守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「愛里!良かった俺と飯を食わないか?」
昼休み早々に山内は愛里に声をかける。山内は愛里が狂夜のものとわかっても声をかけ続け、寧ろ寝取るつもりでいた。
尤も当の愛里からしたら山内など眼中にないが。
「他を当たってください」
「良いじゃん!鳳橋の屑より楽しめるって!」
「狂夜君は昼休みはBクラスの椎名さんと食べますから関係ありません」
「はぁ?!あの屑何人も手を出してるのかよ!あんな屑とは離れた方が良いって!」
「確かに狂夜君は善人じゃありませんが貴方と違って犯罪者ではありません。単純に貴方と食べるのが嫌なんです」
愛里はハッキリとそう告げる。そこに譲る気配はない。
一方の山内はクラスメイトや他クラスの生徒から嘲笑を向けられ真っ赤になる。
そんな中……
「清隆。お昼の時間ですから行きましょう。私と山村美紀が腕によりをかけて作ったチョコミント炒飯を楽しみにしなさい」
「待て。今とんでもない名前が出なかったか?」
「山村美紀がとんでもない名前?おかしな事を言いますね清隆は」
「チョコミント炒飯の方だ……」
「あ、あの……ちゃんと止めて、普通の炒飯にしたので、大丈夫です」
「やる気だったのか……本当に助かったぞ美紀」
「清隆がどんな顔で食べるか見たかったですが実に残念でした……!」
「心底がっかりした表情はやめてくれ。それより腹が減ったし行こうか」
そんな会話をしながら綾小路は淡々と森下と山村の手を引っ張りながら歩き出そうとする。
その光景がまた山内の怒りを加速させる。
「根暗が見せつけてんじゃねぇよ!何でお前みたいな奴が!」
そんな風に喚く山内に綾小路の眉がひそまる。確かに自分は世間を知らない人間だが、この男に見下されるのは不愉快であった。
「根暗より性犯罪者の方が問題じゃないか?」
「誰が性犯罪者だ!アレは真鍋が悪いんだよ!」
山内の発言にクラスの女子が冷たい眼差しを山内に向ける。
そんな中……
「真鍋に逆恨みとはつくづく腐ってんな」
龍園がニヤニヤ笑いを浮かべながらやって来る。それにより空気が重くなる。
「何か用事?」
恵が質問すると龍園が頷く。
「ああ生徒会関係、障害物競走の件でな。ウチの木下だが堀北にわざと転ばされたと訴える事にしたから、堀北は体育祭後に呼ばれるかもしれないと警告しに来たんだよ」
その言葉に周りには騒めきが生まれ、堀北は眉を顰める。
「何ですって?」
「木下によれば堀北に絶対に勝たせないと言われたみたいでな」
「馬鹿言わないで。私はそんな事を言ってないし、しきりに後ろを向いたのは木下さんが私の名前を呼んだからよ」
「じゃあどっちかが嘘を吐いてることになるし、審議が必要だな」
「ふざけないで。そんなの八百長じゃない」
龍園の言葉に堀北が反論する。生徒会長は龍園と組んでいる狂夜だし、明らかに出来レースだ。
そんな堀北に対して綾小路が龍園の前に出る。
「龍園。だったらこれが証拠になるかもしれない」
綾小路がそう言って携帯を取り出すと……
『なぁ堀北。無理に入賞を目指す必要はないだろ?クラスポイントも大切だけど、思い出作りも大切だろ』
『何をふざけた事を言っているのかしら?私達のクラスは圧倒的に遅れを取っているんだから形振り構わず勝ちに行く必要があるわ』
『そんな勝ちにこだわる必要ないんじゃないか?形振り構わずに戦って成長があるのか?』
『少なくとも負けを受け入れて燻っているよりはマシよ。これからはどうやっても勝ちに行くわ』
そんな音声が流れ出す。それにより堀北は目を見開き周りの生徒は一斉に堀北を見る。
「おいおい。手段を選ばない発言をしてるじゃねぇか」
「ちがっ……これはあくまで心構えであって、自分自身に無茶を課すという意味よ」
堀北は焦るが龍園は聞く耳を持たない。
「信用できるわけないだろ。しかし綾小路、よく録音したな」
「ハードル走が終わって、堀北が2連続で入賞を逃して怒りを撒き散らしていたからな。一線を踏み越えるんじゃないかと嫌な予感を感じて、万が一に備えて録音した。堀北は気に入らない事があると直ぐにコンパスを使うからな」
龍園の言葉に綾小路はそう返すが、実は綾小路はサクラである。事前に狂夜と龍園と有栖と恵の4人に堀北を個人的に潰すから協力を要請されたので、堀北から手段を選ばない云々という発言を引き出すために、楽しむだの勝ちにこだわる事に対する疑問を口にしたのだ。
結果は大成功だ。堀北は自分自身に無茶を課すつもりで言っても、周りの人からしたら競争相手に怪我をさせる事を目的にしていたように聞こえるだろう。
「けどまさか本当に一線を越えるとは思わなかった。堀北、やって良い事と悪い事の区別もつかないのか?」
「ちがっ……!綾小路君っ、貴方もグルなの?!」
堀北からしたら綾小路も組んで自分を嵌めようとしているように感じてしまう。
「何の話だ?俺はクラスを巻き添えにしないように働きかけるだけだ。龍園、審議をするのは止めれないが罰を与える場合、堀北のみに罰を与えてクラスには罰を与えないで欲しい」
「まあ最終的には学校が決めるが……罰を与える事が決まったら話はしといてやるよ。いくら何でもDクラスが可哀想だからな。何にせよ学校から呼ばれたら素直に応じろよ」
龍園はそう言ってから去っていくが、Dクラスの生徒は堀北に対して忌避感、嫌悪感、怒りなど様々な負の感情を浮かべる。
一方の堀北は綾小路に怒りの眼差しを向けるが、綾小路はいつも通りの表情だ。
「何だその顔は?元はと言えばお前が木下に怪我を負わせなければ良かった話じゃないか?」
「だから私は手を出してないわよ……!私を嵌めて……貴方は何が目的なの?!」
「いや、嵌めるも何もお前が木下を嵌めたんだろ。俺は純粋にクラスにダメージがないように働いただけだ。お前だって日頃から俺にクラスの為に動けと言っているだろ?」
「そもそもクラスの事を考えるなら、あの場で録音なんか渡さなければ……」
「それだとクラス全体にダメージがある可能性があるからな。堀北個人の考えによるものだと強く認識させる必要があった……というか証拠の隠蔽を考えるなんて人として恥ずかしくないのか?」
綾小路の淡々とした疑問にクラスメイトの堀北に向ける眼差しはより強くなる。
「っ!」
周りの態度に堀北は歯軋りをして握り拳を振るわせるが、それがまた逆ギレと判断されて周りからの視線は強くなるのだった。
そんな風にDクラスが地獄のような空気を作り出す中……
「どうですか狂夜君、美味しいですか?」
「最高に美味いな。ひよりの気遣いが伝わってくる」
「良かった。狂夜君が満足してくれて嬉しいです」
「ただ、もっと美味く食べたいし……ひより、あーんで食べさせてくれ」
「ええっ?!いきなり何を言ってるんですか。食べさせたからって味が変わるわけじゃないですよね?」
「いや、可愛いひよりにして貰えたら気分が良くなる」
「へ、変な事を言わないでくださいっ」
「事実だけど、ダメか?」
「……今日だけですよ……あーん」
「あーん。うん、やっぱり一層美味いな。次はポテトサラダをくれ」
「もうっ、はい、あーん」
「あーん。じゃあお返しにあーん」
「狂夜君っ、いきなり「あーん」んっ、狂夜君はいきなり過ぎます」
「悪い悪い。飯後に思い切り抱きしめるから許せ」
「い、今は良いですよ。汗臭いですから狂夜君に悪いです」
「じゃあシャワーで汗を流したら良い、と?甘えん坊め」
「か、揶揄わないでください。意地悪な狂夜君は嫌いですっ」
「悪かったよ。ちょっと揶揄い過ぎたのは謝るから嫌いにならないでくれ」
「い、いえ。ちょっと怒りましたけど、そのくらいじゃ狂夜君のことは嫌いになりませんよ」
「なら良かった。正直大半の人間には嫌われてるが、お前に嫌われたら割と立ち直れないからな」
「もう……」
第三者が見たら砂糖を吐きながら壁を殴りまくるほど、イチャイチャしていた。
互いにキスどころか指一本触れていないのに物凄く甘い空気が漂っているのだった。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで