守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
全ての競技が終わり、いよいよ閉会式となる。
「では最初に結果を発表する。まず全体の結果だが……赤組の勝利」
その言葉に赤組は喜び白組からはがっかりした声が上がる。白組に所属しているクラスは問答無用で100もクラスポイントを引かれるから当然だけどな。
「続いて学年ごとの結果を発表する。後ろの電光掲示板を見るように」
真嶋が自身の後ろにある掲示板を指差すと文字が表記されるので1年生の部を見てみると……
1位 1年Cクラス
2位 1年Bクラス
3位 1年Aクラス
4位 1年Dクラス
ウチのクラスは1位だからクラスポイントが50入る。まあ白組の負けだからマイナス100ポイントもあるから、実質マイナス50ポイントだ。
龍園率いるBクラスは2位だからクラス単位での報酬は0、白組の負けで合計マイナス100ポイントだ。
Aクラスは3位だからクラス単位での報酬はマイナス50で、赤組だから更なるマイナスは無くて合計マイナス50ポイントだ。
Dクラスはビリだからクラス単位での報酬はマイナス100ポイント、赤組だからマイナスは無くて合計マイナス100ポイントだ。
丸一日運動した結果、全クラスマイナスになるとは凄い損した気分だ。
「続いて学年別優秀選手を発表する」
これは予想は出来ないな。多分俺か龍園か綾小路だ。全員参加種目の個人種目は全種目で1位を取っている。
しかしそれ以外の判断要素がわからないからな。
例えば綾小路は個人種目のタイムを見ればぶっち切りだが、団体種目だと足手まといの多さから負けがある。
俺は団体種目では勝っているが借り物競走の最下位がマイナス要素になっているか不安だ。
龍園についてはタイムは俺と綾小路に劣るが、リレー以外では負けが一切ないからな。
よって緊張しながらも電光掲示板を見れば……
1年最優秀賞 1年Dクラス 綾小路清隆
2年最優秀賞 2年Aクラス 南雲雅
3年最優秀賞 3年Aクラス 堀北学
そう表示されていた。最優秀賞は綾小路……そうなると団体種目は判断基準に含まれてなかったのかもな。
「けっ!偶々だろうが!」
「そうそう!社会に出たら運動なんて意味ないっての」
山内と池はそう言っているが、社会に出たら害を与えそうなお前らが言うなよ。
Dクラスの面々もこれ以上関わりたくないようで無視をして、当の綾小路本人は2人の戯言をガン無視しながら森下に膝カックンをされていた。
そんな事を見ながらも閉会式は終わり解散となる。
俺はクラスメイトを集めて全員を見る。
「先ずはお疲れさん。全員頑張ってるのがよくわかったし、損害についても最小限で済んで何よりだ」
マイナスになるのはわかっていたが、被害は最小のマイナス50だったので上出来だ。
「今回の結果は俺の予想通りだったが、だからといって慢心はするな。来年以降の体育祭はペナルティが増す可能性が高い」
俺の言葉にクラスメイトの顔色は切り替わるが、反応が早くて何よりだ。
「これまでみたいに多くの鍛錬をしろとは言わないが、最低限の運動はするように」
『了解』
俺の命令に皆が頷く。これなら信用出来るだろう。
「よし、じゃあ真面目な話はここまでだ。このあと着替えたら打ち上げで焼肉に行くぞ。俺の奢りだ」
『しゃぁぁぁっ!』
俺の言葉に男子を中心に完成をあげる。これだけで50万ぐらいは飛ぶが構わない。兵士を育てるにはご褒美も必要だ。褒美を出す事でやる気を出させるのは重要だ。
(ま、今後はクラスメイトの育成もだが、俺自身の育成もしないとな)
俺は今回綾小路に負けた。学力は知らんが身体能力では奴の方がワンランク上だ。
クラス単位の勝負なら綾小路のクラスメイトの大半が雑魚だから俺のクラスに負けはない。
しかし今後個人の力を重視する校風になった場合、俺が綾小路に負けたらクラスの士気に悪影響だ。そうなると有栖や龍園のクラスに足元を掬われる可能性はある。
それを踏まえると俺自身も鍛錬に集中したいのが本音だ。良い機会だし……
「一之瀬」
「ん?どうしたのかな?」
「着替える前にちょっと話があるから教室に残ってくれ」
一時期クラスの指揮権を一之瀬に渡すか。
入学したばかりの一之瀬は甘ちゃんだったからクラスの指揮権を渡したくなかったが、白波の影響で清濁併せ持つようになり、ハッキリと白波を拒絶した今の一之瀬ならば任せても大丈夫だ。
俺は事情を説明すると、一之瀬は納得して頷いてくれたので良かった。
自分を集中して高めるのは久しぶりだし、この時間は有効活用しないといけないな。
同時刻……
「わざわざ時間を作って貰って悪いな、坂柳」
「お気になさらず。それで?どのようなご用ですか、綾小路君?」
校舎裏にて有栖が背後に真澄を置いて綾小路と向かい合っている。綾小路は無表情で、有栖は楽しそうな笑みを浮かべている。
「単刀直入に言うぞ。次の中間試験で全科目満点を取ったら、オレをお前のクラスに引き抜く事を検討してくれないか?」
綾小路の言葉に真澄は目を見開いて、有栖はクスリと笑う。
「単刀直入ですね。そんなに森下さんと山村さんが気に入っているのですか?」
「それもあるが単純に今のクラスが嫌で嫌で仕方ないだけだ。極論今のクラスから出れるならBクラスでもCクラスでもありがたい」
綾小路の顔に不快の色が見えて有栖は意外そうな表情を浮かべる。綾小路の生い立ちを知っている彼女からしたら綾小路に感情があるのは意外だった。
しかしこれは綾小路の本心だ。自分に結果を求めて脅す茶柱、自分に全力を出せとコンパスを突きつける堀北、自分に脅しをかける櫛田、自分の実力がないのを棚上げして権利や報酬ばかり求める無能なクラスメイト、直ぐに暴力に走る須藤、自分の大切と思えるようになった人を侮辱する池や山内。
綾小路からしたらクラスの全てが不愉快極まりなく、今の地獄にいる立場からしたら、どのクラスでも天国である。
「事情はわかりました。この話については後日回答します」
「ああ。時間を取らせた。失礼する」
綾小路は一礼して去っていく。綾小路が見えなくなると有栖は真澄に話しかける。
「真澄さんはどう思います?」
「賛成で良いんじゃない?あのクラスは本当に酷いから裏切る心配も薄いし、ウチのクラスには狂夜と戦える生徒はいないし」
真澄としてはアリだと考えている。今日の体育祭で綾小路は身体能力については狂夜以上の規格外ということがわかったし、中間試験の賭けについても考えると学力も桁違いである可能性が高い。
何よりあの酷いクラスからやってくるのだから裏切る可能性は低いし、無人島試験における学校から貰った騙したことの慰謝料、船上試験で得た大量のプライベートポイント、普段から支給される大金を考えると綾小路の引き抜きは簡単に出来るし、お得と真澄は考えている。
「まあ概ね同意見です。しかしその前にDクラスで使えそうな戦力を見極めておく必要があります」
「綾小路とは別でスパイを用意すると?」
「Dクラスは一部の生徒が桁違いに愚かだがら低評価ですが、有能な生徒もいますから、そちらの調査も大切です」
個の力も大切だが他にも利用出来る存在も把握して戦力を動かせるようにしておくべきである。
「ええ。狂夜君に勝つには戦力を整えるだけでは足りないので」
「ベッドの上じゃどうやっても勝てないけどね」
「煩いですよ!狂夜君のおちんちんの中毒になっている雌犬さん!」
「潮吹きに夢中になってる雌鯨に言われたくないわよ!」
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
-
アリだ。雌犬にしてやれ
-
アリだけど程々に
-
無しで