守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「おはよー。じゃあHRを始めるから席についてね」
星之宮の言葉に俺達は席に着く。
「まず連絡事項ね。鳳橋君が昨日連絡してきた須藤君に与えるべきペナルティだけど、審議の結果通ったから。須藤君はバスケットボール部を強制退部で、今後は部活の参加が禁止になったから」
「やっぱり通ったか。あんなゴミだし当然か」
「相変わらずの罵倒だね〜、まあクラスリーダーを希望する鳳橋君からしたら他クラスのクラスポイントを稼げる候補を潰すよね」
星之宮の言うように俺が須藤に部活参加権剥奪のペナルティを与えた1番の理由はそれだ。
部活で結果を出せばプライベートポイントやクラスポイントが加算される。調査によれば4年前に柔道の個人戦で全国準優勝の男子が150のクラスポイントと50万ポイントを得たらしい。
この学校のバスケ部はそこまで強くないが万一の事もあるし、Dクラスが持ち得る稼ぎ方を奪うのは当然だ。
「それはリーダーとして当たり前だ。後罵倒じゃなくて事実だ」
「性格が悪いね。そんなんじゃモテないよ」
「うっせぇ三十路」
「あぁ?」
星之宮が殺意を宿しながら睨んでくる。教師のする眼差しじゃないな。
「鳳橋君。今ちょっと聞こえなかったからもう1回言ってくれるかな?」
「三十路」
ブチィッ!
星之宮の頭から何かが切れる音が聞こえるが、もう一度言えと言ったから言っただけなのにその態度はないだろう。そんなんだから生徒の間で茶柱より行き遅れる可能性が高いと「ふっざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」ん?この声は……
そこまで考えているとドタバタ音が聞こえてきて、ドアが開き……
「鳳橋ぃっ!今すぐ俺のペナルティを解除しやがれぇっ!」
須藤が怒声をあげて教室に入ってくる。既視感を感じるな。
「嫌に決まってんだろ。元はと言えばテメェが安易に暴力に走るのが悪い。これを機会にバスケを諦めろ。どうせお前じゃプロになっても暴力事件で契約破棄されるのがオチだ」
普通にそんな未来が見えるわ。
「煩えよ!良いから破棄しろって言ってんだよ!」
「嫌だと言ったら?」
「力づくでも破棄させてやるよ!」
須藤は激昂する。わざと殴られても良いが平田の件が終わったばかりで、今回はわざと殴られたと判断されて示談に持ち込めない可能性がある。
どうすれば金に繋がるか考えていると、前の方のドアが開き生徒会長の堀北が入ってくる。
「やはりこうなっていたか……止まれ須藤」
やはりって言う事は生徒会も須藤が暴力に走ることを危惧していたようだ。
「あぁ?!邪魔すんじゃねぇよ!俺はコイツがペナルティと契約を破棄するまで殴らねぇと気が済まねぇんだよ!」
いつのまにか契約についても話が出てきたよ……
「それは両方とも学校側が認めている。次に暴力に走れば反省の色無しと判断して退学処分も検討する」
「はぁ?!」
須藤は納得いかないとばかりの表情だが当然だろう。須藤は入学してから上級生や同級生と揉め事を絶やしておらず、2回も俺に殴り込みをかけている。しかも2回目は今だが1回目の殴り込みで腕を怪我したのにだ。馬鹿にも程があるが、コイツに付ける薬はないし退学処分も妥当だ。
「何でだよっ!何でコイツは600万も稼いでるのに、俺だけ苦しめられるんだよ!」
須藤が納得いかないと喚き、クラスの半数はギョッとした表情だ。そういや昨日の勉強会メンバーには話したが、一之瀬のグループにはまだ話してなかったな。
つか須藤が知っていることから察するにまた茶柱が余計なことを言いやがったのか?マジでふざけんな。
「高校生にもなって暴力で物事を解決しようとしているお前の自業自得だ。わかったら教室に戻れ。これは最終警告だ」
堀北の冷たい眼差しに剣呑な光が混じる。ここで須藤がゴネたら本当に退学になる可能性はかなり高いだろう。
「っ!クソがぁっ!」
須藤も堀北の眼力により何かを察したようで逃げるように教室から出て行く。流石に退学になってまで手を出すつもりはないようだ。堀北は俺を一瞥してから三十路に一礼してから去っていく。
「ったく、朝から迷惑な奴だな。おい星之宮。さっさとHRを再開しろ」
「はいはい。須藤君のペナルティの説明は終わったし、次に特別棟の水道管のメンテナンスがあるからお昼から2時間くらいは特別棟の水道は使えないからね。学校からの連絡事項はこれで終わり。何か議題にしたい事はある?」
「はい。昨日鳳橋君と平田君の話し合いがありましたが、どのような顛末になったのでしょうか?先程600万ポイントと須藤君が言ってましたが、クラスポイントなどにも影響があったのですか?」
一之瀬が質問する。クラスのリーダーを希望する以上、情報の入手は絶対だからな。
「それは鳳橋君本人に聞いて。勝手に話して良いかわからないからね。質問は以上かな?無いならHRを終わりにするね」
三十路宮はそのまま教室から出て行くと注目が集まる。これは説明しないとダメなパターンか。
(つか茶柱は本当に不良品だな)
あざとくて行き遅れの三十路ですら勝手に話してないのに、勝手に話すとはな。マジでどっかで嵌めて潰してやろうか?
「鳳橋君。どんな結果で話し合いが終わったか聞いて良いかな?クラスの方には損得があるのかな?」
ま、そう聞いてくるよな。気になるのは当然だし。
「結論を言うとウチとDクラスにおいてクラスポイントもプライベートポイントも変化はない。俺と平田、互いの両親の6人で話し合った結果、警察沙汰にしない事を条件に平田の両親が俺に300万払うことになった」
「じゃあ須藤君の言っていた600万は入学式に稼いだ300万を含めているって事かぁ……でも鳳橋君は脅し過ぎはやめようね」
一之瀬はそう言ってくる。完全に俺が脅したと思っているようだが…
「勘違いしてるようだが今回は脅してないぞ」
実際俺も俺の両親も「示談にしろ。でないと……」みたいな脅しは一切していない。寧ろ俺の両親は俺の示談希望より平田の希望の警察沙汰要望に賛成していた。
ただ世間話に平田の家族の情報をペラペラ話したら、何故か向こうがいきなり示談を希望しただけだ。
「嘘!どうせまた卑怯な手を使ったんでしょ!そんな人がリーダーに相応しくないし、リーダー争いから降りて!」
ここで白波が俺を指差して叫んでくるが、昨日は真澄と4回戦までやって眠いんだから大声で叫ぶな。
「ふぁ〜」
「っ!無視して欠伸なんて本当に最低!こんなのがリーダーなんて絶対無理!もう帆波ちゃん以外リーダーに相応しくないってわからないなんて、不良品じゃん!何でDクラスじゃないの?!」
というかお前は良い加減に学習しろや。そうやって俺をこき下ろしていると自分の株が下がるだけだぞ?
「はっ!運動能力が低くて小テストで55点しか取れない白波の方が不良品だろ!」
「だよね。確かに鳳橋君って性格は悪いけど、勉強の教え方も丁寧でリーダーに向いてると思うな」
「こっちが真面目にやってるなら特に理不尽に怒鳴ってこないし、一之瀬の方がリーダーになって欲しいけど、鳳橋がリーダーでもそこまで不満はないな」
「正直一之瀬さんは優し過ぎるから、野蛮なBクラスとか戦う時には不安な点もあるかな」
「というか文句を言う暇があるなら少しでも勉強しろよ。お前が1番クラスで価値が低いんだし。お前こそ何でDクラスじゃないんだよ」
「っ!うぅぅぅぅぅぅ!」
そんな声が上がって、白波は気圧されながらも唸り声をあげて睨みつける。
しかし5人の内、最後の1人は一之瀬のグループのメンバーであるが、その事から白波の嫌われようがわかる。
とはいえ……
「お前ら。授業前といえ口喧嘩は程々にしろ。クラスポイントに悪影響になる可能性もあるし」
「っ!ご、ごめんっ。でも鳳橋君は白波さんに悪く言われて怒らないの?」
「別に。無能が自分の無能さから目を逸らして、強者に嫉妬して八つ当たりするなんてよくある事だから」
そんなことで一々キレる程ガキじゃない。
「っっ!馬鹿にしてっ!」
「馬鹿にしてるんじゃない。馬鹿に対して正当な評価を下しただけだ」
「っっっっっっ!」
俺のあしらいに我慢の限界が来たのだろう。白波は声にならない声をあげてから俺に罵倒の嵐をぶつけてくる。
それから直ぐに一之瀬が止めに入るが止め切れず、最終的に教師が注意して漸く止まった。
しかし明らかにクラスポイントの減点になったのは明白。遠くない未来に一之瀬を利用して絶望を与えてやらないとな。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで