※この作品はR-18です。

守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ   作:トラファルガー

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第21話

 

 

「はぁ……胃が痛いよサエちゃん」

 

「気持ちはわかるがその表情を話し合い中に見せるなよ」

 

星之宮と茶柱は憂鬱な表情でため息を吐く。話し合いをした部屋には2人しかいない。狂夜の両親の口撃が平田の母親に吐き気を催したので一旦話し合いは中断となったのだ。

 

「しっかし鳳橋君の親だから怖いとは思っていたけど……」

 

「予想以上だ。私も平田の親なら吐いていたかもしれん」

 

先程、狂夜の両親は一切の容赦を見せずに口撃をしていた。論理的に息子の契約を正義と表明しながら平田を悪扱いしたり、平田のDクラス行きの理由や嫌味を口にしてイニシアチブを取っていた。

 

しかしそれを咎める事は出来ない。何故なら狂夜の家族は遠回しな脅しはしても直接的な罵倒や暴力を使っておらず、逆に平田は狂夜に怪我をさせた被告人的立場なのに暴力に走った。

 

感情的に見れば平田とその家族の味方をしたいが、私情を挟まなかったら平田の行動を咎めないといけない。

 

「……憂鬱だ」

 

そしてこの後は平田に対する処遇の話をするが狂夜は十中八九大金を毟り取ろうとするが、その際に狂夜の両親がどんな援護射撃をしてくるのやら……

 

「全くだよ……さて、20分休憩を挟んだし呼びに行こうか」

 

「……そうだな」

 

星之宮と茶柱はため息を吐いてから嫌な気分を胸中に半ば無理矢理押し込んでから部屋を出て、待機場所の2つの応接室に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう大丈夫のようですね奥様。落ち着いたようで何よりです」

 

話し合いの場に戻るとお袋は開口一番に平田の母親に気遣う態度を見せる。何も知らない第三者からすればお袋の言動や態度には優しさが見えるかもしれないが、事情を知っている俺達からしたらこの上ない嫌味に聞こえる。

 

「どの口が……!」

 

平田の父親は険しい表情を浮かべながら、今にも飛び出しそうな息子の肩を掴んでいる。

 

しかし手を出したら負けなのは明白だ。何せお袋の言葉は悪意ある皮肉が宿りまくりであるが、表面的には貶める要素がそこまでないからな。少なくとも暴力を振るう平田よりマシだろう。

 

「さて、今後の話ですが……お宅のご子息は話し合いを始めてから一度も謝罪していませんが、反省の意がないという事で話を進めましょう」

 

お袋は開幕早々からパンチを放ってくる。まあ実際平田本人は1回も謝罪してないからな。

 

「先生方に伺いたいのですが私個人としては今回の件について警察に被害届を出したいのですが、その場合は訴えが通るのでしょうか?この学校は特殊なので」

 

「結論を言えば通ります。ただし事情聴取の際は警察が当校に来て、民事裁判の際には複数の職員が息子さんを監視する形で裁判所に向かう流れです」

 

茶柱がそう返すが、学校の外に出れても自由に過ごすのは無理って訳か。

 

「ありがとうございます。では狂夜。貴方はどうしたいのですか?このまま被害届を提出しますか?」

 

お袋がそう言ってくるが……

 

「そうだな……それでも良いが手打ち料として300万くれたら訴えないのもやぶさかじゃないな」

 

「さっ……!」

 

500万奪いたいが支払い能力がない可能性があるし、300万くらいにおさえておこう。

 

「ふざけるな。父さん達がお前に金を支払うくらいなら警察のお世話になる。お前のように人の尊厳を微塵も考慮しない屑の脅しには屈しない」

 

平田は倒れそうになる母親を支えながら俺を睨みつける。

 

「随分偉そうな態度だな。しかも暴力を振るった事に反省を見せないなんて怖い奴だ」

 

「黙れ。お前のような屑は殴られて当然だ」

 

「おー怖」

 

そう言いながら俺は両親をチラッと見ると親父が頷く。

 

「何にせよ示談は受けない訳だな。先生方、その場合は我々はどうするので?」

 

「その場合、ご子息が被害届を書いて学校を介して警察に届けます。保護者の方については後日事情聴取がありますが、今日のところはする事はありません」

 

星之宮がそう返すと親父は頷いて帰りの支度をする。

 

「では今日は帰らせて貰います」

 

「そうなるわね……あっ、折角ですから帰りにちょっと△□女子中学に寄って良いかしら、貴方」

 

「「「っ!」」」

 

お袋の言葉に平田と両親2人がビクッと跳ねる。一方の親父はそれを無視して首を横に振る。

 

「済まんが俺も⭐︎○大学理工学部機械工学科に用があるからな。△□女子中学にはお前1人で行ってくれ」

 

親父の言葉に平田の母親がまた口に手を当てて吐きそうになる。しかし両親はガン無視して帰りの支度を済ませて立ち上がる。

 

