守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「邪魔するぞ。さて、お前らはどんな結論を出した?」
櫛田からメールを貰った俺はDクラスに向かうと敵意を向けられる。大半が借金組だ。
「その件なんだけどさ、須藤君の救済資金以外にも付け加えたい条件があるんだけど良いかな?」
「条件?何だ?」
「うん。今のところ15人が鳳橋くんに借金してて、7月に返さないと退学で、平田君の退学が確定しているし返済が絶望的だからさ、借金もチャラに出来ないかな?」
どうやら恵はしっかり働いてくれたようだ。実際平田が退学してクラスポイントにダメージを与えた以上、Dクラスの借金組の借金返済は絶望的だ。
他クラスからしたら大量に退学者が出るのはありがたいし、他学年についても馬鹿共の立て替えなんて嫌だろうからな。
しかもこのクラスの借金組はあろうことか非借金組に対して立て替えろって上から目線で要求したらしいが馬鹿極まりない。
借金組は非借金組を相手に下げて誠心誠意謝罪してから借金の返済の協力を頼むのが鉄則だ。そうすれば非借金組も「まあ仕方ないか」と不満に思いながらも助けてくれる可能性は充分にあった。
しかし自分の非を棚上げして、助けるのが当たり前と傲慢に要求するなんて本物の不良品だ。
「別に構わないが、その場合借金組15人に対する要求は増やすぞ」
元々それが狙いだからな。
「それはこっちで話し合ったから良いよ。けどあんまり酷い要求はやめて欲しいな」
「酷いかどうかはお前ら次第だ。で、改めて確認するが、今回の中間の成績上位5人……高円寺、幸村、松下、王、櫛田以外の34人に対して、今年度学校から支払われるクラスポイントが直結するプライベートポイントの内、毎月3割貰うのと引き換えに須藤の救済資金を払うのが今回の条件だ」
「あ、ちょっと待って。借金組についてなんだけど、今回の試験でボーナスを得て来月1日に返済出来る人が、東君と石倉さん、西村君と鷹宮くん、北条さんに蔵内君と6人いるんだけど、その6人については非借金組扱いにして貰えないかな?」
櫛田は中間試験の結果が書かれた紙を見せながらそんな要求をしてくる。そんな要求をするのはクラスメイトの為に動いていると好感度を稼ぐ為だろう。
「……まあ良いだろう。確かにそいつらは借金を返せるみたいだし、非借金組扱いにしてやる」
正直言ってゴリ押しすれば借金組扱いに出来るだろうが、ここは俺の懐の大きさを見せておく方がメリットがある。そうすれば今後Dクラスと交渉をしやすくなる。
「ありがとうね。それで話を戻すけど、クラスメイトの借金をチャラにするにはどんな条件かな?」
「そうだな……借金組は3割じゃなくて6割だな。後借金組は今回の試験みたいなボーナスポイントみたいに、クラスポイントとは無関係の支給ポイントは全部寄越せ」
「な、何だよそれ!ふざけんじゃねぇよ!」
池が怒鳴り、他の借金組8人も追従するが……
「そんなに理不尽か?お前ら借金組が学校からボーナスポイントを貰える実力を持ってるのか?ボーナスポイント云々はついでだ」
非借金組の中には幸村や王みたいに学力特化や小野寺みたいに運動特化な生徒がいるからまだしも、借金組は運動能力が高い須藤以外は長所のないカスだ。普通にボーナスポイントが貰えるとは思えない。中間試験でも過去問があって80点以下だし。
「というか助けられる立場のゴミが一々口を挟むな。本来ならお前らは真面目なクラスメイトに迷惑をかけたと土下座する立場だぞ」
ここで借金組をこき下ろし非借金組のヘイトを借金組に向ける。こうしておけば今後Dクラスには深い溝が存在し続けるからな。
「っ……そ、そうだ!櫛田ちゃん!櫛田ちゃんのボーナスポイントで俺達の借金を返してくれよ!そうすれば普通の契約に出来て、俺達も3割で済むからさ!」
「だよな!他の連中はケチだけど、優しい櫛田ちゃんなら払ってくれるよな!」
「わ、私!?」
ここで池と山内は最低な事を口にして、余りの発言に櫛田も絶句する。確かに6月に櫛田が借金返済をしてくれるなら、借金組が非借金組と同じ扱いになる。
しかしこの後に及んで借金の肩代わりを頼むなんて本物の屑だな。
「さいってー!アンタ達の自業自得じゃん!」
「そうよ!桔梗ちゃんを困らせるんじゃないわよ!」
ここで女子が怒りの声を上げる。当然の反応だ。
「櫛田、借金の肩代わりはしないで借金組には重いペナルティを与えるようにしろ。でないとコイツらはいつまで経っても増長する」
「ふざけんなよ幸村!ペナルティの範囲外だからって調子に乗るな!」
「ふざけるなはコッチの台詞だ!元はといえばお前らが真面目に授業を受けなかったからこうなったんだ!挙句借金返済を押し付けるなんてふざけるな!お前らは5月1日の時点で真面目に授業を受けた生徒に借金の立て替えを頼むんじゃなくて、迷惑をかけて済まなかったと土下座するべきだったんだよ!」
「そうだそうだ!お荷物が偉そうにすんな!」
ごもっともだ。真面目に授業を受けた生徒からしたら完全なとばっちりだからな。あそこまで怒るのは仕方ない。
「それ以前に女子の胸の大きさランキングなんてふざけたランキングを作ってた屑2人が櫛田さんにたかってんじゃねぇよ!」
救いようのない屑だな。小学生だってもっと賢いんじゃねぇか?
「い、いや……アレは遊びだって!」
「やって良い事と悪いことがあるでしょ!」
山内の言葉にクラスがヒートアップする。本当にこのクラスの真面目な人間って不憫だな。
「一旦黙れ。馬鹿どもに対する不満はわかったが、契約を結ぶかどうかの結論を出せ。実際今回の中間でボーナスを貰える生徒が借金の立て替えをするなら借金組に対して重いペナルティはなくなるが、どうする?」
「うーん……決めた。私は立て替えをしないでおく」
櫛田はそう結論を出す。
「な、何だよ!櫛田ちゃんもあんな最低な奴等と同じかよ!」
いや、櫛田の結論は至極当たり前だからな。
「あのさ池君。4月に騒いだ人は沢山いたし、借金する人も多かったから、それに対して池くん1人の責任にするつもりはないよ。けどさ、借金を立て替えろって真面目に授業を受けた人に命令するのは違うんじゃないかな?」
正論だな。そもそも借金したのが悪いのに。
「い、いや!困っている人がいたら助けるだろ!」
「普通ならね。でもさ、困っている人が助けろって恫喝するのは間違ってるよ。借金に困っているなら「退学になるのは嫌だから助けてください」って頼むべきだったんだよ。誰だって「俺の借金を肩代わりしろ!」って言われたら助けたくなくなるよ」
それも正論だな。困っている人を助けるのは道徳的にあり得るが、困っている人がそれを盾に偉そうに要求するのは間違ってる。
「とりあえず話を戻すけど契約は結ぶよ。借金組については6割支払う感じで良いかな?」
「ま、待ってよ櫛田さん……そうだ!須藤君を見捨てれば良いんだよ!」
「そうだよ!須藤が潔く退学すればポイントを払わずに済む!」
本当にコイツらはクズだな。ある意味俺より醜いな。
「それは無理でしょ。元々借金組は全員須藤君の退学に賛成してたから、今から多数決しても須藤君の救済に変わりないよ」
「私もだけど寧ろ借金組を苦しめたいと思う奴らが出てもおかしくないでしょ」
松下や水泳部の期待のホープの小野寺がそう言ってくる。確かに真面目な非借金組からしたら借金組に対するヘイトな限界突破してるのは明白だ。
「な、何だよそれ!ふざけんなよ!」
『ふざけんなはこっちの台詞だ(よ)!いい加減にしろ(して)!』
山内の叫びにクラスメイトの半数以上が叫ぶ。とうとう我慢の限界を迎えたようだった。しかしこれも当然の帰結だろう。
俺は内心呆れながらそんな光景を眺めるのだった。
その後、最終的に俺は『須藤の為の救済資金とDクラスにある借金のチャラ』という条件を引き受ける代わり……
『高円寺、幸村、王、松下、櫛田以外の非借金組は今年度、クラスポイントに直結する形で学校から支給されるプライベートポイントの内の3割を支払う事』
『借金組は今年度、クラスポイントに直結する形で学校から支給されるプライベートポイントの内の6割を支払う事』
『借金組が試験などで得たボーナスポイントなど、クラスポイントとは無関係で得たポイントを全額支払う事』
って条件を呑ませた。借金組は猛反対したが、非借金組が絶対に立て替えない事を宣言したので悔しそうに条件を呑んだのだ。
とりあえず思ったが、池や山内が愚か過ぎて俺が動くまでもなくDクラスの人間関係に崩壊が入ったのは驚いた。マジで。
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで