※この作品はR-18です。

守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

130 / 141
第130話

 

 

いよいよ迎えた体育祭当日。学校に着き、更衣室で体操着に着替えてから席についているとチャイムが鳴り知恵が入ってくる。

 

「おはよー皆。今日はいよいよ体育祭本番だけど、怪我をしないように頑張ってね」

 

元気良く挨拶する。昨日3回戦までしたのに元気な奴だな。知恵について龍園と南雲を加えて3人でマワしても平気だが、今後5人でマワしてみるか。

 

「開会式は20分後だから絶対に遅れないでね。それと水分補給はしっかりね。今日は日光が強くて暑いから」

 

だろうな。真夏日に比べたらマシだが、結構暑いから万全を期するべきだ。

 

「私からの話は以上だけど、きょ……ゴホンゴホンッ、鳳橋君は激励の言葉を出さないの?」

 

「俺?まあ構わないが」

 

頷いて俺は前に立つ。というか知恵は人前で名前呼びするなよ?面倒な事になるからな。

 

「んじゃ改めて……いよいよ今日が本番だが、お前らが今日まで努力を重ねていたのは知っている」

 

ジムに行けば大抵クラスメイトと顔を合わせていたからな。

 

「ただ勘違いするな。体育祭では他クラスの生徒に勝つ事が最優先じゃない。大切なのは持てる力を尽くし、昨日までの自分よりも成長する事だ」

 

競争相手がいるから誤解されがちだが、体育祭は数あるイベントの1つでしかない。重要なのは体育祭を通して成長して、2年や3年のハードになる特別試験で戦えるようになる事だ。

 

「それは踏まえて今日の体育祭に挑め。これまでの成長を俺に見せてみろ!1年Cクラス、出陣るぞ!」

 

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!』

 

俺が手を挙げてそう宣言すると他のメンバーも手を挙げて応える。士気は十分上がったし、成功だ。

 

さぁ、体育祭の始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グラウンドに集まると開会式が始まるが、入場行進や開会宣言は簡潔に終わり。直ぐに競技が始まる。

 

初めは100メートル走だ。全員参加の個人種目は、全て1年生から始まる。最初に1年男子で始まって3年女子。100メートル走が終わったら途中休憩を挟んで1年女子から3年男子の順番で次のハードル走をやる仕組みだ。

 

競技に参加するため、俺達1年男子がぞろぞろとグラウンドへ出て、待機地点にて走る順番に並ぶが……

 

「鳳橋ぃ……!」

 

俺と同じ順番で入るDクラスの走者の1人の須藤が憎々しげに睨んでくる。

 

これまでの逆恨みから俺を憎んでいるようだが、今日の体育祭で精神をへし折るつもりだ。

 

『これより100m走を始めます。第一走者はスタート地点に立ってください』

 

アナウンスが流れたので俺を含めた第一走者がスタート地点に向かうと……

 

『鳳橋君っっっ!頑張ってぇぇぇぇっ!』

 

白組の待機地点から沢山の女子の俺に対する大歓声が上がる。それに対して俺は手を挙げる。

 

『きゃぁぁぁぁぁっ!』

 

それにより更に歓声が増すが、これはサクラだ。事前にウチのクラスと龍園のBクラス、2年と3年の白組に対して俺が出た時に女子による大歓声を上げるように求めたのだ。

 

これは須藤に対する嫌がらせだ。嫌っている人間が評価されるというのはストレスが溜まるからな。

 

「調子乗ってんじゃねぇぞ鳳橋!女とイチャイチャしてるテメェなんかに負けるかよ……!」

 

案の定須藤の怒りが増している。何としても俺を叩き潰したいだろう。

 

そう思いながら構えを取り……

 

パァンッ!

 

スタートと同時に全力で走る。足を大きく踏み出して腕を早く振って全力で走る。

 

「はぁっ!?」

 

背後から須藤の驚愕の声が聞こえるが、それを無視してそのままゴールする。

 

『きゃぁぁぁぁぁぁあっ!鳳橋くんかっこいいっっ!』

 

1位でゴールして大歓声が上がる。須藤がゴールしても俺に対する大歓声は止まらない。

 

俺は手を挙げて歓声に応えながら待機地点に向かうと、遅れて須藤もやって来るが、先程よりも憎しみが増している。

 

「何で、女遊びばかりしてるテメェなんかに……!」

 

女遊びをしてるのは確かだが自己鍛錬はしているからな。

 

「鍛錬時間は確保している。それに俺がお前に勝とうが大した問題じゃない。重要なのはクラス単位の順位だ。勝ち負けには他の連中の活躍が重要だからな」

 

Dクラスの情報は須藤と堀北のものしかないから、他の選手の組み合わせ次第では負ける可能性はあるだろう。

 

しかしこう言えば須藤はクラスメイトに発破をかけるだろうが……

 

「テメェら!全員入賞が絶対だからな!入賞しなかったらタダじゃおかねぇ!」

 

案の定、須藤がスタート地点に待機しているDクラスの生徒に怒鳴り散らすが反応は冷たい。まあ当然だろう。普段からクラスに迷惑かける奴が最悪の発破をかけたら、イラつくだろう。

 

そう思いながら後続の選手の走りを見ると……ウチのクラスの神崎やBクラスの龍園などが1位を取っていくが……

 

(ちっ、最悪の組み合わせだな)

 

ウチのクラスで俺の次に速い柴田は綾小路と当たったのだが、綾小路は俺より若干速い走りで1位を取る。柴田は1位を前提と考えていたので悔しいな。

 

というか筋力も俺より若干あるし、最優秀賞を取られるかもしれない。

 

内心舌打ちをする間にも進み、次は女子の番となる。

 

第一走者の恵の身体能力は中堅クラスだが、組み合わせの運に恵まれて2位に入賞。女子の先発としては幸先が良いだろう。

 

第二走者には運動能力が低いひよりがいるが、ウチのクラスの疫病神の白波にギリギリで勝ちビリを免れる。待機地点に戻るひよりと目が合い、微笑みながら手を小さく振ってきて幸せな気分になる。

 

第五走者については堀北がウチのクラスのバレー部のホープの安藤、Bクラスの陸上部の木下、Aクラスの陸上部の韮山に差をつけられて負けて4位でゴール。入賞しなかった事で悔しそうな表情を浮かべていて、メシウマだ。

 

第六走者には愛理がいて、中盤までビリだったが、最後に1人抜いて7位となる。自分に自信がない愛理が努力した結果、ビリを回避出来たのだ。これをキッカケとして更に伸びる事に期待しよう。

 

第八走目では番狂せが起こった。ウチのクラスの南方がスタート直後に転んだのだが、Aクラスのエースの真澄、Bクラスの陸上部の矢島、Dクラスの水泳部の小野寺を巻き込んでしまい、各クラスの運動音痴が上位を獲得した。

 

大きな展開はこのくらいで1年生の100メートル走が終わる。得点については1位がBクラス、2位がウチ、3位がDクラス、4位がDクラスだ。とはいえまだ始まったばかりだから勝負はまだまだわからない。

 

俺達が退場すると2年生が走る番だが、やはり南雲に支配されている2年の白組は露骨に手を抜いているので、赤組の勝ちは確定だな。

 

3年については最終学年であり、個人でもAクラス行きに希望を持っているからか、一部の生徒からは凄まじい気迫を感じる。これは学年末に面白くなりそうだ。

 

 

暫くして100メートル走が終わるが、この時点で赤組は白組に対して大差をつけて勝っている。この時点でクラスポイントがマイナスになるのが確定しているのは虚しいな。

 

 

 

 

そして次のハードル走になるが……

 

「何でテメェも一番手なんだよ!?」

 

予想通り須藤も第一走者で、俺を指差して叫ぶ。

 

「クラスのリーダーだからな。全種目で一番手として先陣を切る必要がある」

 

「はぁ?!」

 

俺の言葉に須藤が目を見開く。

 

「その反応……どうやらDクラスも同じことを考えていたようだな。それなら綾小路を一番手にすれば俺は全種目2位になっていたのに、残念だ」

 

単純な身体能力は俺より綾小路の方が僅かに上だ。実戦ならまだしも、競技なら綾小路に分がある。

 

『鳳橋君!一位を獲ってぇぇぇっ!』

 

そう返しながら俺は再度女子からの歓声を浴びながらハードル走で1位を獲って、須藤の怒りのボルテージを高める。

 

この調子なら八つ当たりで俺に手を出してきそうで愉しみだな……

オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?

  • アリだ。雌犬にしてやれ
  • アリだけど程々に
  • 無しで
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。