「待て!僕の兄妹は関係ないだろ!」

 

平田が俺の両親を呼び止める。やはり親父とお袋は平田の家族構成をしっかりと調べていたようだ。

 

まあ無関係な身内ネタは強力な武器になるから当然だ。俺も中学時代に敵対相手の交友関係は調べたし、この学校が校外に出る事を禁止してなかったら平田の交友関係などを調べていただろう。

 

「何の話かしら?私はその学校に知り合いがいるから遊びに行くだけよ……あっ、折角だし彼女が気に入ってる♧⭐︎テニスクラブも行きたいし今日の夕飯は自分で用意して貰って良いかしら?」

 

「わかった……あっ、それなら俺も⭐︎○大学に行ったその後に♤♡研究所に行かせてもらおうか。あそこで昔インターンに参加したのでね。今のインターン生が自分達とどう違うのか見ておきたいな」

 

お袋と親父は楽しそうに話すが、要は平田の兄妹が所属している学校やクラブ、就職活動先を口にしているのだろう。

 

両親の唐突な発言や平田の制止もあって星之宮と茶柱も気づいたようで、悪魔を見るような眼差しを俺の両親に向けている。

 

「さて、では我々はこれで失礼します。狂夜、授業はしっかり受けなさい」

 

「もしまた同じような事があったら遠慮なく頼れ。こっちはこっちで頑張るからな。裁判の時にまた会おう」

 

2人は俺に笑顔を向けてから一瞬だけ平田達に邪悪な笑みを向けてから出口に向かおうとするが……

 

「待ってくれ!」

 

平田の父親が俺の両親を呼び止める。かかったな……

 

「どうかしましたか?我々はこの後に先程口にした場所に遊びに行く予定ですので手短に」

 

お袋はキョトンとした表情を作っているが平田達からしたら腹立たしい事この上ないだろう。

 

「……示談金は払う。だから家族には手を出さないでくれ……お願いだ!」

 

平田の父親は土下座をしてそんな懇願をするが、土下座程度で親父達は止まらないだろう。

 

「何の話ですか?洋介君については警察や裁判所に任せますから手を出すつもりはありませんよ」

 

「そうそう。それに洋介君は父親が土下座してるのに自分が悪くないと思っていて、示談の提案を蹴ったのです。無理に示談しなくても大丈夫ですよ」

 

「それに大金を払ったら来年◇□高校を第一希望として受験する娘さんの学費にダメージが入るのでは?」

 

「もしかして既に♤♡研究所に内定が決まってる長男にバイトをして貰って負担を軽減して貰うのですか?素晴らしい家族の団結ですね」

 

シラを切る両親だが、平田の兄妹の情報をペラペラと喋っている。多分全て事実だろうけど、ここまでの情報を仕入れるとは味方だと頼りになり過ぎる両親だな。

 

しかも「示談にしろ。さもないとお前の家族を狙う」みたいに直接的な脅しはしないで、家族の情報を言いながら示談はしなくて良いと言っているので咎める事は出来ないし。

 

「うぅ……!も、もう許し……!うぅ……!」

 

「っ……!洋介!示談を受けるから非を認めろ!元はと言えばお前が暴力に走ったのが悪いんだから!」

 

ここで平田の母親は胃に穴が開いたのか胸の近くに手を当てながら崩れ落ち、父親は土下座をしながら平田に怒鳴る。

 

「まあまあお父様。息子さんは狂夜は殴られて当然と言うくらいですから非を認める事はないでしょう。だから無理強いは良くありませんよ」

 

「そうそう。形だけの謝罪になるのは明白。それなら無理に示談にしなくても大丈夫ですよ」

 

言葉に大量の皮肉を混ぜたフォローだ。遠回しに平田に対して「誠心誠意謝罪をしろ。でないと示談に応じない」と脅してるようなものだ。

 

さて、トドメを刺すとしよう。

 

「親父、お袋。父親は土下座して誠意を見せてるのに全く気にしてないんだし示談には応じなさそうだし、さっき言っていた場所に行ってメチャクチャ楽しんでこいよ」

 

俺はメチャクチャの部分にアクセントを付けてそう口にする。この状況でそう言えば向こうがどう聞き取るかなど一目瞭然だ。

 

そんな中、平田は震えながら握り拳を作り唇から血を垂らしながらも、やがて地面に膝をついて……

 

 

「……お願いします。僕が全て悪いですから示談にしてください……家族に手を出すのだけはやめてください……!」

 

そのまま土下座しながら許しを乞う。そんな平田を見た俺は確かな昂りを感じ、俺の両親も口元に笑みを浮かべているのに気づく。

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり俺のサディストぶりは天然物ではなく、親による養殖物のようだ。来年には俺の可愛い可愛い妹もこの学校を受験するがトラブルの嵐が起こりそうだな、うん。

 

オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?

  • アリだ。雌犬にしてやれ
  • アリだけど程々に
  • 無しで
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