守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
テスト範囲が変わってから1週間弱、いよいよテストまで1週間を切った。それによりウチのクラスの緊張が高まっている。今回の中間の結果次第でクラスのリーダーが決まる。
ちなみに網倉によれば一之瀬以外の女子19人で「鳳橋と一之瀬、どっちがリーダーになるべき?」って議題を話し合ったら俺を選んだのが9人、一之瀬を選んだのは10人とかなり迫っている。
一方神崎によれば俺以外の男子19人でも似たような議題を話し合ったら、俺を選んだのが13人で一之瀬を選んだのが6人だ。ちなみに俺が多かったのは「一之瀬がリーダーになったら白波が調子に乗って男子を見下しそうだから」って理由らしいが、白波自身が慕っている一之瀬の足を引っ張るのは面白い。
何にせよ俺と一之瀬以外の38人の内、22人が俺をリーダーに選べると判断したのは嬉しい。リーダー希望を口にした当初は完全アウェーだったしな。
「それにしても後1週間でテストか。やっとって感じだな」
昼休み、俺は廊下を歩きながらそう呟く。
「だよね。受験を済ませたばかりだからそこまで苦しくなかったのが幸いだけど」
右隣にいる網倉が俺の呟きに返事をして、左隣にいる小橋も頷く。今日は今から2人と食堂に行く。これまでテスト勉強で真剣さを見せた結果なのか、飯に誘ったらOKを貰えたので一緒に行くことになった。
ちなみに一之瀬とは別行動。一緒に食うことになったら一之瀬に寄生している白波が煩そうだからな。
何にせよ結構信用されてきているし、頑張って友達の関係からセフレの関係にして、一之瀬を奴隷にする為の布石を打とう。
「まあな。テスト範囲が変わっても慌てずに済んで良かった」
そう思いながら俺は近くの物陰をチラ見すると物陰から1人の女子が出てくる。
「ねぇ鳳橋君。ちょっと良いかな?」
女子……松下は焦りを見せた表情を作りながら話しかけてくる。まあこれは演技だけどな。
既に松下はテスト範囲の変更を知っているが、敢えて俺に話しかけた。
これは俺の指示で、こうする事で俺と松下の間に接点が出来たように思わせられ、今後一緒にいられる所を見られても「テスト範囲の変更をおしえてもらってから仲良くなった」って言い訳を使えるからな。
俺の場合、悪目立ちしてるから松下と一緒にいる所を見られたら邪推されて松下がDクラスから警戒されるかもしれない。
よって一緒にいる理由を作る必要があったのだが、これなら充分だろう。
ともあれ演技を続けよう。
「どうした?また金を借りたいのか?」
「いや、折角返済したしもう借りないかな。それよりテスト範囲が変わったって言わなかった?」
松下は真剣な表情を浮かべて質問する。まあコイツと恵には事前に俺が教えたから問題ないけどな。
「あん?先週に変わったじゃねぇか」
「……茶柱先生から聞いてないんだけど」
「「えぇっ?!」」
松下の言葉に両隣にいる網倉と小橋が驚きの声をあげるが、やっぱりDクラスの担任はクソだと思ったのだろう。
「……マジか。とりあえずテスト範囲は違うから、茶柱に確認を取ってみな」
「わかった。そうするよ」
松下は早足で職員室に向かう。
「Dクラス、危ないんじゃない?」
「危ないだろう。まあ早いうちにライバルの1つが再起不能になるのはありがたいだろ」
須藤あたりはさっさと消えて欲しいのが本音だからな。まあ他にも消えて欲しい奴はゴロゴロいるが須藤はぶっち切りだし、Dクラスの大半が須藤の退学を望んでるだろうしな。
そう思いながら俺は離れることで小さくなっている松下の背中を眺めるのだった。
「失礼します。茶柱先生はいらっしゃいますか?」
松下が職員室に入り茶柱を呼ぶ。
「松下か?私に何のようだ?」
いつも通りの表情の茶柱に松下は苛立ちを感じるが、それを表に出さず冷静になりながら距離を詰める。
「先程廊下を歩いていたらCクラスの生徒がテスト範囲が変わったと言っていましたが、それは事実ですか?」
松下の問いに茶柱は眉を顰めながらペンを動かす手を止める。
「……そうだったな。テスト範囲は先週の金曜日に範囲が変更されていたな。失念した」
茶柱はテスト範囲を紙に書いて松下に渡すが、松下の目はゴミを見る眼差しだ。
「ふざけているんですか?教師の癖にテストの範囲変更を伝え忘れるなど論外では?人によって大きく遅れますが?」
「そんな事はない。まだ1週間あるし、遅れは取り戻せる。クラスの皆に渡しておけ」
茶柱は松下の不満に対して最後の部分だけ返事をする。それに対して松下はため息を吐く。
「なるほど。Dクラスの担任はクズ教師が選ばれるようですね。わかりました」
言いながら松下は職員室を出て、2つのボイスレコーダーと小型カメラのスイッチと携帯の録音機能をオフにして、テスト範囲を持った紙を携帯カメラで撮って軽井沢らDクラスの友人にメールする。
そして2つずつあるボイスレコーダーと小型カメラの内1つずつを、職員室の近くで立っている真澄に通り過ぎる際に渡した。
真澄に渡しても松下は足を止める事なく歩き続けてある部屋の前で、足を止めてドアをノックする。
「どうぞ」
中から返事が聞こえてきたので松下はドアを開けて……
「失礼します。1年Dクラスの松下千秋です。担任の茶柱先生の政府主導の学校の教師としてはあり得ないほどの問題行動について理事長にお話があって参りました」
中にいる初老の男性……高度育成高等学校の理事長に一礼するのだった。
キーンコーンカーンコーン
午後最後の授業を終了を告げる中、片付けをしながら伸びをしていると星之宮が教室に入ってきて、俺に意味深な笑みを浮かべている。そして廊下に繋がるドアの窓からは茶柱がゾンビのようにおぼつかない足取りで歩いている。
(多分アレだな。相当絞られたようだな)
先週、松下から茶柱がテスト範囲の変更を告げなかった事を聞いた俺は仕返しとばかりにその件を理事長に報告しろと命じた。
茶柱の思惑は知らないが教師、それも将来日本の役に立つ人間の育成を目的の学校の教師が生徒にテスト範囲の変更を告げないのは完全に論外だ。
元々人の情報をペラペラ喋る奴だから気に食わなかったが、弱点を作ったから遠慮なく叩かせて貰う。
しかし咎められる謂れはない。悪いのは教師としての最低限の務めを果たさないあのカスで、自業自得だ。
「じゃあ帰りのHRを始めるよ……まあ連絡事項はないけどね。でもいよいよテストまで1週間を切ったから皆頑張ってね。リーダーがどっちになるかわからないけど最初のテストだし、頑張ってクラスポイントの為に1点でも多く取ってね」
確か成績次第では最大で100ポイント貰えんだったな。
「星之宮。テスト発表の際に一々平均点を出すのは面倒だし、そっちで集計をやれ」
「はいはい、敬語を使わないのはムカつくけどわかったよ。じゃあ発表の際には紙に書かれた名前の横に鳳橋君と一之瀬さんのグループってわかるようにマークを付けるよ。そうすればどっちグループの順位の合計が少ないかわかるでしょ」
「それで良い。ハッキリ俺の勝ちがわかるからな」
「うわー、自信たっぷりだね……一之瀬さんもそれで良いかな?」
「え?で、でも順位を堂々と発表されるのは人によっては嫌な気分になりますが……もしかして毎回黒板に貼られるのですか?」
「そうだよ。悔しいなら勉強すれば良いだけだよ」
確かに堂々とした発表は良くも悪くもモチベーションに繋がるやり方だ。成績下位の人は恥ずかしさから、上位の人は落ちる恐怖から原動力が生まれてくるだろう。
「ま、このクラスは恥ずかしい点数を取らないだろうし、そんなに緊張しなくても大丈夫だと思うな。じゃあHRは終わりにするけど皆頑張ってね」
星之宮はウィンクをしてから教室を後にするが、このクラス"は"恥ずかしい点数を取らないだろうしって言っていたな。
多分Dクラスの事を指しているのだろうが、これを機会に須藤は赤点を取って退学して欲しい。
いや、馬鹿だから儲けに利用できる可能性もあるか。
俺はどうする事が1番の儲けに繋がるかをしっかり考えながら教室を後にするのだった。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで