※この作品はR-18です。

守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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この作品はスラスラ書ける……


第2話

 

 

トイレ

 

それは用を足すという生物として当たり前の行動をする際に使用する設備である。

 

しかしこの生理現象の際に利用する以外使い道がない設備は時として大きな役割を果たす時がある。

 

そう、扉で外部と遮断しているトイレならば、密室時に面白い情報を耳にするケースもあるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……良し、そろそろ良いな」

 

朝のHRが終わってから20分、チャイムが鳴って人の気配が無くなったのを確認した俺は個室トイレから出て手を洗い、ドアを開けて廊下に出る。そして2年生の教室の前を通り過ぎて職員室に向かった。

 

「邪魔するぜ。1年の担任4人はいるか?」

 

そう言いながらドアを開けて中に入る。

 

「……何のようかな?鳳橋君……!」

 

入ると星之宮が額に青筋を幾つも浮かべながら詰め寄ってくるが……

 

「何でキレてんだ?」

 

「ふぅぅぅぅぅん?ホームルームが終わってから私に何を言ったか忘れたのかなぁ?」

 

ホームルームが終わってから?確か……

 

「あざとさと酒臭さと厚化粧をやめないと婚活に失敗しまくって行き遅れになるぞ……だったか?それがどうしたか?」

 

『ぶふぉっ!』

 

俺の言葉に職員室にいる教師は一斉に噴き出す。特に胸の谷間を晒す女教師とガタイの良い男教師は思い切り震えている。

 

「……そっちの2人は後で覚えていなよ……!」

 

「星之宮先生。生徒の前でみっともない真似をやめなさい」

 

眼鏡の男性教師が星之宮に注意すると納得いかないとばかり頬を膨らませるがあざといだけだ。

 

「それで?鳳橋君は何の用ですか?」

 

「ああ。面白い情報を手に入れたから300万ポイントで買い取ってくれないか?」

 

眼鏡教師にそう返しながら携帯端末を操作して、録音を再生する。そこには……

 

 

 

『あ〜、俺達も2年か。今頃1年坊主ははしゃいでるだろうな』

 

『俺達もだがいきなり10万のプライベートポイントを貰ったら当然だろ。入学してから1ヶ月は天国だったよな』

 

『だな。けど5月にクラスポイントの制度が発表されてから俺達Dクラスはマジで地獄だぜ。何せ1ヶ月で800もクラスポイントを減らしたかはな』

 

『今じゃクラスポイントはたった100だから今月も節約しないとな。一方のAクラスのクラスポイントは1200……マジで羨ましいぜ』

 

『毎月12万もポイントを貰えるしな……わけてくれないかな?』

 

『バーカ。無理に決まってんだろ』

 

『クソッ……真面目に授業を受けてれば……!』

 

『今更喚くな。大体お前1人が真面目になってもクラスポイントは10くらいしか変わらなかっただろうが』

 

 

 

 

 

 

『っ!』

 

俺が流した音声に教員は驚愕の表情を浮かべる。しかし俺は他の男子の音声もガンガン流していく。

 

そして5分以上流してから携帯をポケットにしまう。

 

「って感じで、20分間男子トイレの個室に立て籠もっていたらクラスポイントやプライベートポイント、クラスの序列など色々情報が手に入ったな。やっぱ連れションすると雑談しちゃうよな」

 

トイレに行く際に連れションだと雑談するのがお決まりだ。前の授業の不満、昨日見たテレビ番組の感想、ゲームの進行度など色々話すだろう。

 

普通の学校なら大した情報はない。しかし怪しいSシステムがあるこの学校なら上級生がトイレで情報を吐くと思って張り込みをしたのだが、思った以上に情報が手に入った。

 

「で?この様子じゃ学校は4月から5月までの1ヶ月までに各クラスの実力を調査して、不真面目さに応じてポイントを減らすみたいだが、この録音データを300万で買い取らないなら学校の掲示板に載せるがどうする?」

 

そうなったら各クラスは真面目に授業を受けてクラスポイントを減らさず、学校もクラスの調査が出来ないだろうし、ポイントの出費もダメージになるはずだ。

 

「わーお。随分と吹っかけるね」

 

星之宮はさっきとは打って変わりニヤリとした表情を浮かべているが……

 

 

「そうか?録音データから察するに1クラスポイントは100ポイントで入学時点で4クラスは1000のクラスポイントを所有しているようだな」

 

クラスポイントが1200で12万ポイント貰えると言っていたので間違いないだろう。

 

「で、Dクラスは昨年の5月時点で200クラスポイントだから、1人あたり2万プライベートポイントの支給で、5月に学校はDクラス40人に合計80万ポイントを支給した。しかし4月には400万支給した事を考えると少ない支出で済んで良かったな」

 

しかし俺がこのデータを広めれば各クラス真面目に授業を受けて、どのクラスのクラスポイントも800を下回らないと思う。

 

仮4クラスのクラスポイントが5月時点で800だとする。その場合1人あたり8万のプライベートポイントが貰えて、1クラス320万のポイント、1学年で1280万ポイントも学校が支給しないといけない。

 

そう考えると口止め料300万は高くないだろう。500万請求しても良かったが欲の出し過ぎは危険過ぎる。

 

「で?どうすんだ?買うのか?買わないのか?」

 

「……少し待て。上とも相談するから入学式が終わってからまた来い」

 

ガタイの良い先生かそう口にするがそれは認めない。

 

「入学式前に決めろ。情報は新鮮さが命だ。でないと買わないと判断して今ここで掲示板に公表する」

 

俺は金に関しては妥協するつもりはない。様子を見る限り俺が一番乗りのようだが、後回しにした結果二番になったら最悪だしな。

 

「っ!わかった、買い取ろう」

 

「ちょっ!真嶋君、理事長の許可なしで大丈夫なの?」

 

星之宮が焦りの表情を浮かべるが真嶋という教師は動じない。

 

「恐らく許可は降りるだろう。重要なのはこの情報の拡散防止だ、理事長に怒られる際は俺の独断と言うから気にするな。契約書を作るからそこで座って待て」

 

真嶋が近くの応接用ソファーを指差すので腰掛けると星之宮が向かいに座る。

 

「まさか教師を脅すなんて悪い子だね。でもその様子じゃクラスメイトに全く興味ないんだね」 

 

「あるわけないだろ。仮にこのシステムを話してもありがとうって言われるのが関の山で、ポイントを要求してもがめつい奴って言われてそれで終わりだ」

 

重要なのは礼の言葉ではなく、礼の品や謝礼金だ。忠誠心なんざ金で買えるしな。

 

「ん〜、でも先生としてはクラスメイトと歩み寄って欲しいんだよね。強制は出来ないけど」

 

「話してもいない人間とどう接するか、強いられても困る……っと、来たか」

 

真嶋がこっちにやってきて契約書を見せてくる。それによれば『録音データの消去』『クラスポイント、プライベートポイント、クラスの格付けについての説明禁止』『破った場合ポイント全額没収及び、1年間プライベートポイントの支給額を半減』の要求が書かれている。

 

俺は不備かないかを5回確かめて、問題がないと判断して契約書にサインをする。あの内容が書かれていないし俺の勝ちだ。

 

「確かに受け取った。ポイントは入学式までに送る」

 

「わかった。また何かあったら来るから直ぐに理事長と話せるようにしとけ」

 

「……出来ればもう来ないで欲しいのだが」

 

「それは無理だ。既に金儲けの策は浮かんでるが、少なくとも月末には契約の為に絶対に来る必要があるからな」

 

そう返して俺は職員室を出る。とりあえず目標としては卒業までに1億貯める事だ。

 

目標目指して頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……Sシステムに気づく生徒は毎年いるが、入学式前に気づく生徒は初めてだ」

 

「しかし発想は予想外でしたが納得もしました。私も学生時代、友人と手洗い場で色々話していましたよ」

 

「坂上先生もそうだったのですか。言われてみれば私も2年に上がった頃、知恵とクラスポイントなどを話していたかもしれません」

 

「うん。サエちゃんと同じ意見。トイレに行ったりケヤキモールを歩いてる最中に多分話していたかもね。けど月末に契約って何を企んでるんだろう」

 

「十中八九詐欺まがいな契約だと思うが……平和が長く続く事を祈るしかないな」

 

 

オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?

  • アリだ。雌犬にしてやれ
  • アリだけど程々に
  • 無しで
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