな」

俺はワンルームマンションに住んでいることを自虐する。すると、廊下の向こうから一人の女性がやってきた。

「あら、雷児くん。来ていたのね」

「嘘、雪恵さん!?」

三月が通う「聖マリア国際高等学校」で学校医をしており、過去には俺たちの母親代わりとしてしょっちゅう家に遊びに来てくれた、神城雪恵さんだ。

黒いウェーブがかった長い髪に、青い上着を羽織っている。短めの紺のスカートと、黒いタイツを履いている。

「そうなんだよ。久々に来てもらっているんだ」

「雷太くんも変わってないわね」

当然、兄も雪恵さんと面識がある。

「この家も変わっていない、懐かしい」

雪恵さんも岩馬の家を懐かしんでいた。

「何年ぶりに来てもらってるのか」

「確か、あなたが中学に入る前まではよくここに来ていたのだけれど」

「もうそんなに……」

俺はその言葉を聞き、少し寂しい気持ちになった。

母さんが死んで数日がたったある日、雪恵さんが現れた。

この人はとてもやさしかった。たまに遊びに来てくれて、俺たち兄弟と遊んでくれたりしてくれた。

お菓子も作ってもらったことだってある。あのマドレーヌは絶品だったな。

そう懐かしんでいると、

「お母さーん、ここ?」

女の子の声がした。そして、声の方を雪恵さんが振り返る。

「あら美雪、来たのね」

そこにいたのは、黒い髪をセミロングの髪形にし、髪に赤いヘアピンをした、中学生くらいの女の子だった。

この子は見たことがある。以前、『聖女の祝祭』にて、『乙女くじ』を引いていたあの子だ。

祝祭の参加者である生徒たちと同様に、下半身をズボンやスカートを履かずにパンツを丸出しにして、おみくじの箱を振っていたのだ。

その子がなぜこんなところにいるのだろうか。しかも、雪恵さんを「お母さん」と呼んでいるだと?

「紹介するわね、私の娘の美雪。今年、聖マリア国際高校に入学する予定なの」

雪恵さんがその美雪という娘を紹介する。美雪はどこか冷めたような目をしていた。

その目線は俺の方に向けられていた。

「あ、はじめまして。俺、岩馬雷児だ」

俺は自己紹介をした。すると、

「知ってるよ。あんた、VIP席に座ってた人だよね」

どこか生意気そうな声で美雪が言う。

「まあまあ、美雪ちゃん。そんな言い方しちゃダメでしょう」

「は~い」

雪恵さんが注意し、美雪は返事をする。

「ごめんなさいね、雷児くん。美雪ったら、こんな態度で」

「いえいえ。年相応って感じで、かわいいですよ」

謝る雪恵さんを、俺はフォローする。

「それより、どうしてここにいるんですか。まさか、俺に用が……とか」

俺は疑問に思ったことを雪恵さんに聞いてみる。

「そうそう。雷太くんから連絡があって、もし時間があれば俺たちの家に来てくれないかって連絡があってね」

数年前にいなくなった女性の連絡先を、なぜ兄貴は知っているんだ?

あの時期だと、まだスマホも普及していなかったっけ…。

「お前だけじゃ少し味気ないから、だいぶ久々に雪恵さんと美雪ちゃんに来てもらったのさ」

雷太がこう答える。俺は、兄に雪恵さんの連絡先をなぜ知っているか聞いてみた。

「おいおい。結構前にあった女の人の連絡先をどうして兄貴が知っているんだよ」

「ああ。実はな……」

すると、雷太は雪恵さんと美雪を見る。二人は同時にうなずいた。

「PCのメールで連絡先を教えたのよ」

なるほど。そういうことか。

「それじゃあ、今日はみんなですき焼きを食べましょう!」

雪恵さんは俺の手を握る。

「え、あ、はい」

俺がそう答え、食事の会場である大きめの部屋へと行った。

 

俺たちが来たのは、岩馬家の中で一番大きな部屋だ。

部屋には高そうな壷や掛け軸が飾られている。

そこには、すでに肉が置いてあり、鍋もあった。

「おお、肉がたくさんあるじゃないか」

俺は肉を見て感動していた。その肉は霜降りであり、どれぐらいの値がつくかもわからない、高級そうな牛肉だった。

その肉の周りにはしいたけやゴボウといった野菜が皿に盛られている。

この肉を持ってきてくれた人への感謝なのか、豆腐やしらたきなども用意されている。

部屋の隅にはコンロがあり、そこで料理ができるようになっていた。

「雷太くん。準備できたわよ」

「ありがとうございます、雪恵さん」

俺は雷太の隣にある椅子に座る。

雷太と雪恵さんもそれぞれ別のテーブルに座り、美雪も自分の母親がいるテーブルに腰掛ける。

「よし、それでは呼んでくるよ」

雷太は来客を呼びにどこかに消えた。

いったい誰が来るのか? しばらくすると、廊下の方から足音が聞こえてきた。

そして現れたのは、スーツを着た男性だった。その男性は、名古屋の熱田に本社がある「城戸精肉」の社長と、格闘道場の「城戸道場」の道場主を兼業する城戸徳男さんだった。

「久しぶりだね、岩馬君」

笑顔で話しかけてくる。俺はあわてて挨拶をする。

「あ、城戸さん。お久しぶりです」

城戸さんは白髪交じりの髪をオールバックにしていた。来ているスーツはグレーで、深緑色のネクタイ。年齢相応の服装だ。

城戸さんがテーブルに座る。

「いやあ、以前の君の出しっぷりは最高だったね」

『聖女の祝祭』での俺の活躍を、城戸さんは褒めてくれた。

いや。俺の活躍と言っても、用意されたステージ上のベッドで、三月の妹を犯したんだが…。

何はともあれ、あのイベントは本当にいやらしさが凝縮されたイベントだった。

城戸さんはあの日女の子を抱いてはいなかったが。

パンツ丸出しの光景を目に焼き付けまくった結果、ズボンを下ろし、股間を守る白いふんどしをぽろんと見せていた。

「あ、ありがとうございます」

ありがとうございますって何なんだ…。俺は変な答えを言う自分を責めた。

「ところで、この肉は」

「ああ。わが社の商品で、特別に持ってきたんだ」

そう言って、城戸さんはビニールに包まれた霜降りの牛肉を指さす。

見ただけでも美味しそうに見えてしまう。生肉だけど。

「いいんですか?」

「もちろん。それに、これは岩馬家のみなさんにぜひ食べてもらいたくてね」

「へえ……」

「せっかくだから、美雪ちゃんにもね」

そう言いながら、ちらりと美雪の方に目をやる。

美雪は城戸さんの顔を見ていたが、どこかそっけなさがある。

部屋に兄が入ってきた。

「ええっと、揃っているか?」

「あれ、兄貴。玲児は?」

玲児とは、俺と雷太の弟だ。末っ子で、現在は大学3年生になる。今年で4年生になり就活を控えている。

俺と同様に一人暮らしをして大学のスクールライフを満喫しているらしい。

「あいつは今、忙しくて来られないって。」

大学生でも大変なんだろう。来たくても来れない事情があるみたいだ。

「まあいいか。それじゃあ、始めるぞ」

そう言うと、雷太が鍋に火をかける。

チッチッチ…。とコンロに火が付く音がする。

そして、鍋の中に具材を入れていく。豆腐、しらたき、しいたけなど。

「さあ、始めようか」

そして、俺たちはすき焼きを食べ始めた。

「いただきます」

みんなでそう言った後、俺達はすき焼きを食べ始めた。

肉や野菜を入れて、食べる。

城戸さんが特別に持ってきてくれたその牛肉を、ほぐした卵に良く絡め、そこから口に運ぶ。

口に入れた瞬間、その肉の旨みが口の中に広がる。

うまい! 今まで食べた牛肉の中で一番おいしいかもしれない。

霜降り牛なので脂身も多いが、それがまた肉のうま味を引き立てている。

肉と一緒に入っているネギやしいたけなどの野菜も、割り下と絡まれ旨味を増した牛肉と混ざりおいしさが増した卵に絡まれ、さらにおいしくなる。

「うわ……めっちゃおいしいですね」

俺はついそんな感想を口にしてしまった。

「そうだろ。こんなごちそう、なかなか食えんぞ」

雷太が自慢げに話す。

「いや~。本当においしいですよ」

神城親子は無言ですき焼きを楽しんでいた。

口に出てしまう俺たちに対して、静かに食べていた。

すき焼きの匂いが部屋全体に充満する。そんな中、美雪が箸を止める。

「ねえお兄ちゃん」

美雪が俺に話しかけてきた。

「ん?どうした美雪」

「おいしい?」

味の感想を聞いてきた。初対面であんなにそっけなかったのに。珍しいな。

「ああ、最高だ」

俺は笑顔で答えた。

「良かったね」

そう言って、再びすき焼きを食べる。

すると今度は雷太の方から話しかける。

「そういえば、三月ちゃんだっけ?どうだ?彼女は」

「ああ。いい子だよ。バイトだって物覚えがとてもよくって。即戦力だ」

俺は三月のことを話始めた。

「スタイル抜群で運動神経も成績も良いんだ」

「なーるほどね」

雷太はビールをグビグビ飲んでいた。喉元に流し込まれている。

「ところでお前、あの子と付き合っているのか?」

突然、雷太が聞いてくる。

「いや、まだそこまでは行ってないよ」

「なんだ。そうなのか。早くしないと誰かに取られちまうぞ」

確かにそれはあるだろう。

三月はかわいいし、面倒見もいい。高校生なのに、大人の対応ができる。それに、おっぱいがデカいしな。

「まあ、がんばってくれ」

雷太はそう言うと、ビールを飲み干す。

「ああ。ありがとう」

俺はそう答えると、鍋の中にある肉をつまむ。肉をほぐして、卵とからめ、口に運ぶ。

雪恵さんが口を開いた。

「どう?もうすぐ双子ちゃんたちの護衛の仕事がはじまるけど」

「ええ。楽しみです」

俺はこう答えた。雪恵さんは白ねぎを食べている。

「あの子たちの様子を見ているけど、よーく喧嘩しているわ」

「ええ、そうなんですね」

「うん。でも、あの子たちは仲が良いのよね」

「へえ……」

「お互いを信頼しているって感じかしら」

「へえ……」

「あなたも、あの子たちを大事にしてあげてね」

「はい……」

雪恵さんはそう言う。俺も肉を頬張った。

「ところで、雷児。今日は泊まっていったらどうだ?久しぶりに飲まないか」

「え?俺は三月に遅く帰ってくるって言っているんだが」

兄から泊って行け、という誘いが来た。しかし、そうなると三月を一人にしてしまう。

「うーん、いいのか?じゃあ、彼女には連絡しとくよ」

「そうか。それなら安心だ」

兄はにやっとした。

こうして、夜は更けて行った。

―――

 

「ふぅ~」

風呂に入り、湯船に浸かる。

「疲れたぁ~」

体を伸ばしながら声をあげる。久しぶりの実家の風呂は、最高だった。

風呂場の面積も、俺の住居のものよりも広い。

一人暮らしだと、どうしてもシャワーで済ませてしまうことが多いので、たまにはゆっくり入ることも必要だと感じた。

体を洗い、髪を洗っているときに、扉の向こうに人の気配を感じた。

そして、その人物がこちらに向かって話しかけてくる。

「雷児くん」

俺はその声を聞いて驚いた。その声の主は、雪恵さんだったからだ。

まさか、一緒に入ろうってのか?いや、待て待て。

子供のころの俺でも、さすがに雪恵さんとは入ったことはないぞ。

俺は焦っていた。

「雷児君……いるんでしょ?」

「はい……います」

なんとなく敬語になってしまう。

「私も入りたいんだけど……いいかな?」

「はい……どうぞ」

こんな声で言われたら、断れるわけがない。

「ありがとう」

そう言って、入ってきた。

バタン、と扉の開く音がし、雪恵さんが現れた。

しかし、上半身には黒いTシャツを着ており、下半身には何も身に纏っていなかった。

大事な部分の周りにはもさっとした毛があるだけで、それ以外の肌はすべて露出していた。

俺は彼女の姿を見て驚いてしまった。

「ゆっ雪恵さん!?なんて恰好をしているんですか!」

雪恵さんの下半身の裸は、俺の想像以上にエロかったのだ。

Tシャツの上からではわからないほどの巨乳で、お腹周りはくびれていた。

片手で大事な部分を隠しながら、彼女は現れた。

驚いたな。まさか昔遊んでくれた女性とお風呂に入るなんて。

三月にはとても言えないな。

「雷児君の背中、流してあげる」

そう言って、ボディーソープを手に取ると、タオルで泡立てる。

「どうぞ」

湯船からあがり、俺は椅子に座っていた。

「失礼します」

そう言って、彼女は俺の背中をごしごしとこすり始めた。手慣れているなあ。

娘さんがいるなら、そりゃそうか…。しばらくすると、彼女は俺に話しかけてきた。

「ねえ雷児君。最近、三月ちゃんとはどう?」

「いや、別に普通ですよ。相変わらずかわいいですけどね」

「そう……」

「はい」

そう答えると、再び沈黙になる。すると突然、雪恵さんが言った。

「あの子、きっと雷児君のことが好きだと思うわ」

「えっ!?」

俺はびっくりしてしまった。

「あの子は、自分の気持ちを隠す子なの。だから、うまくアピールできていないかもしれないわ」

「そっそうなんですか?」

俺はそう答えるが…。

「それに、あなただって、三月ちゃんのこと好きなんじゃないの?あなたの態度を見ていればわかるもの」

「ええ?!どうしてそんなことを?」

俺は動揺する。

「だってあの子と話しているときの表情とか、他の人とは違ってとても楽しそうに見えるからかな」

そう言いながら、俺の背中をお湯で流す。いい心地だ。

「はぁ…」

俺はどう答えたらよいか、わからなかった。だが、今だけはわからないままでいいのかもしれない。

ちらりと雪恵さんの方を見る。

無防備になった下半身がばっちりと見える。なかなかの剛毛だ。

こんな形で絡むとは。人生何が起こるかわからんものだ。

「よし、終わったわ」

そう言うと、シャワーで俺の背中を流してくれた。

「ありがとうございます」

俺はそう言うと、立ち上がった。

「じゃあ、先に出てるわね」

「え?湯船には浸からないんですか?」

俺はあまりにも入る時間が短いため、つい聞いてしまう。

「うん。ちょっとね」

そう言って雪恵さんは脱衣所へ消えていった。

なんだかよくわからんが、まあいいか。

こうして、風呂タイムは終了となった。

 

 

時間は経ち、場所は実家の中の俺が昔使っていた部屋。

俺は布団の中にいた。

三月には風呂に入る前にラインを送っておいてある。

遅くなるとはいったが、結局泊まることになってしまった。

城戸さんは帰ってしまった。

神城親子は別の部屋で寝ているらしい。この家には俺たちしかいない。

真っ暗な部屋の中、天井を見ながら、俺は考え事をしていた。

今年4月からの双子たちの護衛についてだ。

「大丈夫だろうか」

俺は不安を感じていた。

今までも、いろんな仕事をしてきた。しかし、それはあくまで依頼された仕事であって、自分で考えて行動するというものではなかった。

今回は違う。俺自身が直接依頼を受けて動いているのだ。しかも、双子の姉妹の護衛である。

三月に危害を加えさせないためには、俺自身もしっかりしないといけないと思った。

三月に怪我でもさせた日には、俺も生きていけないだろう。

俺は目を閉じながら考える。「頑張ろう」

そう心の中で呟き、眠りについた。

 

 

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