※この作品はR-18です。

守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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第140話

 

 

地獄の借り物競走が終わっても競技は進んで行った。

 

次の四方綱引きについてな龍園率いるBクラスが勝利した。

 

Aクラスは単純に力の差で負けた。Aクラスで1番フィジカルが強いのは鬼頭だが、俺や龍園や綾小路に比べたら数枚格落ちだ。

 

Dクラスについては綾小路はいるが、綾小路の次に強い須藤が逃げたので3人で参加する事になったので負けた。須藤が居ればDクラスの勝利の可能性もあった。

 

ウチのクラスは割とくらいつけたが、龍園とアルベルトが予想よりも力があって負けてしまった。学力はともかく、身体能力はまだBクラスに及ばないようだ。

 

 

次に男女混合二人三脚だったが、これはウチのクラスの全てのペアが1位を取れた。他のクラスは余り力を入れてなかったようで、割と余裕だった。

 

そして……

 

「よし、いよいよ最後の1200メートルリレーだ。行くぞ」

 

いよいよ最後の種目となり、俺は一之瀬達にそう呼びかける。

 

『了解!』

 

俺達はグラウンドに向かう。走る順番は柴田、安藤、一之瀬、神崎、南方、俺だから俺と安藤と神崎は偶数順は同じスタート地点に向かう。

 

遅れて他のクラスも入場するがDクラスは堀北と須藤がいないので4人だけだ。そして小野寺と綾小路がこっちにやってくる。

 

「よう綾小路。Dクラスは代理を出さなかったんだな」

 

「当たり前だ。あんな奴等に20万払うなんて論外だし、実力から見てもあの2人が200メートルずつ走るより、オレが600メートル走る方が勝率が高い」

 

そう来たか。代理が居ないならどうなるかと思ったが、綾小路が堀北と須藤の分も肩代わりするのか。

 

というかその戦術、今からでもウチでも使えないだろうか……いや、入場しちまったし、無理だろうな。

 

そう思う中、第一走者がスタート地点に着く。正直ウチのクラスは普通なら上位3位以内に入れると思うが、3人分走る綾小路の足の速さから察するとDクラスが上位3位以内に入るだろう。そうなると4位になる可能性もある。

 

まあなるようになるだろう。今更どうしようもないからな。

 

パァンッ!

 

スタートする。まずはウチの柴田が全力で走り、他の面々より頭一つ抜き出る。

 

そして1着のまま第二走者の安藤にバトンが渡され、第四走者の神崎がスタート地点に立つ。

 

数秒後に3年Aクラスと2年Aクラスがやってくる。Dクラスは8番目に櫛田が第二走者の小野寺にバトンを渡し、第四走者の綾小路がスタート地点に向かう。

 

安藤は全力で走り、2位と3位に距離を詰められながらも1位をキープして第三走者の一之瀬にバトンを渡す。

 

中学時代に陸上部だったらしい一之瀬は男に負けない脚力を発揮して2位と距離を開きつつ……

 

「神崎くん!」

 

「任せろ」

 

神崎にバトンが渡される。同時にアンカーの俺は立ち上がって一之瀬の肩を叩く。

 

「よく一位をキープした。後は任せろ」

 

「うん……頑張って!」

 

「ああ」

 

それからドンドン第四走者にバトンが渡されていく。今の所2位が3年Aクラス、3位が2年Aクラス、4位が1年Bクラス……今、3年Bクラスの第四走者が動いた。2位との差は10メートルくらいあるが、まだまだ油断は出来ない。

 

そして件の1年Dクラスは10位で綾小路にバトンが渡されるが……

 

「速ぇ!」

 

物凄いスピードで走り出す。走り出してから数秒で9位の1年Aクラスと8位の2年Dクラスを抜く。

 

そのタイミングで神崎が第五走者の南方にバトンを渡す。まだ1位をキープしているが3年Aクラスと2年Aクラスはかなり近づいているし、綾小路もガンガン差を縮めてくる。

 

そして綾小路は第五走者のスタート地点直前で更に2人抜いて6位まで上がりつつ、猛スピードでこっちに向かってくる。

 

「ヤベェな。アイツはマリカのキラーじゃねぇのか?」

 

2年Aクラスのアンカーの南雲は引き攣った笑みを浮かべるが俺も似たような気分だ。

 

そしてこのタイミングで南方の後ろに3年Aクラスと2年Aクラスの2人がつく。綾小路の速度とここまでの距離的に考えて、4人が殆ど同時に着くだろう。

 

内心冷や汗をかく中、170メートル地点で南方が2人に追いつかれ、190メートル付近で2人に抜かされて……

 

「南雲任せた!」

 

「堀北頼む!」

 

「ごめん!後はお願い!」

 

3位でバトンを渡されるが文句を言うつもりはない。5人とも全力を尽くしてくれた以上、俺が1位を獲る……!

 

俺は腕を大きく振って前に前にと進み、半分過ぎた所で南雲と堀北に並ぶ。

 

「逃げろ!鳳橋!」

 

「急げ南雲!綾小路が迫ってる!」

 

そんな声が応援席から聞こえてくる。後ろを振り向くわけにはいかないが、応援席からの声音からして相当迫っているだろう。

 

そんな中……

 

「勝ちなさい綾小路清隆!私と美紀の処女が待ってます!」

 

「っ!きゅぅ……!」

 

森下のぶっ飛んだ応援が聞こえ、隣にいる山村が真っ赤になって倒れ込む。

 

すると背後から気配が更に早く近づいて、遂に綾小路が俺達の横に並ぶ。残り15メートルで並ばれると……

 

「1位は貰うぞ」

 

残り10メートル付近で僅かだが綾小路が1番前に出る。このタイミングで抜かされるとは、ここまでか……!

 

内心にて負けを感じた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「狂夜君!勝って!」

 

ひよりの一際大きな声が耳に入る。すると次の瞬間、胸中にあった負けは消え失せて前に引っ張られるように進む。

 

感情論は好きじゃないが、ひよりの声には力があって前に進もうとしてくれる。

 

すると足取りは軽くなり残り5メートルの地点で綾小路と並ぶが、いちいち喜びを宿さず、ただひよりの応援に答える為に前に出て……

 

「っ!」

 

そのままゴールを通過する。同じタイミングで綾小路もゴールをしたので、勝ったか負けたかわからない状態だ。

 

『ビデオ判定をするのでお待ちください』

 

そんな言葉と共にモニターにはゴールが映り、俺と綾小路が走っているシーンがスローで流れ出す。互いに譲らないように走りゴールするが……僅か僅かだが俺の足が先にゴールラインを越えていた。

 

『判定が出ました。1位は1年Cクラス、2位が1年Dクラスです』

 

その言葉にウチのクラスからは大歓声が生まれるので俺は息を吐いてから手を挙げて声援に応える。たった200メートル走っただけなのに今日はかなり疲れたな……

 

当の綾小路は息を吐いてからAクラスの森下と山村の所に向かう。競技のルール上、ウチの勝ちだが、俺個人としては負けた気分だ。何せこっちは200メートル走ったのに対して綾小路は600メートル走ったのだから。

 

(やはりだいぶ差があるな。今後のことを考えると自身の向上に重さを置くべきだな)

 

既にクラスメイトには強くなる術を教えて伸びているし、ここらで俺自身の育成に力を置くべきだ。個人単位の試験が出たらトップになるのは厳しいからな。

 

(まあ今はどうでもいい。もう全ての競技が終わって、少ししてから閉会式で終わりだし)

 

俺にとって重要なのはそこじゃない。

 

俺が退場ゲートに向かうと、ひよりが水筒を持ってやって来る。

 

「お疲れ様です狂夜くん」

 

そう言って水筒を渡してくるのでありがたく受け取り飲む。

 

「……ぷはっ。ありがとなひより」

 

「どういたしまして。狂夜君が1位で嬉しいです」

 

「お前の応援のおかげだ。アレがなかったら俺は負けを認めていたからな」

 

多分2位から4位のどっかだっただろう。

 

「私の応援なんかが役に立って良かったです」

 

「ああ、ありがとな」

 

言いながら俺はひよりをそっと抱きしめると、ひよりも小さく微笑んでから抱き返してくる。

 

白組は負けだしクラスポイントはマイナスになる。

 

しかしこうやってひよりの温もりを感じたら特に気にしなくなる。ひよりには癒し成分が含まれているのかもしれない。

 

俺達は閉会式が始まるまで、時間の許す限り抱擁を続けるのだった。

オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?

  • アリだ。雌犬にしてやれ
  • アリだけど程々に
  • 無しで
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