守銭奴、実力至上主義の学校に入るってよ 作:トラファルガー
「はーい。じゃあ帰りのHRを始めるけど今日は連絡事項はないの。何か連絡したい事がある人はいるかな?」
帰りのHRにて、星之宮がそう告げるが挙手する人はない。
「じゃあ解散して良いよ〜、また明日」
星之宮は教室から出ていく。
「じゃあ今日も勉強会に参加できる奴は参加な。行くぞ」
言いながら俺は立ち上がる。既に視聴覚室の鍵は昼休みに預かっている。
教室を出る直前に教室を見れば20人ちょいが立ち上がって俺についてこようとする。
今はまだテスト勉強期間じゃないから全員参加じゃないが、来週には全員参加だし頑張って貰いたいものだ。
そう思いながら俺は廊下を歩いていると……
ドンッ!
いきなりDクラスの教室から女子が全速力で出てきて俺と激突する。
「きゃあっ!」
しかしフィジカルの差があり過ぎるからか、女子の方が弾けるように倒れて手にあるデジカメが落ちてしまう。
「ご、ごめんなさい……嘘、映らない」
眼鏡をかけた女子は謝ってからデジカメを操作するか、映らなかったようでショックを受ける。
(面倒な事になったな)
スルーしても問題ないと思う。廊下につながる場所で走ったコイツの自業自得な面があるし。
しかしこの学校のSシステムを完全に把握しているわけじゃないし、大人な態度を見せておくか。後ろにいるクラスメイトに器のデカさを見せておくのも悪くない。
「悪かったな。ちょいと携帯のIDを見せろ」
「えっ……は、はい」
女子はオドオドしながらも携帯を操作するので、俺は表示された画面に表示されたIDを見て送金する。
「5万送ったからそれで好きなデジカメを買え。釣りについては2週間以内にレシートと一緒に返せ。ちなみに須藤みたいな屑からカツアゲをされそうになったらレシートを返す時に言え。5万からデジカメ代金を引いた額が返ってこなかったら、即座に生徒会として問題提起をして当事者を裁く」
言いながら俺はDクラスの教室を覗きながらそう告げる。すると一部の人間は目を逸らす。
予想通りだ。この女は気が弱そうだが大金を得れたら、屑が群がるのは明白だ。実際俺に借金した連中は借金をしてない連中に立て替えを強要したからな。
「ふざけんじゃねぇよ!俺達に酷い目に遭わせておきながら!俺達にもポイントを寄越せや!」
ここで須藤が理不尽にキレてくるが、コイツの短気さだけで全く理解出来ない。短気な人間は腐るほど見てきたが、ここまで短気な奴は居なかったし。
「やめなさい。ここで殴ったら平田君の時のように両親に請求されるわよ」
「っ!くそがぁ!」
ここで黒髪の女子が須藤を止めるが正解だ。怪我次第では保護者に仕掛けるつもりだった。
「生憎お前にやるポイントはないな。寧ろお前は俺に感謝するべきだろう。形はどうであれ退学回避に力を貸したんだから」
そう言ってからDクラスの教室に背を向けようとした時だった。
「待ちなさい」
呼び止められる。先程須藤を止めた女子だが、上から目線感が強い声だ。
「何だ?忙しいから手短に済ませろ」
「何故貴方のような人間性に問題がある人間が生徒会に入れるのかしら?」
「その人間性に問題がある生徒より下のクラスの奴に言われたくないな。まあ実際堀北のカスには落とされたけど、革新的な南雲に入れて貰っただけだ」
「そう。つまり実力で入ったわけじゃない訳ね」
「面白いな。その言い方だと南雲に実力がないみたいだな」
個人のスペックなら俺の方が上だが、リーダーとしての手腕は高いだろう。
「少なくとも有名でない時点で底が知れてるわ」
「お前の情報不足に問題があるんじゃねぇの?普通は知ってるはずだが……おい櫛田、この女の名前は?」
「え?あ、うん。彼女は堀北鈴音さんだよ」
「堀北……ああ、なるほどなるほど。大好きなお兄ちゃんをカス呼ばわりされて、出来損ないのお前は怒っちゃったのか。悪い悪い」
そう返すと堀北は睨んでくるが、その程度で怯むと思ったか?こちとら中学時代から借金の踏み倒しをしようとする馬鹿や他校の不良相手と戦って場数が違う。
「悪かったな。今後お前の前では大好きなお兄ちゃんを馬鹿にしないから許せ」
「……不愉快ね。こんな屑がリーダーなんてCクラスの底も知れるわ」
「その屑の下のクラスの人間に見下される筋合いはないな。確かに鳳橋は屑だが、それでもリーダーとしての実力は確かだ」
「そうだ!鳳橋は屑だけど、俺達の成長を高めてくれる実力者だ!」
「そうよ。鳳橋君は屑だけど、貴方より数段上の存在よ」
堀北の言葉に神崎、渡辺、安藤が反論するが、俺からしたら屑は褒め言葉だ。
「まあそんな訳だ。三下のお前は分を弁えろ。俺と対等の会話をする権利を持つのはクラスを纏められる人間だ」
俺はこれ見よがしに恵と櫛田を見ると堀北は苛立ちに満ちた眼差しを向けてくるので中指を立ててから眼鏡女子を見る。
「話を戻すがぶつかってデジカメを壊した詫びだ。5万あれば好きな物を選べるだろう」
「え……で、でもそれは悪いよ……」
「端金だ。それに足りなくなったら適当な雑魚を潰して搾取するだけだ……さて、そこの出涸らしが呼び止めたから時間を食ったが、視聴覚室に行くぞ」
「待ちなさい!」
背後から出涸らしが呼び止めるが気にしないで教室を出る。
「随分と辛辣だな」
「普通に会話したつもりだ。それに俺は成績や運動能力が高いだけで偉そうな奴が嫌いなんだよ」
そういうのに限って雑魚なんだよな。ハッキリ言ってフィジカルが最低レベルの坂柳の方が強敵だろう。
言いながら視聴覚室に入り、出欠を確認しようとすると……
(ん?一之瀬が居ないのか?)
勉強会の常連の一之瀬が居ないのは珍しい。別に強制ではないから文句を言わないが、頼むからトラブルに巻き込まれたりしてんなよ?
そう思いながらも俺は出欠を取り始めるのだった。
同時刻……
「あのっ!私、帆波ちゃんの事が好きなのっ!だから私と付き合って!」
校舎裏で白波千尋は一之瀬に告白していた。入学してからずっと一之瀬を好いていたが、今日初めて告白したのだ。
しかし……
「ごめんね千尋ちゃん。私は今、誰とも付き合う気はないの」
一之瀬は白波の告白に断りを入れた。最初は誰かに彼氏のフリをして貰おうか考えたが、龍園みたいに他クラスの危険人物からしたら隙を晒しているかもしれないので与えないようにハッキリと断った。
「っ!……誰かと付き合ってるとかじゃないの?!」
「今は誰とも付き合ってないよ」
「た、だったらお試しに付き合おうよ!いいでしょ?!」
「ごめん。私は最初に付き合うなら相手は自分の意思で決めたいの」
一之瀬は諭すように白波にそう告げる。
「っ!」
しかし白波は納得いかないとばかりに一之瀬に背を向けて走り去っていく。目尻に微かに見えたのは涙だろう。
そんな白波を見て一之瀬は若干申し訳ない気持ちになり、明日から少しずつ白波をフォローしていこうと決意をするのだった。
「ふふふっ、面白い光景を目に出来ましたね」
「何?一之瀬をこのネタで弄るの?」
「まさか。Cクラスの主力とCクラスのお荷物の身分違いのラブストーリーなんて素晴らしいじゃないですか。そんな素晴らしいラブストーリーを皆に知って貰うだけですよ」
「いや、動画を撒いたら坂柳もダメージを受けるでしょ?」
「ええ。動画は公開しないで、口で説明するだけにします。その後は一切干渉しません。それだけならダメージになりませんから」
「で、噂は広がって、白波に対する悪意が蔓延してもアンタは「白波が一之瀬に告白しているのを第三者に話した」だけだからダメージが入らない訳?アンタって狂夜と同じくらいSね」
「ありがとうございます」
「褒めてないからね?潮吹き坂柳?」
「その呼び方はやめてください!雌犬真澄さん!」
「アンタもそんな風に呼ぶんじゃないわよ!」
オリ主と真逆の考え方を持つ一之瀬、徹底的に貶めてから逆らえない奴隷にするのはアリか?
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アリだ。雌犬にしてやれ
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アリだけど程々に
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無しで