守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
翌朝8時……
pipipi……
8時になると同時にメールが入るので確認を取る。
『厳正なる調整の結果、あなたは優待者に選ばれませんでした。グループの一人して自覚を持って行動し試験に挑んでください。本日午後1時より試験を開始いたします。辰グループの方は2階辰部屋に集合して下さい』
俺は優待者じゃないようだ。まあ気にする必要はない。優待者は慎重に過ごす必要があるし、俺には向いていないからな。
そう思いながら俺は貸し切った部屋に向かう。
中に入ると既に何人かいたので挨拶を交わして壇上に立つ。そして暫くしてゾロゾロ入ってくる。
(ん?一之瀬が1人なんて珍しいな)
てっきり白波にパラサイトされてやって来ると思っていたがアテが外れたようだ。
「帆波ちゃん!何で1人で先に行っちゃったの?!私探してたんだよ?!」
ここで白波が入ってきて一之瀬に詰め寄るが一之瀬がどう過ごそうと一之瀬の勝手だろうに。
「私は最初から1人で散歩してだんだから先も何もないんじゃないかな?」
おい。白波がトイレに行っていて置いてかれたとかならまだしも、一之瀬は最初から1人なら先も何も関係ないだろう。
「っ!じゃあ何で私を置いてったの?!誘ってよ!」
白波の当然という口ぶりに一之瀬の口が僅かに引き攣るのが見える。なんか俺が壊すまでもなく壊れていっている気がする……
「……私だって1人で過ごしたい時があるの。ダメなの?」
「ダメだよ!1人だったら鳳橋みたいな屑が帆波ちゃんに手を出す可能性があるから私が守る為に一緒にいるよ!」
コイツは本当に苛立たせる事については天才だな。
「……どうやって?」
「え?」
「だから鳳橋君が私に手を出そうとしたら、千尋ちゃんはどうやって私を守るの?正直言って鳳橋君から私を守れるとしたら綾小路君くらいじゃないの?」
後は高円寺ぐらいだろう。まああの2人がわざわざ一之瀬を守るとは思わないけど。
しかし一之瀬も白波からしたら答えられない質問をするとは、相当キレているのかもしれない。
「そ、それは……ほ、帆波ちゃんは私を信用出来ないの?!」
「信用するには守れるか答えないと無理だよ」
「と、友達を信用するのは当たり前じゃん!」
友達を信用するのは当たり前なんて、一之瀬が言うならまだしも、お前の立場で言えば強要でしかない。
「……話を戻すけど、私も1人になりたい時があるから、その時は干渉しないで欲しいな……で、私達を呼んだ理由は携帯の確認かな?」
一之瀬は俺に目を向けてそんな質問をしてくる。白波はと言えば納得出来ないとばかりの表情を浮かべているが、馬鹿に絡むと時間が勿体ない。
「話が早い。俺として今回の試験で全グループで結果1を狙いたいが現実的じゃないから結果3を狙いに行くが、その為に自クラスの優待者を知りたいから携帯を見せてくれないか?」
「は?馬鹿じゃないの?他人の携帯のメールの確認はルール違反じゃん」
白波が突っかかってくるが馬鹿はお前だ。
「それは同意無しで無理矢理見た場合だ。俺は無理強いするつもりはないし、嫌なら拒否して構わない」
そもそもあのルールは他クラスの情報を強引に奪うにを防ぐ為のルールであり、情報共有の為なら認められるだろう。
「ねぇ鳳橋君。ちょっと良いかな?」
ここでサクラ役の一之瀬が手を挙げてくる。
「何だ?」
「結果1が現実的じゃないって言ったけど、結果1を目指せる方法を思いついたから聞いて貰って良いかな?」
その言葉にクラスが騒めくが気にしないでおく。
「わかった。話せ」
「うん……あのね……」
そう前置きして一之瀬は昨日俺が言った案を口にすると大小差はあれど驚きの表情になる。
一部、麻子や夢は俺を見ているが俺のセフレだけあって、俺が考えた作戦と思っているのかもしれない。
「確かに有効だけどよ……それ、絶対に教師に嫌な顔をされないか?」
一部からやはりそんな声が上がってくる。無人島試験前に生徒1人につき25万ポイントぶんどった事もあるし、教師に目を付けられるのは間違いないだろう。
「何言ってんだ?一之瀬はちゃんとシンキングしたんだろ?問題ないし、一之瀬のやり方で行く。早速全クラスの生徒を集めるぞ」
まあシンキングしたのは俺だけど。
「本当に私の考えで良いの?」
「良くなかったら却下している。それより早めに他クラスに連絡を入れるぞ。長引けば裏切り者が出るかもしれないし」
言いながら携帯を取り出してメールを作成。
「とりあえず有栖、龍園、恵に10時にクラスメイトを率いて、デッキに来るようにメールした。その時は一之瀬、説明を頼むぞ」
何せ俺が説明したら大半が警戒するだろうからな。
「わかった。頑張るね」
「まああんまり気負うなよ。負けたって時期的に大した問題じゃないし」
これが3年ならまだしも俺達にはまだ2年もあるし、躍起になる必要はない。寧ろ今から躍起にクラスポイントを稼ごうとしてもバテてしまうのがオチだ。
「じゃあ一旦解散。9時45分までにデッキに来るように。後一之瀬はちょっと残れ」
「は?何であんたみたいな屑が帆波ちゃんと2人きりになろうとしてるのよ!身の程を弁えなさいよ!」
俺の言葉に白波がキレるがブーメラン発言だって理解出来てないようだ。
「ねえ千尋ちゃん。毎回鳳橋君に突っかかるのはやめてくれないかな?鳳橋君と2人きりになるなんて勉強会の打ち合わせとかでしょっちゅうだったよ」
「それが間違いなんだよ!私が参加するから!」
『ハハハハハハハハハハハハッッッッッ!』
白波の言葉にクラスから爆笑の嵐が湧き上がるが俺も笑っちまいそうだ。
「何で笑ってんのよ!人の善意を否定するなんて屑じゃん!」
お前の場合、善意じゃなくて独善的な好意だろうに。しかし……
「いやいや、赤点を取るお前が指導者に必要な打ち合わせをこなせる訳ないだろ」
「だよね。どの口が言ってんだろ?」
「頭に異常があるのかも。ケヤキモールに精神科ってあったっけ?」
「あってもコイツの馬鹿は治せないだろ。治せる奴がいたらノーベル賞に決まってる」
嘲笑と共に悪口が湧き上がるが全くもって同感だ。期末試験で50点未満の白波に勉強の相談なんかしても意味がないのは明白だ。
「っ!」
白波は皆に馬鹿にされた悔しみから俺達を睨みつけつつ、逃げるように部屋から出ていく。
しめた、どんな形でもアイツが消えたのはありがたい。
「話を戻すが一之瀬はちょいと残ってくれ。他の奴は解散して構わない」
俺の言葉に一之瀬以外の面々は白波に対する悪口を言いながら部屋から出ていき、最終的に一之瀬と2人きりになる。
「それで私を残した理由はどうしてなのかな?」
一之瀬は理解出来ないといった表情だ。
「ああ。お前が我慢の限界を超えそうだったしな。白波に相当振り回されているようだし大丈夫か?」
その言葉に一之瀬は目を見開くが直ぐに取り繕った笑みを浮かべる。
「……いきなりどうしたの?私は別に「悪口を止めない時点でそう思うんだよ」……にゃはは。よく見てるね」
「観察は大切だからな。話を戻すが我慢し切れなくなったら無理しないで発散させろ。もしくは白波に対して冷たい態度をとったりしてみろ」
「…………」
俺の言葉に一之瀬即座に否定をしないで考える素振りを見せる。入学当初の一之瀬からしたら考えられないな。
「嫌な目に遭ったら文句を言え、社会的に潰せ……どまでは言わないが、キレることは正当だから無理はするな」
そう言って締めくくる。とりあえず夏休み終了までに一之瀬から躊躇いを捨てれるように頑張らないといけないな。
そう思いながら俺は一之瀬の目に見える闇が増幅するのを認識するのだった。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで